武蔵野市子ども家庭部子ども政策課 インタビュー

武蔵野市の「今」と「未来」の子育てを支える/武蔵野市子ども家庭部子ども政策課


武蔵野市子ども政策課の皆さん
武蔵野市子ども政策課の皆さん

今や全国各地の自治体にある常設型の子育て支援施設のモデルケースとなった武蔵野市。この子育て支援部門の施策について、総合的な管理と企画を行っているのが、「子ども家庭部子ども政策課」です。今回はこちらの課で課長補佐を務められている横瀬英樹さんと、主任の鹿島昌吾さん、主事の佐藤結希さんの3人に、武蔵野市で現在取り組んでいる子育て支援施策等についてお話を聞きました。

地域と一緒になって子育てを考える「子ども政策課」

子育て支援情報誌「すくすく」
子育て支援情報誌「すくすく」

――まず、「子ども政策課」のお仕事内容について教えてください。

横瀬:まず、「すくすく」という子育て支援情報誌を発行しています。市役所やコミセン(コミュニティセンター)、市内各施設にあります。こちらは母子手帳交付時や保育所・幼稚園の全園児にもお渡ししているもので、母子保健、相談窓口、各種手当や補助金、医療関係、遊び場の情報など、市のさまざまな情報や地域の子育て支援グループの紹介が載っていますので、ぜひ手にとっていただければと思います。

特に子ども政策課が主体となって行っているものは、「子どもプラン武蔵野」という、将来5年間の子ども・子育て支援に関する計画の作成と、進行管理です。このプランの中では、社会的に、子どもや子育てに関する新しい課題が生まれてきた場合には、政策として今後どうやって対処していくのか、ということを考えております。

「0123はらっぱ」
「0123はらっぱ」

また、子育て支援施設「0123吉祥寺」や、「0123はらっぱ」などについて、施設の管理も行っており、そのほかにも子育てに関する講習会や講演会、「コミセン親子ひろば」をはじめとした「子育てひろば」の企画・運営を行っています。イベントでは「子育てフェスティバル」というものを、毎年秋に開催していますが、こちらの主催をしています。

――地域の子育てに関する事業や団体を、ひとつに束ねる役割もお持ちということですね。

横瀬:そうですね。さまざまな団体・部署と連携しながら、地域の子育て支援サークルなどのサポートも行っています。「子育て支援」は行政だけではなく、いろんな団体や施設も関わってくることです。子ども政策課としても、地域全体で子育て家庭を支援していけるように政策を策定し、進めているところです。

講演会、親子イベントなどの「つながり」を大切にする支援が充実

子ども政策課課長補佐 横瀬さん
子ども政策課課長補佐 横瀬さん

――子育て講演会について詳しく教えてください。

横瀬:「親支援講座」や「家庭教育支援講演会」は大学の先生や専門家の方をお招きして開催する講演会です。もうひとつは「パパと子講座」です。これは、日頃なかなか子どもと接することができないお父様方も多いので、たっぷり楽しんでもらうという趣旨のものです。昨年度は「ちちんぷい みんなで忍者」というタイトルで、NPOの方を講師に、親子で忍者になって親子のふれあいを楽しんでいました。

父親向けの「パパと子講座」
父親向けの「パパと子講座」

――実際参加した方からは、どんな声があるでしょうか?

横瀬:講演会については、お母さんの参加が多く、ふだん、お子さんと2人だけで家にいる方ですと、子育ての悩みを抱えていらっしゃる方も多いので、講演会などで話を聞くことで、「あまり深刻になりすぎなくてよかったんだ」「悩みが解決した」とか、そういった声をよく聞きますね。この講演会や講座については、子育てをされている方にとって、ちょっとしたサポートと言いますか、「背中を押すきっかけ」になればいいな、と思っています。

鹿島:講座には託児サービス付きのものも多いので、講座や講演会に出ること自体が、ご本人の息抜きの時間になる、という方もいらっしゃいます。

横瀬:「パパと子講座」については、周りもみんなお父さんですから、お父さんも参加しやすいようで、それぞれ楽しんでいかれるようです。

「こらぼのコミセン親子ひろば」
「こらぼのコミセン親子ひろば」

――友だちづくりであったり、同じ悩みを抱えた方とつながるための場として、「子育てひろば」事業に力を入れていらっしゃるそうですね。こちらについて詳しくお聞かせください。

横瀬:「子育てひろば」は参加無料なので、開催中はどなたでも、いつでも、来やすい時に来ていただければ大丈夫です。時間の途中でも入っていただけますから、気軽に足を運んでいただければ嬉しいですね。

「0123はらっぱ」「0123吉祥寺」や「すくすく泉」といった常設型のひろばのほかに、市内のコミセンで日時を決めて開催している「コミセン親子ひろば」「こらぼのコミセン親子ひろば」というものもあります。「こらぼのコミセン親子ひろば」はコミセンと地域が一緒になって行っているものです。

我々としては「居場所」というのは、地域の方がつくるのが一番いいのかなと思っています。「こらぼのコミセン親子ひろば」は地域の方の自由な発想で企画していただいており、より実態に合った、ニーズに合った内容のものになります。 「子育てひろば」の主な目的は、交流機会の提供、情報の発信、子育ての相談に乗る、という部分にありますので、それをベースにしてもらいつつ、その合間に、イベントやゲームなどを行っていただいたりと、それぞれの団体にお任せしています。

