地域密着型の保育園で子どもの「ありのまま」を大事にする/認可保育園 ケンパ高田 園長 肥後さとみさん
認可保育園 ケンパ高田
園長 肥後さとみさん
地域密着型の保育園で
子どもの「ありのまま」を大事にする
2011年4月に、横浜市の認可保育園として開園した「ケンパ高田」。園児数60名という適切な規模で、「高田」駅から徒歩わずか3分、住宅街に位置する地域密着型の保育園だ。今回はケンパ高田の園長であり、現役保育士であり、2児のママでもあるという肥後さとみ先生にお話を伺った。
まず、「ケンパ高田」について教えてください
もともと、三鷹市に本部を置くNPO「ケンパ・ラーニング・コミュニティ協会」という団体がありまして、ここはその3つ目の保育園となります。「ケンパ」はもともと理事長のおばあちゃんの自宅を利用した保育ルームとして始まったんですが、そのあと若松河田や西馬込、ここ高田と完成しました。
高田は2011年4月に開園した施設で、ケンパで初めての「認可保育園」でもあります。今年4月には「三鷹台」駅前に「ケンパ井の頭」も開園し、グループで合計5の保育園を運営しています。
ちなみにケンパという名前は、昔のように「ケン・ケン・パ!」ができる路地裏を取り戻そう、という思いを込めて付けられたものです。
ケンパには「民族・国籍・宗教・文化・しょうがい・発達・さまざまな違いを認めあって“今”を共有したい」という大きな理念があります。「アーツセラピー」の手法を取り入れた心理学に基づく教育を行っていまして、比較、評価、分析をされない「ありのままのこども」を大事にしています。
園の特徴は、どんな点でしょうか
そうですね、ひとつはきれいで新しい施設ということでしょうか。スタッフはいつも笑顔で子どもたちに接するよう心がけているので、保護者の方からも「笑顔がいいですね」という声はよくいただいています。
カリキュラムの特徴としては、外国人の先生が常駐していることが特徴的です。これは外国語の勉強のため、という側面ももちろんあるのですが、外国の文化を自然に感じてもらったり、「世界にはいろいろな人がいる」ということを小さい頃から身近に感じてもらいたいという思いもあります。
外国人の先生はALT(外国語指導助手)と呼ばれているのですが、ALTの先生はM&M(Music & Movement)という、音楽に合わせて歌ったり踊ったりという活動を主に担当しています。あとは、毎朝のイングリッシュタイムという時間もありまして、簡単な単語や自分の名前を英語で言えるようにしています。
また、施設の内装には木をふんだんに使っていまして、暖かみを感じられるようにしています。保育室は基本的に裸足なのですが、冬でも床暖房なしで温かく感じられるほどです。
川がそばにありますので、静かで風も心地いいですし、大きな道からも遠いので立地としての安全性が高いです。
園児たちの1日のスケジュールを教えてください
みなさんだいたい8時ぐらいから登園してきまして、9時半ぐらいに「クリーンナップ」というお片付けの時間が始まります。10時ぐらいには庭で遊んだりクラフトをしたりします。
そのあと給食があって、13時から15時まではお昼寝、起きたらおやつ、「M&M」の時間があって、16時半ぐらいからまた遊びながら、お母さんのお迎えを待ちます。毎日の活動の様子はブログ「ケンパ高田保育日誌」でも公開していますので、ぜひご覧ください。
保育師の皆さんはどんな先生方でしょうか
もちろんほかの園での勤務経験がある人もいますし、非常勤の先生も多いんです。
非常勤の先生はお子さんのいる「ママさん先生」がほとんどです。男性スタッフや外国人スタッフもいます。
あとは、ご近所の方が「ぜひお手伝いさせてください」ということで先生になられている方もいらっしゃいますので、地元の細かな情報も入ってきます。
私自身は新宿の自宅から通っていますので、地元の先生方にはとても助けられています(笑)。みなさん笑顔の素敵な先生ばかりですよ。
保育園に入るための条件・費用について教えてください
横浜市の認可保育園ですので、まずは区に申請をしていただく必要があります。
お仕事の時間や年収などいろいろな条件がありますので、まず申請してもらうことが第一ですね。保育園は0歳から6歳までと年齢が幅広いですから、定員は1歳あたり10名ほどで、兄弟枠なども考えるとなかなか狭い門かもしれません。費用に関しては就労時間や世帯収入で異なってきますので、区役所でお問い合わせください。
受け入れ年齢や預かり時間などについて教えてください。
現在は、0歳から5歳児までを保育していまして、59名が在籍しています。定員は60名です。この辺りは大きな保育園も多いので、それほど大きな規模ではないかと思います。0歳児の受け入れは、産休明けからお預かりしています。
基本保育時間は8時30分から16時30分までですが、長時間保育を利用して、7時30分から18時30分まで利用する方も多くいらっしゃいます。園は20時半までスタッフがいますので、急な残業などで遅くなった場合も安心です。土曜日の延長保育は18時半までです。
また、一時預かりも可能です。まず必要書類に登録いただく必要はありますが、1ヶ月ほど前に予約を入れていただければ利用は可能です。ただ、各クラス1名枠分しかありませんので、希望日が決まったら早めにご予約ください。
ママ友同士のつながりも期待できますか?
