SPECIAL INTERVIEW

池上地区まちおこしの会/吉澤正宣さん 加部東広美さん 國廣考栄さん


さまざまな立場や視点で街に関わり池上エリアへの愛着から街に貢献したいという想いを持つものが集まり結成された「池上地区まちおこしの会」。結成当初から参画している3人にお集まりいただき、街への想いを存分に語っていただいた。

この街に貢献したいという気持ち

――池上エリアに住まれて感じる、街の印象について聞かせてください。

吉澤さん池上には11の町会あり、少しずつ印象が異なるので同じようには語れませんが、それでも街の中心にある「池上本門寺」を中心に一体感のある風土があるように感じます。また、閑静な住宅街が広がる一方で、昔ながらの下町情緒が残っているような街ですね。

お話を伺った御三方
お話を伺った御三方

加部東さん抽象的な表現かもしれませんが、ここは“呼吸のしやすい街”ですね。「池上本門寺」の境内には緑がたくさんあるので散歩コースにはぴったり。街にもとても開かれたお寺ですので、構えることなく境内に入れます。一方で、街の雰囲気としては、観光客などに向けて門前町らしさを出して整備をしていけば、もっともっと注目を集める街になると思います。

街の中心的な存在「池上本門寺」
街の中心的な存在「池上本門寺」

「池上本門寺」へと続く道
「池上本門寺」へと続く道

下町風情が残る街並み(池上本門寺通り商店街)
下町風情が残る街並み(池上本門寺通り商店街)

――観光という観点ではどのような点が魅力なのでしょうか?

吉澤さん馬込文士村、洗足池に池上を加えた通称“馬池洗(まいせん)”という観光ルートを構成しているだけでなく、勝海舟と西郷隆盛によって江戸城無血開城について話し合った場所とされる「松濤園」など、池上エリアは歴史好きにとって興味の尽きない街だと思います。

「羽田空港」も近く、観光面でも盛り上げていきたい
「羽田空港」も近く、観光面でも盛り上げていきたい

國廣さん2017(平成29)年3月に、大田区は区制70周年記念式典で“国際都市おおた宣言”を行いました。「羽田空港」を擁し、海外から観光客が大勢やってくるものの、距離的には近い筈の池上には寄らず、浅草や銀座に直行してしまう現状があります。「池上地区まちおこしの会」としては、国内だけでなく海外の方にも観光に来ていただけるような取り組みが課題です。

――「池上地区まちおこしの会」が主催されている「池上まつり」についてお教えください

吉澤さん“見て感動!聞いて驚き!食べて満足!”をスローガンに掲げ、回を重ねる度に規模が大きくなっていきました。これまで色々な出し物を企画してきましたが、印象的なものを挙げると、「来~る(クール)大田区大使」の一環で来日した台湾のタイヤル族が披露してくれた舞踏です。他にも、各国の文化を紹介する民族衣装でのファッションショーもありました。

加部東さん「池上まつり」のメインイベントとも言えるのが、地元を中心に活躍している畳師、表具師、染師などが技術を披露してくれる「池上職人尽くし」です。過去にはワークショップのような形で、子どもが体験できる回もありました。それ以外に人気があるのは、「池上観光協会」や地域の方にご協力いただいた「池上昔写真」ですね。当時を知っている方がガイド役となり、誰にでも分かりやすく昔の池上を説明してくれます。また、室内ステージでは落語、ミュージカル、クラシックコンサートが開かれますが、発表会としてではなく、一定のレベルを満たした団体にお願いしています。

池上まつり 野外ステージ「池上太鼓」の様子
池上まつり 野外ステージ「池上太鼓」の様子

池上まつり 「池上職人尽くし」(フルーツカービングの様子)
池上まつり 「池上職人尽くし」(フルーツカービングの様子)

池上まつり 模擬店の様子
池上まつり 模擬店の様子

國廣さんこれだけの規模になると、警備員や自転車の誘導係を適切な場所に配置しなくてなりません。ですが、「池上まつり」では、地元の高校の生徒さんだけでなく、地元の企業の皆さんが手伝ってくださるので本当に助かっています。「池上まつり」によって、地域・団体がより深く関わりを持つようになったなと実感しています。

――「池上まつり」以外で、注目すべきイベントはありますか?

國廣さん夏の祭典が「池上まつり」だとしたら春の祭典として「梅まつり」があります。「ジャパン・デイ」を開催する大田区・多文化共生推進課とタイアップしたイベントで、今年(平成30年)は約4,500人の方に来ていただき、第2会場では池めしや池上みやげの販売も行いました。

梅まつり
梅まつり

梅まつり
梅まつり

――「池上まつり」の今後について聞かせてください

吉澤さん今後も続けていくためには、若い人の意見を取り入れる必要があります。現状は、色々なことを手を広げてやっていますが、これからは柱となる何かが必要だと考えています。「池上」という枠を飛び越え、将来的には全国から注目されるイベントに育てていくことが目標です。

――町会の活動についてお教えください

吉澤さん基本的には、どの町会も大きな差はありませんが、新入生・高齢者のお祝いや、地元におけるイベントのお手伝い。また、盆踊りや新年会の開催に加え、防犯カメラの設置なども町会の活動として行っています。町会の活動や地域について知っていただける方が増えたら嬉しいですね。遠くから見ると、煩わしいと感じてしまうかもしれませんが、内側に入ってみると意外に楽しいものです。せっかくこの街に縁があって住んだわけですから、そこでみんなと一緒に神輿を担いだという思い出ができるだけでも人生の色彩はより豊かになると思います。

――最後に、改めて池上の街の魅力をお教えください

吉澤さん都会化されているところもありますが、下町情緒が根強く残り、下町らしい人情も感じさせてくれる街です。家路につく前に、馴染みの顔がいる店で一杯だけ飲んでいこうかなと思ってしまう街でもあります。

加部東さん色々なものがコンパクトにまとまっているのがいいですね。都心や横浜エリアへのアクセスもいいので買い物には困りません。遠くに行かなくても、JR「蒲田」駅周辺にもお店がたくさんあるので便利ですよ。

國廣さん何をするにも“楽な街”という気がします。遠出をして戻ってきたときに、どこかほっとした気持ちになる街。そこにいるだけで、リラックスできてしまう街ではないかなと思います。

※この情報は2018(平成30)年10月時点のものです。

今回、話を聞いた人

池上地区まちおこしの会

吉澤正宣さん(池上徳持北町会・会長 池上地区まちおこしの会・副会長)、加部東広美さん(池上地区まちおこしの会・企画部長)、國廣孝栄さん(池上地区まちおこしの会・事務局長)

池上地区まちおこしの会/吉澤正宣さん 加部東広美さん 國廣考栄さん
所在地:東京都大田区池上1-29-6 
電話番号:03-3752-3441
http://ikegami-machiokoshi.jp/