「公園親子ひろば」
「公園親子ひろば」

――公園で行っている「親子ひろば」などもあるそうですね。

横瀬:「公園親子ひろば」という事業も行っていまして、時には100人を超える方に来ていただいています。室内ですと、2歳か3歳になると物足りなくなってしまうので、そういった親子も楽しめるように屋外で行っているものが、この「公園親子ひろば」になります。内容はその時々ですが、先日などは、公園にシートを敷いて風車を作って、公園を走って回したりしましたし、シャボン玉や風船あそびなどをすることも多いですね。

就学前児童の保護者を対象とした食育講座で、小学校の給食を知る

子ども政策課主事 佐藤結希さん
子ども政策課主事 佐藤結希さん

――武蔵野市では食育についても先進的な取り組みをされているそうですが、詳しくお聞かせください。

佐藤:子ども政策課として行っているものとしては、武蔵野市給食・食育振興財団と共催の「小学校給食体験講座」があります。小学校に入学する少し前のお子さんをお持ちの保護者の方を対象にしています。内容としては、小学校の給食の試食や調理場の見学、調理実演をとおして、武蔵野市の給食について、理解を深めていただくものとなっています。

「小学校給食体験講座」
「小学校給食体験講座」

当日は栄養士や調理員の方に詳しくお話を聞いたり、質問や相談をすることもできます。親御さんとしても勉強になる面が多いということで、参加した皆様からも、とても満足度の高い講座になっています。

――武蔵野市はとても給食に力を入れていて、それを食育の基礎にしているといいうことですね。

鹿島:そうですね。武蔵野市の給食は、安全性はもちろん、食材の選定にもこだわっています。また、調理の際は、食材を生かし食材本来の味を大切にするため、冷凍食品や半調理食品も極力使わず、できるだけ手作りのものを提供するようにしています。さらに、市内の生産者と連携を深めながら、「地産地消」にも取り組んでいます。武蔵野市の給食の魅力を、こういった取り組みをとおして、皆さんに知っていただければと思っています。

「まちぐるみ子育て応援事業」
「まちぐるみ子育て応援事業」

――そのほか、よその自治体と比べて、武蔵野市ならではの魅力や、ユニークな取り組みなどがあればお聞かせください。

横瀬:当課で主催している「まちぐるみ子育て応援事業」というものもあります。これは、地域社会全体で子育て家庭を応援し、支えていくことを目的とした、民間団体の自由な発想による子育てを応援する取組みに対する補助事業です。今年度、採択された事業は、子育て中の方々に、武蔵野市内のカフェなどを会場に、おしゃべりしながらのランチと「街の達人」に地域の歴史などのお話をうかがって、地域を散策するという内容になっています。こういった取り組みをとおして、商店街の活性化も兼ねながら、地域ぐるみで子育てを支えていきたいと考えています。

子ども政策課主任 鹿島昌吾さん
子ども政策課主任 鹿島昌吾さん

鹿島:「0123吉祥寺」や「0123はらっぱ」など、「大きな子育て支援施設が常時開いている」ということについては、武蔵野市が老舗と言いますか、全国に先駆けて始めたものです。これらの施設は今でも利用者の数が多く、しっかり定着しています。

こういった常設型の拠点施設に加えて、「コミセン親子ひろば」など、もっと身近なコミュニティの中での「つながる」ための仕掛けも増え、まち全体で一体となって、子育てを支援していこうという雰囲気が生まれてきています。

文化施設も整う、子育てのしやすい閑静な住宅街

武蔵境の街並み
武蔵境の街並み

――これから住みたい、子育てをしたい、という方にとって、武蔵野市、特に武蔵境周辺は、どんな魅力があるエリアでしょうか?

鹿島:武蔵境エリアは、駅の南口に「武蔵野プレイス」という、図書館と生涯学習施設が一体になった施設があったり、北口には「武蔵野スイングホール」というコンサートホールがあったりと、文化的な環境が整っています。また、ここ数年で駅周辺の再開発が大きく進んで、新しい商業施設もオープンするなど、大きな動きのあったまちです。駅から少し離れると、閑静な住宅街が広がっていますし、子育て世帯にも魅力的なエリアなのかと思います。

「武蔵野プレイス」
「武蔵野プレイス」

横瀬:市の施策という面からは、武蔵野市は子育て政策に非常に力を入れている市ですし、保育園に入る時には「保育コンシェルジュ」に相談できたり、「子ども家庭支援センター」ではひとり親の方の相談にも専門的に乗っていたりするなど、子育てに関する不安に対して、専門分野の職員が対応できる体制が整っています。ですので、心配な事は、まず市にご相談いただければと思いますし、たくさんの子育て世代の方に、お住まいになっていただきたいと思います。

武蔵野市子ども政策課
武蔵野市子ども政策課

武蔵野市子ども家庭部子ども政策課

課長補佐 横瀬英樹さん
主任 鹿島昌吾さん
主事 佐藤結希さん

武蔵野市役所
URL:http://www.city.musashino.lg.jp/
※この情報は2016(平成28)年11月時点のものです。

武蔵野市の「今」と「未来」の子育てを支える/武蔵野市子ども家庭部子ども政策課
所在地:東京都武蔵野市緑町2-2-28 
電話番号:0422-51-5131
窓口受付時間:8:30~17:00
閉庁日:土・日曜日、祝日、年末年始(12/29~1/3)
https://www.city.musashino.lg.jp/