細尾佳宏さん、川嶋慎介さん、松田理江さん、黒木美沙さん、石川明さんインタビュー

“暮らし”を満足させる要素がバランス良く揃う岐阜市の魅力に迫る/岐阜市役所(岐阜県)


金華山や長良川など、豊かな歴史と自然、文化に恵まれた岐阜県岐阜市。大都市名古屋市への良好なアクセスに加え、複数の再開発事業の進行により、さらに便利な街へと変化を遂げています。「Moving Gifu City」をキャッチコピーに、市の魅力を発信している岐阜市において、どのような暮らし方を実現できるのか。今回は、岐阜市の市長公室広報広聴課の細尾さん、都市建設部市街地再開発課の川嶋さん、子ども未来部子ども政策課の松田さん、健康部健康増進課の黒木さん、教育委員会事務局学校指導課の石川さんにお集まりいただき、岐阜市の政策の特徴や魅力などについて、それぞれの分野より幅広くお話をお聞きしてきました。

取材にご協力いただいた皆さん。左から黒木さん、石川さん、松田さん、細尾さん、川嶋さん
取材にご協力いただいた皆さん。左から黒木さん、石川さん、松田さん、細尾さん、川嶋さん

動画やSNSを駆使して、岐阜市の魅力を余すことなく発信

――まずは、岐阜市の“シティプロモーション”の方針について教えていただけますでしょうか。

細尾さん:岐阜市では「Moving Gifu City」をキャッチコピーに、“選ばれる岐阜市”を目指して、シティプロモーションを推進しています。岐阜市は「岐阜城」や金華山、「長良川の鵜飼」といった自然、歴史・文化に関するスポットに恵まれていることに加え、「柳ケ瀬商店街」をはじめとする買い物・グルメスポットや、「みんなの森 ぎふメディアコスモス」といった憩いの場も充実しています。名古屋市へのアクセスの良さ、子育て支援や教育の充実など、さまざまな魅力がある街です。岐阜市のシティプロモーションでは、これらの魅力を発信しつつ、交流人口の増加、定住人口の増加、市民のシビックプライド(地域に対する市民の愛着や誇り)を醸成していくことを目標としています。

細尾さん
細尾さん

――“シティプロモーション”を通して、岐阜市がどのように変化し、どのようなまちになることをイメージされていらっしゃいますか。

細尾さん:多くの方に本市へ興味関心をもっていただき、まずは足を運んでいただく、知っていただくことで将来の定住人口の増加につながることを期待しています。本市で暮らす方が増えることで、まちの活力維持や、持続可能かつ魅力的なまちづくりの実現につなげていければと考えております。

――ちなみに、具体的にどのような方法で情報発信に力を入れていらっしゃるのでしょうか。

細尾さん:現在、岐阜市で暮らしながら、名古屋市や一宮市へ通勤・通学している方は多くいらっしゃいます。その点を踏まえ、名古屋市へのアクセスの良さや自然の豊かさ、子育て・教育・医療環境の充実、公園の多さなど、知られざる岐阜市の魅力をテレビやラジオ、フリーペーパー、SNSなどにより発信しています。岐阜市の認知度向上とイメージアップを図るために、シティプロモーション動画も制作しました。YouTubeや岐阜市内のモニターなどで放映し、街並みや岐阜市の施策などを余すことなく伝えています。シティプロモーション冊子「エエトコタント岐阜市」では、人にフォーカスをして、各方面で活躍する方々のインタビュー記事を多数掲載しています。

岐阜市のシティプロモーション動画はこちらからご覧いただけます。
「Homing Gifu City」-4K MV- 岐阜市シティプロモーション動画(定住編)
「Amazing Gifu City」-4K MV- 岐阜市シティプロモーション動画(交流編)

「エエトコタント岐阜市」のWebサイトも制作されている
「エエトコタント岐阜市」のWebサイトも制作されている

岐阜市のまちなかに新たなにぎわい創出を目指す

――岐阜駅の北側エリアでは複数の再開発事業が進み、この10年でまちの魅力が一気に高まりましたね。概要についてご紹介いただけますか。

川嶋さん:岐阜駅北約21ha及び、柳ヶ瀬通周辺地域約9haの地域について、2003(平成15)年に内閣総理大臣から「都市再生緊急整備地域」の指定を受けており、岐阜市ではその区域内で市街地再開発事業を推進しています。岐阜駅周辺の再開発事業では、2005(平成17)年に完成した「大岐阜ビル」を始まりに、岐阜駅周辺のランドマークといえるツインタワーを成す「岐阜シティ・タワー43」と「岐阜スカイウイング37」、2019(平成31)年1月に完成した「岐阜イーストライジング24」と、これまでに4つの事業が完成しています。

川嶋さん
川嶋さん

これらの市街地再開発事業のおかげで、岐阜駅北エリアに良好な都市空間ができ、まちなか居住の推進とにぎわいの創出が図られています。現在は、金華橋通りを挟んだ東西に位置する中央東地区と中央西地区で、多くの人々を迎える岐阜都市圏の玄関口として、魅力ある都市機能が集積した「もてなす」空間となるよう、地元の準備組合の皆様により検討が進められています。

――巨大な商店街があることで知られる柳ケ瀬エリア周辺はいかがでしょうか?

