会長 栗原浩次さん、内田宣宏さんインタビュー

老若男女も、新しい住民も、みんなを魅了し、浦和美園を“本物の祭”で盛り上げるかつぎ手集団/浦和大門睦會(うらわだいもんむつみかい)(埼玉県)


「浦和大門睦會(うらわだいもんむつみかい)」は、浦和美園に活動拠点を置き、地元の「大門八坂神社祭礼」や「浦和まつり」をはじめ、首都圏各地のお祭りでお神輿を担いでいるかつぎ手集団。地域の有志を中心に80名ほどのメンバーが参加しており、各地でお祭りを盛り上げる立役者となっている。
今回は2代目会長・栗原浩次さんと、内田宣宏さんにお会いして、地域の若者も、年長者も、新しい住民も、みんなを魅了し「浦和大門睦會」の活動や、地域への想いなどについてお話を伺った。

まず、「浦和大門睦會」の概要や活動内容についてお聞かせください。

神輿
神輿

緑区大門に「大門八坂神社」という神社があるのですが、そこには1789(寛政元)年に作られ、約230年もの由緒あるお神輿があります。浦和地域全体で見ても、かなり長い歴史のあるお神輿です。それを毎年の祭礼で担ぎます。

浦和美園を盛り上げる担ぎ手集団「大門睦」代表インタビュー
浦和美園を盛り上げる担ぎ手集団「大門睦」代表インタビュー

かつては神社が主体となって、7つの自治会(町会)、神社関係者、神社の総代などと一緒になって担いでいたのですが、それぞれの町会だけで、かつぎ手を担うのが難しくなってきたため、有志で“お神輿を担ぐ会”をつくろうという話になり、「浦和大門睦會」が立ち上がりました。私は初代会長から2013(平成25)年に引き継ぎ、現在2代目の会長を務めています。

神輿担ぎ
神輿担ぎ

主な活動は、まず先程お話した「大門八坂神社祭礼」が毎年7月にあります。お祭り当日は、朝から夕方まで1日中お神輿を担いで地域を回ります。
そして毎年7月中から下旬には「浦和まつり」という浦和市全体の大きなお祭りがあり、そちらにも「大門八坂神社」のお神輿を担いで参加しています。

「神輿担ぎ
「神輿担ぎ

「浦和まつり」には浦和市内のお神輿26基がすべて旧中山道に集まり、順番に流していきます。ひとつのお神輿に100人ほど付きますので、全部合わせるとかつぎ手だけでも相当の人数になります。そこへさらに地域の方々も加わるんです。その光景はとても迫力があって壮観ですよ。

「浦和大門睦會」は地元だけでなく、他の地域のお祭りを手伝いに行くこともあるそうですね。

「浦和大門睦會」インタビュー
「浦和大門睦會」インタビュー

近くでは大宮、岩槻、川口、駒込、改代町(新宿区)、八王子、浅草などの大きなお祭りにも、15名ほどのメンバーが参加しています。そうした交流から、私たちが地元でお神輿を担ぐ時も、いろいろな場所から、かつぎ手が集まってきて一緒に担いでくれるんです。例えば「浦和まつり」のときには、睦會のメンバーと外から来てくれたかつぎ手を合わせて、総勢150人ぐらいになりました。

地元のお祭りである「大門八坂神社祭礼」の見どころについて教えてください。

神輿神社と人
神輿神社と人

大門地区には合計7つの自治会(町会)があり、各自治会の地域から地域へとお神輿を順番に渡していく、「町会渡し」ということを行っています。それぞれの地域でお神輿の姿を見かけることができるので、街全体がお祭り一色です。睦會のメンバーは、1つの自治会の区間だけでなく、フル出場でお祭りを盛り上げています。

最大の見どころは、各地域を回ったお神輿が最後に「大門八坂神社」の境内に戻っていく「宮入り」という場面です。祭礼のクライマックスとして大変盛り上がるので、ぜひ見ていただきたいですね。

「浦和大門睦會」に新しく参加するには、どうすれば良いのでしょう?
メンバーは地元の方が多いのでしょうか?

「浦和大門睦会」インタビュー
「浦和大門睦会」インタビュー

「お神輿を担いでみたい」という気持ちさえあれば、子どもから大人まで誰でも気軽に参加していただけますよ。一応参加規約のようなものがありますが、「参加したい」という気持ちが一番大事です。現在のメンバーも、若者から年長者までと幅広いですね。子どもの頃からずっと関わってくれている方も多いですし、出身がこの辺りという方以外にも、新しく引っ越して来た方もたくさんいます。

神輿担ぎ
神輿担ぎ

もちろん性別も関係なく女性のメンバーもいますし、幼稚園児から小中高生までの子どもたちも参加してくれています。「子どもみこし」などもありますから、小さな子どもたちも多いですよ。

神輿担ぎ
神輿担ぎ

とはいえ、地域のお祭りなどは、外から来ると最初は少し入りにくいところもあると思います。こちらもお神輿を担いでいるときに、新しく地域に住んだお父さんやお母さん、お子さんが見ていたら、「こっちに来て、一緒に担いじゃおう!」と誘ってみたり、自然と参加できるようなきっかけや雰囲気づくりを心掛けています。

浦和美園は開発が進み変化してきていますが、
街とお祭りとの関わりや新しい取り組みなどはありますか?

イオン前集合写真
イオン前集合写真

「イオンモール浦和美園」との協力がありますね。以前イオンモールに勤められていた方がお祭り好きで、睦會に頻繁に来てくださったんです。その方のご紹介で、徐々にほかの社員の方々もお祭りに来ていただけるようになり、一緒にお神輿を担いでくださったりもしました。

顔アップ
顔アップ

そのほかにも、祭礼前にはイオンモールにポスターを貼らせていただいたり、当日は駐車場の一部をお神輿が担いで通れるようにしていただいたり、お酒やお茶などの飲み物もご提供いただきました。各テナントさんも、協賛してくださいました。

毎年お祭りの参加者が増えていますので、「今年は去年よりも多めに飲み物を出しますね」とか言っていただけるような、地域ぐるみの良い関係ができていると思います。

新しく住む方も多く街としても変化し続けている浦和美園において、
今後「こういうお祭りにしていきたい」という夢や展望はありますでしょうか?

神輿神社と人
神輿神社と人

浦和美園にご家族で引っ越して来られるということは、ここが子どもたちにとってふるさとになるわけなので、本物の“お祭り”というものを味わってもらいたい、と思いますね。そのために、「浦和大門睦會」としては、これまで先輩方が守ってきた伝統的なお祭りの姿を絶やさずに守っていきたいです。若いかつぎ手も育ってくれているので、その点は安心しています。そして、新しく住む人にもどんどん参加してもらい、みんなが主体となってこの地域を作るのが、自分たち役目だと思っています。

「浦和大門睦会」インタビュー
「浦和大門睦会」インタビュー
「浦和大門睦会」インタビュー
「浦和大門睦会」インタビュー

今回、話を聞いた人

浦和大門睦會

会長 栗原浩次さん(写真上)
内田宣宏さん(写真下)
URL:http://www.urawa-daimon.com/
※2015(平成27)年1月取材、2017(平成29)年8月再取材にもとづいた内容です。 記載している情報については、今後変わる場合がございます。

老若男女も、新しい住民も、みんなを魅了し、浦和美園を“本物の祭”で盛り上げるかつぎ手集団/浦和大門睦會(うらわだいもんむつみかい)(埼玉県)
所在地:埼玉県さいたま市緑区大門730 
http://www.urawa-daimon.com/