カタルーニャ厨房 カサマイヤ

「カタルーニャ厨房 カサマイヤ」外観
「カタルーニャ厨房 カサマイヤ」外観

「玉川学園前」駅から線路沿いの商店街を南へ行くこと数分。大通りからわずかに右に引っ込んだ、“隠れ家”的な場所にある、「カタルーニャ厨房 カサマイヤ」。こちらは2011(平成23)年の4月にオープンした「カタルーニャ料理」の専門店であり、温かみのあるアットホームな空間で、本格的な料理とワインを楽しめる店ということで、徐々に口コミで評判を広げている店である。

店前のカタルーニャ州旗が目印
店前のカタルーニャ州旗が目印

店主の増渕友子さんは、もともとアパレル業界で販売員として働いていたそうだが、趣味だった料理の熱が高じて料理人への転向を決意。イタリアへ旅立ち、現地の店で腕を磨いた。研修は当初、1年間の予定だったそうだが、現地と「肌が合った」ことから、その後も3年、計4年をイタリアで働きながら過ごし、その後はイタリアで知り合ったスペイン人のシェフに誘われ、スペインのカタルーニャ州のレストランへ。こちらでは何と6年間を過ごし、「その頃はもう、日本には戻らないつもりでいました」と増渕さんは振り返る。

シェフの増渕さん
シェフの増渕さん

しかしその後、「やっぱり日本に戻って、このカタルーニャの料理を作ってみたい」という気持ちが高まり、帰国することを決めた増渕さん。スペインのレストランではデザート担当をしていたそうだが、最後の3ヵ月は料理を担当させてもらい、星付きレストランのレシピを、その腕に覚えさせた。そして2011(平成23)年、大震災の直前の頃に帰国。家族の薦めなどもあって玉川学園前に物件を探し、この店に出会った。

店内 明るい雰囲気と特徴的なカウンター
店内 明るい雰囲気と特徴的なカウンター

パエジェーラ
パエジェーラ

「この物件の内見をしたのは、帰国したその日の午後だったんですよ。もう、ひと目見て決めました」と、この店との出会いを嬉しそうに話す増渕さん。インテリアは彼女のイメージをデザイナーさんが具現化したものということで、弧を描くカウンターを中心にした、清潔感のあるオープンキッチンスタイル。彼女自身が「もう文句無しに素敵に作っていただきました」と微笑むとおり、都心のリストランテにも引けをとらない上質な空間が、この店の人気の理由の一つでもある。

だが、一番の魅力はやはり料理だ。そもそも「カタルーニャ料理」とは、スペイン北東部のカタルーニャ州の伝統料理のこと。一般的に「スペイン料理」の一つではあるが、地中海料理圏の一つなので、隣接するフランスやイタリアの地中海沿いの食文化とも共通する要素は多い。スペインらしくパエリアがあったり、イタリアや南フランスのように、トマトやアンチョビ、オリーブオイル等を使ったメニューも多い。また、カタルーニャ州の北部にはピレネー山脈があるため、「海の幸もあり、山の幸もある」というのが、特徴の一つであるという。増渕さんが働いていたレストランは海岸から100キロほど内陸の小さな村にあったそうで、言われてみれば彼女のメニュー表にも「海」「山」の両方を生かしたものが並んでいる。

カタルーニャ料理の代表的なものの一つは、パンにトマトを塗り、オリーブオイルと塩を振った「パントマッカ」というもの。これはイタリアのブルスケッタに似たもので、日本で言えば「おにぎりのように当たり前に食べられているもの」だそうだ。この店ではこれにアンチョビと焼き野菜を乗せて提供しており、ワインのパートナーとして愛用する人が多い。

「エスカリバダ(焼き野菜)とアンチョビをのせたパントマッカ」
「エスカリバダ(焼き野菜)とアンチョビをのせたパントマッカ」

この日の野菜はナスとパプリカだったが、オーブンで真っ黒になるまで焼いたものの皮を剥いて乗せているそうで、甘くで実に美味しい。聞けばパンも天然酵母から起こした自家製のもの。「できる部分は全部手作りする」というのが、この店のこだわりだ。

