部長 伊原浩樹さんインタビュー

待機児童6年連続0(国基準)を達成!子育て世代に優しいまち、松戸市の魅力とは。/松戸市役所 子ども部(千葉県)


松戸市では、子どもと子育て家庭を地域全体で支えるやさしいまち「まつど」を目指し様々な子育て支援策を実施。子育て世代の転入も多く街の人口も増加傾向にあり、人気のエリアになっています。松戸市子ども部長の伊原浩樹さんに同市の子育て支援施策や街の魅力について話を伺いました。

松戸市役所 子ども部長 伊原浩樹さん
松戸市役所 子ども部長 伊原浩樹さん

保育施設の充実と、共働きでも幼稚園を利用しやすい体制の促進

――松戸市の子育て支援施策について教えてください。

伊原さん: 松戸市は、「やさシティ、まつど。」をスローガンに、子育てしやすい街づくりを市の重要施策のひとつに掲げています。各種の取組みが高く評価され、日本経済新聞社関連の「共働き子育てしやすい街ランキング」において2020年2021年と2年連続で総合編1位を受賞しました。
本市では、特に児童虐待防止対策を重要視して取り組んでいます。妊産婦支援のための親子すこやかセンター、虐待対応の子ども家庭総合支援拠点、地域の関係機関による虐待防止ネットワークが連携して妊娠期から子育て期の虐待の予防、早期発見に力を入れています。

松戸市制70周年を記念して制作された松戸市のロゴ ※画像提供:松戸市
松戸市制70周年を記念して制作された松戸市のロゴ ※画像提供:松戸市

また、「待機児童対策」にも力を入れて取り組んでいます。近年は、小規模保育施設の整備を積極的に進め、保護者の送迎負担を軽減するため、駅前・駅中を優先して整備を行ってきました。その結果、現在では市内全23駅の駅前・駅中に小規模保育施設が設置されています。
さらに、幼稚園の活用を進めるため、「0歳から2歳は小規模保育施設へ、卒園後は幼稚園へ」を戦略として、小規模保育施設卒園後の進路に、共働き世帯等でも幼稚園の教育を選択できるよう、幼稚園での長時間の預かり保育体制の整備を促進しています。
具体的には、長時間預かり保育を実施する幼稚園への補助金交付や、市独自の預かり保育料の助成を保護者向けに行い、特色ある幼稚園の教育方針や校風の周知・PR等も実施したことで、長時間預かり保育を実施する幼稚園の入園者数は、減少傾向が転じて増加し、本市の待機児童対策に大きく貢献しています。

「送迎保育ステーション」の託児機能付きのコワーキングスペース ※画像提供:松戸市
「送迎保育ステーション」の託児機能付きのコワーキングスペース ※画像提供:松戸市

在宅勤務中の子どもの預かりや、子どもの様子を見ながら仕事ができるスペースも

このコロナ禍ではテレワークや在宅勤務が普及しました。「在宅勤務中に子どもを少し預かって欲しい」、「子どもの見える場所で落ち着いて仕事がしたい」等のニーズに対応するため、「東松戸」駅、「新松戸」駅そして「北小金」駅近くにある「送迎保育ステーション」と、「八柱」駅にある「ほっとるーむ八柱」に託児機能付きのコワーキングスペースを設置しています。館中にはWi-Fi環境とパーテーションを整備しているので、子どもの様子を見ながら仕事に専念することができ、その他にも「ほっとるーむ八柱」では資格取得のための勉強や裁縫をする時間に充てるなど様々な活用があります。

親子でゆっくり過ごせる「ほっとるーむ八柱」 ※画像提供:松戸市
親子でゆっくり過ごせる「ほっとるーむ八柱」 ※画像提供:松戸市

親子の遊び場も充実

胡録台からおよそ徒歩15分圏内には、「おやこDE広場野菊野こども館」、「おやこDE広場南花島」、「野菊野こども園」内に「チェリッシュ・サポート・システム(子育て支援センター)」があります。市内にあるおやこDE広場や子育て支援センターでは、施設ごとに様々なイベントや講座を実施しています。例えば、保護者を年代ごとに分けて友達を作りやすくしたり、双子の子どもを持つ親子が集まる機会を設けたり、保健師や歯科衛生士など専門職の方と直接相談できるような場を設けたりするなど、施設ごとに楽しく子育てができるように工夫を凝らしています。子育てコーディネーターが保護者の悩みや子どもの成長など、保護者に寄り添った相談対応もしていますので、お気軽に利用いただければと思います。

「子育て支援センター」常駐の子育てコーディネーターに気軽に育児相談もできる ※画像提供:松戸市
「子育て支援センター」常駐の子育てコーディネーターに気軽に育児相談もできる ※画像提供:松戸市

