街とともに歩み続けるビッグな「英明幼稚園」/学校法人宝田学園 英明幼稚園 宝田 浩さん
理事長 宝田 浩さん
街とともに歩み続けるビッグな「英明幼稚園」。
「長後街道」から少し入った閑静な住宅街にあり、300名以上の園児が日々元気に過ごしている「英明幼稚園」。この街の誕生と同じころに生まれ、半世紀もの間、多くの子どもたちをが巣立ってきたビッグな幼稚園だ。自由な“遊び”を保育の中心に据え、子どもたち同士の関わりの中で、子どもたちは学び、育ってゆく。今回はこの幼稚園の創立者を母に持ち、グループ2園を統括している宝田浩理事長に、園の特徴や街の魅力についてお話を伺った。
まず、「英明幼稚園」の沿革についてお聞かせいただけますでしょうか。
ここはもともと私の母が創立した幼稚園でして、1964(昭和39)年に創立されましたので、今年でちょうど50周年になります。創立当時、この辺りは泉区ではなく戸塚区の一部でした。まだ幼稚園が少なかった時代でしたので、この辺りでは最初に建った幼稚園だと思います。現在、当園には325名の園児たちが、主に泉区や戸塚区から通っています。
どのような保護者の方が、どんな理由で「英明幼稚園」を選ばれているのでしょうか。
当園は、学区が比較的広く、卒園生は毎年約20の別々の小学校に行きます。普通は「この園からはこの小学校に何十人行っているから、この幼稚園にしよう」など、そのような選び方をする方も多いと思いますし、当園にももちろんそのように選んでくださる人もいますが、「1人しか行かなくても通わせたい」と言って選んでくださる方も結構いらっしゃるんですよ。
選んでくださった理由はということですが、私の口からは申し上げ難いのですが、やはり教育内容が大きいのではないでしょうか。あくまでも、保護者の方からの声ということですが、「英明の子は小学校に行って、座ってきちっと話が聴ける」というような評価を頂いたこともあります。実際に見ているわけではないですから、もしかしたらお世辞なのかもしれませんが、素直に大変嬉しく思います。
他の園と何が違うのかと問われればはっきりとは分かりませんが、日々の積み重ねが評価されているのではないかと思います。「のびのびしていて、落ち着いていて、やるときにはやる」という子どもが、当園では多く育っていると思います。
また、教育時間の柔軟性も、安心して通わせて頂ける一因にあるのではないでしょうか。仕事をされているお母さんが多いわけではありませんが、ほかにも何か都合がある場合なども含め、毎日平均30人から40人くらいは降園時間後の預かり保育で預かっています。
「英明幼稚園」の教育方針について教えて頂けますでしょうか。
当園の教育方針として、まず「よく遊ぶ」ということを最初に掲げています。3歳から5歳までの幼児期の子どもたちにとっては、“遊び”は大事な仕事です。いろいろな遊びをたくさん経験して、友だちと関わりあえる環境を大切にしています。そのために、当園では「一斉保育」だけではなく、「自由保育」の時間も大事にしています。
このほか、基本的な生活態度ということで、「よく見る」「よく聞く」「よく考える」「よく話す」ということも大切にしています。
「一斉保育」と「自由保育」の両方を大切にされているということですが、具体的にどのような実践をされているのでしょうか。
「一斉保育」というのは、クラス担任の先生が中心になり、子どもたち全員で同じことに取り組むものです。内容はその日によって異なりますが、その日のメインの活動が「一斉保育」の中で行なわれます。体育的な遊びの日や、楽器を使ったり、歌を歌ったりというような日もありますし、造形活動をする日もあります。当園では、特別に何に一つに力を入れるのではなく、全体的にバランス良く、いろいろなことが経験できるような教育内容を組んでいます。
一方、「自由保育」というのは、登園後や、お昼を食べた後などに、子どもたちが思い思いに自由に遊ぶ時間のことです。「一斉保育」は“先生対子ども”ですから、子ども同士の関わりというのは少ないですが、「自由保育」では“子ども対子ども”の関わり合いがあります。時にはケンカをしたり、物の取り合いをしたり、さまざまことがその中で生まれるのですが、その経験がとても大事なことなのです。 「一斉保育」も「自由保育」も、どちらも子どもたちの成長にとっては大切ということですね。
なお、当園では「のびのび保育」ということで、週に1日、自由保育だけの日も設けています。この日は、縦割保育でクラス以外の先生や友だちとも一緒に遊ぶなど、通常の自由保育の時間よりも、より組織立った遊びも実践しています。
具体的にはどんな“遊び”を行っていらっしゃるのでしょうか?
