足立区・新田の子育てライフ/足立区役所
足立区新田エリアは古くから残るおだやかな町並みと大規模な開発によって整備された地域で、自然環境にも恵まれた子育てしやすい地域だ。今回は足立区の子育て支援の取り組みと新田地区の子育て事情について話を伺うべく、待機児対策室待機児ゼロ対策担当課の富山さん、住区推進課の矢野さん、公園管理課の加藤さんにお集まりいただき、足立区で子育てをする魅力について教えていただいた。
ーーまずは、各課のご紹介を簡単にお願いします。
富山さん:待機児対策室待機児ゼロ対策担当課は、「足立区待機児童解消アクション・プラン」に沿って保育施設の整備計画や、保育士を確保するための政策など、待機児童対策を進めるための様々な調整業務を行なっています。
矢野さん:地域のちから推進部住区推進課では子育てサロンの運営をしています。子育てサロンというのは、0歳から3歳までのお子さんとその保護者の方を対象にした施設で、区内に65ヶ所あります。各施設では専門のスタッフが常駐し、気軽な子育て相談や各種イベントを開催したりしています。
加藤さん:都市建設部公園管理課は区内の公園ならびに児童遊園、また荒川河川敷にあるスポーツグラウンドの管理などをしています。
待機児童数3人に至るまでの道のりとこれからの取り組み
ーー2020(令和2)年4月の待機児童数が3人になり、待機児童解消まであと一歩と伺いました。これまでの経緯や取り組みについてお聞かせください。
富山さん:足立区の待機児童ですが、以前は毎年300人を超えているような深刻な状況にありました。その背景として各地区でマンション開発が活発に行われ、保育ニーズが上昇し続ける中で、施設の整備が追いつかなかったことが挙げられます。そういった中で2015(平成27)年5月に待機児ゼロ対策担当課が発足しました。当初は2018(平成30)年4月の待機児童ゼロを目標として対策を進めていたのですが、2017(平成29)年4月に想定を超える急激な保育需要数の増加があり、一時的に待機児童数が増えてしまったことから、待機児対策室というより大きな組織として再編、取り組みを強化してきました。
そうした再スタートも経て2015(平成27)年度から2019(令和元)年度の5年で認可保育所51園、小規模保育7園、認証保育所4園の新規整備を行い、4,420人分の保育定員を拡大することができました。そして2020(令和2)年4月に待機児童数が3人になり、待機児童ゼロまであと一歩というところまでたどり着きました。
ーー具体的にどのような取り組みが行われてきたのでしょうか。
富山さん:保育施設を整備するハード面の課題も大きかったのですが、保育士の確保というのも課題のひとつでした。当時、大学や養成校に行って話を聞いたところ、多くの方が奨学金を利用していて、実際に勤めてから返済するのに苦労しているという話や奨学金の返済がネックになり、やむなく他の職種に就いているという状況を肌で感じました。
せっかく勉強したのであれば足立区の保育施設の保育士さんとして頑張っていただきたいと、足立区独自の取り組みとして、全国で初めて、奨学金の返済費用の半分(上限10万円/年)を区が補助する事業をはじめました。また、保育事業者が社宅を借上げた際、経費の一部を補助する住居借上げ支援事業も導入しています。
ーー今後の取り組みについてお聞かせください。
富山さん:まだ待機児童がゼロになった訳ではないので、引き続き保護者の安定した就労を支援するために待機児童対策の取り組みを進めていきたいと思っています。また、小規模保育や家庭的保育(保育ママ)といった多様な保育サービスの整備も進んでいるので、ご家庭の状況やニーズに合わせた保育サービスをバランス良く使っていただけるような施策をこれからも実施していきたいなと思っています。
子育ての悩みを気軽に共有できる集いの場、子育てサロン
ーー新田エリアの子育てサロンについて、各施設の特色を教えてください。
矢野さん:新田エリアには3つの子育てサロンがありまして、「新田保育園」内にある「子育てサロン新田」と、今年度新しくできた「子育てサロンハートアイランド新田」、また「新田保育園」の隣、「足立区新田住区センター」の中に「新田児童館子育てサロン」があります。
子育てサロンは通常平日の10時から16時が利用時間になっていますが、「子育てサロンハートアイランド新田」については土曜日もやっているのが特徴で、比較的パパの利用が多い施設です。一方、「新田保育園」内の子育てサロンでは、私立保育園の中にあるからこそ給食をお試しで食べてみたり、保育園の園児たちと一緒にイベントをやってみる機会があります。
ーーコロナ禍はどのような対応をされていたのでしょうか?
