楽しい行事と場づくりで、地域の子育て世帯をサポート

地域子育て支援センターたまご インタビュー


高津小学校の敷地内にある「みぞのくち保育園」内に開設された施設で、溝の口地区を中心とした子育て世帯が集まる拠点となっている場所。今回はセンターのスタッフに、施設での活動や高津区の子育て環境について、お話を伺った。

―「地域子育て支援センターたまご」はどんな所か教えてください。

利用者登録をすれば、開所時間内、自由に利用ができる
利用者登録をすれば、開所時間内、自由に利用ができる

当センターは、2002(平成14)年に社会福祉法人大慈会が運営する「みぞのくち保育園」が開設した、子育て支援施設です。「屋根のある公園」のような誰もが気軽に利用できる施設として、地域の関係機関や団体からの子育て情報の提供や子育て相談の他、看護師や管理栄養士、外部講師の方を招いた講座や親子で楽しめる行事の実施、子ども達の遊びの支援やお母さん同士の交流の場づくりなど、地域の子育て世帯が楽しく子育てをするためのいろいろな活動を行っています。

玩具や絵本、子育て雑誌もたくさんあるセンター内
玩具や絵本、子育て雑誌もたくさんあるセンター内

―どのような方が、「地域子育て支援センターたまご」を利用されていますか。

原則として、0歳から就学前のお子さんと保護者の方の利用施設なので、午前中は1歳過ぎのお子さんとお母さん、午後は1歳未満のお子さん連れの方が多いですね。行事がある時はもっと増えますが、1日に平均30名前後、月々700~800名位の方がいらっしゃいます。数字の約半分はお子さんですが、その中の約3分の1が0歳児です。

エリアとしては、溝の口から来られている方が一番多いですが、その他にも、下作延、久地、諏訪、久末、二子や久本などからもいらっしゃいます。センターのすぐ近くに「高津図書館」があるので、図書館に来たついでに寄られる方などもいらっしゃいますね。利用者登録が必要ですが、無料で利用できる場所なので、そういった機会に来られる方も結構いらっしゃるんですよ。

施設内には、遊ぶ玩具や子育て関係の情報があるので、お子さんと遊んだり、他のお母さんやお子さん、私達スタッフとお話をしたり、自由に過ごしていただいています。毎日、活動時間の終了時に、絵本の読み聞かせや紙芝居、手遊びといった親子のふれあい遊びの時間を設けているのですが、これを楽しみにいらしてくださるお母さんも多いです。センターにお父さんが参加されるのがむずかしい状況なので、年に1回、土曜日に講座も行っています。今年は「絵本で子育て」をやりましたが、お父さん方にも大勢来ていただきました。

土曜日開催の際は、お父さんの参加も多い「絵本で子育て」
土曜日開催の際は、お父さんの参加も多い「絵本で子育て」

―保育園内に施設がある、という環境におけるメリットはありますか。

センターに来られる親子の方は、集団保育を全く経験していない方がほとんどなので、保育園の行事に参加したり、園庭で遊んだり、お子さんが園児さんと一緒に過ごせることや保育園の雰囲気を読み取れる点は、メリットではないかと思います。それから、現代は核家族化社会なので、お母さん、お子さんなりに、いろいろな年齢のお子さんを見ることができて、お互いにとっていい刺激になっているのではないかなと感じています。

―開催している講座について教えてください。

外部講師の方をお呼びして行う「ベビーマッサージ」や「親子ストレッチ」、「絵本で子育て」、「歌とリズム」といった育児講座、「離乳食講座」などの講座の他、月初めに身体測定、歯科衛生士さんが来る歯科講座も今年から行っています。「離乳食講座」は、「みぞのくち保育園」の栄養士さんが、離乳食の作り方などを教えてくれる内容です。調味料の分量やドロドロの離乳食から次の段階に行くときのタイミングが分からないといった、離乳食で悩まれているお母さんが結構いらっしゃるので、とても人気がある講座で、皆さん楽しんで参加されています。

また、2か月に1回位の頻度でクリスマスの飾りや運動会の旗を作るなどの季節に合わせた制作イベントを行っています。ここは保育園が併設しているので、誕生会やもちつき、運動会、移動動物園といった保育園の行事にも参加させてもらっています。

栄養士が離乳食の作り方を教えてくれる「離乳食講座」
栄養士が離乳食の作り方を教えてくれる「離乳食講座」

―講座や行事には、どうやって参加できるのでしょうか。

電話予約はしていないので、センターに来ていただいて参加申し込みをしていただきます。ただし、毎月2回、水曜日に行っている「歌とリズム」は予約なしで参加ができます。人数と月齢差によって参加できるものとできないものがあるので、参加される際はホームページ等でご確認いただければと思います。

親子で楽しめて、子育てに役立つ講座を開講
親子で楽しめて、子育てに役立つ講座を開講

子どもも大人も大はしゃぎのお餅つき
子どもも大人も大はしゃぎのお餅つき

―溝の口エリア(高津区)の子育て環境について、特徴や魅力を教えてください。

子育てにとても協力的なエリアだと思います。例えば、高津区役所が、「ホッとこそだてinたかつ」という交流会を年に数回開催しています。これは、高津区に転入した、0歳から11カ月のお子さんと保護者、1歳から2歳11カ月のお子さんと保護者を支援する転入者交流会です。和やかな時間を一緒に過ごすのが会の目的なので、参加者もお互いに無理なく会話を楽しめます。まだ知らないことの多い地域で不安を感じられている親子にとって、親子同士の友だち作りの場としても最適な場だと思います。

それから、駅前にあるマルイには子どもが遊べるスペースがありますし、多摩川も近いので、街中に子ども達の遊び場がたくさんある点も魅力ですね。

―最後に、この街で子育てをしている方にメッセージをお願いします。

私たちが子育てをしていた頃は、支援センターなどがありませんでしたが、今は遊ぶ玩具や設備の整った、いろいろな場所があっていいなと思います。自宅だと、どうしても遊ぶ範囲は限られますし、こちらのセンターをうまく利用していただき、自分の生活のリズムの中に取り入れていただけるといいなと思っています。高津区は子育てにやさしい地域で、いろいろな取り組みも行っているので、利用できるものはできるだけ利用していかれることがいいのではないでしょうか。センターに置いているチラシやインターネットでもたくさんの子育て支援の情報がありますし、ご自分のアンテナを張りながら、ゆとりを持って子育てをしていただけたらと思います。

センターのスタッフの川上さんと小林さん
センターのスタッフの川上さんと小林さん

地域子育て支援センターたまご インタビュー
所在地:神奈川県川崎市高津区溝口4-19-2 みぞのくち保育園内
電話番号:044-811-5763
https://www.mizonokutihoikuen.com/