子どもたちの「やってみたい」という気持ちを 重視した、自然いっぱいの遊び場づくり/芹ヶ谷公園・冒険遊び場プレーリーダー 岡本恵子さん
プレーリーダー 岡本恵子さん
子どもたちの「やってみたい」という気持ちを
重視した、自然いっぱいの遊び場づくり
小田急線・JR横浜線「町田」駅より徒歩約13分の場所にある「芹ヶ谷公園」は、豊かな緑と水にあふれる公園。そんな「芹ヶ谷公園」内の常設エリアとして、2014(平成26)年9月末に「せりがや冒険遊び場」がオープンしました。
冒険遊び場とは、子どもたちが自然の中で、火を使う、木に登る、秘密基地を作るなど、自分の責任で自由に遊び、冒険・挑戦・そして体験を通し、成長していく場です。そうした自由な遊び場の提供のほか、運営側では子育てに関するイベントなども開催。子どもから大人まで楽しめる場を目指して活動しています。今回はそのイベントの様子を見学させて頂き、プレーリーダーの岡本さんと、イベント参加者のみなさんに町田エリアでの子育て事情や住みやすさをうかがってみました。
まずは、「せりがや冒険遊び場」の運営をしている「NPO法人子ども広場あそべこどもたち」のスタッフであり、プレーリーダーとして現場を見ている岡本恵子さんにオープンまでの経緯やイベント内容、今後の展開についてお話しいただきました。
まずは冒険遊び場の発足の経緯について教えてください。
私たちの団体は、2014(平成26)年3月までは同じ町田市の成瀬にある「三ツ又冒険遊び場たぬき山」で、冒険遊び場活動を行なってきました。夏は、木枠にブルーシートを敷いて水遊びをしたり、竹の水鉄砲を作って遊んだり、冬は天然酵母パン講座を行ったり、参加者の方からの要望でヨガをやったりと、さまざまなイベントを実施しました。
冒険遊び場を作るキッカケとなったのは、町田市には子どもセンターがなかったこともあって、親子で遊ぶことができる拠点を作りたいという思いからです。地域に「子どもたちを自然の中でのびのびと遊ばせることができる冒険遊び場を作りませんか」と働きかけました。最初の「たぬき山」での活動を含めると、すでに15年くらい活動しています。自治体が私たちの活動を応援してくれることもあって、生活道路としても利用されているだけでなく、自然も豊かなこの「芹ヶ谷公園」に冒険遊び場を作ることになりました。
冒険遊び場とはどんなことが出来るところなのでしょうか。
冒険遊び場は、子どもたちが自然の中で自由に遊び、子どもたちにとっての“冒険”はもちろん、挑戦や体験を通して成長していく場にしたいと考えています。子どもにとっては“冒険”という自己責任も必要となりますが、もちろん、現場には「NPO法人子ども広場あそべこどもたち」のプレーリーダーが常駐して、子どもたちの様子を見守り、時には子どもたちの“冒険”を後押しするようにしています。
オープニングイベント時の様子
平日だったら60人から70人、多い時で100人くらい、そして土日の週末は200人から300人くらいの人が、この遊び場に訪れます。多目的広場からも看板が見えるので、多目的広場に来たついでに遊んでいくファミリーもいらっしゃいます。そういった遊びに加えて、毎月第1水曜日には乳幼児と保護者を対象に季節の遊びをしたり、ゲストを招いて親子で楽しめる「子育てカフェ」を実施したり、さまざまなテーマでモノづくりをする「手作り工房」、さらには「思春期講座」など、多彩なイベントを行っています。
冒険遊び場でのイベントですと、基本的に屋外での実施になると思いますが、1年を通してイベントは実施されているのですか?