矢野さん:まず電話相談を中心に体制を整え、次に予約制にして受入れ人数を制限しながら運営してきました。またコロナ禍では孤立感を感じて悩みを抱えていたママが多くいたように感じます。運営を続けたことで「うちの子ってちゃんと成長しているのかな」という不安に寄り添うことができ、「他のママと話ができて良かった」といった声も頂戴しています。
ーー今後の取り組みについてお聞かせください。
矢野さん:子育てサロンを必要としている人が気軽に利用できるような仕組みづくりと周知をもっと広めていきたいですね。区内で唯一の商業施設内の子育てサロン「子育てサロン千住大橋」を運営する中で、子育てサロンのことを知らずに買い物ついでに立ち寄った人が継続して来てくれることも多いという事実が見えて来たんです。サロンを知ってもらう手段のひとつとして商業施設のような誰でも気軽に行けるところにあることの必要性を感じています。
25,000平方メートルもの広さを有した「新田さくら公園」
ーー新田エリアの親子で遊べるおすすめの公園や広場を教えてください。
加藤さん: まず、隅田川沿いには遊歩道が整備されているので水辺にも降りられますし、荒川にも自然地を利用した「新田わくわく水辺広場」と呼んでいる場所があり、自然と触れ合える環境が整っています。
また、「新田さくら公園」は区内でも規模が大きく25,000平方メートルもの広さがあり、16,000平方メートルもある芝生広場が最大の特徴です。また公園の広さと高低差を生かした区内ー長いローラー滑り台や大型の複合遊具、夏場には「じゃぶじゃぶ池」といって、未就学児が遊べるような池も開設しています。
最近は、安全を第一に考え、スリルを味わえるような遊具が減少していますが、足立区としては地区ごとに個性を生かした遊具を設置して行こうと取り組んでいるところです。
子育て環境に最適な充実した保育施設と成熟した生活環境
ーー最後に、足立区あるいは新田地区の魅力について一言ずつお願いします。
富山さん:新田地区は一時期、大規模なマンションができて、待機児童が増えた地域でしたが、直近2年は4月の待機児童が出ていません。区内でも比較的保育園を利用しやすい地域であり、また多様な保育施設があるので、選択肢が豊富だと思います。
矢野さん:新田地区は昔からの地域と開発されてきた地域とで二面性のある地域ではありますが、私の印象としては地域の中でお互いによく人を知っていて、子どもたちも本当の意味で地域の人たちに育ててもらっているんだろうなと感じます。新田地区で子育てを考えている方は、子育てサロンに足を運んでいただくと、地域を知る良いきっかけになると思います。
加藤さん:長年この地区に住んでいる方と新しい住民の方も多くて、いろんな人と交流できると思います。また身近な場所に自然と触れ合える場所があるので、公園や河川敷の遊歩道を散策してみてはいかがでしょうか。
足立区役所
(左から)
地域のちから推進部住区推進課 矢野さん
待機児対策室待機児ゼロ対策担当課 富山さん
都市建設部公園管理課 加藤さん
所在地 :足立区中央本町1-17-1
電話番号:03-3880-5445(子ども政策課)
URL:https://www.city.adachi.tokyo.jp/index.html
※この情報は2020(令和2)年9月時点のものです。
足立区・新田の子育てライフ/足立区役所
所在地:東京都足立区中央本町1-17-1
電話番号:03-3880-5111
開庁時間:8:30~17:00 ※第4日曜日9:00~16:00に一部窓口を開庁
閉庁日:土・日曜日、祝日、年末年始(12/29~1/3)
https://www.city.adachi.tokyo.jp/