スペシャルインタビュー/ハーモス荏田フットボールクラブ 角谷佳英さん
「横浜市立荏田西小学校」のグラウンドと、「江田」駅近くの「青葉台スポーツセンター」を拠点に活動している、子どものためのサッカークラブ「ハーモス荏田フットボールクラブ」。こちらは横浜市各区を中心に、神奈川、東京、埼玉と広いエリアに幾つもの子ども専門サッカークラブを持つNPO法人「セイントフットサッカークラブ」が運営している。
「ハーモス荏田フットボールクラブ」は、青葉区内に4つあるセイントフットのクラブの一つで、小さな子は2歳から、大きな子は小学6年生まで、現在およそ90名ほどのメンバーが所属している。今回は練習時間に伺い、コーチを務める角谷佳英さんにお話をうかがった。
一人でも多くの子が「サッカーが大好き!」と思えるように
――まず、チームの沿革と活動内容、目指している目標について教えてください。
ハーモス荏田は今から13、4年前に立ち上がったクラブで、2、3歳児から、上は12歳の小学校6年生までのメンバーで活動しています。サッカーの普及を一番に考えていて、一人でも多くの子どもたちに、サッカーって楽しい、サッカーが大好き、サッカーをずっと続けていきたい、と思ってもらえるよう、常に心がけています。活動日は毎週水曜日と土曜日です。土曜日は「荏田西小学校」で活動しています。
――どのような子どもたちが所属しているのでしょうか?
2、3歳児のクラス、幼稚園(年中・年長)のクラス、小学生のクラスと、年齢によって状況は違ってきますが、小学生のクラスに関しては、7・8割方が「荏田西小学校」の子どもたちです。そのほかの子は、隣の「荏田小学校」や、都筑区や青葉区の小学校から通ってきています。自転車で通えるような、近隣の子がほとんどです。
小さな子については、保護者の方が車で連れて来られる場合も多いですから、青葉区の全域と、都筑区の青葉区に接している辺りからも参加しています。
それぞれ友達伝いに興味を持ってくれる子が多いですね。兄弟がいるご家庭も多いので、お兄ちゃんがやっているから弟も入るなど、そういった例もあります。
子どもたちが向上心をもち、夢中になれる工夫
――普段の練習以外でレベルアップを目指す「ファンタジスタ」「トレーニングセンター」について教えてください。
日本サッカー協会が出している「ファンタジスタ検定」というものがあります。それに準拠して、年に4回の検定を行っているものです。たとえば、ボールを落とさずリフティングをしたり、フェイントをしたり、そういった技術的な部分の検定試験になります。基本的にクラブ内の検定で、外部の子は参加できないのですが、将来的には、ほかのチームの子でも参加できるようにしたいと思っています。
「トレーニングセンター」というのは、私達セイントフットが支援している幾つかのクラブの中で、小学3年生から6年生を対象にして、意欲の強い子、レベルの高い子などを、コーチ推薦のもとで選出して、一堂に集めて練習をするというものです。ただ単に個人のレベルアップを図るだけではなく、レベルアップした子が各クラブに技術や知識を持ち帰ることで、チーム全体に還元していこうという目的で行っています。
――子どもたちがサッカーを楽しむために、大切にしていることや方針はありますか?
私達は「どうやったら子どもたちが本当に楽しめるのか」ということを、常に一番大事に考えています。その中でも3つ、「達成感をもたせること」、「コミュニケーションを取ること」、「競い合わせること」ということを大事にしています。
大人でも子どもでも同じだと思いますが、何かを達成していけば、もっともっとと向上心が湧くものです。ですから小さな達成感でもいいので、日々の練習で達成感を感じてもえるよう、工夫をしています。
「コミュニケーション」については、やはり通っている子たちの中には、お父さんお母さんに「スポーツをやってもらいたいから」という理由で、「連れて来られている」という子も多からずいます。そういった子たちも一緒に楽しむためには、楽しい空間が必要だと思うんです。
たとえば、「この大人と一緒にいたら楽しいな」とか、子ども同士でも、「この子がいるから行きたいな」とか、そういった部分がモチベーションになっていくと思うので、話す機会、触れ合う機会、チームでまとまる機会といったものを大事にしています。
「競い合い」については、練習を通して、年齢が下がれば下がるほど、実は競い合いが好きなんじゃないかな、と感じる部分があるんです。何かが懸かっていなくても、ちょっとした勝負でも、勝てばすごく喜ぶ。そういったことの積み重ねが、「楽しい」の気持ちにつながっていくと思いながら、「競う」という機会も多く持つようにしています。
――普段の練習以外に、大会やイベント等はありますか?
