初音丘幼稚園 園長 渡邉真一さん インタビュー

0~12歳の教育・保育の総合施設として、地域の子どもたちの成長を見守る/初音丘幼稚園 園長 渡邉真一さん

周辺にのどかな田園風景が広がっていた頃からこの地で子どもたちの教育を行っていた学校法人初音丘学園。一人ひとりの子どもたちが恵まれた環境の中で、健やかな心身の発達を育めるようにと願い、全職員と保護者が一丸となって、子どもたちの教育を行っている。今回はそんな学校法人初音丘学園の理事長で、「初音丘幼稚園」の園長でもある渡邉真一さんに、幼稚園の概要や独自の教育方針、地域や保護者との関わりについて、お話を伺った。

園長の渡邉真一さん
園長の渡邉真一さん

うぐいすの鳴く、自然豊かな環境で育む

――幼稚園の沿革と概要について教えてください

渡邉園長先生:「初音丘幼稚園」は創設から63年目の幼稚園です。開園当時は幼稚園の西側と南側は田んぼ、東側には牧場があり、牛がたくさんおりました。北側は緑の山でした。当初は15名ほどでスタートしましたが、現在では、周辺には閑静な住宅街が広がり、地域の環境は大きく変わりました。

環境が変わる中で、ひとつだけ変わらないのは、「うぐいすの声がある地域」ということです。この一帯は江戸時代から「うぐいす谷」という名称で呼ばれていました。そして今でも、うぐいすが鳴いています。うぐいすというのは、初鳴きを「初音」と言いまして、そのため、この場所は、初音ケ丘という地名になったそうです。

預かり保育をやっている幼稚園は、きちんと、学童保育も受け入れながら、地域の子育ての支援をしていくべきだと思っております。当園では、そういうことを先駆けてやってきましたし、これからは間違いなくそういう時代になっていくと思います。親の便宜ばかりを考えて保育所の新設を進めるだけではなく、これからはむしろ、学童保育に力を入れる時代だと思っています。

そういった考えから、現在は3、4、5歳を中心として、0歳から2歳、そして小学校の1年生から6年生までの子どもたち、さらには幼稚園の預かり保育、2歳児の親子を対象にしたプレスクールなど、幅広い取り組みを行っています。こういったさまざまな取り組みをとおして、0歳から小学校6年生まで、この地域の、12年間の子育てを支援していきたいと考えております。

また、兄弟園の「スカイハイツ幼稚園」では、「お母さん保育士」の養成も行っています。年間15回の講座を行い、その講座を受講したお母さんたちが、最後に幼稚園で教育実習をして、横浜市が運営する「すくすくスクール」などで活躍されています。

幼稚園の外観
幼稚園の外観

常に先進的な取り組みを行い、時代をリードする

――独自に行なっている取り組みについて教えてください

渡邉園長先生:独自の取り組みや、先進的な取り組みについては、形だけ真似されても意味がありませんので、あまりほかに出さないようにしているんですが、いろいろな独自の取り組みを行っています。

ひとつ例を出すと、たとえば、兄弟園の「ピッコリーノ」という認可施設は、80人定員なのに対して、43人しか入れていません。日本の保育所は窮屈すぎると思っています。行政は親の利便性ばかりを考えて、子どもの幸せを真剣に考えていないから、こういう状況になっているんです。特に3歳から5歳の子どもたちが、あの狭い園舎で生活するのは無理があり、十分に身体のエネルギーを発散させることができないんです。だからうちの保育所は、定員の半分しか入れないですし、幼稚園もその考え方を引き継いでいます。

言ってみればヨーロッパ型の住環境です。ゆったりとした住環境の中で、質の高い幼児教育を受けられるように、いろいろな取り組みを行っているところです。また、ご両親が仕事をされていても、通いやすいような環境づくりにも取り組んでいます。

広々としたホール
広々としたホール

――行事や体験学習など、特色ある取り組みについて教えてください

渡邉園長先生:「歩くこと」「走ること」は生活の基本ですので、園の中で補うことのできない教育的な刺激は、自分たちで外に行って獲得してきます。そのために、園外に出る機会も多いです。一番大きなものとしては、卒園を控えた年長児が、ランドマークタワーまで約7キロ半、水筒もお弁当も持たずに、自分たちの足で歩いて思い出を作ります。

このほか、体験学習についても、季節に関するもの、日本文化に関するもの、自然体験などいろいろと行っております。とにかく「身体をとおして学ぶ」ということを大事にしていますので、いろんな体験ができると思います。そしてその体験の結果が、小学校の生活につなげていけるように配慮しながら、実践をしています。

