素直で一生懸命な子どもたちに囲まれて/東京都北区立稲田小学校 校長 小島 みつる先生


東京都北区立稲田小学校
校長 小島 みつる先生

稲田小学校校長 インタビュー
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素直で一生懸命な子どもたちに囲まれて。

1940(昭和15)年に開校した伝統校「東京都北区立稲田小学校」は、これまで数多の卒業生を送り出してきた。半世紀を超えるその歴史は、卒業生だけでなく地域住民にとっても愛着のある存在となっている。地域における学校の役割や取り組み、また教育に対する考え方を中心に、同校の小島校長にお話を伺った。

「東京府東京市稲田尋常高等小学校」を前身として、1940(昭和15)年に開校した伝統校と伺っています。

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木造から鉄筋コンクリート造の校舎には変わりましたが、当校に愛着や親しみを寄せてくださる方は、この周辺地域には大勢いらっしゃいます。親子3代が当校の生徒だったという家庭もあり、そうしたエピソードに出会えることが伝統校ならではの話だと思います。近年、少子化が進んだことで当校も児童数が減り、現在は全学年が単学級になりましたが、2014(平成26)年度の新1年生は2学級になります。

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児童数が増えるとは言え、教師が全員の名前を知っているくらいの規模なので、他校と比べても教師と生徒との距離は近いかもしれませんね。それに児童数の割に校庭が広く、安全性を確保するという観点からサッカーを禁止している学校もありますが、当校ではそのような対応を取る必要がありません。存分に走り回れるこの環境を活かして、子どもたちが何かを学んでくれたら嬉しいですね。

「稲田小学校」に通ってくる子どもたちの特徴を伺えますか?

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手前味噌になってしまいますが、素直で一生懸命な子どもが多いですね。落ち着いた家庭環境があること、それと保育園時代からの友だちというケースも多く、そうしたことも関係しているのではないかと思います。学校行事に協力的な保護者も多く、教師と生徒だけでなく、家庭、そして周辺地域が学校を支えてくれているように感じます。一方で、何かを感じたり、気づいたりする力が不足している印象を受けますから、それはしっかりと教えていきたいと思っています。

「稲田小学校」の教育目標を教えてください。

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豊かな心の子ども・考える子ども・努力する子ども・健康な子どもを育てることです。最初の“豊かな心の子ども”についてですが、豊かな心を育むために欠かせないのが“友だちと仲よくする力”です。友だちを思いやり、協力しがら同じ目標に向かって進む力とも言い換えられますが、同じクラスだけでなく、学年の異なる友だちをつくり、そのなかから人との付き合い方を学んでほしいですね。

稲田小学校校長 インタビュー
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当校は、クラス単位だけではなく、異学年のグループ活動である縦割り班活動を大切にしています。縦割り班活動では高学年は思いやりの心をもって低学年に接する中で、相手の立場に立った行動を学んでいきます。低学年はそのような高学年の姿にあこがれ、自分もそうなりたいと願い、さらに自分より弱い立場の人への行動を学んでいきます。

色々な学校行事がありますが、そのなかのひとつ、「新年子ども会」について聞かせていただけますか?

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これは子どもたちを主体とした行事で、こま、けん玉、だるま落としなどの昔あそびなどをするもので、保護者や周辺地域の方にも声を掛け、今年度(平成25年度)は、それらの遊び方を教えてもらうという取り組みもしました。学校便りを地域に配っている関係で、学校行事にいらっしゃる方も多く、そのようなときに地域との繋がりを感じますね。

小島校長の教育哲学を聞かせてください。

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学校は、子どもにとって楽しい場であり、喜びを感じられる場であるべきだと考えています。それに必要なのは“頑張る”という姿勢。社会に出れば、いくら頑張っても正当に評価されない場面がありますが、でも小学生でいる間は、頑張っていることが認められ、頑張れば楽しいということを実感してもらいたいですね。

毎年、春には卒業生を見送っておられると思います。卒業生には、どのようになってもらいたいとお考えですか?

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健康で楽しく、堂々と人生を送ってもらうこと。さらに言えば、付和雷同せず、自分の考えをしっかりと持ってほしいなと。そして社会に出る年齢になったとき、“良い大人”になってくれていたら嬉しいですね。そのときに小学生活を思い返して「あの言葉の意味がようやく分かった」と思ってもらえたのなら、教育に携わる者として、これ以上にやりがいを感じることはないかもしれません。

「稲田小学校」が歩んできた歴史、それを育んできたこの街について、最後に聞かせてください。

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北区は、都内でも有数の教育に力を入れているエリアだと思います。それは英語教育をはじめ、色々なところでも感じます。教育というのは、すぐに結果が出るものではありませんから、未来を見据え、子どもたちに必要なものを教えていきながら、教員ともども成長していけたらと思っています。

稲田小学校校長 インタビュー
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今回、話を聞いた人

東京都北区立稲田小学校

校長 小島みつる先生
住所:東京都北区赤羽南2-23-24
電話番号[校長室]:03-3902-2946
電話番号[職員室]:03-3902-2944
http://ns.kita-tky.ed.jp/~es24/

※記事内容は2014(平成26)年2月時点の情報です。

素直で一生懸命な子どもたちに囲まれて/東京都北区立稲田小学校 校長 小島 みつる先生
所在地:東京都北区赤羽南2-23-24 
電話番号:03-3902-2944
https://www.city.kita.tokyo.jp/gakkoshie..