大会に関しては、セイントフットが主催している「チャイルドサッカーフェスティバル」という大会が年に1回あります。学年ごとに試合があり、小学生が年間に6回、幼稚園の大会が1回、ということで参加しています。それとはまた別に、神奈川県のサッカー協会が主催する大会もありまして、ここには年長さんが参加しています。
小学生についてはこのほか、セイントフット主催の「オーシャンズリーグ」というものがあります。これは横浜市、川崎市を中心とした年間を通してのリーグ戦でして、3年生以上のチームが参加しています。
試合以外のイベントとしては、懇親会など親睦を深める会であったり、卒業生する子については、卒業お別れ試合のようなものもやっています。それから、自由参加の合宿も年に何回かありまして、そういった時には、練習はもちろんやりますけれども、いちご狩りを楽しんだり、水族館や動物園に行ったりという、お楽しみのイベントも組み合わせています。
――チームの自慢、特色についてお聞かせください。
さきほども申し上げたとおり、「サッカーを好きになってもらう、楽しんでもらう」という点を一番に考えていますので、運動が苦手という子でも、もちろん女の子でも、サッカーを始めたばかりの子でも、サッカーを楽しめるように工夫をしています。そこが、このチームの特徴だと思います。
中にはやはり、ほかのチームと掛け持ちで所属している子もいるんですが、そういった子たちの中でも、「ここのチームでもずっと続けていきたい」という子が多くて、それはなぜかと言えば、やっぱり、このチームで過ごす中で、コーチや仲間がサッカーの楽しさを教えてくれたという部分があるのかと思います。
――普段の練習で子どもたちの成長を感じることや、具体的なエピソードはありますか?
うちには運動が苦手な子や、サッカーを始めたばかりという子が、けっこう来るんですね。そういった子たちが、最初からモチベーションも高くサッカーをやるかと言えば、当然、そうでもありません。
ただそんな子たちも、試合であったり、合宿であったり、普段の練習であったり、ある一つの瞬間を通じて、本当にスイッチが入ったかのように表情が変わって、熱心に練習に打ち込んでいくことがあるんです。そういう姿や、実際に上達している姿を見ると、「成長したなあ」と感じますね。
――保護者の方との関わりについて教えてください。
小学生とキッズとでは異なる面もありますが、小学生で言えば、父兄の方が「ぐりーんかあど」という登録制の審判に参加していただいたり、リーグ戦の時などに何かと協力していただいています。たとえばグラウンドに線を引いてくれたり、机や椅子を用意してくれたり、といったものですね。そういった部分も含めて、コーチと子ども、保護者が一体となって、試合や大会に臨んでいるという部分はあるかと思います。
キッズ(幼稚園)や未就園児のクラスですと、大きな大会は無いのですが、本当に、子どもたちがサッカーを楽しむ姿を見守っていただいて、普段、ご自宅ではどういう感じなのか、といったような事を、練習の合間や前後に話をして、より成長をしていけるような指導につなげられるようにしています。
子育てに適した環境が揃う
――この荏田西エリアの魅力についてお聞かせください。
公園や、この練習場のような運動ができる施設があちこちにあったり、そういった部分で、スポーツを思いっきり楽しめる環境がある地域だと思います。もちろんそれだけではなくて、勉強もできる環境があったり、立派な図書館があったり。子どもを育てるにはいい環境だと思います。
――最後に、これからここに住みたいという家族の方に、メッセージやアピールをお願いします。
私たちは2、3歳の、本当に歩き始めたばかりの子たちから小学生までに、一貫して指導できるというクラブです。こういったクラブは、実際に探してみるとなかなか無いんではないかと思います。
「どんな子にもサッカーを好きになってもらいたい」という思いを持ちながら、長い目で見た指導をしていますので、ぜひ一度、見に来ていただければと思います。
ハーモス荏田フットボールクラブ
コーチ:角谷佳英さん
TEL:045-383-7500
URL:http://www.npo-sfsc.com/?act=club&cid=2
※記事内容は2017(平成29)年2月時点の情報です
スペシャルインタビュー/ハーモス荏田フットボールクラブ 角谷佳英さん
所在地:神奈川県横浜市青葉区荏田西
電話番号:045-383-7500
活動日:水、土曜日
http://www.npo-sfsc.com/?act=club&cid=2