スペシャルインタビュー

サポーターと協力し、地域ぐるみで子育てを応援する「横浜市荏田地域ケアプラザ」/サブコーディネーター 野中真弓さん


親子の交流広場や育児教室を多数開催するなど、子育て支援の取り組みを充実させている横浜市青葉区。同区東部の荏田町で、親子が安心して過ごせるフリースペースを提供しているのが、地域福祉の拠点となっている「横浜市荏田地域ケアプラザ」だ。穏やかな住宅街の一角にある施設を訪ね、スタッフの野中さんにケアプラザが行っている子育て支援について伺った。

子どもと保護者が思い思いに過ごせる場

横浜市荏田地域ケアプラザの外観
横浜市荏田地域ケアプラザの外観

――ケアプラザでは地域福祉の要としてさまざまな事業を展開していますが、その中でも「子育て支援」に関する取り組みをご紹介ください。

野中さん:自主事業として行っているのが、子育てフリースペース「えだぴよ」です。2階の多目的ホールを開放していて、お子さんと保護者が自由に会場を出入りして、おもちゃで遊んだり、交流していただけます。また、青葉区主催の「子育て相談会場」にも、場所を提供するかたちで子育て支援事業に協力しています。そのほか、自由に閲覧・持ち帰りができるよう、地域の子育て関連情報の提供を行っています。

周辺の子育て情報がたくさん。掲示物などもある
周辺の子育て情報がたくさん。掲示物などもある

――青葉区ではほかにも、子育て支援拠点「ラフール」などたくさんの子育て支援の取り組みが行われています。ケアプラザならではの特徴はありますか?

野中さん:利用者さんによると、ここはほかの子育て支援会場に比べてすごく広いそうです。1歳半より上のちょっと大きなお子さんでも、走り回って動きやすいスペースになっています。それと、お昼を食べられるところは少ないですが、「えだぴよ」は12時になるとマットを敷いて子ども用のテーブルを置き、みんなでお昼ご飯を食べられるようにしています。お昼になると、子どもたちはテーブルを拭いたり、お手伝いもしてくれます。食が細いお子さんや離乳食がなかなか食べられないお子さんも、ここで刺激を受けて食べられるようになったというお声をよく聞いています。

広々とした2階多目的ホール(えだぴよ)
広々とした2階多目的ホール(えだぴよ)

――「子育て相談会場」の開催頻度や利用状況について教えてください。

野中さん:「子育て相談会場」は毎週水曜日10時から12時まで、多目的ホールを会場に、未就学児とそのご家族を対象に開いています。予約不要で、お子さんをおもちゃで遊ばせながら、何か相談したいことがあれば、青葉区から派遣された子育て支援者さんと自由にお話することができます。
相談は、「子どもに湿疹ができちゃってどうしよう」とか、「離乳食をあまり食べないけどどうしたらいいの」といった、子育てをしていればごく当たり前の内容が多くて、支援者さんに聞いたり、保護者同士で情報交換をされています。悩み相談というより、保護者同士で会話をしてストレス発散して帰られるという方も多いですね。

子育ての経験豊富な支援者さんが見守っている
子育ての経験豊富な支援者さんが見守っている

――「えだぴよ」についても、詳しくご紹介をお願いします。

野中さん:「えだぴよ」は、0~3歳の未就園児と保護者を対象に、毎月第4金曜日の10時半から15時まで開いています。「子育て相談会場」もそうですが、1日10~15組ぐらいのご利用があり、最近は乳幼児とその保護者の利用が多いです。住んでいる地域に関係なく、子育てしている方ならどなたでも歓迎なので、引越してからお友達と一緒に遊びに来るご家族もいます。お父さんやおばあちゃんも、たまにいらっしゃいます。

たくさんのおもちゃを自由につかって遊べる
たくさんのおもちゃを自由につかって遊べる

会場では、地域ぐるみの子育て支援ということで、子育て経験豊富な地域ボランティアのサポーターさんが数名協力してくださり、子どもたちを見守っています。お昼を挟んで長く時間をとっているので、お弁当を持ってきてずっと遊んでいかれる親子もいれば、いったん家に帰ってまた戻ってこられる親子もいます。すぐ隣に公園があるので、ちょっとぐずってしまったお子さんを公園で遊ばせてから戻ってくるという親御さんもいらっしゃいますね。 「えだぴよ」に集まる皆さんは気さくな方が多くて、ひとりでぽつんとしている方は見かけません。初めていらっしゃった保護者もお子さんもすぐお友達ができて、とても雰囲気がいい会だと思います。

ケアプラザ隣接の「かたらい宿公園」
ケアプラザ隣接の「かたらい宿公園」

――「えだぴよ」ではイベントもありますか?

