印西市立原小学校 校長 小林すみ子先生 インタビュー

利便性とのどかな自然が共存した子育ての理想郷「印西市立原小学校」/印西市立原小学校 校長 小林すみ子先生

印西市・白井市・船橋市にまたがる大規模な千葉ニュータウン。その7割を占める印西市の牧の原地区にある「印西市立原小学校」は、子育てファミリー層の転入により開校から順調に児童数を増やしている。豊かな自然の風景を残しながら、住みやすく整備された住宅地と商業施設も兼ね備えた恵まれた環境で、児童たちは落ち着いた学校生活を送っているという。今回は校長の小林先生に、日頃の学校の様子やこの街の魅力についてお伺いした。

開かれた校舎でのびのびと成長する児童たち

印西市立原小学校の校舎の外観
印西市立原小学校の校舎の外観

――まずは学校の概要についてお聞かせください。

小林先生:本校は1996(平成8)年に市内で14番目の学校として新設され、今年で22年目を迎える比較的新しい学校です。開校当初は7クラス57名でしたが、この地区の開発に伴って転入者が増え、2017(平成29)年度は27クラス804名にまでなりました。学区は原一丁目~四丁目、東の原一丁目~四丁目、草深(そうふけ)の一部で、児童たちは皆元気に歩いて通っています。

「人間性豊かな、考え行動できる心身ともにたくましい児童の育成―自らの可能性に挑戦する活力ある原っ子―」という教育目標を掲げ、それを実現するために「めざす学校像」「めざす児童像」「めざす教師像」と、それぞれに具体的な目標を掲げ、日々の教育活動に力を入れています。

お話を伺った小林すみ子校長先生
お話を伺った小林すみ子校長先生

また、今年度は全校で「道徳」の研究をしており、2018(平成30)年度からは教科として組み込まれる「道徳」をより詳しく、力を入れて学んでいます。2018(平成30)年度11月には印旛地区教育委員会連盟からの依頼を受け、道徳の公開授業研究会も開催する予定です。

――教室はオープンスペースの形式になっているのですね。

小林先生:校舎は大きなスペースをパーテーションで各教室に分け、中央にフリースペースを設けた造りになっています。フリースペースに接している部分は壁がなく、隣の教室でどのような授業をしているのかお互いに分かる環境です。

オープンスペースの形式の教室
オープンスペースの形式の教室

こうした開かれた空間が日常になることで、児童たちは多少の音や話し声を気にせず、高い集中力を保って授業を受ける力をつけていっています。先生方も緊張感を持って授業に臨むことができ、同時に「閉鎖された教室」の中ではなく、公平でオープンな教育ができていると思います。

そのせいか、児童たちものびのびと明るく、クラス関係なく友達の輪も広がっています。若い先生が年長の先生に質問をする機会もよく見かけますし、先生方も授業の内容についてお互いに相談したり協力したり、といった関係を築きやすいようです。

行事を通して目標を持ち、協力し合って成長する児童たち

学年全員で協力して発表する「原っ子音楽祭」
学年全員で協力して発表する「原っ子音楽祭」

――特徴的な行事などはありますか?

小林先生:まず特徴的なのは11月に行われる「音楽祭」です。2016(平成28)年度から始まり今年で2回目を迎えた、学年ごとに歌と合奏等の2曲を披露する音楽発表会です。手話を使った歌を発表したり、リコーダーなどの楽器演奏をしたり、各学年で取り組む曲はさまざま。学年全員で同じ曲を一緒に歌い、演奏しますので、かなり迫力のある発表になっていると思います。

児童数が多いため、保護者の方々が体育館に入りきれなくなってしまいましたので、土曜日の本番は、2回に分けて発表を観ていただいています。本番とは別に、児童は金曜日のリハーサルの際に全学年の発表を鑑賞しています。

――マラソン大会や陸上部活動など、運動も盛んだそうですね。

小林先生:マラソン大会は毎年12月、「音楽祭」が終わった後に行われる行事です。1・2年生は1km、3・4年生は1,2km 、5・6年生は1,5kmのコースを走ります。まず校庭を何周か走り、西門から校外に出て学校の周囲を走って戻ってくるコースで、長さによって折り返す地点が違います。この周辺は歩道が広く整備されていて非常に走りやすく、コース内に道路を横断する場所が一つもなく安全なので、児童たちも集中して走れます。本番では、近隣の方々や保護者の方々がコースに立って児童たちの安全を見守ってくださるのも嬉しく思います。

街に声援が響くマラソン大会
街に声援が響くマラソン大会

大会前の約1ヶ月間は業間休み(2時間目と3時間目の間)の20分間を使って、ほぼ毎日、マラソン大会の練習をしています。学年ごとに校庭の周遊コースやロードコースを割り振って全校児童で走るので、走るのが苦手な児童も少しずつ苦手意識がなくなり、基礎体力もついてくるようです。

また、印西市が開催している駅伝大会にも参加していて、本校からは5~6年生の代表選手がエントリーして出場しています。今年度は男女2チームずつ参加し、2位(2チーム)・7位・8位という結果でした。

――長縄大会も行われているとか…行事が盛りだくさんで楽しそうですね。

小林先生:長縄大会は2月中旬にクラス対抗で行われる大会で、1クラスを2チームに分け、それぞれの回数を足してその数を競うというルールです。毎年校庭で全校児童が集まって行っていましたが、雨や風の影響を受けやすいので、今年は同じ環境を整えるため体育館で開催しようと考えています。全校児童が体育館で一斉に飛ぶのは難しいので、ペア学年である1年生と6年生など、2学年ごとに行う予定です。

