子育て家族がいきいき暮らせる街へ。 街全体で育児を応援する風土づくり/小平はぐくみプロジェクト 代表 橋本直子さん、副代表 宮井桂子さん
小平はぐくみプロジェクト
代表:橋本 直子 さん、副代表:宮井 桂子 さん
子育て家族がいきいき暮らせる街へ。
街全体で育児を応援する風土づくり
市民活動が盛んといわれる小平市。なかでも産前産後のママのための活動をしている「小平はぐくみプロジェクト(こだはぐ)」は、多くの子育てファミリーの支えになっているという。そこで今回は、自身も小平市に越してきて、子育てを経験している代表の橋本さんと副代長の宮井さんに「こだはぐ」活動内容や小平市の子育て環境についてお話を伺った。
「小平はぐくみプロジェクト(こだはぐ)」はどのようなきっかけで誕生したのでしょうか。
橋本:私は2001(平成13)年から「子育てネットサークル らいおんキッズ」を主宰し、インターネット上で気軽にお友だちづくりや子育てに関する情報交換ができるホームページ等を立ち上げました。小平市には大手企業があり、市外から転勤してくる方も多く、「これから小平市に引越をしするのですが、幼稚園や病院の情報教えてください」という問い合わせもたくさんありました。頼れる親や親戚が近くにいなくて、慣れない土地で孤独な子育てに悩み、情報を求める方々のために、何か支援ができないかと考え始めました。
その後、子育てがひと段落したので、「小平市」と「NPO法人Mystyle@」が主催されていた「コミュニティビジネス起業講座」を受講しました。そこで産前産後支援の事業プランを発表したところ、この講座を受講していた副代表の宮井さんと西山さんが趣旨に賛同してくれて、実際に活動をはじめることになりました。
「こだはぐ」の活動について教えてください。
2015(平成27)年2月開催の
「わらべうたベビーマッサージ講座」の様子
橋本:「講座開催事業」と「子育て広場事業」、「子育て応援カード事業」という3つの柱で活動しています。2014(平成26)年度は産前産後ママ向けの骨盤調整ヨガやフットセルフケア、トークイベントやベビーマッサージなどの講座を全5回実施しました。2015(平成27)年度は子育て広場事業として、4月から「鈴木公民館(小平市鈴木町)」を拠点に「こだはぐカフェ」をはじめ、次回で9回目になります。
宮井:昨年までの講座開催事業はインターネットで申し込みを受け付ける形だったのですが、もっと気軽にふらっと来られる場を作りたくて、子育て広場としての「こだはぐカフェ」をはじめました。
「こだはぐカフェ」ではどのようなことを行っているのでしょうか。
こだはぐカフェ@鈴木公民館の様子
宮井:午前10時から午後3時まで「鈴木公民館」の調理室を借りて、いつ来てもいいし、お弁当を食べてもいいよという形で開いています。基本的にお母さんたちには自由におしゃべりしてもらっていますが、その中の1、2時間を使って、毎回、お楽しみ企画も用意しています。毎回20組ぐらいの方が遊びに来てくださって、にぎわっていますよ♪
宮井:近くの方が多いですが、会場が小平市の東側にあるので西東京市から来る方もいますし、小平の西側にお住まいの方もバスを乗り継いで来てくださっています。
こだはぐカフェ@鈴木公民館の様子
橋本:お子さんは、床に敷いたコルクマットの上で、おもちゃで遊び、お母さんは、それを見守りながら、おしゃべりをしたり、お茶を飲んだりと、自由に過ごしていただいています。参加された方からは「みんなでお茶ができて、ご飯を食べたりできるのがうれしい。とてもリフレッシュできます。」という感想をいただいています。
子どもたちが夢中になるNゲージ(鉄道模型)
宮井:レストランなどは赤ちゃんが小さいとなかなか行けないですしね。みんなで輪になって座って、楽しそうにおしゃべりしながらお昼を食べていらっしゃいます。
前回から鉄道模型を広場で管理することになり、子どもたちが動かして遊べるようになったので、電車好きのお子さんはずっと遊んでいましたね。帰り際に泣いてしまうほどでした。
「こだはぐカフェ」のお楽しみ企画ではどんなことをやっているのでしょうか。
