「ノーベルスクール」を掲げる小学校

ひとりひとりの輝きを認め合う学校づくり。/八千代市立みどりが丘小学校 髙宮昭裕校長先生

八千代市立みどりが丘小学校
髙宮昭裕校長先生

八千代市立みどりが丘小学校インタビュー
八千代市立みどりが丘小学校インタビュー

ひとりひとりの輝きを認め合う学校づくり。八千代市立みどりが丘小学校

八千代市はぐみの杜の新興住宅地の一角にある、2010(平成22)年に開校した「八千代市立みどりが丘小学校」は、木目を基調にした校舎と、広々とした芝生の校庭、ウッドデッキの中庭など、魅力的な施設が満載の小学校。街の新しいシンボルとして、街の人々に愛されながら、育てられている真っ最中の小学校でもある。

今回はこちらの2代目校長を務められている髙宮昭裕先生を訪ね、学校の魅力、今後の学校運営方針などについてお話を伺った。

2010(平成22)年に開校した新しい学校ですが、学校新設に至った経緯などについてお聞かせください。

八千代市立みどりが丘小学校インタビュー
八千代市立みどりが丘小学校インタビュー

本校は開校から今年で4年目(※2014(平成26)年現在)の、新しい小学校です。それ以前からの学校としては、「八千代緑が丘」駅のすぐ南側に「八千代市立新木戸小学校」がありまして、先日創立30年を迎えた学校になるんですが、東葉高速鉄道の開通にともない、「八千代緑が丘」駅の周辺にたくさんのマンションができましたので、急激に子どもたちの数が増えました。

そこで、近くに新しい小学校を作ろうという話になりまして、「八千代市立みどりが丘小学校」が開校したという経緯です。

本校の児童は駅の近くのマンションや分譲住宅に住む児童が多いですね。学校の周辺の地区の開発にともない、これから少しずつ、転入生も増え始めていくかと思います。まだまだ学校の教室等には十分に余裕がある状態です。

教育方針など、学校の基本的な特徴についてお聞かせください

八千代市立みどりが丘小学校インタビュー
八千代市立みどりが丘小学校インタビュー

「気力あふれ知性と行動力豊かな人間性の育成」というのが学校の教育目標になっていまして、これからの国際社会に出て、立派に羽ばたけるような子どもたちを育てていきたいと思っております。

しかしながら、単に「世界に出て行ける子ども」という意味ではなく、日本の中にいても、日本はもう国際社会ですので、その一員として、自分の力を発揮できる、そんな子どもたちを育てたいと思っています。

子どもたちに対しては「めざす子どもの姿」ということで、「健康で安全に生活できる子」「心豊かで思いやりのある子」「粘り強く学習に取り組む子」「豊かに表現できる子」ということの4つを、日頃から言っています。

「ノーベルスクール」という言葉を大切にされているそうですが、これは何でしょうか?

八千代市立みどりが丘小学校インタビュー
八千代市立みどりが丘小学校インタビュー

学校としての伝統を築き、そして、子ども達にとっての「故郷」「母校」となり得る学校づくりに励みたいという思いから、本校のめざす学校の姿として掲げられている言葉です。「ノーベル賞」のイメージがありますから、すごく特別な子どもを目指していると考えられがちなんですけれど、そうではないんですね。ノーベル賞は「広く世界に認められている賞」ということですので、子どもたちひとりひとりの輝きや、取り組みといったものを、「みんなで認めあえる学校づくりをしたい」ということで、「ノーベルスクール」という言葉を掲げています。これは初代の校長先生が作られた言葉なんです。

もちろん、特別にすぐれた才能を発揮する子どもがいて、それが注目されることも大事だと思いますが、それ以外にも、ひとりひとりの子どもが何かを身につけ出来るようになったら、それをみんなで認め合うということも大事だと思うんですね。そんな「認め合える学校づくり」が、「ノーベルスクール」なんですね。

具体的に、特別何かをしているということではありませんが、普段の授業の中や、日ごろの生活の中で、子どもたちはいろいろな姿を見せていまして、その中に、いい姿がたくさんあるんですね。給食で活躍する子もいるし、掃除で活躍する子もいるし、遊びで活躍する子もいます。もちろん、勉強で活躍する子どももいます。そういう「いい姿」を見つけだそう、という願いなんですね。輝きは日常の生活の中にあるということです。

地域との交流事業についても、積極的に行われているそうですね

祭り
祭り

「地域との連携」という部分については、新しい学校で、本当に地域のつながりがゼロのところからスタートしましたので、開校以来、「地域の皆さんにたくさん学校に来ていただこう」、「地域にもたくさん出ていこう」ということが、とても重要な、本校のあり方になっています。駅周辺のお祭りにも積極的に参加しています。

地域交流の一例を挙げますと、本校の近くには特別支援学校がありますので、今年は2年生と5年生が、相互に交流を行いましたし、「千葉県立八千代西高等学校」も近いですから、西高の生徒が本校に来てくれて、低学年の子どもたちに読み聞かせをしてくれたりもしました。

この読み聞かせについては、高校生以外にも、地域の読み聞かせサークルの方々が昼休みに読み聞かせに来てくれたり、本校の保護者のグループが来てくれたりと、色々な方に参加していただいています。

このほかにも、6年生は色々な職場体験に、3年生は町探検に出て行ったりと、子どもたちが地域に出て行って活動している場面は、今年は特に多かったですね。本当にいろんな地域の方に、非常にお世話になっていますし、今後もさらに、地域交流事業を増やしていきたいと考えています。

「防災避難キャンプ」という取り組みがあるということですが、これは何でしょう?