行事が多い分、教職員たちの負担は決して少なくはありませんが、行事はめあてを設定しやすく、児童同士が協力しあって努力するよい機会になっています。努力が必ず結果につながるわけではありませんが、その過程は児童にとってプラスになる経験だと思っています。運動会では個人や組で、音楽会は学年で、マラソン大会は個人で、長縄大会はクラスで、それぞれ競い合い、切磋琢磨し合うので、その組み合わせの変化も楽しいようです。

異年齢の児童たちが交わり、刺激し合う環境づくり

――縦割りの活動も日常的に行われているようですね。

小林先生:本校では各学年が5人ずつ入る、1グループ約30人の縦割りのグループを全校で24グループつくり、月に1回、昼休みの30分間で一緒にたっぷり遊びます。リーダーである6年生が「どこで何をして遊ぶか」を考え、内容と場所、集合場所を書いた連絡票をつくり、図書室の前の「お知らせ掲示板」に張り出します。下級生の児童たちはそれを見て場所などを確認し、指定された場所に集まって6年生が考えた遊びをします。

1~6年生までの縦割りの活動も行われている
1~6年生までの縦割りの活動も行われている

春には、その縦割りのグループで全校遠足に行きます。駅の向こう側にある「牧の原公園」までペア学年で手をつないで、30分ほどかけて歩いていきます。現地では縦割りグループでお弁当を食べ、そのまま6年生が考えた遊びを広い芝生公園で思いっきり体を動かして遊びます。

全校生徒で「牧の原公園」に向かう全校遠足
全校生徒で「牧の原公園」に向かう全校遠足

今は兄弟がいない児童も多いので、学校で学年を超えて交流することで、下級生は憧れを持って年長の上級生を見る、上級生は慈しみの気持ちで下級生の面倒を見る。そうした関係は児童の成長過程に非常に重要だと考えていますので、縦割りの活動を大切にしています。

――「原小こどもHP」を始められたきっかけについて教えてください。

小林先生:「原小こどもHP」は4年前から始めたもので、情報教育の一環としてスタートしたと聞いています。現在は5・6年生の、21名からなる「ホームページ委員会」が毎日の出来事や季節の話などを記事にして掲載しています。児童たちがタブレットPCで作成した文章を、担当教職員が確認してからHPにアップするという流れです。

小学生が毎日何かしらの文章を作成し、掲載するというのはなかなか大変な作業だと思いますが、みんな楽しみながら担当してくれているようです。話の中身もなかなかしっかりしていて、私も毎日面白く読ませてもらっています。

――保護者の方々や地域の方々との関わりについて教えてください。

小林先生:本校ではPTA組織ではなく、1998(平成10)年度から「保護者と教職員の会」という名の組織が発足し現在に至ります。これは実質、他の学校のPTA組織と同じような活動をしており、学校周辺のパトロールや除草等の奉仕作業、ベルマークの回収などを担ってくださっています。保護者の方々はみなさん教育熱心で、学校の教育活動にも非常に協力的です。

保護者のみなさんが協力する除草作業
保護者のみなさんが協力する除草作業

小林先生:地域のボランティアの方々には月1~2回学校にいらしていただき、絵本や本の読み聞かせをしていただいています。また、2016(平成28)年度から民生委員の方や社会福祉協議会の方、老人会や元保護者の方々など、地域の方々から成る「原小学校を応援する会」という組織が発足しました。月1回の登校時の挨拶運動や下校時の地域パトロールなど、日頃からご協力いただいていますし、外部講師を探してくださるなど学校の教育活動にも協力してくださいます。保護者の方々もそうなのですが、学校や教育への関心が高い方が多く、何かあれば誰かがすぐに手助けしてくださる環境は非常に恵まれていると思います。

読み聞かせに地域の方も来てくれる
読み聞かせに地域の方も来てくれる

児童の街探検の授業やキャリア教育では、駅前の「BIG HOPショッピングセンター」や「ジョイフルホンダ」といったお店をはじめ、近隣の農園や公共施設にご協力いただき、貴重な体験をさせてもらっていてます。

――最後に、この地域の魅力について教えてください。

小林先生:駅前には大型商業施設やスーパーマーケットが建ち並び、少し歩けば田んぼや畑が広がるのどかな景色が見られます。駅前には「印西市役所 牧の原出張所」があり、図書館や公民館などの公共施設も充実していて、恐らく生活に必要な施設はほぼすべて徒歩圏内にあるのではないでしょうか。

住宅地は美しく整備され、歩道も広くてベビーカーを押しても余裕があります。公園も多く、休日には親子で仲良く遊ぶ姿もよく見かけます。便利さと街の美しさ、のどかな自然が一つの地域に共存する珍しい街で、非常に子育てがしやすい環境だと思います。その子育てのしやすさが子育てファミリー層の転入数に表れており、来年度はさらに児童が30~40名増加する見込みです。ニュータウンで、ほとんどの家庭がどこかの街から転入していますので、新しく引っ越して来た方も馴染みやすい雰囲気だと思います。

印西市立原小学校小林校長先生
印西市立原小学校小林校長先生

印西市立原小学校

校長 小林すみ子先生
所在地:千葉県印西市原3-5
電話番号:0476-45-8611
URL:http://inzai.ed.jp/hara-e/
※この情報は2018(平成30)年1月時点のものです。

利便性とのどかな自然が共存した子育ての理想郷「印西市立原小学校」/印西市立原小学校 校長 小林すみ子先生
所在地:千葉県印西市原3-5 
電話番号:0476-45-8611
http://inzai.ed.jp/hara-e/