昭和飛行機工業株式会社 リアルエステート事業部 スポーツ・レジャー施設部 土井夏子さん、賃貸施設1部 星野くるみさんインタビュー

「昭島」駅前に広がる夢と森に包まれる/昭島・昭和の森(東京都)


JR青梅線「昭島」駅の北口側を出た一帯には、「昭島・昭和の森」と名づけられた広大なエリアが広がっている。駅前にあるショッピングセンター群の「モリタウン」、そこから北に伸びるイチョウ並木。並木道の左右には、テニスコート、スイミングスクール、BBQガーデンもあり、並木道を抜けた先にはオークラ系列のホテル「フォレスト・イン昭和館」が建っている。

これらの施設はすべて、昭和40年代以降、このエリアにあった「昭和飛行機工業」という会社によって開発されたものだ。さらに、2009(平成21)年からは「昭和の森第2期開発」が動き始め、2015(平成27)年には「モリパーク アウトドアヴィレッジ」も誕生し、日本最大規模のアウトドアブランド専門ショッピングモールとして話題を振りまいている。

地元の人々のみならず、関東一円から多くの人々を惹きつけている「昭島・昭和の森」。今回はその見どころとおすすめの利用法について、「昭和飛行機工業リアルエステート事業部」の社員お二人に話を聞いた。

「昭和飛行機工業リアルエステート事業部」の土井さんと星野さん
「昭和飛行機工業リアルエステート事業部」の土井さんと星野さん

――まずは、「昭和飛行機工業」の会社概略と、「リアルエステート事業部」の事業内容について教えてください

土井さん:もともとは、戦前に航空機製造会社として設立された「昭和飛行機工業」が始まりでして、「昭和飛行機工業」では戦後まで、国内で使われていた輸送機「DC-3」などを製造したわけですが、戦後、工場を米軍に接収されて、航空機事業に着手できなくなってしまいました。

戦後はしばらく米軍の航空機や車両修理に従事していましたが、その後、タンクローリーや給油車を造りはじめ、その後はさらに航空機製造の技術を使って「ハニカム」という航空機や人工衛星に使われる素材の製造も手掛けるようになり、現在に至っています。

その一方で、昭和40年代後半、米軍から接収されていた昭島工場構内の飛行場と自然林が「昭和飛行機工業」に返還されましたので、そこにまず、「昭和の森ゴルフコース」をオープンいたしました。私達のリアルエステート事業部はこのゴルフ場の経営からスタートし、広大な土地を活用した様々な不動産事業を手掛けるようになりました。

昭和飛行機工業の沿革
昭和飛行機工業の沿革

星野さん:現在の「昭和飛行機工業」は、輸送機器と不動産系の2つの柱で経営しているわけですが、輸送機器については、ガソリンスタンド配送用のタンクローリーや、航空機への給油用車を中心に製造を手掛けております。

また、「ハニカム」については、今でも航空機の機体の構造に使われていますし、人工衛星の部品にも使われています。とても軽量で頑丈な素材でして、これが「昭和飛行機工業」の代表的な製品です。これらに加えて、不動産の運用を行っているということになります。

――返還された敷地を「昭島・昭和の森」として開発したわけですね。もともと、「昭島・昭和の森」の開発にはどのようなコンセプトがあったのでしょうか?

土井さん:「昭島・昭和の森」を作るコンセプトとしては、「人と自然、地域のふれあいを目指した“緑のまち”づくり」という言葉を掲げていまして、地域社会に貢献できるように、ということに主眼を置いています。これは当初も今も変わりません。

星野さん:「昭島・昭和の森」は約40万坪という広大な敷地になりまして、この地図で点線に囲まれた、色が付いた部分になりますが(図-1)、緑を生かしながら、ショッピングセンター、リゾートホテル、スポーツ施設といった「暮らしを豊かにするコンテンツ」をギュッとまとめたような場所を作ろう、ということでスタートしました。

図1:広大な「昭島・昭和の森」の敷地
図1:広大な「昭島・昭和の森」の敷地

そういった中で、まず、駅前には地元密着型のショッピングセンターである「モリタウン」が1984(昭和59)年にオープンし、北側社有地にはオークラ系列のホテル「フォレスト・イン 昭和館」が1998(平成10)年にオープンしました。近年では、2015(平成27)年に「モリパーク アウトドアヴィレッジ」がオープンしました。

これらの施設以外の周辺の敷地についても、企業様を誘致して多くの方に働いていただき、街を活性化させていく、という取り組みをしていまして、市民の皆さまに身近なお店としては、ホームセンターの「カインズ」や「ケーズデンキ」も「昭島・昭和の森」の中に含まれています。

――今後もまだまだ開発が進むのですか?