川嶋さん:柳ケ瀬エリアは、「サンデービルヂングマーケット」などでにぎわう「柳ケ瀬商店街」を中心としたエリアです。現在、「高島屋南地区第1種市街地再開発事業」が進行中で、2022(令和4)年度の完成を目指し新たに建設される再開発ビル「柳ケ瀬グラッスル35」には、商業施設、住宅のほか、岐阜市が整備する子育て支援施設や中市民健康センターを含む健康・運動施設などが計画されています。竣工後は、柳ケ瀬のランドマークとしてまちの新たなにぎわい創出の拠点となることが期待されています。

――再開発により、岐阜のまちは今後どのように発展していくのでしょうか。

川嶋さん:4つの事業が完成した岐阜駅北エリアを見ると、駅周辺をつなぐ歩行者用デッキを使い、駅から再開発ビルへ、ビルから他の場所へと移動する人の流れができていることがわかります。このように市街地再開発事業によってまちなかに人が集まり、住み、働く場が創出され、さらに周辺に魅力的な空間ができるとその相乗効果により、まちとしての価値が一層高まります。このような良い循環を官民一体となってつくりあげて、中心部の活性化を図ることで、岐阜市全体の活性化につながっていくと考えています。

岐阜駅北エリアの歩行者用デッキ
岐阜駅北エリアの歩行者用デッキ

保護者も子どもも相談しやすい環境づくり。安心の子育て支援で心身ともに健康に

――続いては、子育てについてお話を伺っていきたいと思います。岐阜市の子育て支援の特徴についてお聞かせいただけますか。

松田さん:医療や健康に関する子育て支援には、特徴があります。まず、0歳~中学校卒業までの子どもの医療費を、入院・外来ともに助成している点が挙げられます。子ども医療費受給者証を岐阜県内の病院の窓口で提出していただければ、自己負担なしで受診いただくことが可能です。これにより、子どもの健康と福祉の増進を図っています。

松田さん
松田さん

黒木さん:2020(令和2)年度からは、新生児聴覚検査の費用の一部助成も開始されました。新生児聴覚検査とは耳の聞こえ具合の検査で、聴覚障がいの早期発見につなげていただける制度です。出産後1カ月を目安にした産婦健康診査も助成を開始しました。また、乳幼児健康診査(4カ月、10カ月、1歳6カ月、3歳のタイミングで実施)も自己負担なしで受けていただけます。随時育児に関する相談にも対応しており、電話での相談や家庭訪問相談も行っているので、遠慮なく利用していただきたいと思います。出産後のお母さんと赤ちゃんの心身のケアや育児サポートをする産後ケア事業にも取り組んでおりますので、安心して本市で子育てを始めていただけると思います。

黒木さん
黒木さん

――その他、岐阜市独自の子育て支援などありますでしょうか?

松田さん:お子さんに関するあらゆる悩みや不安は、岐阜市子ども・若者総合支援センター“エールぎふ”で相談を受けています。20歳前までの子どもや若者、保護者の方からの相談内容に応じて適切な専門相談員につないでいます。子ども専用の相談ダイヤルとしては「子どもホッとダイヤル・子どもホッとメール」を用意しているので、子どもたちにも安心して相談いただける点も特徴です。 また、病児・病後児保育のタクシーによる送迎サービスも行っています。これは、保育所・保育園、認定こども園などで、お子さんが体調不良になり、保護者が仕事などの都合で迎えに行くことができない場合に、病児・病後児保育施設の看護師が保護者の代わりに迎えにいき、施設で一時的にお預かりする事業です。

「エールぎふ」
「エールぎふ」

全国でもトップクラスのスピードで取り組んでいる「GIGAスクール構想」で、充実した学びの環境

――岐阜市はICT教育が進んでいるそうですが、どのような取り組みをされていらっしゃいますか。

石川さん:岐阜市では、国が推進する「GIGAスクール構想」をいち早く取り入れ、すでに小学校・中学校・特別支援学校の児童生徒へ1人1台のタブレット端末を貸与し、オンライン学習などのICTを活用した教育を進めています。タブレット端末はLTEモデルのため、Wi-Fi環境がなくても使用でき、学校のみならず家庭に持ち帰って学習に活用することが可能です。