ハート
ハート

夏に行っている「防災避難キャンプ」については、子どもたちと保護者が小学校に1泊して、防災に関するいろんな体験をするという企画なんですが、今年は子どもたちが自分で調理をしたり、消防署の協力で起震車を体験させていただいたり、煙の中を通る体験をさせていただいたりしましたし、赤十字さんの協力で、緊急時のけが人の運び方や、車椅子の体験などを、親子で一緒に体験したりもしました。夜、ろうそくの火でハートの形を作ったことも良い思い出になりました。

ほかにも、近くの工場の方が物資を提供してくださったりとか、学校の近くに大きなハンバーグ工場がありますので、ミートボールを提供していただいたりもしまして、本当に地域の皆さんの協力で成り立ったものでした。これをきっかけに、地域との新しいつながりも生まれる、有意義なイベントになっていると思います。

市内の他の小中学校との連携もさかんとお聞きしました

八千代市立みどりが丘小学校インタビュー
八千代市立みどりが丘小学校インタビュー

そうですね、八千代市では小学校・中学校の子どもたちが集まる「子どもサミット」という取り組みがあるんですが、これには八千代市全体のサミットと、地区ごと、本校の学区ですと、高津・新木戸地区の子どもサミットというものがあります。

参加校の子どもが集まって、会議をしたり、挨拶運動をしたり、一緒にゴミ拾いをしたりするんですね。こういった取り組みを通して、これは八千代市全体に言えることですが、小中学校の連携は非常に良く取れていると思います。

イングリッシュ・キャンプとは何でしょうか?

これも同様に、高津・新木戸地区の小学校5校、中学校2校から、中学生と小学校の高学年の子どもたち、希望者になりますが、中学校に一堂に集まってもらって、ALT(外国語指導助手)の方の協力のもとで、「ほぼ1日、英語だけで過ごしてもらう」というイベントです。

実は今年度初めて実施したもので、本校からの参加は5、6年生だけだったんですが、英語だけで話をしたり、英語で話しながらおやつを作ったりという活動になりまして、なかなかユニークな取り組みになったと思います。

イングリッシュ
イングリッシュ

みどりが丘小は開校1年目から全学年で英語活動を取り入れていまして、八千代市内でも英語活動の先進校と言える学校ですので、今後も英語活動には力を入れていきたいと思っています。

その他、特徴的な行事などがあれば教えてください

八千代市立みどりが丘小学校インタビュー
八千代市立みどりが丘小学校インタビュー

本校の場合、「特別な行事」というよりも、その取り組み方がユニークだと思います。もうすぐ卒業式もあるのですが、子どもたちがほとんどの行事の企画に関わり、進行を行っています。子どもたちが運動会などの行事の企画をする小学校は最近少しずつ増えていますが、さすがに、卒業式まで子ども中心にするという小学校は珍しいと思います。

「子どもたちに任せられる部分は、子どもたちに任せよう」というのは前の校長先生から続いている本校の基本方針のひとつとして、昨年の卒業式で司会進行、はじめの言葉などを子どもたちの手で行い、本当に感動的な式になりました。

終わりの言葉で、卒業生が卒業式を通して感じたことを話してくれたのですが、私が式辞で話した内容を踏まえて言葉にしてくれまして、大変感激しました。

運動会や音楽会も子どもたち中心で行うのですが、こういったことも、「ノーベルスクール」のひとつの取り組みでして、「子どもたちに活躍の機会を作ろう」という狙いがあるんですね。実行委員会に選ばれる子どもたちも、特別な子どもたちというわけではなくて、やりたい子どもたちを、子どもたち同士で選んだりしています。

もちろん、裏では教師の手助けもありますし、本当は教師がやってしまったほうが簡単な面も多いのですが、「ノーベルスクール」という理念を職員がしっかり理解していますので、手間はかかるのですが、なるべくたくさんの子どもたちが前に出られるような、“場づくり”をしようということで取り組んでいます。

新しくて開放的な建物ですが、学校施設の特徴についてご案内をお願いします

八千代緑が丘小学校
八千代緑が丘小学校

この学校は「木質」を大切にした学校でして、全体的に木のぬくもりにあふれていて、温かい感じがすると思います。同時に、ガラスも多い造りなので、明るい雰囲気もあるんですね。教室は全部オープンですので、廊下がすごく広いですし、非常にゆとりのある学校の造りになっていると思います。子どもたちものびのび、ゆったりできるような空間が特徴ですね。