野中さん:参加者を募集しての特別なイベントはやっていませんが、クリスマスにスタッフがサンタに扮して現れたり、ハロウィンにお化けやカボチャの折り紙をしたりといった不定期の催しはその年ごとにあります。昨年度から始めたのが、保護者の方々にコーヒーを楽しんでもらうという企画です。コーヒーを通して地域交流をしている団体の皆さんにきていただき、隣の調理室を使って会場を喫茶室のように演出して、スタッフが子どもたちを見ながら、お母さんたちにコーヒーを飲んでリフレッシュしてもらいました。1杯100円ですが、とても好評で、年に1回は開催していこうと予定しています。

1歳5カ月児のママAさんと10カ月児のママBさんにもお話を伺いました!

取材日に訪れていた方々にもお話を伺ってみました。

――「えだぴよ」の魅力はどのようなところですか?

Aさん:保育園に通っていないと、ふだん同じぐらいの月齢の子に会うことが全くないんですが、ここにくると大勢会えるので子ども同士の触れ合いができます。おもちゃがたくさんあって、小さな子でも安心して遊ばせられますし、ボランティアさんがとてもよくしてくれて、子どもも楽しんでいます。

Bさん:スタッフさんはもちろん、まわりのお母さん方があたたかく迎えてくれるので、気軽に来て気軽に帰れるのがうれしいです。お母さん方といろいろな話ができて、私のストレス発散にもなっています。

横浜市荏田地域ケアプラザ
横浜市荏田地域ケアプラザ

――江田の住み心地はいかがでしょうか?

Aさん:私は江田の生まれですが、地域性があって、みなさんやさしいです。見ず知らずの方でも、散歩をしていると気軽にあいさつしてくれて、すぐ仲良くなれるくらいです。ここへも、子どもがきっかけで知り合ったボランティアさんに誘われて来るようになりました。人と人との関わりがとても良い地域ですね。買い物にも便利ですし、子育てしやすいと思います。

Bさん:ゆったりしているところが気に入っています。川沿いを歩くのも気持ちがいいですし、お散歩しながらセンター北やたまプラーザに行ったりできます。自然が多く、それでいて必要なものは揃っている所です。

自然豊かで行動範囲が広がる街

再び野中さんにお話しを伺います。

――野中さんは江田にお住まいとのことですが、最後にケアプラザ周辺エリアの暮らしやすさや魅力について教えてください。

野中さん:ケアプラザのすぐ裏を早淵川が流れていますが、この川沿いの遊歩道は車が通らない上、草木が多く、子どもたちの興味をひくカモやコイ、カメといった小動物がたくさんいて、一緒にお散歩するのにすごく魅力的な場所です。公園もたくさんあって、お隣の「かたらい宿公園」だけでなく、近くに第一から第五まで大小さまざまな公園があります。こうした場所では、秘密基地を作ったり、木登りをしたり、昔ながらの遊びをしている子もよく見かけます。国道があるのに、一歩住宅街の中に入るとすごく静かで、タヌキも出るぐらい(笑)。横浜とは思えないほど緑が豊かなので、自然に興味を持ちやすく、心が豊かになれる地域だと思います。

早淵川沿いの遊歩道
早淵川沿いの遊歩道

それから、荏田町はいろいろな所へ出やすいエリアです。徒歩や自転車でセンター北やたまプラーザ、あざみ野や中川へも簡単に出られます。センター北、たまプラーザ、あざみ野方面は平らな道を行くので、自転車生活の私も快適です。子育てをしているご家族も、行動範囲が広がるすごく便利な場所だと思いますよ。

横浜市荏田地域ケアプラザ 野中真弓さん
横浜市荏田地域ケアプラザ 野中真弓さん

横浜市荏田地域ケアプラザ

サブコーディネーター 野中真弓さん
所在地 :横浜市青葉区荏田町494-7
電話番号:045-911-8001
開館時間:9:00~21:00(日曜・祝日などは~17:00)
休館日:第3日曜日、年末年始(12月29日~1月3日) ※デイサービスは年末年始以外全日対応
URL:http://www.yokohamashakyo.jp/eda/
※この情報は2017(平成29)年5月時点のものです。

サポーターと協力し、地域ぐるみで子育てを応援する「横浜市荏田地域ケアプラザ」/サブコーディネーター 野中真弓さん
所在地:神奈川県横浜市青葉区荏田町494-7 
電話番号:045-911-8001
開館時間:9:00~21:00(日曜・祝日9:00~17:00)
休館日:第3日曜日(デイサービスは対応)、12月29日~1月3日
http://www.yokohamashakyo.jp/eda/