幼稚園から小・中・高校までの一貫教育/日出学園小学校校長 二見晴彦先生/日出学園幼稚園園長 早川好江先生

日出学園小学校校長 二見晴彦先生
日出学園幼稚園園長 早川好江先生

幼稚園から小・中・高校までの一貫教育

市川市は、古くは幸田露伴や永井荷風などの文豪が移り住んだ、歴史的名所などにも囲まれた静かなたたずまいの街。市川市の樹木である「クロマツ」が随所に植えられた街並は、日本橋まで40分足らずという、ベッドタウンとは思えないほどの落ち着いた雰囲気に包まれている。そんな市川市菅野にある日出学園は、幼稚園から小・中・高等学校までの一貫教育を行う創立79年という歴史ある私立学校。その早川園長先生と二見小学校校長先生にお話を伺った。

まずは日出学園小学校校長 二見晴彦先生にお話を伺います。小学校の概要を教えてください。

日出学園インタビュー
日出学園インタビュー

1934(昭和9)年 に日出学園は幼稚園・小学校の一貫教育校として創立し、「なおく・あかるく・むつまじく」を校訓として参りました。2014年4月(平成26年度)からは創立時の少人数制に立ちかえり、学年102名、20クラス体制のクラス編成にすることで、少人数制だからこそできる厳しく愛情あふれる教育と指導を実現したいと考えています。
子どもたちの人間形成には、この時期の体験が非常に大切です。仲間と一緒に楽しさ悔しさ、ときには我慢も経験しながら、思いやりと協調性のある人に成長していくものだと考えます。恵まれた日出学園の環境のなかで、子どもたちは伸び伸びと興味の翼を大きく広げて育っています。

子どもたちを育てていくうえで、心がけていらっしゃることはありますか?

日出学園インタビュー
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人生の土台は小学校時代にできあがるというのが、私の考えです。特に子どもは「群れる」ことが非常に重要で、その群れることで「楽しさ」「嬉しさ」、思いどおりにならない「悔しさ」や「我慢する」ことの大切さを学びます。これは先生が教えられることではなく、子どもが体験を通して喜怒哀楽を重ねていくこと。その重なりが多ければ多いほど、人間として豊かに成長していくのだと思います。
学校は子どもが自分で体験を積み重ねることを邪魔してはいけません。見守り、必要な時は手をさしのべ、その成長を助けていきたいと考えています。

 特徴のある取り組みなどがありましたら、教えてください。

日出学園インタビュー
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1年生と6年生、2年生と5年生、3年生と4年生がペアを組み「きょうだい学年」になって、一緒にお弁当を食べたり、校外学習として一緒に宿泊をしたりと1年間交流を続けます。これは本当の兄弟のように仲良くなり、素晴らしい関係を築いています。
本校は幼稚園・中学・高校がありますので、高校生が小学校に指導に来てくれることもあれば、小学生が幼稚園に遊びに行くこともあり、上下の交流はフットワーク軽く行っています。
また本校の「心の教育」の一つとして「日出郵便局」という活動があります。これは2年生の生活科の一環として、全学年が関わります。学校内に郵便局をつくり、ポストづくりや集配、切手デザインの考案など、すべてを子どもたちが行います。異学年のペアを組んだ子ども同士で手紙のやりとりをしたり、保健室の先生や校長に手紙を送ったりできるようになっています。郵便局の仕事内容を理解し、手紙のやりとりを通して優しさなども学ぶ取り組みです。

75周年を迎え新校舎に建て替えられたそうですが、特徴的な設備などはありますか?

