千葉ポートパーク管理事務所 所長 武山冨士雄さんインタビュー

四季を通じて広がるコミュニティ「千葉ポートパーク」の取り組みとは/千葉ポートパーク管理事務所 所長 武山冨士雄さん


「千葉市役所」や「千葉県立美術館」など、多くの行政機関や文化施設が集まる千葉みなと地区。その地域のランドーマークと言えば、千葉県の人口500万人突破を記念して建てられた「千葉ポートタワー」。そしてそのふもとに広がる広大な公園が、今回ご紹介する「千葉ポートパーク」である。

もともと、タワーはポートパークの敷地の中に建てられ、ほぼ同時にオープンしたが、現在はそれぞれ民間に運営が委任され、タワーとパークは別運営となっている。公園部分の管理を千葉県から委任されているのは、県内を中心に多くの公園やレジャー施設を管理している「株式会社塚原緑地研究所」。今回はこちらに所属し、千葉ポートパーク管理事務所の所長として活躍されている武山冨士雄さんにポートパークの取り組みやエリアの魅力についてお話を伺った。

年間10万人から20万人が利用している
大規模公園です

「千葉ポートパーク」
「千葉ポートパーク」

「千葉ポートパーク」が開園したのは今から30年ほど前の1986(昭和61)年。当時進められていた都市計画の湾岸開発がきっかけで造られました。当時は、この辺りには住宅はほとんどなくて、ビルが点々とあるような場所だったようです。

その後、マンションなどの開発によって住民が増えてきたと同時に、公園の利用者数も増えてきました。今では年間10万人から20万人近くの方が利用している、千葉市内でも比較的規模の大きな公園です。千葉県の港湾事務所が管轄している公園の中では、最大の公園と言えます。面積は30ヘクタールあり、そのほとんどは緑地ですね。

子どもから大人まで自然を楽しめる公園です

円形芝生広場の野外ステージ
円形芝生広場の野外ステージ

「千葉ポートパーク」の魅力は、管理棟やステージなどの建物以外、何もないことです。ほかの都市公園にあるような、滑り台やブランコといった無機質な遊具もありません。すべてが土と植物、一部は水を使っていますが、自然のもので遊ぶ公園となっています。

主な場所としては、まず、入り口を入って左手側に「円形芝生広場」という大きな芝生の広場があります。ここは子どもたちに一番人気の場所ですね。ステージもあるので、いろいろなイベントも行われます。その向かいには「遊々(ゆうゆう)広場」という、同じく芝生の広場があります。

11月の「千葉湊大漁まつり」などはこの円形芝生広場を中心に開催していますし、サッカーやヨガ、ジョギング、犬の愛好家のイベントなどにもよく使われています。メーデーの日にもたくさんの人が来られますね。

ウォータープラザ
ウォータープラザ

広場以外では、「ビーチプラザ」という人工の海浜があり、フライボードやウインドサーフィンを楽しむ方々もいます。

そのほかには、池で水遊びができる「ウォータープラザ」や、バーベキューができる「アウトドア広場」、休憩所、レストラン、ジョギングコースなどがありまして、子どもから大人まで、気軽に海に親しんでもらえる公園だと思います。

「千葉ポートパーク」園内
「千葉ポートパーク」園内

また、季節で変化する公園の景色もまた、魅力の一つです。春はサンシュユやスイセン、梅、桜がとてもきれいですね。特に梅はお正月には例年咲いていて、千葉市内でも一番早い開花だと思います。春先は新緑がきれいです。芽吹くところから、人間のパワー、動き始める感覚というのが非常に感じられるかと思います。初夏はタイサンボクとバラが非常にきれいです。秋になるとどんぐりもありますし、11月後半以降にはイチョウ並木の紅葉もきれいです。自然を楽しめる方々にとっては、四季それぞれにいろいろな植物を楽しめる、いい公園だと思いますよ。

四季折々の楽しみ方があります

春、ゴールデンウィークの頃からは、海岸を楽しむというシーズンで、海に入る方が増えますね。9月末まで楽しむことができるので、潮風、波、砂、そういった自然と戯れる時間が楽しめるかと思います。

BBQを楽しむ人々
BBQを楽しむ人々

夏には、炎天下で疲れた時にも、ちょっと公園側に入れば木陰がたくさんあり、涼しい風に当たることができるので、水遊びの後にちょっと涼んで帰られる、という方も多いですね。その木陰を使って、2015(平成27)年はバーベキューがとても賑わいました。「食材セットメニュー」をはじめ、椅子やテーブルもレンタルすることができるので、手ぶらでも楽しんでいただけます。海を見ながら、静かな樹の下でバーベキューを楽しめる場所としても、たくさんの方が利用されていますね。

秋になりますと、夏の名残といいますか、少し物悲しくも落ち着いた感じの海が楽しめますし、11月には公園の北のシーガル広場の辺りから、ダイヤモンド富士も見ることができるんです。11月の下旬に、2日間見ることができますよ。冬場は渡り鳥が見どころで、水鳥が多いのですが、多い時には500羽、1000羽と港の中に入ってきますので、そこも見応えがあります。カメラを持った方がたくさんお見えになりますね。

