施設長 藤江貴代さん、保育士 深井友紀乃さんインタビュー

独自の遊具や学習プログラムで子どもたちの心身を育む/あい・あい保育園 印西牧の原園(千葉県)


「印西牧の原」駅から徒歩3分。昨年4月に開設された「あい・あい保育園 印西牧の原園」は千葉県の認可保育所であり、首都圏や大阪府に79ある「あい・あい保育園」のひとつだ。施設長の藤江貴代さんと保育士の深井友紀乃さんに、施設の特色や千葉ニュータウンエリアについて伺った。

思考力を養う学習プログラムや園庭遊具が人気

「あい・あい保育園」オリジナルの園庭遊具
「あい・あい保育園」オリジナルの園庭遊具

――まず、園の概要について教えてください。

藤江さん: 昨年4月に開設された、千葉県の認可保育所です。定員は60名で、内訳は0才児6名、1才児10名、2・3・4・5才児が各11名となっています。現在は58名の園児がいて、5才児だけ空きがある状況です。通常保育は7時〜18時、短時間保育は8時半〜16時半です。子どもたちを「未来の力」、園を「もう一つの家」と位置付け、笑顔と元気が溢れた園の創造を目指しています。

学習室
学習室

――幅広い保育内容を展開されていますが、園児や保護者の反応はいかがですか?特に人気のプログラムがあれば教えてください。

深井さん: 3~5才の子を対象にした学習プログラム「IQ(いっきゅう)パズル」は、園児にも保護者にもすごく人気があります。内容は、映像を見たり積み木を使ったりして問題を解く、知的な遊びです。子どもたちは回を追うごとに夢中になって、自分からやりたがるようになります。一人で取り組むので、自分の力でできたという感覚が自信につながるんだと思います。一回30分くらいできれば十分なんですが、子どもたちのやる気がすごくて1時間くらいやったこともあります(笑)。「外遊び行く?」と聞いても、没頭していてやめないんです。小学生並みの集中力ですね。図形プレートや紐通しなど、いろんな種類があるから飽きないというのもあるかもしれません。

「IQパズル」の図形プレート
「IQパズル」の図形プレート

――英語のレッスンも取り入れているそうですね。

深井さん: はい。ベネッセさんの英語教室「BE studio」も人気があります。英語を身につけるというより、好きになってもらうことを大切にしていて、リトミックなどで0才児から英語に親しんでいます。レッスン日の木曜日になると、嬉しそうに「今日は英語の日だね」って言ってくる子もたくさんいます。いま私は2才児を担当しているんですが、英単語の意味を理解している子が多くて、walkとかstopとか言うとちゃんと通じるんです。レッスンは週に1回だけなのに、しっかりインプットされていてすごいなあと感心しています。

遊ぶだけで運動機能が身につく大型木製遊具「AINI」
遊ぶだけで運動機能が身につく大型木製遊具「AINI」

――園庭遊具「AINI(アイニー)」の、他の遊具との違い、子どもたちの反応を教えていただけますか?

深井さん: 遊ぶだけで自然と必要な運動機能が身につくオリジナルの遊具で、「あい・あい保育園」のシンボル的な存在です。端から端まで遊ぶと、基本的な運動機能をすべて使うよう設計されているんです。トンネル、階段、クライミングウォールなどが備わっていて、しゃがむ、立ち上がる、這う、よじ登る・・・と、いろんな動きが必要です。私たちも一緒に遊ぶことがあるんですが、大人でもけっこう疲れます(笑)。体力がつくのはもちろん、平均台や吊り橋ではバランス感覚や体幹も鍛えられます。子どもたちは吊り橋が好きなんですけど、公園の大型遊具でもあまりないんですよ。プラネタリウムやハンモックも楽しめますし、みんな「AINI」が大好きですね。ブランコや滑り台もあって、子どもたちが好きなものが全部詰まっていますから。そもそも「AINI」が理由で入園してくる子が多いんですよ。外から見つけて「あれで遊びたい!」と。

大きい「AINI」は園の外からもよく見える
大きい「AINI」は園の外からもよく見える

 

子どもたちの成長を間近に見られるのが喜び

――子どもたちと関わる上で大事にされていることがあれば、教えていただけますか。

深井さん: 子どもたちの発達段階に合わせて考えています。いま受け持っている2歳児は、いろんなことをやってみたい時期。自分で服を着替えてみたいとか、トイレもすわってやってみたいとか。その内容が本来は3才から取り組み始めるものであったとしても、その子の気持ちを尊重して、できるだけやらせてあげるようにしています。3~5才の幼児を受け持っていた昨年度は、「ありがとう」とか「ごめんなさい」といった言葉をきちんと言える子になってほしいと思って、保育に取り組んでいました。子どもたちは保育者を見本にするので、ちょっとしたことでも大げさに「ありがとう!」と言うようにしていました。そうやって接していると、「ありがとう」を言えるようになるだけじゃなくて、いろんなことに気づいて自発的に行動できるようになるんです。何も言わないのにトイレのスリッパを揃えてくれたり、お友だちが困っていると伝えると「どうしたの?」ってその子に聞いたり。思いがけない効果に驚きました。