日出学園インタビュー
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全クラスが南向きで冬でも教室内に太陽光が入るように設計され、また、各学年の特性を考えた造りになっています。例えば普通の教室は8m×8mのところ、1~2年生の教室はその1.5倍の8m×12mの広さを確保。これは低学年の場合、生活科の授業などで作った作品を身近に置いて、手に取ったり実験してみたりということをスムーズに行うためで、3年生の中学年からは普通の教室に移行します。 また低学年、中学年、高学年の動線がからまないように設計し、移動中に不慮の事故がないようにと配慮しました。
校庭だけでも遊ぶスペースは充分ですが、低・中・高学年の建物の屋上にそれぞれの遊び場も作ってあります。 そして、5万冊の蔵書を誇る図書室があり、週1回、司書の先生から学ぶ「図書の授業」も実施。3年生以降になると、これも週1回「情報の授業」があり、一人一台のコンピュータを使用しています。 木をふんだんに使用した校内は落ち着いた温かい雰囲気で、全体的に余裕のある広い造りになっているので、子どもたちも伸び伸びと過ごしています。

地域とはどのような連携をされていますか?

日出学園インタビュー
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市川・菅野といえば「クロマツ」ということで、2003(平成15)年に子どもたちが種から「クロマツ」を育てました。これは学校周辺が「東京外かく環状道路」工事のため、従来あったクロマツがなくなったからです。地域の方々と協力し、昔の景観を取り戻そうとしています。子どもたちが代々鉢植えを後輩に託しクロマツの命をリレーして育てた苗として、地域の皆さんにも大切にしていただいています。
またそのクロマツの苗を国土交通省とNEXCOに引き渡し、建設中の東京外かく環状道路ができあがった際に、以前の菅野の景観を取り戻すために移植してほしいとお願いしてあります。

日出学園に通っているお子さんたちは、どのようなお子さんが多いのでしょうか?

日出学園インタビュー
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男女共々非常に仲が良いですね。保護者の方々が愛情を注いで育てていらっしゃることがすぐに分かる子どもたちです。また卒業後も日出での人脈は残り続けて、女子中や男子中に進学した子どもたちも仲良く一緒に学校へ遊びに来てくれます。
卒業生同士の結婚も珍しくはありません。また、クラスや学年での同窓会も頻繁に行われています。

続いて、早川好江先生に伺います。幼稚園の概要を教えてください。

日出学園インタビュー
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小学校と同じく創立79年を迎えた本園では、「太陽と土とともだち」に恵まれた園環境のなか、「生きる力」を育む教育を行っています。まずは楽しい園生活が送れるように、そして基本的な生活習慣を身につけながら、一人一人のお子さんの「感じ考える力」が育つような環境を整えています。頭・体・心のすべてを使った幅広い体験ができるよう、キメの細かな指導が特徴です。

キメの細かい保育とは具体的にはどのようなことでしょうか?

日出学園インタビュー
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幼稚園時期は成長が著しく、年齢によってできることも挑戦することも違います。ですので、年少さんには安心できる環境を整え、自分の気持ちをありのままに出すことを大切にした保育を心がけています。
年中さんはお友達との関わりも増え、自己主張もはっきりしてくる時期です。ぶつかり合い仲直りする繰返しを通して、「自分の気持ちを大切にするには、相手も大切にしなければいけない」と理解して、お互いに認め合いができるようになります。
そして年長さんは、小学校へつなげる保育ということで、少しずつ時間で気持ちを切り替えて活動に取り組んだり、集中して話を聞く時間を多くしたりしています。

保育のなかで先生方や園長先生が心がけていらっしゃることはどんなことですか?

日出学園インタビュー
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ワークやドリルなどで勉強するのではなく、小動物のお世話などの実体験のなかから学ぶ機会を増やしています。 また、子どもが「もうひと頑張りできる」保育も心がけています。「イヤだからやめる」「できないから諦める」のではなく、逃げずにやり抜く力。それは子どもだけでできることではありません。
先生が個性を見極め、気持ちを支えながら応援し、背中を押してあげることで子どもたちは「できた!」「やった!」という達成感や充実感を得られるのです。そのためにも教師たちは「背中にも目をつける」ことをいつも意識し、子どもたちの心や行動の変化を見逃さないようにしています。

