地域の人の思いで出来た、ホッと安心できる親子の集いの場/親子ひろば わっとほーむ 菊地恭子さん
「新横浜」駅から徒歩7分の文化施設「オルタナティブ生活館」4階に、横浜市民の“ワーカーズ・コレクティブ”が運営する子育て中の方々が集えるひろば『親子ひろば わっとほーむ』があります。ボールプールやブロックなどのおもちゃで子どもたちは楽しく遊び、お母さん・お父さんたちは友だちを作ったり、子育て情報を収集したりと自由に過ごせる癒しの場となっている。今回は、『わっとほーむ』の立ち上げにも関わったスタッフの菊地さんに、普段のひろばの様子や楽しいイベント、新横浜エリアの魅力についてお話を聞きました。
――まずは、『わっとほーむ』の施設概要と利用方法などをお教えください。
菊地さん:子育て中のお父さん・お母さんたちが気軽に集える場、未就園児の子ども同士が触れ合える場所です。毎週月・水・木曜日の10時~13時30分で開催しており、12~13時はランチタイムを設けているので、お弁当持参で昼食も召し上がっていただけます。対象は0歳~未就園児で、登録料(保険料込み)が年額500円、1回の利用につき300円をいただいています。7回分まとめてお得なチケットも用意しているので、何度もいらっしゃる方にはおすすめです。部屋は2部屋あり、おもちゃやボールプールなどで親子で自由に遊べる環境です。ルーフバルコニーにも出られるので、夏はミニプールを出して水遊びも楽しんでいます。
――“ワーカーズ・コレクティブ”として運営されているとのことですが、どのようなものなのでしょうか?
菊地さん:“ワーカーズ・コレクティブ”は、地域に暮らす人たちが地域に必要なモノやサービスを、市民事業として事業化したもので、自分たちで出資・経営・労働までを行う新しい組織のことです。神奈川県内では200の団体が活動しているようです。
立ち上げた頃は私も幼い子どもがいて、新横浜にお住まいのお母さんたちが「幼い子どもを連れて遊びに行く場所がない」と悩んでいました。そんな時に「オルタナティブ生活館」のこの部屋を借りられることになり、思い切って『わっとほーむ』を開催しました。
私たちの組織はメンバー9名で組織されており、全員がスタッフとして実際に『わっとほーむ』で活動しています。自身の子どもを一緒に連れて来るメンバーも、子育てがひと段落したメンバーもいます。転勤や転居などで入れ替えはありますが、みんな育児中のお父さん・お母さんたちをサポートしたいという同じ思いに賛同して、加わってくれています。
こじんまりスペースだからこそ、自然で無理のない交流ができる
――現在の、利用状況や利用者の方々の過ごし方をお教えください。
菊地さん:平均すると1日約5組、イベントなどの時は10組程度の親子のご利用があります。新横浜エリアは新しいマンションも増え、子育てファミリーも増加傾向にあります。子連れで出かけられる場所、親子でホッとできる場所は求められていると感じます。
実際にいらっしゃる方のお話を聞くと、「子どもが2人いるとなかなかお出かけ先がない」、「歩いて出かけられる場所にあるから便利」という声が多いです。
――皆さんお昼まで食べて帰られる方が多いのでしょうか?
菊地さん:午前中にいらして、一緒に遊んでからお昼を食べて帰られる人が多いでしょうか。小さなお子さんがいると、お弁当を作るのも大変な時もあるので、コンビニなどで買って来る方もいらっしゃいますし、周辺に出る屋台のお弁当屋さんに買いに行く方もいます。その間は私たちスタッフがお子さんを見たり、フレキシブルに対応させてもらっています。
2部屋のうち1部屋をランチルームにするだけなので、もしお昼を食べなくても、もう1部屋で遊んでいることも可能です。 利用者が多い時はテーブルを追加することもあります。同じテーブルに座ったお母さん同士が友だちになったり、先輩ママに育児や幼稚園の情報をもらったり、無理なく自然に交流できるのが「わっとほーむ」のいいところだと思います。
――さまざまなイベントや講座も開かれているようですが、人気なもの・ユニークなものなどがあればお教えください
菊地さん:「わっとdeソーイング」は、イベントのない毎週月曜日に行っていて、簡単な手縫いやミシンの直線縫いで子ども用の小物などを作るソーイング教室です。もともとスタッフだった手芸が得意な先輩ママと手芸好きなお母さんに講師になってもらい、お互いの子どもを見合いながらミシンを交代で使って、手作りを楽しむ時間になっています。無心で手を動かしていると、気分転換にもなるようで好評です。また、「わっとde英語」という、英語指導者の資格を取得したママさんを中心にした英語の会を月に1回開催しています。