土井さん:そうですね、全部で東京ドーム28個分の土地があるので、まだ開発を行っていない敷地も若干残っていますので、今後もさらに開発がされていく予定です。最近できたものでは、「モリパーク アウトドアヴィレッジ」の隣のラグビー場は、2019(令和2)年に完成して、テナント様のチームのホームグラウンドになっています。

――「昭島・昭和の森」の施設の、季節ごとのおすすめの楽しみ方を教えてください。

星野さん:まずおすすめなのは、「昭島・昭和の森」の真ん中を通っているイチョウ並木です。並木道の左右にテニスコートがあるんですが、このうち室内テニス場の部分は、かつての飛行機の格納庫を、インドアコートとして使っています。

この並木道が、秋は本当に綺麗なんです。歩行者専用遊歩道として、「日本最長のイチョウ並木」と言っているんですが、歩行者専用で、車も通らない場所ですから、並木道の真ん中をずっと安全に歩いていけますし、写真もきれいに撮れるので、とてもおすすめです。

414mのイチョウ並木
414mのイチョウ並木

あと、「モリタウン」についても、歴史も古い施設なので、何度かリニューアル工事を行ってきたんですけれども、本館がちょうど昨年、リニューアル工事を終えたばかりでして、かなりきれいになったということで、お客様にも喜んでいただいています。

ショッピングセンター「モリタウン」
ショッピングセンター「モリタウン」

土井さん:ホテル「フォレスト・イン 昭和館」も是非、地元の方にご活用いただきたいですね。こちらはオークラ系のホテルですので、上質な空間とサービスを楽しんでいただけると思います。

緑豊かな環境を活かした庭園内のチャペルや婚礼、宿泊、宴会等の各種サービスを提供しています。

10階にある「ラウンジダコタ」からの眺望はお勧めで、ここは高さ制限が設けられている地区なので、「フォレスト・イン昭和館」がいちばん高い建物で、周りに高い建物が無いんです。なので、北の森の緑がすぐ目の前に広がるように見えて、自然の広大さを感じることが出来ます。中でも新緑の季節と、紅葉の季節が特におすすめです。

「フォレスト・イン昭和館」10階の「ラウンジ ダコタ」から見渡せる「北の森」
「フォレスト・イン昭和館」10階の「ラウンジ ダコタ」から見渡せる「北の森」

――昨年は「北の森」に彫刻園がオープンしたそうですね

土井さん:そうなんです。「武藤順九彫刻園」が2019(令和元)年6月にオープンいたしまして、これは、世界的に有名な彫刻家である、武藤順九先生の作品のマスターピースを9点、2分の1サイズで設置している屋外彫刻園なんですが、どなたでも無料で見ていただけます。「北の森」へのお散歩がてら見ていただければと思います。

――ここ数年は2015(平成27)年に開業した「モリパーク アウトドアヴィレッジ」が特に人気で、いろいろなメディアもにぎわせていますね。こちらの特徴について教えてください。

星野さん:「モリパーク アウトドアヴィレッジ」については、今年の3月でちょうど5周年を迎えることができましたが、「モリタウン」が近隣の方を見込んでいるのに対して、こちらはかなり遠方からのお客様を見込んで作った施設になります。実際に車のナンバープレートなどを見ても、かなり遠くから来られているお客様が多いです。

モール内にはアウトドアブランドの直営店や、セレクトショップが入っているわけですが、開発の時には、「クオリティ・オブ・ライフ」をテーマに開発を進めてきました。これまで、「昭島・昭和の森」全体が「衣食住がすべてが整うまち」の整備を進めてきまして、それがだいぶ完成してきましたので、そこにプラスして、「遊び」の部分というか、「新しい趣味を作ろうとしたときに、そのきっかけになる場所」を生むことで、もっと暮らしが豊かになる街づくりを目指して作られた施設になります。

近年話題を集める「モリパーク アウトドアヴィレッジ」
近年話題を集める「モリパーク アウトドアヴィレッジ」

――そもそもなぜ、アウトドア専門のモールにしたのでしょうか?

