市内で2番目の歴史ある伝統校/海老名市立海老名小学校 谷川利恵子校長先生
「海老名小学校」は市内で2番目に古い歴史のある学校で、2019年に110周年を迎えます。校庭中央部分にそびえ立つ銀杏の木は、1909(明治42)年11月1日の開校前からすでにあったといいます。今回は、その銀杏の木が黄色をまとった黄葉の時期に学校に伺い、このシンボルツリーにまつわるエピソードや、同校の歴史や校風、地域との関りなどについて谷川校長にお話を伺いました。
学校の歩みとシンボルツリー
――「海老名小学校」は、来年で110周年を迎えられるそうですね。まずは、学校の歴史から聞かせてください。
谷川校長先生:本校は1909(明治42)年11月1日に開校しました。市内には13もの小学校がありますが、本校は「有馬小学校」に次いで2番目に古い学校です。そうした歴史を象徴するシンボルのひとつが、創立前からすでにあった校庭の銀杏の木です。我々にとって特別な存在で、本校に勤務していた教員が「いちょうの木」という曲を作曲したくらいです。
また、今年度から10月の2週間を「いちょうウィーク」とし、銀杏を題材にした取り組みを始めました。例えば、図工の時間では絵画に取り組んだり、国語では俳句づくりに取り組んだりして、校内に展示しました。さらに開校記念日前日の10月31日は、開校当時にチャイム代わりに使用していた鐘を銀杏の木につるし、6年生がそれを鳴らすというのが習わしです。この鐘の涼やかな音色に耳を傾ける子どもたちの様子は、本校の築き上げてきた伝統と歴史そのものであるように感じます。
――学校の歴史もさることながら、周辺には史跡が点在しています。
谷川校長先生:そうですね。「相模国分寺跡」や「国分尼寺跡」など数多くの史跡があります。一方で、「海老名」駅前の開発事業によって高層マンションや大型ショッピングセンターが完成し、“歴史と未来への開発”が共存する学区となっています。そうした開発に伴い児童数も増え、現在は900名を超えています。
コミュニケーションを大切に。勉学も課外活動も協力して取り組む校風。
――教育目標と目指す学校像についても聞かせてください。
谷川校長先生:教育目標は、“生命を尊び、創造と協力の喜びを知り、心身ともに健康で調和のとれた児童に育てる”です。目指す学校像としては“笑顔輝く学校”と“喜んで登校 満足して下校“を掲げ、“明るく、思いやりのある子”、“深く考える子”、“強くたくましい子”の育成を目指しています。児童数は多いのですが、一人ひとりに目を配り、“全教職員は全児童の担任”という意識で接するようにしています。
――生徒さんの印象はいかがですか?
谷川校長先生:落ち着きがあり、学習面だけでなく委員会・係活動などでも頑張って努力し、皆で力を合わせることに喜びを感じている子どもが多いように思います。挨拶についても、地域の方から“立ち止まって挨拶をしてくれましたよ”などと、嬉しい言葉をいただく機会も増えました。
――児童数が増えているそうですが、学校としてどのような対応をされているのですか?
谷川校長先生:例えば校庭ですが――児童数に見合った規模ではないのですが――昼休みに時間差を設けたり、朝会を2回に分けたりして対応しています。工夫すれば大きな問題ではなく、むしろ“工夫する”という姿勢が、子どもたちにも良い影響を与えているような気がします。
――特に力を入れていることや、特徴的な取り組みなどありましたら教えてください。
谷川校長先生:教職員の研究教科として、昨年度から“特別の教科 道徳”を取り上げ、豊かな心を育むためのより良い指導法を追究しています。それ以外では、言語活動によって意思の疎通を図る“伝え合い”も大切にし、聴く・伝える力を育てたいと考えています。
特徴的な取り組みとしては、5・6年生で構成される鼓笛隊ですね。運動会、集会活動、授業参観などの機会に、保護者や地域の方々に披露しています。鼓笛隊では6年生と5年生がペアを組み、6年生は技術だけでなく礼儀や言葉遣いなどについても、責任を持って後輩に伝えています。
“地域に開かれた学校づくり”を推進
――家庭や地域との関りについてはいかがでしょう?
谷川校長先生:学校・家庭・地域が連携し、地域全体で子どもを育てようという「学校運営協議会」を設置しました。まだスタートしたばかりですが。学校評議員の会や、学校応援団、学校支援ボランティアグループ、PTA、自治会、教職員たちが委員となり、子どもたちの健やかな成長を願って活動しています。
――お父さんが中心の「パパパワーズ」というボランティアグループがあるそうですね。
谷川校長先生:2007(平成19)年に発足した組織で、“楽しみながら、気軽に学校に行こう”をモットーに、様々なシーンでお手伝いをいただいています。運動会のパトロールとテント・物品の片付け、10月に行われるPTA主催の「ふれあいフェスタ」のドッジボールコーナーでは、子どもと一緒にプレーしてくださることも――。また、6年生へのキャリア教育での講話や、「親子餅つき大会」の企画運営も担ってくださっています。
――最後に、「海老名小学校」周辺の魅力について教えてください。
谷川校長先生:発展しつづける駅周辺のような光景がある一方で、史跡や史跡公園など市民が憩う場所も身近にあります。また、本校のすぐ隣には「海老名中学校」があり、吹奏楽部が演奏に来てくれるなど、本校の児童にとって憧れの先輩が身近という環境も大変恵まれていると思います。そしてなにより、本校と本校の子どもたちを温かく見守ってくれる保護者と地域の方々がいるということではないかなと思います。
海老名市立海老名小学校
校長:谷川利恵子先生
所在地:神奈川県海老名市国分寺南3-12-3
電話番号:046-231-2019
URL:http://www.ebinasyo.edu.city.ebina.kanagawa.jp/
※この情報は2018(平成30)年11月時点のものです。
市内で2番目の歴史ある伝統校/海老名市立海老名小学校 谷川利恵子校長先生
所在地:神奈川県海老名市国分南3-12-3
電話番号:046-231-2019
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