子どもたちの日々の成長を見守る深井さん
子どもたちの日々の成長を見守る深井さん

――子どもたちと関わる中で嬉しいことは何ですか。

深井さん: 昨日できなかったことが、今日はできる。そういった子どもたちの日々の成長を間近に見られることが、一番の喜びですね。牛乳が苦手な子が、お茶と交互に飲むことで飲み切ったときなんか、嬉しかったですね。そうやって頑張れること自体がすごいことですから。おしっこやうんちがトイレでできるというのも大きな出来事なので、嬉しくて思わず他の先生に、「今日〇〇くん、トイレでうんちしたんです!」なんて報告したりしています(笑)。子どもたちの頑張りや成長を目にするたびに、保育士っていい職業だなって思います。

「IQパズル」の紐通し
「IQパズル」の紐通し

――逆に、大変だと感じるのはどんなことでしょうか。

深井さん: 子どもたちの気持ちを正しく汲み取ることですね。まだ自分の気持ちを上手に伝えられないので、大人が汲み取ってあげる必要があります。今日も2才の男の子がブロックを持ってきて、黙って私に渡すんです。ブロックをつなげてほしがっているのは分かったんですけど、好きなつなげ方があるみたいで。いろいろ試したんですけど全部違ったみたいで、泣かれてしまって。その後も何パターンかやってみて、最終的にはその子が気に入るつなぎ方ができて喜んでくれたんですけど、大変でした(笑)。

広い公園と買い物施設が充実した千葉ニュータウンエリア

みんな一緒に「AINI」で遊ぶ
みんな一緒に「AINI」で遊ぶ

――地域の方々との交流や、連携して開催されている行事などはありますか。

藤江さん: 昨年度は3・4・5歳児が駅前にある「印西警察署牧の原交番」へ行って、パトカーに乗せてもらうなど、おまわりさんとの交流を楽しみました。いまはコロナの影響でそういったイベントはできませんが、お散歩で交番の前を通ると園児に手を振ってくれたりするので、日頃から地域の人には親しみを感じていると思います。本来であれば、高齢者との交流を深めるなど、もっと地域の方や世代の違う方とふれあいたいところです。

――遠出が難しい状況ですが、どんな風に工夫されていますか。また、落ち着いたらどんなことを実施されたいですか。

藤江さん: いまは目の前の「草深公園」で自分たちより幼い子や年上の卒園児と一緒に遊ぶなど、近場でちょっとした交流をしています。また、遠出せずとも子どもたちがワクワクできるよう、お散歩にちょっとした課題を設けて、ゲーム感覚で楽しめるようにしています。交番まで行っておまわりさんに挨拶をして、駅で待つ園の職員にタッチして「牧の原公園」へ行き、さらに園内の「ひょうたん山」まで行く、といった感じで。遠出できるようになったら、電車やバスに乗ってどんどん出かけたいですね。せっかく駅から近いので。一駅隣にある「あい・あい保育園 千葉ニュータウン中央園」の施設長をしていたときは、飛行機を見に成田空港まで行ったり、鎌ケ谷に梨狩りに出かけたり、墨田区の「すみだ水族館」にも行ったんですよ。その「千葉ニュータウン中央園」の園児との交流や合同保育の計画もあります。

四つん這いで進むネットのトンネル
四つん這いで進むネットのトンネル

――実施を検討されている新たな取り組みなど、計画があればご紹介ください。

藤江さん: 「千葉ニュータウン中央園」で行った「保育参加」を、この園でもやりたいです。保護者の方に一日先生になってもらうイベントで、子どもたちと一緒にお散歩をしたり、給食を食べたりして過ごし、お昼寝の時間に個人面談をします。これが、「子どもの普段の姿が見られて、友だちとの関わり方などもよく分かる」とすごく好評で。たくさんの人にじっと見られる「保育参観」だと子どもたちは緊張してしまうんですが、「保育参加」は一度に参加できるのは1クラス1組の保護者なので、すぐに慣れて素の状態を見せるんです。みなさん終わるとぐったりされますけど、口をそろえて「楽しい」とおっしゃるんですよ。それと、普段あまり育児をしないパパが参加すると、子どもの相手をする大変さを知って以前より家事をしてくれるなど、ご家庭にもいい影響があるようです。

扉の中には小さなプラネタリウムがある
扉の中には小さなプラネタリウムがある

――千葉ニュータウンエリアの子育て環境の魅力、おすすめのスポットなど教えてください。

藤江さん: 閑静な住宅街でファミリー層が多く、とても子育てしやすい街だと思います。子どもがのびのび遊べる広い公園がたくさんあって、どこも芝生がきれいです。駅前も整備されていて歩道が広いので、危ないと思う場所があまりなく、園児のお散歩もしやすいです。すぐ近くの「ビッグホップ ガーデンモール印西」にはスーパーが入っていますし、観覧車や室内遊び場もあるので家族連れにはおすすめです。他にも「ジョイフル本田 千葉ニュータウン店」や「コストコ千葉ニュータウン倉庫店」など商業施設が充実していて、お買い物に困ることはないでしょう。

「あい・あい保育園 印西牧の原園
」
「あい・あい保育園 印西牧の原園 」

あい・あい保育園 印西牧の原園

施設長 藤江貴代さん
保育士 深井友紀乃さん
所在地:千葉県印西市原1-1-2
電話番号:0476-37-8022
URL:https://aiai.globalchildcare.biz/facility/inzaimakinohara/
※この情報は2021(令和3)年4月時点のものです。

独自の遊具や学習プログラムで子どもたちの心身を育む/あい・あい保育園 印西牧の原園(千葉県)
所在地:千葉県印西市原1-1-2 
電話番号:0476-37-8022
開園時間:月〜金7:00〜20:00 土07:00〜17:00
休園日:日祝、年末年始(12月29日~1月3日)

https://aiai.globalchildcare.biz/facilit..