季節によっても異なりますが、砂場遊びや、遊具で遊ぶことが多いですね。年中・年長クラスの子どもたちになると、ドッジボールなどのボール遊びも盛んですね。冬には「ドッジボール大会」もあります。これらは「一斉保育」の中でやるときもれば、「自由保育」の時間にやることもあります。
最初に「一斉保育」の中で体験したことを、子どもたちだけの自由な時間に“ドッジボールをやろうよ”と、自発的にやるようになっていくのです。今は運動会の練習も行っていますが、運動会をやってそれで終わり、ではなくて、そこから子どもたちの「自由な運動会」が生まれるのです。例えば、年長クラスになると運動会でリレーをやります。そうすると次の週辺りには、子どもたちの中でクラスのリーダーになるような子が、“みんなでリレーごっこしようよ”と自然と言い出して、子どもたちだけでバトンを借りに来て、自由な時間にもリレーをやるのです。「一斉保育」や行事をきっかけにして、「自由保育」の時間に自発性や主体性が伸びていくんです。それこそが大事なんですよね。
“よく遊ぶ”ことと同じく教育方針に掲げている、“基本的な生活態度を育てる”に関しては、どんなことを実践していらっしゃるのでしょう。
こちらはやはり“毎日の積み重ね”が大切なのです。突然、何かをやれと言われても、子どもだけではなかなかできないし、身に付かないことなんです。例えば、靴をちゃんと揃える、挨拶をする、席をたった後にはちゃんと椅子を入れておく…とか、そういうことについて、日頃から意識をもたせることを大事にしています。そのためには、先生も毎朝登園してきた子どもたちに対して「おはよう」と挨拶をするなど、当たり前のことを常に実践していくように心がけています。
生活態度というのは、各家庭のしつけによるところも大きいのですが、今のご家庭でしつけを実践するというのは、なかなか難しいのだろうと思います。食べる時に「いただきます」をするとしても、今はなかなか、そういう部分は希薄になっていますから。ですから、そういうところを幼稚園が担っていかないといけないウエイトが、昔よりも高くなっているのではないかと感じますし、積極的に取り組まなくてはいけないと思っています。
カリキュラムの特徴についても、ぜひお教えください。
園の創立からいろいろなカリキュラムに取り組むなかで、出来るだけクラスの担任が教育を実践するという部分は変わりませんが、専門性が必要なものもに関しては、プロの力をお借りするということもしています。
体育の時間の体操とプール指導や、造形・絵画の指導は外部の専門家の方にお願いしています。また、年長クラスの「英語遊び」は、外国人の外部講師の先生に来ていただいています。これは年長クラスだけ月に2回実施している授業で、心身の発達の盛んな幼児期に遊びを通して国際人としての基礎を作るために、英語で挨拶をしたり、歌ったり踊ったりということを行っています。
未就園児のための教室「プレイルーム」についても、お聞かせいただけますでしょうか。
こちらは、当園の教育の大きな特徴のひとつにもなっている取り組みでして、毎年、お断りしなければいけないぐらいの応募が集まります。 「プレイルーム」は、2~4歳の子どもたちが、幼稚園に入る前に集団あそびを経験したりという、いわゆる子育て支援の一環です。先生や友だちと楽しく遊びながら、可能性の芽をすこやかに伸ばしていくことが目的です。
また、2歳児ぐらいの子どもは活発に動き出して、お母さんが最もお世話に大変な時でもあります。ですから週に2日ほどどこかで見てくれたらお母さんたちが少し休憩できる、というような視点も含まれています。例年、次の年に入園する子の8割以上は、この「プレイルーム」に参加して下さっていますね。こちらを毎月6回、年間50回以上行っています。