星野さん:「昭島・昭和の森」はアウトドアが盛んな奥多摩と都心の中心に位置する立地であり、また開発コンセプトとして緑、自然を大切にする開発方針であったことから、本格的に開発が始まりました。

ただ、「やるからには日本にほかに無い施設にしよう」ということで、気合は入っていまして、まず、国際基準のクライミングウォールを計画しまして、その他カヌー体験のできる池、トレイルレーンなど施設計画を見て、テナントさんも「あ、昭和飛行機工業もかなり力を入れている商業施設なんだ」と感じてくださって、出店してくださった、という経緯もあります。かなり強烈に差別化をした施設ですので、かなり遠方からもご利用いただけるような施設になっています。

――数々のスポーツ施設もありますが、この中で、市民の方が気軽に使える施設と特徴を教えてください。

土井さん:「昭和の森テニスセンター」には、全天候型のアウトコートが22面、インドアコートが9面あり、これは「有明テニスの森」に次いで、都内で2番目の規模ということです。

年間を通して、全国大会を始め様々な大会が開催されているコートですが、もちろん日常の利用もできますし、テニススクールもありますので、たくさんの方々にご利用いただいております。

日本でも有数の規模を誇る「昭和の森テニスセンター」
日本でも有数の規模を誇る「昭和の森テニスセンター」

また、「昭和の森ゴルフコース」についても、フラットなコースになっていますので、女性やシニアの方でも利用しやすいコースで、「昭島」駅からシャトルバスを利用できるので、自家用車をご利用でない方やお酒を飲んでから帰りたいという方など、幅広い方々から好評をいただいています。

また、ゴルフコースに併設された「昭和の森ゴルフ・ドライビング・レンジ」は400ヤードの対面式というタイプなんですが、これは、東京都内で最大級の規模だそうです。コンペの朝など、ここで練習されてからコースに出られる方が多いそうです。

――ファミリー層におすすめのエリアやサービス、イベント等があれば教えてください。

星野さん:いま特にファミリーの方に人気なのは、「モリパーク アウトドアヴィレッジ」の中にある「PLAY クライミングジム&ヨガスタジオ」ですね。キッズ向けのスクールもあるんですが、いつも満員だそうです。あと、ヨガ教室も人気ですね。お子さんがクライミングのレッスンに通っている間に、お母さんがヨガをやったり、カフェで過ごしたり、という感じで利用される方も多いです。

星野さん:イベントについては、「モリタウン」でも「モリパーク アウトドアヴィレッジ」でも、年間を通していろいろなイベントをやっていまして、その中にはファミリーで参加できるものも多いです。何かを作るワークショップなども、頻繁に開催されています。

あと、冬には「昭島・昭和の森」エリア全体でイルミネーションをやっていまして、こちらもたくさんのファミリーの方に見に来ていただいています。「モリタウン」、「モリパーク アウトドアヴィレッジ」、「フォレスト・イン昭和館」で、それぞれコンセプトを変えつつ、同じテーマに沿った装飾をしています。

国際競技規準に則ったクライミングウォール
国際競技規準に則ったクライミングウォール

――エリア内のバリアフリー状況についてはいかがですか?

