「世代間交流事業」を通じて中学3年生が体験する「赤ちゃんのふれあい体験」も

中学生・高校生、子育てをする親にとっての地域の“居場所”として/共育プラザ南篠崎


「子育て支援」「中学・高校生の活動支援」「世代間交流」の3つの柱を目的に運営されている江戸川区の「共育プラザ」。0歳の乳幼児から高校生(18歳の年度末)までが無料で利用できる公共施設で、学校や家庭とも異なる地域の“居場所”のひとつとして、子どもたちの創作活動や学習のサポートに役立てられています。今回は「共育プラザ南篠崎」に、施設の概要と特色についてお話を伺いました。

「瑞江」駅より徒歩8分、乳幼児から高校生まで利用できる公共の施設

学校や家庭とも異なる地域の“居場所”のひとつとして利用されている。
学校や家庭とも異なる地域の“居場所”のひとつとして利用されている。

――まず、「共育プラザ南篠崎」の概要について教えてください

「共育プラザ南篠崎」は江戸川区内に6館ある「共育プラザ」のひとつで、都営新宿線「瑞江」駅より徒歩8分の住宅地にあります。

「瑞江」駅より徒歩8分の住宅地にある「共育プラザ南篠崎」
「瑞江」駅より徒歩8分の住宅地にある「共育プラザ南篠崎」

「共育プラザ」は中学生・高校生を中心に、音楽やスポーツ、ダンスなど表現や活動の場として設けられた公共施設のひとつ。 小岩、平井、葛西、南小岩、一之江そして南篠崎と、地域や場所によって施設の大きさや設備など異なる点はありますが、0歳の乳幼児から高校生(18歳の年度末)まで誰もが無料で利用することが可能です。「共育プラザ南篠崎」も、もともと「児童館」だった場所をそのまま「共育プラザ」として活用している場所で、「江戸川区立南篠崎保育園」が併設された3階建ての施設です。

乳幼児の親子が安心して過ごせる「子育てひろば」

「共育プラザ南篠崎」には様々な設備がある。
「共育プラザ南篠崎」には様々な設備がある。

――「共育プラザ南篠崎」には、どのような施設・設備がありますか?

子育て支援の地域拠点としての役割も担う「共育プラザ」では、乳幼児親子が安心して過ごせる場として「子育てひろば」を常設しています。

「子育てひろば」
「子育てひろば」

1階入口すぐの場所にあるひろびろとした部屋は、0歳から就学前のお子さんのいるご家族を対象にした「子育てひろば」となっていて、週末になるとお父さんの姿も多く、親子の交流や情報交換の場として利用されています。

「子育てひろば」で遊ぶ子どもたち。
「子育てひろば」で遊ぶ子どもたち。

区内にある6館の「共育プラザ」のうち、南篠崎は乳幼児のいるご家族の利用者数がもっとも多く、定期的に開催される講演会や講習会にも多くの人が集まります。 今日は3階の「スポーツルーム」を利用して、親子で参加できる「えいごであそぼう!GENKIDS」というプログラムが行われています。アスレチックやトランポリン、ダンスなどと並んで人気のあるプログラムのひとつで、今日も30組以上の親子に参加いただいています。

3階の「スポーツルーム」にて親子で参加できる「えいごであそぼう!GENKIDS」
3階の「スポーツルーム」にて親子で参加できる「えいごであそぼう!GENKIDS」

月ごとのイベントスケジュールについては、ホームページでも公開しているので興味のあるプログラムがあったらぜひ参加してみてください。

プログラム「えいごであそぼう!GENKIDS」の様子。
プログラム「えいごであそぼう!GENKIDS」の様子。

2階へ上がると、「子育てひろば」よりもう少し上の年齢の子どもたちを対象にした「プレイルーム」があります。おままごとのセットやプラレール、絵本などのほかに、スタッフが制作した手作りのおもちゃもあり、幅広い遊びを楽しむことができます。床にはクッション性のある畳のマットも敷いてあるので、寝転んでも安心で快適な空間になっています。

「子育てひろば」よりもう少し上の年齢の子どもたちを対象にした「プレイルーム」
「子育てひろば」よりもう少し上の年齢の子どもたちを対象にした「プレイルーム」

3階には、バスケットボールやフットサルができる「屋上球技場」や、ダンスや卓球、ライブなど多目的に使用できる「スポーツルーム」もあり、学校の授業が終わって中学生や高校生が来る時間帯になると多くの子どもたちで賑わいます。

3階には「屋上球技場」
3階には「屋上球技場」

南篠崎では「音楽スタジオ」の利用も人気が高く、中学生・高校生によるバンド活動も盛んです。原則として個人の楽器を持ち込んで演奏するというのが前提ではありますが、「持っていないけれど興味がある」「買う前に試してみたい」といった場合には、同館で所有しているギターなどを貸し出すことも可能なので、職員に相談してもらえればと思います。

「音楽スタジオ」ではギターの貸し出しも可能。
「音楽スタジオ」ではギターの貸し出しも可能。

中学生、高校生が主体となってイベントを企画・運営

月に一回、中学生、高校生の有志による「中高生運営委員会」を実施している。
月に一回、中学生、高校生の有志による「中高生運営委員会」を実施している。

――中高生が自主的に企画している活動にはどのようなものがありますか?