たとえば、野菜の栽培をする時、種を蒔いたり苗を植えたりして、世話をし、収穫をして、調理をして食べます。この学習の流れというのは、小学校1年生の生活科とまったく同じなんです。小学校に行けば、身体で学んだものを、文字に起こして学習の素材にしていくわけですが、幼稚園で経験することで、その接続もスムーズにいくと考えています。じつは私、「横浜国立大学」の附属小学校で生活科を教えて27年目になります。生活科を実際に教えている私から見ても、この流れは間違いありません。幼児期の体験は、確実に、小学校の生活科につながっていきます。

園庭には遊具も豊富
園庭には遊具も豊富

活発な異年齢交流

――「スカイハイツ幼稚園」「ピッコリーノ」「はつねっ子」など、系列施設との交流について教えてください

渡邉園長先生:保育所と幼稚園の交流は頻繁に行っています。保育所の2歳児が幼稚園に遊びに来たり、幼稚園の3歳児が保育所に遊びに行ったりということは頻繁にあります。幼稚園の預かり保育の子どもたちと、学童の子どもたちの交流もあります。

また、園の中でも、異年齢交流を日常的に行っています。特に4、5歳のクラスについては、4歳と5歳の混合クラスで全部組んでいます。せっかく異年齢の子どもたちが一緒に生活している環境ですから、ごく自然な流れで、異年齢交流をしたいと考えています。

ピッコリーノ
ピッコリーノ

――保護者との連携について教えてください

渡邉園長先生:保護者との連携については、とても良いと思います。親御さんの活動が非常に活発です。特に「おやじの会」の活動は盛んで、お父さんにとっても、幼稚園は敷居の高いところではない、積極的に園の活動に参加してほしいということで、「おやじの会」にはずっと力を入れています。

もちろん、お母さん方もいろいろと、サークル活動をやったり、クラス会をやったり、給食の試食会をやったりと活動されています。最近は半分くらいのお母さんが、短時間就労も含めて何らかの仕事を持っています。仕事を持っている親御さんも意識しながら、活動をできればと考えております。

私は、これからの幼稚園は、幼稚園自身が考え方を変えなくちゃいけないと思っています。世の中の幼稚園のほとんどは、依然として昭和の時代の考え方で、平成の時代の幼稚園になりきれていないんです。うちでは保護者との関係も、地域との関係も、どんどん変化して、時代に即したものにできるように心がけています。

園内の様子
園内の様子

園と地域が力を合わせて子どもを育てていけるように

――地域との関わりについて教えてください

渡邉園長先生:地域の自治会、行事、商店街、学校など、さまざまな面から、連携と交流を大事に考えています。ですので、地域の方が園に来てくれる機会も多いです。地域の皆さんともっと交流をできるように、私自身も、積極的に地域に入っていくようにしています。

子どもたちと園の交流も必要ですが、園が地域にどのくらい関わっていけるか、ということが大事だと思っています。最近は「子どもの声がうるさい」と、地域から苦情が来るというニュースも聞きます。あれは、地域との交流がなく、礼儀を逸しているからだと思うんです。地域を大事にして、しっかり交流をしていれば、地域の皆さんもわかってくれるはずです。

絵本ルーム
絵本ルーム

――最後に、この地域の魅力について教えてください

渡邉園長先生:保土ケ谷は「横浜のへそ」と言われる、地理的な中心でもあります。緑も多いですから、子どもにとってはすごく良い環境があると思います。園自体も、そういう環境を十分に取り込んでいる施設だと思っていますし、保護者の皆さんも、それを求めていただいていると思っています。

地域のつながりも残っている地域で、自治会の活動がしっかりしていますし、ほどよい近所づきあいの習慣も残っています。それだけに、昔からここに住んでいる住民と、新しい住民との融合がひとつの課題ともなっているわけですが、その役割を担っているのが幼稚園や小学校だと思っています。幼稚園で親同士が知り合い、地域に帰ってより良い交流が持てるように、そういった接点であれるように、いろいろと考えながら努力をしているところです。

「県立保土ケ谷公園」
「県立保土ケ谷公園」

初音丘幼稚園
初音丘幼稚園

学校法人初音丘学園

理事長・園長 渡邉真一さん

所在地:横浜市保土ケ谷区初音ケ丘42-2
TEL:045-331-3377
URL:http://hatsunegaoka.ed.jp/hatsunegaoka/
※この情報は2017(平成29)年7月時点のものです。

0~12歳の教育・保育の総合施設として、地域の子どもたちの成長を見守る/初音丘幼稚園 園長 渡邉真一さん
所在地:神奈川県横浜市保土ケ谷区初音ケ丘42-2 
電話番号:045-331-3377
保育時間:9:00~13:50(水曜日は11:20まで)
預かり保育時間:7:30~9:00(土曜日は15:30まで)、14:00~18:30(水曜日は11:30から)
休園日:日曜日、祝日、年末年始(12/29~1/3)
http://hatsunegaoka.ed.jp/hatsunegaoka/