特徴のある活動などがありましたら、教えてください。

日出学園インタビュー
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2012(平成24)年から始まった「わくドキプロジェクト」は、わくドキ教室・わくドキたいむ・わくドキ文庫・わくドキランチ・わくドキクラブと、わくわく・ドキドキするような幅広い体験を子どもたちに提供しています。
「わくドキ教室」は小学校の二見校長先生による、実験教室や小動物や植物の観察など楽しい理科の出前授業で、子どもたちは目をキラキラ輝かせながら参加しています。
また「わくドキたいむ」はネイティブの英語の先生と過ごす楽しい時間、「わくドキくらぶ」は礼法や太鼓、合気道や茶道といった日本の伝統文化に触れる時間です。この他にも子どもたちの好奇心と、挑戦する意欲を育む活動が日々行われています。

新しくなった園舎の特徴を教えてください。

日出学園インタビュー
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見ていただくと分かるとおり、木をふんだんに使った平屋建ての温かみのある園舎です。廊下や玄関などは広いスペースを確保し、子どもたちが伸び伸びと過ごせるように設計してあります。2009(平成21)年に建て替えの際に、それまでの場所から引っ越しをしましたので、昔からの日出学園幼稚園の雰囲気を残すような園舎・園庭にしました。ちょっと見ただけでは分かりませんが、床にはコンクリートの上にバネ材を入れ、その上に木材を重ねて、転んでもケガをしにくい床にしてあります。
園庭の隅にはポンプ式の井戸をつくり、汲み上げを体験したり、冬は温かくて夏は冷たい井戸水に触ってみたりと、なるべくたくさんの経験をさせてあげられるように工夫しています。また年長さんのお手洗いには、洋式トイレのほか、あえて和式のトイレも設置することで、子どもの経験の幅を広げるようにしています。

保護者の方々の雰囲気はどうでしょうか?

日出学園インタビュー
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まず子どもたちは、手をかけ心をかけて育てられた素直で明るいお子さんばかりです。また保護者の方々も、子どもの教育にも熱心で折り目正しい、メリハリのある保護者の方が多いように感じます。子どもの生活リズムもしっかりつけて下さっているので、子どもたちは登園したらすぐ、元気に遊びに入ることができます。
子どもは愛情をかけてもらえれば、それをしっかり受け止め、安定した子どもに育っていきます。それを体現しているような親子関係だと日々感じています。

地域との関わりはどのようにされていますか?

日出学園インタビュー
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子育て支援ということで、年16回ほど土曜日に未就園児のお子さんと保護者の方向けの親子遊びの会を開いています。また地域の親子が遊べるように園庭を解放したり、外部の先生を呼んだ子育て講演会などを開き、地域のママさんも気軽に参加してもらえる機会を設けています。

市川・菅野地区の魅力を教えてください。

私は自転車で通えるくらいの場所に住んでいますが、とにかく散歩やサイクリングが楽しい地区ですね。細い道に入ると、昔ながらの懐かしい街並みがそこここに見られますし、歴史にまつわる名所も多いです。なにより静かでのんびりとした雰囲気が大好きです。

今回、話をお伺いした人

日出学園インタビュー
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日出学園小学校校長 二見晴彦先生

住所:市川市菅野3-23-1
TEL:074-322-3660
URL:http://www.hinode.ed.jp/element/

日出学園インタビュー
日出学園インタビュー

日出学園幼稚園園長 早川好江先生

住所:市川市菅野2-21-12
TEL:047-322-4012
URL:http://www.hinode.ed.jp/kinder/

※記事内容は2015(平成27)年6月時点の情報です。

幼稚園から小・中・高校までの一貫教育/日出学園小学校校長 二見晴彦先生/日出学園幼稚園園長 早川好江先生
所在地:千葉県市川市菅野2-21-12 
電話番号:047-322-4012
http://www.hinode.ed.jp/kinder/