「共育プラザ南篠崎」では月に一回、同館に通う中学生、高校生の有志による「中高生運営委員会」を実施しています。議題の内容としては、「共育プラザ」6館による一体化事業として開催しているイベント「10代の挑戦EDOGAWA」について企画を練ったり、利用者から意見を聞いて「共育プラザ」の運営に生かす目安箱の設置についてだったりと、さまざまな議論が交わされています。

企画の立案から、模擬店・ステージ・展示等の運営、広報活動、装飾、警備等に至るまで、江戸川区や青少年委員、地域の方々に協力をいただきながら中学生、高校生が中心となって運営するのが特徴です。詳細はホームページや共育プラザの公式ツイッター、フェイスブックでも公開していますので、ぜひご覧ください。

「世代間交流事業」を通じて中学3年生が体験する「赤ちゃんのふれあい体験」

地域の中学生を対象に「赤ちゃんのふれあい体験」も実施。
地域の中学生を対象に「赤ちゃんのふれあい体験」も実施。

――世代間交流事業の取り組みの内容についても教えてください

「共育プラザ」で取り組むもうひとつの柱である「世代間交流事業」では、近くにある「篠崎中学校」「春江中学校」の3年生全クラスを対象として、「赤ちゃんのふれあい体験」を実施しています。 実施にあたっては、地域の民生委員、青少年委員、区内の「共育プラザ」のスタッフなどとも連携して、地域の赤ちゃん、お母さんたちと中学生とが世代を越えて交流します。もちろん赤ちゃんの安全性を考慮して、同館の職員による事前の講習や赤ちゃんの人形でおむつ交換の練習をするなど実施にあたってさまざまな準備を行います。 協力いただける赤ちゃんとお母さんは、あらかじめ募集をかけたうえでの参加となるのですが、江戸川区という地域性か毎回25組前後もの親子にご協力をいただき、貴重な学びの機会となっています。

高校生の利用を促す“学習支援”への新たな取り組み

「共育プラザ南篠崎」の今後の取り組みについて
「共育プラザ南篠崎」の今後の取り組みについて

――今後の取り組みについてお話をお聞かせください

江戸川区内に6館ある「共育プラザ」のうち、全体の利用者数としては2番目に多く、乳幼児のいるご家族の利用はもっとも多いのですが、高校生の利用が少ないため、さまざまな取り組みを通じて高校生の利用を促したいと考えています。 具体的な取り組みとしては、1階奥にある「学習室」を充実させて、中学生・高校生のための“学習支援”をひとつの目標としています。

1階奥にある「学習室」
1階奥にある「学習室」

また南篠崎では「音楽スタジオ」を利用したバンド活動が盛んなため、ロックやポップスに限らず、吹奏楽などより幅広い音楽活動の場として中学生・高校生に利用してもらいたいと考えています。

「音楽スタジオ」内部
「音楽スタジオ」内部

中学生・高校生に向けて幅広い音楽活動の支援もしている。
中学生・高校生に向けて幅広い音楽活動の支援もしている。

それと個人的なことではありますが、サッカーの指導にあたるコーチライセンスの資格を持っているため、「屋上球技場」を利用した個人戦術のアドバイスができます。また、吹奏楽の大会を多く見ており、関心があるため、子どもたちの活動を後押しできればと思っています。 1階入口正面に利用登録をする受付と総合窓口となる事務室があり、私も含め職員がおりますので、ぜひ気軽に声をかけてください。

共育プラザ南篠崎

住所:江戸川区南篠崎町3-12-8
電話番号:03-3678-8241
URL:http://www.city.edogawa.tokyo.jp/plaza_minamishinozaki/
※記事内容は2016(平成28)年3月時点の情報です。

中学生・高校生、子育てをする親にとっての地域の“居場所”として/共育プラザ南篠崎
所在地:東京都江戸川区南篠崎町3-12-8 
電話番号:03-3678-8241
開館時間:9:00~21:00(土・日曜日は17:00まで)
休館日:月曜日(祝日の場合は翌日も休館)、祝日、年末年始(12/29~1/3)
https://www.city.edogawa.tokyo.jp/kyoiku..