「おでかけわっと」イベントも春と秋の年2回あって、春はお花見、秋はどんぐり拾いをしています。「新横浜駅前公園」という大きな公園まで足を延ばし、お弁当を持ってみんなでお出かけします。このおでかけイベントはとても人気で、毎回20組くらいの参加者がいらっしゃいます。
どんぐりは、小さいお子さんだと口に入れてしまうので、スタッフがあらかじめ拾っておいたどんぐりを洗浄・消毒して撒いておきます。その際、色をつけたまつぼっくりや顔のイラストを描いたどんぐりなども混ぜておいたり、その公園にはない珍しいどんぐりや大きなサイズも用意して、より子どもたちがどんぐり拾いを楽しめるよう仕掛けもしています。
最後は拾い切れなかったどんぐりやまつぼっくりをスタッフが集めて帰ってきます。ちょっぴり大変ではありますが、その準備や撤収もスタッフ全員で楽しんでいます。
協力的で温かな地域性が、子育てするお父さん・お母さんを支える
――「一時預かり」も行っているんですね
菊地さん:「オルタナティブ生活館」内で別の用事に参加される方が預けにいらしたり、ここで知り合ったお母さんたち同士がお茶を飲みに行く時に預けて行ったりと、いろいろな用途で利用されているようです。
1時間500円いただいているので、そんなに件数はありませんが、「いつも遊びに来ている場所で預かってほしい」「スタッフが顔見知りなので預けやすい」といった声もいただいています。ちょっと預けたいと思った時には気軽にご利用いただければと思います。
――「新横浜」駅周辺は交通利便や商業利便が高いイメージがありますが、子育て世代にとっての街の魅力についてお教えください
菊地さん:新幹線や商業の街のイメージが強かった新横浜も近年はマンションも増え、生活感が出てきたと感じます。転入してくるファミリーも多いので、引っ越していらしても、すぐに友だちができる雰囲気もあると思います。
地域の方々は非常に協力的で、『わっとほーむ』を立ち上げる際もたくさんの方々が「地域のお母さんのために」と助けてくださいました。ここに遊びにいらっしゃるお母さんたちも皆さんすぐ仲良くなれるようで、新横浜の温かな地域性をよく表していると思います。
先ほどお話にも出た「新横浜公園」には、遊具や芝生公園、ドッグラン、野球場、テニスコートなどもあり、子どもからお年寄りまでたくさんの方が利用しています。鶴見川沿いは緑道公園のようにもなっているので、散歩をするにもいいロケーションです。春は桜がきれいに咲いて、四季を感じられる子育てにはよい環境です。
また新横浜は新幹線はもちろん、JR横浜線と横浜市営地下鉄も通っていて、1駅乗れば東横線にも乗れるので、どこに遊びに行くにもとても便利です。
☆利用者さんにも、『わっとほーむ』や街のことを聞いてみました☆
Aさん:『わっとほーむ』では、参加費も負担が少なく、ちょうどよい規模のイベントが多いのでよく参加します。先日のハロウィーンの時は参加費100円で、この建物の中をお菓子を貰いながら回りましたが、小さな頃はそうしたことがすごく嬉しいんですよね。子どもたちはとても楽しんでいますよ。
新横浜は最近、スーパーやドラッグストアなども増えつつあり、暮らしやすく変化し始めている街だと思います。駅すぐ近くの「横浜アリーナ」や「日産スタジアム」は、「ディズニーオンアイス」や「おかあさんといっしょのコンサート」など子ども向けのイベントも多いので、よく利用しています。先日のラグビーワールドカップなども盛り上がっていて、賑やかでしたよ。
Bさん:下の子が生まれて、「子ども2人を連れてどこに行こう」と途方に暮れている時に、『わっとほーむ』に出会いました。スタッフの方々がとてもフレンドリーで親しく話しかけてださいますし、ちょっとした間は預かってくれて、私は本当に心強いです。お母さんたちも明るい方が多く、すぐに親しくなれるので孤独な育児とは無縁だと思います。
親子ひろば わっとほーむ
菊地恭子さん
所在地:横浜市港北区新横浜2-8-4 オルタナティブ生活館4階
問い合わせ:ワーカーズコレクティブ mon ami
080-6779-9092(平日9:30~17:00)
URL:https://wattohome.jimdo.com
※この情報は2019(令和元)年11月時点のものです。
地域の人の思いで出来た、ホッと安心できる親子の集いの場/親子ひろば わっとほーむ 菊地恭子さん
所在地:神奈川県横浜市港北区新横浜2-8-4 オルタナティブ生活館4F
開館時間:月・水・木曜日10:00~13:30
https://wattohome.jimdo.com/