“まち全体で子育てをする”幕張を目指す/ゴーゴーベイビーズ 片桐磨美さん
ビジネスやレジャーの街としてのイメージが強いの幕張エリアだが、少し内陸側に入るとJR総武線「幕張」駅を中心に、閑静な住宅地、田園地帯が広がる。近年は次々と新しい分譲住宅やマンションが建ち、ファミリー層を中心とした新しい世帯の流入が続いているエリアでもある。一方で、流入に対してママ達の居場所の供給が追いつかないという問題も抱えていた。そこで立ち上がった人の一人が、「ゴーゴーベイビーズ」の代表、片桐磨美さんだ。片桐さんは2013(平成25)年に「ゴーゴーベイビーズ」を立ち上げ、「0to3(ゼロトゥスリー)」のための「ふれる」「感じる」「残す」をキーワードに、近くの公民館や親子カフェをはじめ、自宅も「おうち教室」として開放しながら、多彩な講座やサークルを展開している。今回は片桐さんの事業について、また幕張エリアの子育て環境の魅力について、お話を聞いた。
自分が感じた不安を原動力に、支援の輪を広げていく
――「ゴーゴーベイビーズ」を立ち上げられたきっかけを教えてください。
片桐さん:私には5歳と6歳の娘がいるのですが、5年前にこの街で暮らし始めた当初、この辺りに親子で出かけられる場所がほとんど無くとても困っていました。その経験から、「この地区に、ママと赤ちゃんが一緒にお出かけできる場所を作ろう」という思いが生まれ、「ゴーゴーベイビーズ」をスタートしました。最初は「おうち教室」を月に1~2本ほど、それと「ベビーマッサージ」と「赤ちゃんサイン」の教室をやっていました。それからだんだん、親子カフェが周りにできてきて、オーナーさんが声をかけてくれて、そこでも教室をするようになってと、徐々に活動の幅が広がってきています。
今は核家族化で、ママひとりで子育てをする家庭が非常に多くなっています。昼はママ友と会えることがあっても、夜はパパが遅い時間に帰ってくるまでたった一人で育児をしている。だからせめて昼間は、ママひとりではなく“まち全体で子育てをする”街を作っちゃおう、という思いが活動の根底にあります。
内容については、いろいろなオファーをいただくたびに、せっかくの機会と思って増やしてきたので、今はいろいろな教室をやっていますが、根底にあるのは「0歳から3歳まで」で、その軸は今もブレていません。お客様に育ててもらって、今の「ゴーゴーベイビーズ」が成り立っているという感覚ですね。
――片桐さんはもともと、子育て関連のお仕事をされていたのですか?
片桐さん:いえ、もともとは秘書のような仕事をしていて、科学技術館や子育て支援施設といったところに、ワークショップの先生を派遣する関係の業務をしていました。その点では、子どもに関わる仕事だったとは言えますが、自分がまさか「赤ちゃんの先生」になるとは思っていなかったです(笑)。けれど、自分で子どもを産み、赤ちゃんのかわいさを知り、苦労が多い分感動もひとしおという、子育ての魅力を肌で感じてしまいましたので。
気軽なサークル活動から、講師の養成まで
――「ゴーゴーベイビーズ」には、どんな教室やイベントがあるのでしょうか?
片桐さん:当初からやっている「ベビーマッサージ」、「赤ちゃんサイン」のほか、「脳育手遊び」「脳育ダンス」といった、「脳育」に関する教室もあります。手軽に買える材料からおもちゃを作る「100均知育おもちゃ広場」、親子で一緒に楽しめる「ベビーヨガレッチ」なども開催していますし、関連する資格を取得するための講座も行っています。撮影会やカメラの使い方講座など、写真に関するものも多いですよ。
より気軽なものだと、今日みたいなサークル活動があります。「ベビーサークル」は0歳の赤ちゃんだけのサークル、「キッズサークル」は今日みたいな1歳から3歳までのサークル、どちらも月に1回活動しています。サークルは6回がワンクールで毎回同じメンバーが集まるので、ママたちが知り合うきっかけにもなっていると思います。詳しい活動はホームページやブログでご紹介していますので、ぜひ見てみてください。
――参加される方はどこに住んでいる方が多いのでしょうか?
