住み心地と利便性を兼ね備えた中山エリア、再開発で生まれる新たな街の魅力/横浜市都市整備局 飯島徹さん・佐藤孝之さん

横浜市緑区中山エリアは横浜市の中心部から見て北西に広がる街で、駅周辺はJR横浜線の開通とともに発展してきた。2008（平成20）年には横浜市営地下鉄グリーンラインも開通し各方面からのアクセスも向上、緑区の中心として一層の賑わいをみせている。周辺では、駅北口の土地区画整理事業完了に続き、「中山駅南口地区第一種市街地再開発事業」が進められている。そんな南口の再開発事業の概要や進捗状況、街の魅力について、横浜市都市整備局の飯島徹さんと佐藤孝之さんにお話を伺った。

鉄道の開通とともに発展してきた、人情味溢れる街

――「中山駅南口地区第一種市街地再開発事業」決定の背景や経緯についてお教えください

飯島さん：のどかな農村地帯だった中山エリアは、1908（明治41）年に横浜線が開通し、それと同時に「中山」駅が開業しました。以降、南口には商店などが徐々に立ち並び商店街が形成され、商店街の外周部には大規模店や公共施設、区役所や警察署、消防署など行政機関が集まり、賑やかで利便性の高い街へと発展してきました。再開発によって今後のさらなる発展が期待される街ですが、昔ながらの人と人とのふれあいが残っている温かい雰囲気も魅力です。

佐藤さん：「中山」駅北口は1987（昭和62）年に完了した土地区画整理事業によって整備され、商業ビルやマンションが立ち並ぶエリアとなっています。一方で南口は商店街が賑わっていますが、古い建物が多くあり道幅も狭いのが現状です。1日に410本ものバスが出入りする交通の要所であるにもかかわらず、駅前広場が約760平方メートルと大変狭く、バスは誘導員なしでは転回できない状態となっています。さらにそこにつながる東西の道路は歩道がない中を、歩行者・一般車・バス・タクシーが行き交っています。

南口近くでは、東西の幹線道路である山下長津田線が整備されましたが、南北をつなぐ中山北山田線が未整備であり、川和踏切と三保踏切では渋滞がたびたび発生しています。このような背景があり、ゆとりのある良好な住環境への改善とともに、災害への備えもしっかりとできるように「中山駅南口地区第一種市街地再開発事業」が進められることになりました。

人に優しい街づくりを推進

――現在の進捗はいかがでしょうか？

飯島さん：2018（平成30）年6月に「中山駅南口地区第一種市街地再開発事業」の市素案説明会を行いました。今後は都市計画案の縦覧や意見書の受付、横浜市都市計画審議会を経て都市計画の決定・変更告示へと進めます。都市計画では、駅前広場を約5,200平方メートルの広さに拡充し、ここにつながる幅17メートルの都市計画道路を整備。商業施設の駐車場も適切に配置。また、誰もが容易に駅周辺を移動できるように、バリアフリーの歩行環境も整備する予定です。南口周辺は3つの街区に分け開発、A・C地区には商業施設を、台村町交差点近くのB地区には、高さ約99メートルの高層都市型住宅と商業施設を建設します。

「中山」駅の改札は駅2階にありますが、そこからデッキや店舗内の通路を通ってA地区、B地区へと移動ができるのも特徴です。都市計画道路を通っても2階を通っても、安全がしっかりと確保されています。

より安心・安全で便利な街へ発展

――再開発の完了によってどのようなことが期待されますか？

佐藤さん：今回の計画は、土地の高度利用を図り、駅前道路の拡幅、駅前広場及び歩行者空間等の整備を行い、鉄道駅の周辺地区における拠点にふさわしく、周辺の住宅地に配慮した良好な複合市街地の形成と、その維持が目標になります。駅を中心に利便性を兼ね備えたコンパクトな街づくりを進め、開発が早期に進み、安心・安全が確保された、より住みやすい街へと生まれ変わる事を期待しています。

自然が身近で暮らしやすい、今後の南口に注目！

――これからお住まいになる方へメッセージをお願いします

飯島さん：緑区はその名の通り緑が多く暮らしやすい街です。「中山」駅周辺には「四季の森公園」をはじめとして、公園が整備され子育て環境にも適しています。鉄道やバスなど交通アクセスも良く、どこへ行くのにも便利な印象です。これから発展していく「中山」駅南口に期待していただければと思います。これからも皆さんがより暮らしやすい街にできるような街づくりを進めていきたいと思います。

佐藤さん：緑豊かで美しい街並みが魅力です。「中山」駅南口には「緑区役所」があり、行政のサポートが近いところも良いですね。周辺には保育園など子育て施設も多く、暮らしを支えるサービスも充実しています。また、街には至るところに昭和の古き良き風景が残されていて、どこか懐かしい雰囲気もオススメです。毎年行われる「中山祭り」は、地域の魅力が詰まった盛大な祭りで、都会の便利さがありながら、地域のコミュニティがしっかりとある魅力のある街だと思います。

住み心地と利便性を兼ね備えた中山エリア、再開発で生まれる新たな街の魅力/横浜市都市整備局 飯島徹さん・佐藤孝之さん
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