豊富な体験プログラムがあります

「みどりの学校」での作品展示
「みどりの学校」での作品展示

体験プログラムとしては主に3つ、「花咲かせ隊」、「朝テニ倶楽部」、「みどりの学校」があります。それぞれ園芸趣味、スポーツ、文化のカテゴリに分けられます。

まず、「花咲かせ隊」については、園内にバラ園が二つありますので、そこでバラを育てる活動をしています。参加されているのは、市内を中心に、「バラに魅せられた人たち」ですね。園芸店をなさっている方に講師をお願いしており、1年を通して、バラの管理をボランティアの形でしていただいているのですが、だいたい月に1回の活動で、剪定、芽かき、肥料をやる作業などをしています。草取りや水やりなど日々の管理については、私たちもお手伝いしています。

「朝テニ倶楽部」を楽しむ人々
「朝テニ倶楽部」を楽しむ人々

「朝テニ倶楽部」は、平日7時~9時までの早朝テニスを中心に、初心者から上級者まで、幅広いレベルの人がレッスンを行い、定期的にトーナメントもしています。メンバーは50人以上という人気の倶楽部です。「健康で楽しい生活の元手になるような運動をする」という目的で日々取り組んでいます。いろんな方がいらっしゃいますので、それぞれ、来られる日に、レベルに分かれて行っています。

「みどりの学校」の様子
「みどりの学校」の様子

「みどりの学校」については、小学生以上を対象に、月に1回ぐらいのペースで開催している自然教室でして、名前の通り、この公園の緑に関係することを勉強しています。季節に応じて、鳥獣虫魚、いろいろなテーマを毎回設けていますので、植物学校というよりは環境学校というイメージですね。

例えば、人工海浜の緑地化の話題、きのこの話題や、間伐材を使ったきのこの栽培、野鳥の観察会、森林セラピー、ビーチコーミング、間伐材を使ったスモーク(燻製)作りなど、自然環境に関わることを幅広く行っています。「環境からつながる衣食住」として、人間が人間として生きていくためのテーマを学んでいただければと考えています。

市民を中心としたお祭りも開催しています

「千葉みなとマリンフェスタ」の様子
「千葉みなとマリンフェスタ」の様子

「千葉みなとマリンフェスタ」は7月の海の日のイベントでして、2015(平成27)年で3回目を迎えました。公園と浜辺を会場に行われるもので、フライボード、サーフヨガ、カヌー、ウインドサーフィン教室など、海を使った体験イベントも開催し、陸では竹とんぼなどの昔の遊びの体験もできます。その他にも、ウォータープラザでラジコンの船を使って観艦式をやったり、コスプレの撮影会があったり、ステージでアイドルのライブがあったりと、体験できる内容が盛りだくさんのお祭りです。パークからは貝細工と、押し花のしおり作りのブースを出店しました。

作品づくりに取り組む所長の武山さん
作品づくりに取り組む所長の武山さん

もともとこれは「自然と癒やし」というテーマのお祭りですが、年々参加する方が増えており、回数を重ねるごとに、賑やかになってきましたね。行政主導のお祭りではあるのですが、市民を中心とした親しみやすいお祭りになっているのかな、と思います。若い人でも楽しめるお祭りですね。

「千葉大漁まつり」様子
「千葉大漁まつり」様子

11月に開催される「千葉大漁まつり」は年間を通してもっとも大きなお祭りで、円形芝生広場にも150店ぐらいの出店があります。水産物、農産物を中心にした店が多いですね。駐車場も閉鎖して行われますので、たくさんの方がいらっしゃいます。例年6万人から8万人ほどの人出です。

このほかにも、タワーの主催にはなりますが、公園のロータリー前の広場を使って毎月1回、フリーマーケットが開催されています。雑貨や不要品を売る方も入れば、食べ物や、農産物、水産物を売られる方もいらっしゃいますね。毎月第3日曜日に行っていますので、こちらもお越しいただければと思います。

「千葉みなと」は老若男女問わず
愛される街です

園内をランニングする男女
園内をランニングする男女

「千葉みなと」という街は、「住む」ということについては、とにかくどこに行くにも便利な場所ですし、設備も整っています。交通の便も良く、治安も良い。グルメからショッピングまで個性豊かなお店も近くにたくさんあります。住むにはとても便利な場所ですね。

埋め立て地ということで地震を気にする方も多いですが、これまでの震災でも、特に大きな被害はなかったので、地震に対しても強い地域かと思います。水害などもあまり聞いたことはないです。

子育てという面では、この公園も小さな子どもたちから、中学生くらいまでたくさんの子どもたちが利用していますし、学校も近くにたくさんあります。高校も大学も揃っているので、何時間もかけて都心に行かなくても、充実した教育を受けられるかと思います。

「千葉ポートパーク」
「千葉ポートパーク」

生涯学習ということについても、パークの体験プログラムをはじめとして、近くの施設でいろいろな学習や体験の機会がありますし、この公園は高齢者の方のお散歩コースにもすごく良いところですから、お年を召した人が散歩の合間に、ベンチでゆっくりしているという姿もよく目にします。赤ちゃんから高齢者の方まで、どなたでも安全に快適に過ごしてもらえる、暮らしやすい地域だと思いますね。

千葉ポートパーク
千葉ポートパーク

千葉ポートパーク管理事務所
所長 武山冨士雄さん

住所:千葉市中央区中央港1丁目
TEL:043-247-6049(管理事務所)
管理事務所 開所時間:9:00~19:00
URL:http://chiba-portpark.com/
※この情報は2015(平成27)年9月時点のものです。

四季を通じて広がるコミュニティ「千葉ポートパーク」の取り組みとは/千葉ポートパーク管理事務所 所長 武山冨士雄さん
所在地:千葉県千葉市中央区中央港1 
電話番号:043-247-6049(管理事務所)
https://chiba-portpark.com/