「ブティファラ」を使った料理
「ブティファラ」を使った料理

自家製でもう一つ、看板料理となっているもとの言えばソーセージだ。平田牧場産の三元豚から作る粗挽きの自家製ソーセージは、現地では「ブティファラ」と呼ばれていたものを、日本の食材からアプローチしたもの。ざっくりとした食感、添加物を使わない自然な味わいは、手作りならならではのものだ。一つあたり400円程度というプライスも懐に優しく、ほとんどのお客さんはこれをオーダーするという。

シェフはいたずらにスペイン産食材に固執せず、「農畜産物はできるだけ近い場所から、新鮮で質の良い物を仕入れる」ことを意識しているそうで、野菜なども幾つかの農家から直送してもらっている。その日の野菜を見てから決めている料理も多いそうなので、訪れるごとに、旬の野菜料理にも出会えるはずだ。

「フィデウァ」
「フィデウァ」

もちろんスペインということで、パエリアも常時提供している。サイズも人数によってさまざま、アレンジも幾つかあるそうだが、スペシャリテはイカのワタと、魚介のダシと、ショートカッペリーニを使った、「フィデウァ」というパエリア。パスタを使ったパエリアは現地でも普通に食べられているもので、日本人にも馴染みのある食材がベースなので、どこか懐かしいような、子どもからお年寄りまで食べやすい味わいがある。パエリア初心者には馴染みやすく、スペイン料理好きでも思わず唸ってしまうような、懐の深いパエリアだ。

基本的にはアラカルトの常連さんが多い店だが、コース的なものも2種類だけ用意されている。一つは、シェアで楽しむ色々なタパスをベースにした「ピカピカコース」というもの。「ピカピカ」というのは、「ピカール」という、日本語訳で「つまむ」という動詞から付いているもので、要はワインを主に楽しみたい、「飲みたい」という向きのためのコース。価格も3500円(+税)とお手頃なので、色々なワインを開けながら、グループで楽しむ人が多いそうだ。なお、ワインはすべてスペイン産。リーズナブルながら美味しいワインが多く揃えている。

スペインワインとの相性は抜群だ
スペインワインとの相性は抜群だ

もう一つは5000円(+税)のフルコース仕立て、「おまかせコース」。こちらは突き出しに料理4皿、デザート2皿にカフェというもので、内容は食材の仕入れ状況によって日々変わるそうだが、ソーセージなどの看板料理は必ず入ってくる。夫婦で記念日を過ごしたり、大切な友人と会食をしたり、というシーンでは、こちらをチョイスする人が多いということだ。なお、ランチタイムは予約のみの営業で、この2つのコース以外にもう一つ、気軽なランチコースもチョイスできるそうだ。

また、時々ではあるが店内で料理教室も開催しており、こちらではカタルーニャ伝統料理に限らず、主婦でも作りやすいアイディア料理や、得意分野であるデザートのレシピも披露している。料理初心者でも参加しやすいデモンストレーション形式で、作ったものはランチコース並みのボリュームになり、最後には参加者で一緒に頂いて楽しむそうなので、非常に“お得感”は高そうだ。店の料理に感激して「自分でも真似してみたい」という人は、こちらに参加してはいかがだろう。

カタルーニャ厨房 カサマイヤ
カタルーニャ厨房 カサマイヤ

駅から近いのに、どこか隠れ家の雰囲気があるロケーション。店内に入った瞬間に感じる非日常感。素敵なインテリアと、物腰柔らかで謙虚で、それでいて実力派というシェフ。手作りが極まる、本当に美味しい料理の数々。「何とか5年、宣伝もせずやってこられました。地元の皆さんのおかげです」と話すシェフだが、確かにこんな店が近くにあれば、足繁く通いたくなるというものだ。「スペイン料理はよく分からない」という理由で、この店を遠慮してしまうのは余りにももったいない。玉川学園エリアで「本当に美味しい料理」を食べたいと思ったら、真っ先に候補に入れてみてほしい気鋭の店だ。

カタルーニャ厨房 カサマイヤ
所在地:東京都町田市玉川学園2-1-29 グローリア玉川学園 1F
電話番号:042-851-7519
営業時間 18:00~22:00LO ※ランチは木・日・祝日のみ、12:00~14:00LO(予約制)
定休日:月曜日、第1・3火曜日 ※月曜日が祝日の場合は火曜日休み
http://casamalla.exblog.jp/





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