校長 山口博功先生インタビュー

主体的・対話的で深い学びに取り組む/大阪市立真住中学校(大阪府)


自然豊かな「住之江公園」の北東に隣接する「大阪市立真住中学校」は、1993(平成5)年4月に開校した比較的新しい学校です。学校名の「真住」とは摂津国の歴史や文物を記した地誌『摂津風土記』に記された、この地域一体を表す「真住吉国(ますみのえ)」に由来し、「誠に住むべき良い土地」という意味を表します。今回は2019(令和元)年度から校長として赴任した山口博功(やまぐちひろのり)先生に同校の概要と取り組みについてお話を伺いました。

「大阪市立真住中学校」外観
「大阪市立真住中学校」外観

ーーまずは校長先生として赴任して来られるまでの、山口先生の経歴について簡単に教えてください。

山口校長先生:私は13年前まで、この真住中学校で11年間、教員を務めていました。その後、他校で教頭を担当し、教育委員会に4年間在籍しました。そして、2019(平成31)年の4月から当校で校長として赴任させていただくことになりました。ですので、在籍している教師や地域の方とも面識があり、初年度ながらありがたいことに支えていただいています。

「大阪市立真住中学校」校長 山口博功先生
「大阪市立真住中学校」校長 山口博功先生

ーーラグビー日本代表の山中亮平選手は本校のご出身で、山口先生の教え子だそうですね。

山口校長先生:はい。当時の山中くんはサッカー部に所属していて、2年生のときに私がラグビー部に誘いました。最初はビデオ係として試合の撮影を担当していたのですが、すぐに才能を発揮して、秋にはレギュラーになりました。体にも恵まれており、左利きというのも左右にまんべんなくパスができるので良かったですね。もちろんキック力もすごかったです。ワールドカップ後の2019(令和元)年10月には当校を訪れ、『ラグビーワールドカップ2019日本大会』で着用していたジャージをプレゼントしてくれました。さらに、12月には当校で山中選手によるスペシャルトークショーが実現し、対談させていただきました。「先生がいなければラグビーをやっていなかった」と語ってくれ、本当に嬉しかったですね。校長に赴任した初年度からこんな機会をいただき、私は幸せものです。

校内で行われた山中選手(右)によるスペシャルトークョー
校内で行われた山中選手(右)によるスペシャルトークョー

ーー生徒の皆さんにとっても貴重な機会になりましたね。それでは「真住中学校」の概要や教育方針を教えてください。

山口校長先生:通学区は住吉川小学校区と住之江小学校区、清江小学校区で、現在は約350名ほどの生徒が通っています。当校は大阪市の施策である「主体的・対話的で深い学び」の推進プロジェクト事業の研究指定校にあたります。『主体的・対話的で深い学び』の視点に立った授業改善を実施し、組織力アップによるブレない指導の中で、生徒が笑顔で登校でき、地域に信頼される学校をめざす、という教育目標を掲げています。来たるSociety5.0時代に向けて、生徒たちの自己有用感や非認知能力、問題解決能力を高められる教育を進めていきます。教員が一人で教壇に立って授業を行う一斉授業だけでなく、生徒がグループになってそれぞれの考えをディスカッションする機会を作り、最後にまとめた考えをみんなの前で発表するなど、他者の考えを聞いて学びを深める教育です。

「主体的・対話的で深い学び」を取り入れた公開授業
「主体的・対話的で深い学び」を取り入れた公開授業

ーー「学びを深める教育」として具体的に取り組まれていることはありますか?

山口校長先生:タブレットPCで好きな教科を学べる自己採点アプリ「タブレットドリル」を導入しています。さらにICTを使った国際交流として、タイの首都バンコクにあるピチャヤ・スサカ学校とスカイプを通じて、交流授業を行いました。中でも百マス計算大会は大盛り上がりでした。来年はさらに通信環境を整えて実施したいと考えています。

自己採点アプリ「タブレットドリル」
自己採点アプリ「タブレットドリル」

ーー継続的に学びを深めるにはモチベーションのキープも大切ですね。

山口校長先生:当校ではモチベーションをキープさせるためのさまざまな取り組みを行っています。1階のエントランスに設置してあるデジタルサイネージもその一つ。私が撮影した生徒たちの授業風景、とくに笑顔で授業を受ける写真をデジタルサイネージに流すことで、生徒にとって「学び=楽しい」と認知できるのです。授業においても、ICT機器を使用したり、教員がテンポの良いトークをしたり、飽きのない授業を提供できるように努めています。

ーー本校にはめずらしい部活動があるとお聞きしました。

山口校長先生:当校にはスポーツ庁による部活動等の調査研究事業として新設された「スポーツ・レクリエーション活動部」、略して「スポレク部」があります。毎週木曜日の16時から1時間30分、みんなで協力して記録に挑戦する「チャレンジ・ザ・ゲーム」やフライングディスクを投げてゴルフのようにプレイする「ディスクゴルフ」などのレクリエーションを行なう部活です。中心となってがんばってくれている生徒から話を聞くと、「これまで帰宅後はゲームばかりやっていたけど、友だちとたくさん汗をかいて、笑ったりすることで前向きになれた」という意見がありました。「スポレク部」を新設したことで、良い結果が出ていると嬉しく思います。全国で初めて「スポレク部」が生まれた学校として、さらに充実した部活動にしていければと思っています。

広々とした中庭。落ち着いて学べる環境が整っている
広々とした中庭。落ち着いて学べる環境が整っている

ーーー最後に、PTAや地域の方との関わりについて教えてください。

山口校長先生:9月にPTA実行委員会・地域連合町会が主催となる「真住祭り」が当校で行われ、さまざまなブースやイベントが行われました。当校の生徒もボランティアで参加し、たくさんの人と関わる良い経験となりました。さらに、職場体験として、看護師や区役所職員、和菓子店などにご来校いただき、子どもたちと触れ合っていただきました。まさに地域の方が率先して力を貸してくださり、本当に支えられていると実感しています。これからも地域の方々に感謝し、先生たちとともに、時代に合わせたより良い教育を提供していきたいと思います。

大阪市立真住中学校 校長 山口博功先生
大阪市立真住中学校 校長 山口博功先生

大阪市立真住中学校

大阪市立真住中学校 山口校長先生
所在地 :大阪府大阪市住之江区御崎2-2-32
電話番号:06-6686-8495
URL:http://swa.city-osaka.ed.jp/weblog/index.php?id=j722637
※この情報は2020(令和2)年2月時点のものです。

主体的・対話的で深い学びに取り組む/大阪市立真住中学校(大阪府)
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