片桐さん:基本的には地域密着型なので幕張近辺の方が中心ですが、隣の美浜区の方も多いですし、最近では成田、銚子、津田沼、船橋、都内の千葉寄りの辺りなど、遠くからも参加してくださっています。
これはすごく嬉しいことですが、その反面、それだけ身近にママたちの活動の場所が不足しているということでもあります。そのため、最近は講師の養成にも力を入れています。ここに来てくれたママたちがほかの街でも活躍して、同じような輪が広がってくれればと思っています。
――初めての方はどこから入れば良いですか?
片桐さん:赤ちゃんの月齢に合わせて、いつでも興味をもったところから入ってください。比較的、ベビーマッサージは低月齢なうちから入りやすいでしょうか。ひとり目のお子さんを育てているママの方が多い教室ですので、ベビーサークルもみんなでワイワイ楽しむ感じで入りやすいと思います。
――撮影イベントが大人気とお聞きしました。
片桐さん:4月には公園でさくら撮影会、10月にはハロウィン、11月には年賀状と季節に合わせて開催しています。教室を開いている「幕張BASE」のスタジオでも、月に何本か室内撮影会を行っています。個人でご依頼があれば出張撮影もしていますし、撮影系は人気は高いですね。
ただ撮るだけではなく、プリントした写真を部屋にかわいく飾るための教室「アルバムカフェ」も行っていますし、ママ向けの、一眼レフ、ミラーレスカメラの使い方講座「ママカメラマン講座」も開いています。我が子を撮るならママが一番のカメラマンですから。
写真に力を入れているのも、私自身が「写真の力ってすごい」と感じたからなんです。この家にも我が子の写真をたくさん飾っていますが、幼稚園ぐらいになると、子どもたちも昔の写真を嬉しそうに見ていて、写真は子どもの自己肯定感を育てるなと日々感じています。いまの幸せな瞬間を未来に残すということも、「ゴーゴーベイビーズ」の大事な柱のひとつです。
自分たち一人ひとりの力で幕張を子育てタウンに
――子育て環境として、幕張エリアにはどんな魅力がありますか? 具体的におすすめスポットなどがあれば教えてください。
片桐さん:私が開業した5年前には正直、子育てをしやすい環境とは言えませんでした。けれど5年経って、今では親子で一緒に行ける場所が増えてきて、とても魅力的になったなと思います。「おやこカフェ幕張」、「おやこカフェ検見川」、「発酵おやこカフェこうじくん」といった、親子カフェもいくつもできました。お隣の美浜区になりますが、教室でも使っている「幕張BASE」はオシャレなスペースでカフェとかブルワリーもあるので、大人も楽しめます。子育てするママたちにとっては、この5年くらいでずいぶん状況が変わってきたと思いますね。
その背景には、個人で子育てに関する事業をされている方がとても多いという地域特性もあると思います。リトミックの先生、飾り巻き寿司の先生、お菓子作りの先生、カメラマンなど、子連れのママが自営業で頑張っているケースが多いですね。行政に頼るのではなく、動ける人たちがまず動いて「自分たちが欲しいものは自分たちで創ろう」という動きがあるのは、幕張ならではの魅力だと思います。
――これからこのエリアに住まう方に向けてメッセージをお願いします。
片桐さん:幕張エリアは、「みんなで子育てタウンにしよう」っていう動きが起きている地域なので、私も「ここに来たら安心して産んでくださいね」って堂々と言えます。助けてくれる人も大勢いますし、自分さえ動こうと思えば行ける場所もたくさんあります。幕張に来たらアンテナを張って、いろいろな情報をキャッチして、子育てを楽しんでほしいですね。
ゴーゴーベイビーズ
代表 片桐磨美さん
所在地:千葉県千葉市花見川区幕張町
電話番号:043-306-3402
URL:https://www.go-go-babies.com/
URL:https://ameblo.jp/gogo-babies/
※この情報は2018(平成30)年3月時点のものです。
“まち全体で子育てをする”幕張を目指す/ゴーゴーベイビーズ 片桐磨美さん
所在地:千葉県千葉市花見川区幕張町4-747-18
電話番号:043-306-3402
https://www.go-go-babies.com/