「こだはぐ手作りマーケット」の様子
宮井:こだはぐの事業目的のひとつに「母親の再チャレンジを応援する」ことがあり、チャレンジ講師を公募して、お楽しみ企画の講師をお願いしています。
お楽しみ企画「ホットケーキ
ミックスを使った簡単
ヘルシーマフィン作り」の一幕
橋本:これまでに、おもちゃ作りやママのカルシウム不足を補うふりかけ&おにぎり作り、香りのお守りサシェ作り、ヘルシーマフィン作りなどを開催しました。2015(平成27)年の7月7日は手作りマーケットを開催しました。お母さんたちの手作り作品がところ狭しと並んで、100人以上の方にご来場いただきました。
「子育て応援券」とはどのようなものでしょうか。
橋本:「子育てしやすい街づくり」「コミュニケーションがうまれる街づくり」「子育て支援の温かいネットワーク作り」を目指して、2015(平成27)6月末に5,000枚を発行しました。応援カードを協力団体・店舗に掲示すると、サービス特典が受けられます。現在、約50の協力団体・店舗様に特典をご提供いただいていて、なかには、商品10%引き、ジュース無料、ポイント2倍、ヘッドマッサージ10分無料などのサービスがあります。詳細は、こだはぐホームページで検索することができるので、ぜひご覧ください♪
宮井:2014(平成26)年度は3歳までのお子さんのいる家庭に配布しました。2015(平成27)年度は小学校入学前までのお子さんがいる家庭までに対象を拡大しています。小平市内の公立保育園全園で配布してもらったり、児童館など子どもが多く利用する公共施設にも置いてもらっています。子連れですとどうしても一度に用事が済むような大型店に行くことが多くなりがちですが、これをきっかけに商店街にも行ってもらって、お店の方とのコミュニケーションを通じて、お母さんも商店街も元気になってくれればいいなと思っています。
これから、「こだはぐ」で新たに取り組みたいことはありますか。
橋本:来年度は父親向けの講座と、おじいちゃんおばあちゃん向けの孫育て講座も開催したいと考えています。
宮井:核家族が増えて、子育て事情も変わってきているので、お父さん、おじいちゃん、おばあちゃんが子育てにどう関われるか、具体的に学べたらいいなと思っています。お父さん同士のつながりもできたら理想ですね。
小平市の子育て環境の魅力はどのようなところだと思いますか?
お楽しみ企画
「香りのお守りサシェ作り」の様子
宮井:小平市は公民館や児童館が多く、そこで行われているサークルや講座も多いですね。車に乗らない方も、近くの公民館や児童館に行きやすい、居場所が見つけやすいところがいいと思います。
橋本:公民館で、保育つき講座が多いのも小平市の特色ですね。
宮井:登録は必要ですが、講座やサークルの間、6ヵ月以上のお子さんを別室の保育室で預かってくれます。しかも無料なのです。私たちのカフェでも、お楽しみ企画の時間に保育をつけてもらう日があります。
橋本:緑が多くて、空気もきれいで。小平市内を一周する遊歩道の「グリーンロード」があって、散歩するにもいいところだと思います。
宮井:それでいて新宿まで約20分と、都心にも出やすく便利です。
最後に、これから小平市に住む方にメッセージをお願いします。
宮井:地域のみんなで子育てしてくれるというあたたかい環境があって、子育てしやすい街ですよ。ぜひ一緒に小平市で子育てを楽しみましょう。
橋本:引っ越してきたばかりで、知り合いがいないと閉じこもりがちになってしまいますが、小平市には温かいネットワークがあって、一歩外に出ればつながりが広がっていきます。「こだはぐカフェ」にもぜひいらしてくださいね♪
今回、話を聞いた人
小平はぐくみプロジェクト
代表 橋本 直子 さん(左)
副代表 宮井 桂子 さん(右)
※2015(平成27)年7月実施の取材にもとづいた内容です。 記載している情報については、今後変わる場合がございます。
子育て家族がいきいき暮らせる街へ。 街全体で育児を応援する風土づくり/小平はぐくみプロジェクト 代表 橋本直子さん、副代表 宮井桂子さん
http://kodahug.com/