星野さん:バリアフリーに関しては、特にファミリー向けということではないですけれども、「どんな方にも過ごしやすいように」という趣旨で、エリア全体をバリアフリー化しています。もともと階段もほとんど無い地区ですし、駐車場も基本的に平面が多いですから、ベビーカーの方でも移動しやすいと思います。

――地域の方との交流や、地域との共催イベントなどがあれば教えてください。

土井さん:これは本当にいろいろあるんですが、父の日に開催されている「おやじの日ライブ」や、母の日の「母の日ライブ」、敬老の日の「マスターズライブ」などは、昭島市在住・在勤の方限定でステージに立てるというイベントなので、かなり、地域密着のイベントになっていると思います。

あと、12月に「昭和の森 冬祭り」という、「昭和飛行機工業」が主催で、農協さんと連携してやっているイベントがありまして、ガーデンステージ前(Movix横)で、昭島の地元野菜を使った“けんちん汁”を無料でお配りしています。これも皆さん、毎年楽しみにしておられるイベントですね。

地域でのイベントもたくさん開催している
地域でのイベントもたくさん開催している

星野さん:昭島市が主催するものも含めると、「郷土芸能まつり」が大きなものになります。イチョウ並木に昭島市内の各町会の山車が出て、踊りや太鼓の披露もあって、毎年4万人以上訪れる大きなイベントで、初夏の風物詩になっています。こちらには、「昭和飛行機工業」が協賛という形で関わっています。

もうひとつ、昭島市が主催、「昭和飛行機工業」が協賛という形で、昨年から駅伝大会を開催しまして、「昭島・昭和の森」一帯を何周も走って、42キロを走り切るという感じなんですが、地域の方をはじめ、近隣の企業の方などにも参加していただいて、想像以上に沢山の方で盛り上がりましたので、今後も恒例にしていければいいな、と思っています。

――「昭和飛行機工業」にとって、昭島とは何ですか?

星野さん:これはなかなか難しい質問ですね…。私達が言えるのは、「昭島・昭和の森」の開発コンセプトである、「人と自然、地域のふれあいを目指した”緑のまち”」を実現していきたい、この自然を生かしながら、今後も、持続性のある街づくりをしていきたいと思っています。

土井さん:今後は、せっかくこれだけいろんな施設が揃っているので、様々な施設をご利用頂き、一日中楽しめる様なわくわく感を感じていただける仕掛けづくりをしていきたいと思っています。

――これから昭島で暮らしたいという方々に向けて、昭島市の魅力をご紹介ください。

土井さん:四季を感じていただけるような木々や緑が多い街ですから、都心にいながらも、季節を感じながら生活を楽しめるところだと思います。あと、昭島は地下水を飲み水にしているので、お水がとっても美味しいです。

教育環境に関しても、この辺りには有名な医療機器や音響機器メーカー、航空機事業関連の企業などがあって、そういった企業様が小学生向けに環境学習教室など、様々な教室を開いてくださっているので、そういった点も魅力だと思います。

また、ゴルフ場やテニス、クライミング等様々なアクティビティスポットが点在しています。「モリパーク アウトドアヴィレッジ」では、近年話題のスピードクライミング競技の世界のトップクラスの選手による大会も開催し、注目を集めました。

スピードクライミング大会
スピードクライミング大会

星野さん:今回あまりご紹介できなかったんですけれども、お買い物もすっごく便利です。「モリタウン」や「モリパーク アウトドアヴィレッジ」だけじゃなくて、ホームセンターの「カインズ」や「ケーズデンキ」などもありますので、「昭島・昭和の森」に来ていただければ、基本的な生活用品はすべて揃うと思います。

あと、子育て環境については、「北の森」近くに幼保一体型の認定こども園もありますし、最近では「昭島」駅前には子会社が運営している保育園もできましたので、小さなお子さんをお持ちの方にも、安心して暮らしていただける環境が整っていると思います。とっても暮らしやすい街ですので、ぜひ、「昭島・昭和の森」がある昭島にいらしていただければと思います。

昭和飛行機工業株式会社 リアルエステート事業部
昭和飛行機工業株式会社 リアルエステート事業部

昭和飛行機工業株式会社 リアルエステート事業部

スポーツ・レジャー施設部 土井夏子さん
賃貸施設1部 星野くるみさん
http://akishima-showa-no-mori.jp/
※この情報は2020(令和2)年7月時点のものです。

「昭島」駅前に広がる夢と森に包まれる/昭島・昭和の森(東京都)
所在地:東京都昭島市田中町568-1 昭島昭和第2ビル4F
電話番号:042-543-9517
https://www.showa-aircraft.co.jp/