校長 會津真子先生インタビュー

地域ぐるみで取り組むスポーツ活動で子どもたちが生き生きと育つ/船橋市立大穴北小学校

梨園や畑が広がり自然たっぷりの大穴地区は、地域のスポーツへの取り組みが学校にも浸透し、地域ぐるみの体力づくり・スポーツ習慣が育つ場所。先生も地域も一緒になって、温かい気持ちで子どもたちを育てています。 そんな大穴北小学校の會津校長先生に、子どもたちのこと、学校のこと、地域のことを伺ってきました。

會津校長先生
會津校長先生

――まずは大穴北小学校の沿革や概要を教えてください。

會津校長先生:本校は1977(昭和52)年4月1日、教職員42名、学級数28学級、児童数827名で開校しました。 2019(令和元)年度は1年生4クラス106名、2年生4クラス112名、3年生4クラス109名、4年生3クラス115名、5年生3クラス111名、6年生3クラス141名、合計694名の児童が在籍しています。 「よく学び、心豊かでやりぬく子」を教育目標に掲げ、41名の教職員が一丸となって日々の教育活動を行なっています。

大穴北小学校の校門
大穴北小学校の校門

子どもたちの元気な声が響きわたる校舎
子どもたちの元気な声が響きわたる校舎

――大穴北小学校の特徴的な取り組みがあればご紹介ください。

會津校長先生:20年前に体育の研究指定校になったことをきっかけに、その後もずっと体育や体を動かす活動に力を入れています。そのおかげか、市の陸上大会や相撲大会などでもよい成績をおさめることが多いようです。 日頃の活動としては、4年生以上の子どもが自由に参加できる「朝運動クラブ」があり、毎日7時20分頃から始業まで多くの児童が校庭で体を動かしています。そして7時55分から5分間、全校生徒が参加できる「ランランタイム」というランニングタイムがあり、子どもたちは登校すると教室にランドセルを置いて、毎朝体を動かしてから1日が始まるリズムができています。そのせいか、すっきりと安定した気持ちで授業を受けられていると思います。 今は塾や習い事に通ったり、ゲームなどで体を動かさない子どもが増えていると言われるなか、本校の子どもたちは放課後には公園や広場で思いきり運動して遊んでいるようです。これも長年の取り組みの成果だと自負しています。

朝の「ランランタイム」で生き生きと始まる子どもたちの1日
朝の「ランランタイム」で生き生きと始まる子どもたちの1日

――周辺地域と連携して取り組んでいる活動はありますか?

會津校長先生:大穴地区には「大穴スポーツクラブ」という組織があり、小学校の放課後のクラブ活動を地域のスポーツ団体がサポートする仕組みがあります。 これもちょうど20年ほど前に大穴地区が当時の文部省から「スポーツ活動推進地域の指定事業」の指定を受け、学校と地域社会の連携しスポーツ施設の効率的な活用と運営の研究を開始したことに端を発しているようです。当時、指導者不足から部活動が廃止になるなどの問題が起こり、国としても危機感が高まった時期でもありました。 その大穴スポーツクラブの活動は今でも盛んで、小学生が参加できるものとしてはバレーボール、ミニバスケット、サッカー、フェンシング、ソフトボール、剣道などの部会があります。活動場所は大穴北小学校や大穴小学校、その他のスポーツ施設で行われ、その部会に参加すれば毎日のように練習ができます。指導は各地域の団体の指導者や外部コーチによって行われていますので、かなり本格的な活動になっています。中学生になると部活動に入部する子も増えますが、部活にない種目などはそのままスポーツクラブに残る子もいて、実に地域との絆が強い活動だと思います。

様々なスポーツ活動ができる広い校庭
様々なスポーツ活動ができる広い校庭

――地域のお祭りなども盛んだとお聞きしました。

會津校長先生:そうなんです。「大穴地区こどもフェスティバル」は、自治会や学校の枠を超えて地域の力を結集して行われるお祭りです。大穴ジュニアスポーツクラブの体験教室やトランポリンや輪投げなどのゲーム、ドッジボール大会などもあり毎年多くの子どもたちが参加しています。 敬老会には1年生、大穴ふれあいまつりは4年生、福祉まつりは2年生という風に希望者を募って、それぞれ地域のお祭りの出し物に参加します。演目は運動会や授業内で行ったものを少しアレンジして、普段の活動を地域に発信し、地域の方々に子どもたちが頑張る姿を見ていただいています。 この他にも大穴夏祭りや地域運動会などがあり、地域と子どもたちの交流は日常的に盛んに行われています。

日頃から盛んに行われている地域の方々との交流活動
日頃から盛んに行われている地域の方々との交流活動

――「おやじの会」など、協力体制も整っていますね。

會津校長先生:「おやじの会」は本校と大穴小学校、大穴中学校の保護者の皆さんが3校合同で活動していらっしゃる団体で、メンバーは現役PTAのお父さんたちから、卒業生、OB、元保護者まで多様です。運動会の会場整備やパトロール、地域のお祭りや運動会への模擬店など多くの行事でお世話になっていますが、特に力をいれていただいているのが、サマーキャンプだと思います。 全校生徒から希望者を募り、学校の体育館で夏休みのお泊まり会を開いています。その中では流しそうめんをしてくださったり、ゲームをしたり大変多くの子どもたちが楽しい夏の思い出を作りました。 これ以外にも冬には親子餅つき大会があり、毎年多くの参加者が集まって大盛況だそうです。

サマーキャンプで流しそうめんを楽しむ子どもたち
サマーキャンプで流しそうめんを楽しむ子どもたち

――学校前の大きな農園は授業でも利用されているのでしょうか?

