たくさんの“すてき”が集う小学校/開成町立開成南小学校(神奈川県)
開成町立開成南小学校
校長 石綿一弘先生
たくさんの“すてき”が集う小学校
人口増加を見越し、すでに確保されていた建設用地に開校したのが「開成町立開成南小学校」だ。2010(平成22)年4月に開校ということもあり、真新しく、機能性に富んだ設計となっている。明るい日差しが入っている室内で、同校の校長・石綿一弘先生にインタビューした。
まずは、「開成南小学校」の概要から聞かせてください。
多目的ホール・外観
本校は2010(平成22)年4月に開校しました。これまで町内には「開成小学校」しかなかったのですが、児童数が増えてきたことで本校、「開成南小学校」が誕生することとなりました。
教室内の様子
開校当時は全18クラスでしたが、現在は20クラス約600名。少子化のなかにあってのクラス数増加は、開成町が発展していることの表れとも言えると思います。
「開成南小学校」には、どのような雰囲気の生徒さんが多いですか?
プール
“落ち着いている”というひと言に尽きますね。ただ大人の落ち着きとは異なり、子どもらしさのある落ち着きです。
教室からプールに移動するときなどに列を作るのですが、子ども同士が静かに歩こうと注意しあう関係もできています。
一般開放を前提としたデザインになっていると伺いました。
多目的ホール・内観
体育施設や多目的ホール、音楽室、家庭科室も一般開放していますが、ケースによってパイプシャッターで学校地域と開放地域が区切れるため、それぞれが活動に集中できるような設計になっています。
開校時から、“日本一すてきな学校”と言われる学校を目指されているそうですね。
昇降口付近
これは初代校長の掲げたスローガンで、この“すてき”という言葉は「開成南小学校」の大きな財産です。
児童が良いおこないをしたときなどに、意識して「あなたは、すてきさんだね」と声を掛けるようにしています。触れ合い・学び合い・助け合い・認め合いという4つの“合い”によって、1人でも多くのすてきさんが増えることを期待しています。
「開成南小学校」の教育目標を教えていただけますか?
メディアセンター・内観
“自ら学び続ける意欲をもち、心豊かに、たくましく生きることのできる子”の育成です。
児童たちが、より親しめるように、
“みつけよう考えよう本当のこと、正しいこと”
“なかまと育もう温かい心、やり遂げる心”
“みにつけよう、健康な体と生活習慣”
というキャッチフレーズを掲げました。頭に使われている字を繋げると、「開成南小学校」の“み・な・み”となります。
特長的な年中行事、また学校の取り組みのなかでの特長などあれば聞かせてください。
音楽室
本校だけの行事としては、音楽の発表会である「みなみ風コンサート」が挙げられます。
それと、取り組みとしての特徴では、他学年交流が目的とした縦割り教育が挙げられると思います。縦割り教育そのものは珍しくありませんが、本校では掃除から給食まで実施。低学年は先輩の振る舞いを見て憧れを抱き、高学年は後輩の面倒を見ることで慈しみの心が育つのです。
学区内に5つの自治会があり、それぞれ活発に活動されているそうですね。子どもたちとの関わりという面ではいかがでしょうか。
校長先生
低学年は校外学習で街に出るのですが、自治会をはじめ、地域の方も協力的なので本当にありがたく思っています。町の取り組みとして月2回登校指導を行っていますが、それとは別に低学年の下校時に、交通量の多い交差点などに立っていただくこともあります。
私立への進学状況について聞かせてください。
メディアセンター・内観
私立に進学する生徒は、全体として10パーセント前後です。県内各地の中学校を受験し、なかには横浜や県外の学校へ進学する児童もいます。交通の便に優れている開成町だからこその進学状況かもしれませんね。
発展を続ける開成町ですが、学区内エリアでの変化はありますか?
メディアセンター・外観
2014(平成26)年3月に「足柄紫水大橋」が完成し、本校のすぐ脇にも新道ができました。自動車の流れが変わり、これまでになかった渋滞も見られるようになりました。そうした光景を目の当たりにすると、やはり街の大きな変化を感じますね。
登下校について伺いたいのですが、集団登校は実施されていますか?
校舎
事故に巻き込まれたときに被害が大きくなってしまうため、集団登校は実施していません。ここ最近、交通量が増えたこともあって時間を見つけては通学路に出て、子どもたちの登校を見守るようにしています。
学校としての展望についてはいかがですか?
地震訓練後、下校の様子
人間関係を構築する場が学校ですから、子どもだけでなく、子供を介して保護者同士も仲良くなれる場でありたいですね。人との繋がりをつくる象徴になれればと思っています。
古くから住まれている方と、新しく移ってこられた方との連携はいかがでしょうか。
校舎
エリアごとに自治会が存在するので、特筆すべき連携はないのですが、だからといってまったく関係がないというわけではありません。時間とともに、より関係性が深まっていくだろうと考えています。
子育てという観点での開成町はいかがでしょうか。
廊下
子育て支援のサークルも存在しますし、保育園を母体とした学童保育もあります。行政も子育て・学校教育への理解が深いので、子育て世代に対する支援は厚いのではないかと感じています。
開成町エリアの魅力、また個人的に好きな場所はありますか?
敷地内の紫陽花
計画的な街づくり・街おこしをしていることで土地の活用度が高く、また「あじさいまつり」をはじめとした魅力的なイベントも数多く存在します。
個人的に好きな場所は「開成水辺スポーツ公園」ですね。野球もサッカーもできますし、サイクリングコースも設けられています。近くを流れる酒匂川では鮎釣りもでき、私の父は暇さえあれば釣りに出かけていたくらいです。自然環境に恵まれている一方で、アクセス性に優れていることも開成町の大きな魅力ではないかと思います。
開成町立開成南小学校
校長 石綿一弘先生
所在地:神奈川県足柄上郡開成町みなみ2-2-1
電話番号:0465-83-2250
http://www.town.kaisei.kanagawa.jp/forms/info/info.aspx?info_id=2660
※この情報は2014年6月時点のものです。