そうですね、高田はやはり外から引っ越していらっしゃった方が多い土地ですので、皆さんお友だちを求めていらっしゃると思います。
幼稚園と違ってお迎えの時間はバラバラですので、お母さん同士で一緒になることはあまり多くないですけれど、クラスイベントなどを通じてお母さん同士もすごく仲良くなっていらっしゃいますよ。
クラスイベントとはどんなものでしょうか
クラスの中に運営委員というのがありまして、場所や日程を決めて、イベントを企画するというものです。土曜日や日曜日を利用して、近くの公園に出かけて、お父さんもお母さんも一緒になってイベントをやってもらっています。園の庭でお弁当を持ち寄って食べたり、クッキングをしたりというクラスもありました。
そのほかにも運動会はもちろん、サマーフェスタ、クリスマス会、ハロウィンパレードなど園としても四季折々のイベントを開催しています。
今後の展望や、高田エリアの魅力についてお聞かせください
まだ1年目なので手探りなのですが、この辺りにはほかの幼稚園や小学校なども多く、横のつながりもありますので、小学校の児童に来てもらったりと、交流も深めていければと思っています。
私は長く新宿区で暮らしているのですが、高田エリアの皆さんは都心と比べて本当に温かいですね。ご近所の方が散歩中などにも気軽に声をかけてくださいますし、七夕イベントの時などは、笹の葉を持ち寄ってくださったりもしました。私の経験ではそのような前例があまり無かったので、びっくりしましたね。子どもに対する地域の目がとても優しいのだと思います。
高田に住んでいるママ先生に聞いても、ご近所同士のつながりが良く残っている地域で、例えば風邪で具合が悪いときなどに料理を作って持ってきてくれたりと、とても良くしてくださる方が多いそうです。大人に対する助け合いの心も生きていますから、子育てもしやすいと思いますよ。
今回、話を聞いた人
ケンパ高田 園長 肥後さとみ先生
学校を卒業後、幼稚園に4年間勤務。結婚で退職後2児の母となる。現在は大学生の息子と高校生の娘。子どもの手が離れてからは、民間企業の保育ルームで保育の仕事に戻り、6年間の勤務後ケンパに入社。新宿で勤務ののち、2011年からケンパ高田の園長となった。
ケンパ高田
住所:神奈川県横浜市港北区高田東4-17-17
電話番号:045-540-0400
ホープページ http://kenpa-lca.jugem.jp/
ブログ http://kenpatakat.exblog.jp/
※記事内容は2014(平成26)年7月時点の情報です。
地域密着型の保育園で子どもの「ありのまま」を大事にする/認可保育園 ケンパ高田 園長 肥後さとみさん
所在地:神奈川県横浜市港北区高田東4-17-17
電話番号:045-540-0400
定員:60名
入園対象:産休明け~就学前
開園時間:7:00~20:30(土曜日は18:30まで)
休園日:日曜日、祝日、年末年始
https://cgi.city.yokohama.lg.jp/kodomo/h..