オープニングイベント時の様子
はい。季節を問わずイベントは開催しています。基本、イベントは雨天中止なのですが、子どもたちはちょっとくらいの雨は全く気にならない様子で、雪でも元気。寒がっているのは、スタッフの方だったりして(笑)。また、子どもたちは大人が気づかないような虫に気づいたり、“子どもたち独自の目線”を持っていて、大人にとってもいろいろな発見の場となっていると思います。
今はまだ、子どもたちが自然いっぱいの環境の中に入ると、どう遊んでいいのかわからないため、遊具を使わないと遊べない状況ですが、「冒険遊び場」を通じて自分で遊びを考えたり、自分がやりたいことに挑戦する行動力などを身に付けていってもらいたいですね。また、火が使用できる環境を整えて、子どもたちに火を使った工作や火起こしなどの体験も提供していきたいと思っています。
「たぬき山」ではやっていた「ワイワイごはんの日」もまたやりたいですね。“火によって人が集まる”ということを、子どもたちが体験的に感じてもらえるようなイベントも、将来的には実施していきたいと考えています。
続いて、今回の「子育てカフェ・わらべうた」に参加された方々から、イベントの感想や街の魅力について語っていただきました。
自然の中で遊べる場所が近所にある一方で、
横浜や新宿などへのアクセスの良さも魅力。(Oさん)
「芹ヶ谷公園」にはよく子どもを連れて来るので、何回か「冒険遊び場」には来たことがあって、プレーリーダーの方が、子どもにノコギリの使い方や釘の打ち方などの遊び方自体を教えてくれました。イベント自体には今回初めて参加しました。「冒険遊び場」の受付に置いてあった「子育てカフェ」のチラシを見たのがキッカケ。
以前から「たぬき山」に冒険広場があるのは知っていたのですが、私たちが住んでいるところからはちょっと行きにくい場所でした。その点、「芹ヶ谷公園」なら、3歳の子どもでも歩きやすい遊歩道があるので、気軽に来ることができます。子どもと2人だけで参加しても、同じくらいの子育てママが参加しているので、私も一緒に楽しむことができます。子どもがちょうどいろいろなことに興味を持ち始めた時期でもあるので、こういった経験ができる場所が近くにあるっていいですね。「町田」駅周辺は、この「芹ヶ谷公園」をはじめ、自然環境も豊かなのに、小田急線と横浜線が通っているから横浜駅や新宿駅に出やすい便利さも魅力だと思います。
緑豊かな環境で、安心して子どもを
遊ばせることができるイベントでした。(Kさん)
4月に町田市に引っ越してきました。最初に感じたのは、「たぬき山」や「かしの木山自然公園」など、自然がたくさん残っていて、子育てする上でも住みやすい環境だということです。整備された児童公園などもたくさんありますが、子どもともっと自然の中で遊びたいと思い、インターネットで調べてみたところ、「NPO法人子ども広場あそべこどもたち」の「子育てカフェ」を見つけたのです。いろいろなイベントを実施されているようなので、これからも機会があれば参加したいですね。
人がたくさんいるので子どもは楽しそうだし、
私自身も自然の中でリフレッシュできました。(Hさん)
子どもが生まれてから町田市南大谷に引っ越してきました。日頃、家では子どもと二人っきりですし、知らない土地でまだ友だちもあまりいないこともあって、一緒に子育てについて話せるママ友がいないのが悩みでした。子どもは人のいるところが好きみたいなので、どこに連れて行っていいのか考えていたのですが、まだ歩けない年齢ですから公園にも行けません。また、児童館は小学生も土日は来て混雑するので、小さい子を自由に遊ばせるにはちょっと心配。そんな時、「町田市立保育園」のお部屋開放があって、そこでこのイベントのチラシを見つけ、今回参加してみることにしたんです。参加してみたら、私自身もリフレッシュできたし、子どもも嬉しそうだし、これからもこういうイベントに参加したいと思いました。
環境を活かした子育ての場づくり!
都会と自然をどちらも楽しめる街。(Sさん)
1歳の子と小学生・中学生の子どもがおりまして、「たぬき山」の時代からこのNPOに参加しています。10年ほどになるでしょうか。もともとは子育てママのサークルとして「たぬきっこ」というグループ活動をしていたのですが、子育て支援活動の一環として月に1回のペースで、“カフェ”というスタイルのイベントを開催したり、保育士の方を招いての連続的な講座などを実施するようになったのが子育てカフェの始まりです。
「冒険遊び場」は、子どもたちが屋外でのびのびと遊び、自然の中で泥だらけになりながらいろいろな体験ができる場所です。児童館などと違って、きちっとしたテーマは設けず緩い感じで、自由に遊んでもらいたいと考えています。イベントは、参加者の方たちと一緒に新しいイベントを作っていきたいですね。
今回、話を聞いた人芹ヶ谷公園・冒険遊び場
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子どもたちの「やってみたい」という気持ちを 重視した、自然いっぱいの遊び場づくり/芹ヶ谷公園・冒険遊び場プレーリーダー 岡本恵子さん
開園日:水曜日~日曜日
開園時間:10:00~16:30(10月~2月)、
10:00~17:30(3月から9月)
※平日・祝日に関係なく、上記が開園日となります。
https://www.facebook.com/serigayaboukenn..