特徴的な年中行事について教えてください。
運動会、盆踊り会などの年中行事はもちろんありますし、特に、12月に行なっている「発表会」は登園の目玉の行事といえます。 「発表会」では、年少から年長クラスまで、クラスごとに劇を発表するんです。しっかりとせりふのある言語劇で、公会堂で2日間にかけて行います。毎回たくさんの保護者の方に来ていただいています。
そのほかですと、毎年2月に開催する「生活造形展」というものがあって、これも名物行事になっています。子どもたちの絵画、制作物などの展示ですね。どうして「生活」が付くかというと、“子どもたちの生活の中から生まれるもの”をベースに、子どもたちが経験したことが題材になっているからです。幼稚園の中にあるものを描いたり、栽培活動で育てたものを絵や貼り絵にしたり、玄関にある水槽の魚を描く子どももいますね。身近なところから造形の表現活動に発展させているのです。立体作品に挑戦する子どももいます。
また、この造形展では幼稚園全体のテーマも設定しており、例えば「ピーターパンのお話の世界」というテーマであれば、海賊船を作るクラス、ピーターパンを作るクラスなどがあり、それをひとつの部屋でまとめて展示するのです。昨年は、各クラスごとに「家」をテーマに、お菓子の家、忍者屋敷のような仕掛けのある家、未来の家など、子どもたちと先生が自由に話し合って制作を進めました。最終的には「英明ハウジング」という一つの作品として展示しました。
「英明幼稚園」に入園したい場合、どうすれば良いでしょうか。
入園の前の年、5月の連休明けぐらいから園内見学を行なっていますので、早い方ですとそこから見学に来られます。見学は曜日が決まっていますから、事前に電話でお問い合わせいただいて、予約していただければと思います。その後、幼稚園を体験できるような機会もあり、入園説明会があり、当園を気に入っていただけましたら、入園願書を取りに来ていただき、11月に受け付け、というのが一般的な流れになります。
その前に「プレイルーム」に入られる方も多いのですが、こちらも空きがあればいつでも申し込んでいただけるのですが、最近は幼稚園見学を開始する5月の時点で満員になっていることが続いています。ただ、漏れてしまった方でも、子どもたちが慣れてきた9月から若干名の追加募集をしておりますので、そちらをチェックして申し込んでいただければと思います。1月から見学と入会手続きは行っています。
ありがとうございました。最後に、宝田理事長が感じられる、泉区立場エリアの魅力についてお聞かせください。
この街は、当園が建ったころは農村地域でしたし、今でもその名残が半分くらい残っており、“都会と田舎の中間”のようなバランスの良い環境がいいですね。「泉区」という名前が感じさせる通り、自然がたくさん残っているんです。ですから子どもをのびのびと育てられて、のんびりとしていてるところが魅力の街だと思います。 役職がら、行政の方ともお話をさせていただく機会が多いのですが、行政でも「子育てしやすい街」ということをスローガンにして取り組んでいますし、幼稚園や保育園に関しても、待機児童はほとんど無い状態だと思いますので、これから子育てのためにこの街に来られる方も安心できる環境だと思いますよ。
今回、話を聞いた人学校法人宝田学園 英明幼稚園
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街とともに歩み続けるビッグな「英明幼稚園」/学校法人宝田学園 英明幼稚園 宝田 浩さん
所在地:神奈川県横浜市泉区和泉町3864
電話番号:045-802-2537
教育時間:9:00~14:00
預かり保育:あり(7:30~9:00、14:00~18:30)
http://www.ans.co.jp/k/eimei/