會津校長先生:太陽農園は地域の農家の方が長らく学校に無料で貸し出してくださっているもので、学年ごとに農作物を植えて、育てたり観察したり、収穫までを行っています。主に生活・理科の授業で使用するので、朝顔からじゃがいもやサツマイモ、ヘチマやキウイなど多種多様な植物を育てています。簡易の畑や植木鉢ではなく、子どもたちは広い敷地のなか自然な環境で植物が育つ姿を見られるので、本当に恵まれた環境だと思いますね。 6年生が光合成を学ぶためにじゃがいもを植えていて、本来葉っぱだけを観察すればいいのですが、せっかく場所もあるので5畝ほど植えて収穫もすることにしました。夏休みに収穫した時は、40名ほどの子どもたちが集合して芋掘りをしました。山のようにじゃがいもを抱えて帰ったようですよ。

積極的に活動する季節行事
積極的に活動する季節行事

――幼稚園・保育園・中学校との連携はありますか?

會津校長先生:年に1回、近隣の幼稚園の子どもたちを学校に招待して「学校ってこんなところ」「授業はこんな風だよ」という学校生活を紹介する取り組みをしています。小1プロブレムが最小限になるよう、1年生の子どもたちの授業を見学してもらったり、学校案内も行っています。 小中の連携でいうと、中学生が夏休みに行われるサマースクールに来て、小学生に算数・国語を教える取り組みもあります。また職業体験では中学生が先生の仕事を体験することもあります。ミニ教育実習のような雰囲気で、その時は6人ほどが授業のお手伝いをしてくれました。 教職員同士の連携を深めるために、大穴中学校とは年1〜2回、合同勉強会を開いています。小学校での授業の進度を報告したり、生徒指導面でも小中の連携が取れているのはメリットがあります。ちょっとしたことを聞き合える教職員同士の交流があるといいですよね。

近隣の幼稚園の子ども向けに学校案内も行われる
近隣の幼稚園の子ども向けに学校案内も行われる

――船橋市では放課後の子どもたちの居場所「放課後ルーム」も設置していますね。

會津校長:放課後ルームは、保護者が働いていたり介護などで放課後子どもだけになってしまうご家庭のために、遊びと生活の場を提供しているものです。地区によっては待機児童がいるところもありますが、大穴北では待機児童ゼロで、6年生まで入所できます。 本校は教室数に余裕がありますので、1階を放課後ルームに開放しています。入所している子どもたちは、学校が終わると直接1階に行き、おやつを食べたり宿題をしたり、みんなで遊びながら親御さんのお迎えを待ちます。19時までお預かりしていますので、働いていらっしゃる保護者の方々も安心だと思います。

― 船橋市の小中学校は学校給食がかなり充実しているとか。

會津校長:はい。船橋市は学校給食に力を入れていて、全国の学校から視察が多く訪れるほどです。全校に管理栄養士が配置され、メニューも地産地消を意識して栄養士が創意工夫して考えます。小松菜や人参などの地元の野菜はもちろん、魚のスズキなど船橋で水揚げされた魚などがメニューに並ぶこともあります。給食センターではなく、すべての学校で調理する自校給食を実施しているので、子どもたちは熱々で美味しい給食を毎日食べていますよ。 そのせいか学校全体の残食率もかなり低く、育ち盛りの子どもたちにとってはとてもよい食環境だと思います。

――先生が日頃心がけていらっしゃること、今後取り組んでいきたいことなどはありますか?

會津校長先生:子どもたちが自立して、自信を持って世の中に出て行かれるよう、教職員たちが長い目で子どもたちに携わることが大事だと思っています。さまざまな家庭環境、さまざまな個性の子どもたちを育てているわけですから、今だけを見て指導しようとせず、長い目で見られるよう職員同士で心がけています。 悩んだり落ち込んでいる子どもたちにも、「大丈夫よ」「まだ少ししか生きていないよ」と伝えてあげたい。人生100年時代ですからね。まだスタートを切ったばかりですから。私はこの4月に赴任してきましたが、前の校長先生もまったく違ったタイプの先生だったようですし、子どもたちも保護者の方々も6年間で色々なタイプの先生と接すると思います。世の中にはさまざまなタイプの人がいて、社会に出たらそれは選べません。その人たちと一緒に育ち過ごすことで、時には思い通りにならなかったり、挫折を味わうこともあるかもしれません。でもそういう環境から学ぶことが多いのも事実。前向きにとらえて、今後の糧にしてもらいたいと思います。

篠原勝之さんの作品
篠原勝之さんの作品

数々の受賞歴を誇る大穴北小学校
数々の受賞歴を誇る大穴北小学校

―― 最後にこの地域の魅力について教えてください。

會津校長先生:この地域は畑もあり、果樹園もあり、公園も広場もたくさんあります。自然がたっぷりで子どもも遊ばせやすいですし、子育てはしやすい環境だと思いますよ。高い建物も少ないので、冬は富士山や筑波山が見えます。 地域の方々も非常に温かく、子どもを心から可愛がってくださる方ばかり。地域で子どもを育てようという気持ちも強いので、安心して子育てを楽しむことができる地域だと思います。

緑に囲まれて環境に恵まれた大穴北小学校
緑に囲まれて環境に恵まれた大穴北小学校

大穴北小学校の校歌
大穴北小学校の校歌

校長先生
校長先生

船橋市立 大穴北小学校
會津真子校長先生

所在地:千葉県船橋市大穴北1-7-1
電話番号:047-457-6103
URL: https://www.city.funabashi.lg.jp/gakkou/0001/ooanan-e/
※この情報は2019(令和元)年10月時点のものです。

地域ぐるみで取り組むスポーツ活動で子どもたちが生き生きと育つ/船橋市立大穴北小学校
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