最新設備とわかりやすい解説で話題沸騰中 /かわさき宙と緑の科学館 学芸員 国司真さん、プラネタリウム解説員 佐藤幹哉さん
最新設備とわかりやすい解説で話題沸騰中
「かわさき宙と緑の科学館」の魅力
「川崎市青少年科学館」として約40年間の間、市民に広く親しまれてきた博物館が2012年の春にリニューアルオープンし、名前も新たに「宙(そら)と緑の科学館」となった。数ある展示の中でも、目玉となっているのは直径18mのドームに投影されるプラネタリウム。「スーパープラネタリウム」を標榜する純国産最高峰機種「メガスターⅢフュージョン」が導入されているのは、世界中でもここだけだ。週末ともなれば、朝からチケットを求める人々が列を作るほどの人気ぶりだ。今回はこのプラネタリウムの人気の理由と舞台裏について、学芸員の国司真さんと、当日の解説員、佐藤幹哉さんに話を伺った。
こちらは川崎市の施設ということですが、どのような位置づけにあるのでしょうか
国司:生田緑地は川崎市で最も緑豊かな公園です。かわさき宙と緑の科学館は市内で唯一の自然系博物館で、プラネタリウム以外にも川崎市域の動植物、化石、地質の展示があります。プラネタリウムは開館当初からあり、以前は直径16メートルのドームでしたが、リニューアルして18メートルになりました。
今日のプログラムは川崎の夜空から富士山の夜空へ、そして銀河の外への宇宙旅行というエピソードでしたが、ほかにも色々なシナリオがあるのでしょうか
国司:プログラムはリニューアル前から科学館オリジナルの番組を投影しています。制作環境は変わりましたが、今でも解説員が分担して制作しています。解説員は7人いて、それぞれ個性ある解説をしています。投影の種類は、やさしくお話しする「子ども向け投影」、毎月話題の変わる「一般投影」、そして学校向けの「学習投影」があります。
毎月新作を作るというのは、とても大変な作業では?
佐藤:はい・・・。とても大変なので、どこまで続けられるかはわかりませんが頑張っています(笑)。
国司:来月は太陽の話、再来月は星の一生の話をやるんだよね。オリオン大星雲とかスバルとか行ってみたりしてね。
ほかのプラネタリウムでは、映像を流しているだけのものが主流ですよね。すでに出来上がっている“番組”といいますか
国司:そうですね川崎では解説員による生解説が特徴になっています。お客さんの様子や反応を聞きながら解説をしているので、子どもの多いときはやさしく話すなど、説明の仕方をかえて話すこともあります。子ども向け番組で紹介する物語も、こちらで企画・立案して制作会社に作っていいただいています。
スタッフの皆さんもやはり星が大好きな方々なのでしょうね
国司:プラネタリウムの星はとてもきれいで、多くのみなさんが感動してくださいます。そしてプラネタリウムをご覧いただいた後に、ほんとうの星空もぜひ見上げて下さいとお話しします。屋上には「アストロテラス」という天体観察施設がありますから、観覧後に実際の空を見ていかれる方も多くいらっしゃいます。
地元の小学生もよく来るのでしょうか
国司:川崎市の小学生は学校の授業として2回ほど来館します。4年生の星座の学習、6年生の月と太陽の学習です。また近所の小学生は毎週のように一般投影を見に来てくれます。
なるほど、だから子どもに語りかけるような、あんなに解りやすい解説ができるんですね。ところで、「完全生解説」というのは、この館だけの特徴なのでしょうか。
館主催のイベントや観測会も定期的に開催されているのでしょうか
国司:科学館でおこなっている講座や教室は、できるだけ多くの方が参加できるように企画しております。詳しいことは科学館だよりやホームページを見てください。
佐藤:ほかにも、「子どもプラネタリウム番組制作教室」や、親子向けの「生田緑地自然観察会」、「わくわく科学実験教室」、大人向けの「大人のための科学実験講座」、シニア向けのプラネタリウム「ゆうゆう散歩」、などいろんな年代の方が楽しめる講座があるんですよ。赤ちゃん向けのプラネタリウムプログラムで「ベビー&キッズアワー」というのもあります。泣いても全然大丈夫ですから、小さな赤ちゃんでもぜひいらしてください。プラネタリウムはお得な年間パスポートもあります!
最後に、この辺りのオススメポイントを教えてください
国司:やっぱり生田緑地の森と、あと、展望台の景色ですかね。星空は川崎だと生田緑地がいちばん綺麗に見えます。バードウォッチングをする人も多いんですよ。川崎だけど、川崎じゃないみたいで、紅葉の時期なんて京都かと思うほどです(笑)。民家園と岡本太郎美術館もいいですしね。
佐藤:おいしいラーメン屋さんが多いですし、多摩川の川原も気持ちいいし、玉川花火大会もきれいです。子どもたちには「二ヶ領せせらぎ館」や「藤子・F・不二雄ミュージアム」などもオススメです。
国司:実は近くには天文が好きな方や、有名な画家の先生なんかも昔から住んでいらっしゃるぐらいなので、静かで落ち着ける環境なのでしょう。生田緑地の森は昔からあった自然の森ですから。ぜひここで川崎一の夜空を見てほしいですね。
かわさき宙と緑の科学館
学芸員 国司(くにし)真さん
プラネタリウム解説員 佐藤幹哉さん
住所:神奈川県川崎市多摩区枡形7-1-2(生田緑地内)
電話番号:044-922-4731
開館時間:9:30~17:00
休館日:月曜日(祝日の場合は開館)、祝日の翌日
URLhttp://www.nature-kawasaki.jp/
備考:プラネタリウムは平日15:00から45分間、土・日曜日、学校休み期間は10:30~、12:00~、13:30~、15:00~の4回投影、各45分 事前にチケット購入が必須 発売は毎日9:30~
※この記事内容は2012(平成24)年12月時点の情報です。
最新設備とわかりやすい解説で話題沸騰中 /かわさき宙と緑の科学館 学芸員 国司真さん、プラネタリウム解説員 佐藤幹哉さん
所在地:神奈川県川崎市多摩区枡形7-1-2
電話番号:044-922-4731
開館時間:9:30~17:00
休館日:月曜日(祝祭日の場合は開館、翌火曜日は休館)、祝祭日の翌日(土日の場合は開館)、年末年始(12月29日~1月3日まで)
http://www.nature-kawasaki.jp/