加えて、校庭についても特徴があり、本校は芝生の校庭になっています。これも心の豊かさが持てるような、素晴らしい環境になっているかと思います。芝生は管理が大変ですが、本校の場合は、幸いにもボランティアの方が非常に協力的に手伝いをしてくださっていまして、そのお陰もあって維持できております。

中庭にあるウッドデッキも大きな特徴になっていますね。こちらは、低学年の教室の前にありますので、特に低学年の子どもたちがよく利用しています。休み時間が10分でもあれば、上履きのまますぐに使えますから、すぐに外に出て、縄跳びを始めたり鬼ごっこを始めたりできるんですね。

八千代緑が丘小学校 図書館
八千代緑が丘小学校 図書館

図書室も壁の無い造りになっているんですが、これは「だれでもいつでも入れるように」というもので、普通の学校ですと、教師がついていないと使えないことも多いんですが、本校では先生がいない時でも、図書委員がいれば、本の貸し出しができる仕組みになっています。八千代市は図書について力を入れている市ですので、ひとりひとりに個人の図書カードがあって、バーコードで貸出ができるような仕組みになっています。

体育館についても、広々としていて明るくて、とても開放的な素晴らしい体育館だと思います。観客席もある体育館というのは、普通の小学校にはなかなか無い、贅沢なものだと思いますね。放課後、夜、土日には、地域の団体の方にも利用していただいています。

「保護者会」「おやじの会」の活動について教えてください。

保護者会
保護者会

本校では、「保護者会」も「おやじの会」もいろいろな楽しいイベントを企画してくださっていまして、保護者会については、高津・新木戸地区の保護者会で、童話の読み聞かせや、コンサートなどを実施してくださって、この時には他校からもたくさんの方に来ていただきました。

「おやじの会」についても、今年は紙飛行機大会などを企画してくださって、まだまだ参加されるお父さん方は少なめですが、徐々に活動の幅を広げてくださっていて、草刈りなどの環境整備も含めて、すごくご協力をいただいています。

この地域の子どもたちの印象についてお聞かせください

子どもたち
子どもたち

うちの学校の自慢のひとつは、「欠席する子どもが非常に少ない」ということなんですね。早寝早起きや、食事の管理など、保護者の方が子どもたちの健康管理を十分に気をつけているということだと思うんです。

また、子どもたちの8割くらいは駅のあたりから歩いて来ていて、登下校も友達同士で楽しくできていると思います。通学時間帯は保護者の方だけでなく、地域の方も、毎朝通学路の見守りなどいろいろな協力をしてくださいます。この地域は愛情にあふれた家庭が多く温かいと思いますね。学校の行事にもすごく積極的に協力してくださいます。

校長先生がお考えになる、今後の小学校の運営方針についてお聞かせください

八千代市立みどりが丘小学校インタビュー
八千代市立みどりが丘小学校インタビュー

先ほども申し上げたとおり、「ひとりひとりの輝きを認め合う」ということを大切にして、新しい学校としての、新たな「伝統」を作っていきたいと思っています。

子どもたちにとっては、この地域が将来ふるさとになっていきますし、ここが母校になるわけですので、「これがみどりが丘小だ!」ということが分かるような、伝統や特色を築いていきたいと思っています。

最後に、緑が丘地域の魅力について一言お願いいたします

 	千葉県八千代市インタビュー
千葉県八千代市インタビュー

新しい街ですので、活力があって、生活しているみなさん自身がすごく生き生きとしている街だと思います。自分の街を愛していて、10年前から住んでいる方は「自分たちで作ってきた」という思いがありますし、新しく引っ越してきたばかりの方も、「自分たちで作っていく」という思いがありまして、すごく明るいムードがありますね。

電車の便も便利ですし、車でも移動しやすい立地です。最近は都会的なセンスのお店も増えているんですが、一方では、自然にあふれた部分もすぐ近くにたくさん残されていて、田舎と都会の両方を体験できる場所だと思います。子どもたちにとっても、豊かな体験ができる、良い環境なのではないでしょうか。

八千代緑が丘校長先生
八千代緑が丘校長先生

今回、話を聞いた人

八千代市立みどりが丘小学校

校長 髙宮昭裕先生

八千代市立みどりが丘小学校
住所:千葉県八千代市吉橋2357
電話番号:047-458-1281
http://www.yachiyo.ed.jp/emidori/

※記事内容は2014(平成26)年1月時点の情報です。

ひとりひとりの輝きを認め合う学校づくり。/八千代市立みどりが丘小学校 髙宮昭裕校長先生
所在地:千葉県八千代市緑が丘西3-14 
電話番号:047-458-1281
http://www.yachiyo.ed.jp/emidori/