※1人1台端末と、高速大容量の通信ネットワークを一体的に整備することで、特別な支援を必要とする子どもを含め、多様な子どもたちを誰一人取り残すことなく、公正に個別最適化され、資質・能力が一層確実に育成できる教育環境を実現する構想(文部科学省「GIGA スクール 構想の実現へ」より引用)

石川さん
石川さん

――具体的に、タブレット端末でどのような学習ができるのでしょうか?

石川さん:例えば授業では、手元で調べ学習をしたり、作品などの写真を撮影してじっくり観察したりすることができます。家庭学習もさまざまな方法で取り組むことが可能です。学習支援ソフト「e-ライブラリ」でのドリル学習のほか、コミュニケーションツールアプリを使い、先生からの小テストにWeb上で答えることもできます。先生方も、このアプリを使用することで、児童・生徒からの回答をタイムリーに集計することが可能です。また、授業中は先生の話に集中し、板書は撮影しておいて、家で復習を兼ねてノートにまとめる、といった使い方も見られます。学習に関しては子どもたちが自由に使うことができるため、自主的な学習活動における可能性は無限大と言えます。今後、より自分に合わせた学習ができるようになると思います。

実際に子どもたちに配布しているタブレット
実際に子どもたちに配布しているタブレット

――今後、臨時休校や何か不測の事態が起きた時にも、タブレット端末があればオンライン学習で対応できそうですね。

石川さん:土曜日等の教育活動の日を利用して、オンライン朝の会に自宅で参加してから登校する体験をしています。実際にオンラインで人とつながることで、通常の操作方法以外にも、自分の家が特定されないような背景に設定する、顔がしっかり写るように光を調整するなど、いざやってみないと分からないことを学ぶ機会になっています。こうした活動を通して、実際の生活の中でも必要に応じてスムーズに対応できる能力が養われるのではないでしょうか。タブレットの利用においては、岐阜市教育委員会や学校の指導・支援を受けてSNS利用も可能となっています。ICT化が進む社会に対するルールやモラルも身に付けられるのではと期待しています。

交通利便性も、自然も、歴史も、イベントも…。魅力が盛りだくさんの岐阜市

――最後に、岐阜市の住環境の魅力やおすすめのスポット、イベントなどについて教えてください!

石川さん:まちなかに「岐阜城」というお城があり、城下町も形成されている貴重な市ではないでしょうか。歴史も感じられ、美しい風景も広がる、素敵な環境が守られているエリアだと感じています。

「岐阜城」
「岐阜城」

川嶋さん:ぜひ、岐阜市の美しい風景を「岐阜シティ・タワー43」(http://www.gifucity-tower43.jp/)の最上階にある展望室から眺めていただきたいですね。無料で観覧でき、金華山、長良川はもちろん、濃尾平野を遠くまで見渡すこともできます。

「岐阜シティ・タワー43(43階からの眺望)」
「岐阜シティ・タワー43(43階からの眺望)」

松田さん:私の子どもが大好きな場所は「長良公園」です。大型遊具や芝生広場があるので、1日中過ごすことができます。岐阜市内には「岐阜公園」や「岐阜ファミリーパーク」(http://gifu-family-park.jp/)などの大きな公園もあります。公園へ行けば誰か遊び相手がいる、という環境も子どもにとっては魅力なのだと思います。

「長良公園」
「長良公園」

細尾さん:電車利用で名古屋市まで約20分でアクセスすることができる利便性を持つ一方で、自然が残っていて住み心地が良いまさに「ちょうどいいまち」だと思います。今、多くの20代、30代の若者が「サンデービルヂングマーケット」などのまちづくりイベントに参加して、岐阜市を盛り上げてくれているので、頼もしい限りです。

「サンデービルヂングマーケット」
「サンデービルヂングマーケット」

取材にご協力いただいたみなさん
取材にご協力いただいたみなさん

岐阜市役所

所在地:岐阜県岐阜市司町40-1
電話番号:058-265-4141
URL:https://www.city.gifu.lg.jp/
※この情報は2020(令和2)年11月時点のものです。

“暮らし”を満足させる要素がバランス良く揃う岐阜市の魅力に迫る/岐阜市役所(岐阜県)
所在地:岐阜県岐阜市今沢町 
電話番号:058-265-4141
営業時間:8:45~17:30
定休日:土曜日,日曜日