担任制で仏の教えを継ぐ仏教系幼稚園

担任制で仏の教えを継ぐ仏教系幼稚園/けいしょう幼稚園 園長 小林司先生


「鶴川」駅から北西方面へ、小高い丘をのぼって行くと、閑静な住宅地の中にある「けいしょう幼稚園」に行き着く。東京都でありながらも、神奈川県と隣接する鶴川には、今でも比較的森や畑が残っている。幼稚園の周りも斜面林と畑に囲まれ、のんびりとした雰囲気。そんな静かな中に響く、子どもたちの元気な声が印象的だ。今回はこちらで三代目園長を務められている、小林司先生にお話をうかがった。

小林司 園長先生
小林司 園長先生

ーーまず、幼稚園の概要について教えてください。

現在121名の園児がおりまして、定員としては240名まで認められているわけですが、今はその約半分の数ということでやっています。今後、希望があればもう少し増やしていく予定ですが、それよりも満3歳児の学年を新しく増やしたり、より充実した子育て支援の環境を整えたりと、きめ細かな保育を維持していきたいと思っています。

ーー園の保育の特徴はどんなところでしょうか?

比較的珍しいのは、担任がローテーション制になっている点でしょうか。本園では1クラス1担任制ではなく、保育者全員で子ども達一人ひとりの成長を見守っています。たとえば、ピアノが得意な先生がいたら、ピアノを中心に、いろんなクラスを受け持ってもらっていますし、歌が得意な先生がいたら、歌を中心に持ってもらうなど、得意分野を生かしながら保育を高めています。

園オリジナルの遊具は園児たちのお気に入りスポット
園オリジナルの遊具は園児たちのお気に入りスポット

ーー園舎のこだわりポイントについて教えてください。

本園は1968(昭和43)年にできた幼稚園で、50周年を迎えた時に耐震化の関係もあって新しい園舎に建て替えました。設計は、新国立競技場なども手掛けている隈研吾さんの師匠である原広司さんに設計をお願いしています。新しい園舎は木造の平屋で開放感抜群ですし、木目を生かした黒い外壁と5メートルの高い吹き抜けに設けられた明かり取りは、京都の伝統的な町屋のようなシックな佇まいです。

一番の特徴は園内に仕切りが一切無くて、全部の部屋がつながっている「オープンルーム」になっているということですね。保育についても、一応クラスは分けていますが、園舎全体をダイナミックに使って皆で活動したり、時にはゆったり少人数で過ごしたりと、その時々に合わせながら空間を活用しています。自由保育の時などはクラス関係なく、一緒になって遊んでいますね。

木造平屋の新園舎 外観
木造平屋の新園舎 外観

子どもたちが駆けまわれる「オープンルーム」
子どもたちが駆けまわれる「オープンルーム」

ーー音楽活動や美術・造形活動に積極的に取り組んでいらっしゃるそうですね。

そうですね。まず音楽については、伝統的にオペレッタに取り組んでいます。また、楽器はリズム打ちを自然に楽しめるタンバリンやカスタネットなどの打楽器を中心に演奏します。美術・造形では、「土粘土」という彫塑や陶芸で使うものと同じ粘土を使っているのが独特だと思います。「土粘土」だと、年少さんだったらやわらかめのものを用意したり、年長さんは少し硬めにしたり、いろいろな加減ができるので、ずっと昔から使っています。このほかにも、木炭画、水彩画、墨絵などもやっています。

根本としては、いろんなものに興味を持てるようにいろいろな活動を用意している、ということなのですが、僕たちも「今年の子はどれに興味をもつかな」と毎回楽しみにしていまして、子どものやりたいことに合わせていくので、その年によって、やることも変わっていきます。

「土粘土」やお絵かきを楽しむ園児たち
「土粘土」やお絵かきを楽しむ園児たち

ーー年間行事で、特徴的なものがあれば教えてください。

「けいしょう祭」と言って、例年1月か2月ごろに発表会をやっていますので、そこでオペレッタや、年によっては舞踊劇のこともあるので、その発表をしたり、合奏も披露しています。このほかにも、「作品展」では制作したいろいろなものを展示して、親御さんに見ていただいています。小さな行事はたくさんありまして、子ども会とか、七夕祭りとか、クリスマス会とか、もちつきとか、季節を楽しむような行事を年間を通してやっています。

ーー子どもたちが地域の方と交流するような活動はありますか?

ちょうどここの目の前の畑が檀家さんの畑なので、そこでお芋掘りをさせていただいて、園庭で焼き芋にして楽しんでいます。あと、今年は中止なんですが、近くにある「春日神社」で毎年お祭りをやっていますので、そこの舞台に立たせていただいてオペレッタや舞踊劇を披露しています。園児たちが提灯を作って、会場に飾ってもらったりもしています。

「春日神社」での発表の様子
「春日神社」での発表の様子

ーー鶴川エリアの子育て環境の魅力を教えてください。

近くの公園などに散歩に行くことも多いですし、園外保育ということで、ちょっと離れた公園に園バスで遊びに行くこともあります。「真光寺公園」あたりが定番で、お弁当を持ってよく行っていますね。町田市は遊びに行けるようなところがよく整備されていて、ありがたいです。

ーー最後に、これから鶴川に住みたいという方に向けて、メッセージがあればお願いします。

この辺りは自然もまだまだ残っていて、一方で駅の辺りには都会的なものもあって、バランスがとれた、とても暮らしやすい街だと思っています。地域の皆さんも素敵な方ばかりで、「より良い地区にしたい」という思いが強いところなので、お子さんをお持ちのファミリーの方から、お年寄りの方まで、安心して長く住み続けられる街だと思います。ぜひお越しいただければと思います。

小林 園長先生
小林 園長先生

けいしょう幼稚園

園長 小林司先生
所在地:町田市鶴川1-5-2
電話番号:042-708-8787
URL:https://www.keishou.jp/index.php
※記事内容は2020(令和2年)年8月時点の情報です。

担任制で仏の教えを継ぐ仏教系幼稚園/けいしょう幼稚園 園長 小林司先生
所在地:東京都町田市鶴川1-5-2
電話番号:042-708-8787
教育時間:9:00~14:00
預かり保育時間:7:30~9:00、14:00~18:30
https://www.keishou.jp/