子育て相談もオンラインでお気軽に。サポート体制も万全

――子育てしやすい環境が充実していますね。

伊原さん: ZOOM等のアプリを利用し子育て中の親子が自宅から気軽に参加し他の親子や市が委託する子育て支援員らと交流ができる「まつどDE子育てオンライン広場・子育てオンライン相談」を開催しています。相談者が自宅等に居ながら、子育てコーディネーターと顔を合わせて子育て相談が行えます。

その他にも養育費をもらえていないひとり親世帯家庭への支援や妊婦向けのタクシー料金の一部助成、幼児同乗用自転車購入費用を最大5万円助成しています。また、365日小児科医が23時まで診察する「夜間小児急病センター」の整備、最大100万円を補助する「三世代同居等住宅取得支援」など様々な支援や補助を行っていますので安心して子育てができる環境が整備されています。

松戸市子育て情報サイト「まつどDE子育て」 ※画像提供:松戸市
松戸市子育て情報サイト「まつどDE子育て」 ※画像提供:松戸市

――子育て情報サイト「まつどDE子育て」について詳しく教えてください。

伊原さん: 子育て情報サイト「まつどDE子育て」は、子育て支援に特化したホームページです。妊娠から出産、子どもの成長段階ごとに受けられるサービスや制度などを紹介しています。

「まつどDE子育てLINE」は、妊婦とそのご家族及び3歳児未満の乳幼児の保護者を対象として、お子さんの成長・発達、ママの体調管理や子育てアドバイス、子育て支援サービスの案内など、その時期に必要な情報をタイムリーにLINEでお届けしています。「まつどDE子育てアプリ」は、予防接種のスケジュール管理や母子健康手帳の記録、本市の子育て支援情報やイベント情報の提供などを行っているアプリです。
特にLINEと母子モ(母子手帳アプリ)は、子育て世代の情報収集ツールの主流であるスマートフォンで、タイムリーに情報を受け取ることができますのでぜひご活用ください。

「まつどDE子育てLINE」配信イメージ ※画像提供:松戸市
「まつどDE子育てLINE」配信イメージ ※画像提供:松戸市

「10年間のまつど英語」による教育も充実

――英語教育にも特徴があると伺いました。

伊原さん: 公立保育所で年長クラスを対象に行っている「楽しい英語あそび」では、幼児期に異文化体験や国際交流をすることで、子どもの豊かな人間関係を育むとともに、将来の国際化社会に対応できる人材育成につながることを目指しています。ネイティブの講師が月に1,2回来て遊びながら英語に触れる教育をしています。ゲーム形式で英単語を口ずさんだり、英語の歌で体を動かして踊ったり、子どもたちは楽しそうに参加しています。民間保育園や幼稚園にも同様の事業への支援をおこなっております。

また、市内の全小中学校では、教育課程の中に英語分野と日本語分野で構成される「言語活用科」という学習があります。小・中学校9年間の一貫した「言語活用科」の学びにより、日本語、英語を通じて論理的思考・コミュニケーションスキルが身につきます。保育園や幼稚園で1年、小・中学校で9年、あわせて「10年間のまつど英語」となり、英語教育を身近に感じていただけると思います。

子どもたちが英語に親しむ時間「楽しい英語あそび」 ※画像提供:松戸市
子どもたちが英語に親しむ時間「楽しい英語あそび」 ※画像提供:松戸市

社会全体で子供を育てる、子育てに優しいまちづくりを

――今後予定している新たな取り組みや目指している子育て支援のあり方について教えてください。

伊原さん:今後も、誰もが安心して結婚、妊娠・出産、子育てができる環境整備に取り組んでいきたいと考えています。具体的には、医療的ケア児や重度心身障害児の保護者の就労支援やレスパイト対応が急務だと考えております。保護者は長時間の介護や施設での付添などに限界を感じており、育休明けには会社の退職を余儀なくされている現状もありますので、「全ての子ども・子育て家庭を社会全体で支えること」が重要だと考えています。

図書館・東松戸支所・青少年プラザを併設した複合施設「ひがまつテラス」が2021年12月にオープン! ※画像提供:松戸市
図書館・東松戸支所・青少年プラザを併設した複合施設「ひがまつテラス」が2021年12月にオープン! ※画像提供:松戸市

市長は「子育てにかける予算はコストではなく将来への投資」「現場の課題をいち早く認識できる地方がその解決に取り組むことで、国は必要性を認識して補助メニューを作る。国の補助を待たずに地方が率先して課題への投資をするように」という方針を基本にしています。
一例としては、小規模保育施設整備促進のため、不動産や建築に詳しい嘱託職員を雇い必要な要件を備えたテナントを探しその物件での収支計画を作成・事業者へ紹介する手法をとりました。それが厚生労働省に認定され、現在では「民有地マッチング事業」という補助金が生まれています。また、コロナ禍でひとり親世帯の生活困窮を緩和するための給付金を令和2年5月に給付したところ、国も同年7月以降追従しました。

松戸市では、現場の課題をいち早く認識し、地道に政策に反映してきました。このことで「共働き子育てしやすい街ランキング」2年連続1位だけでなく、「第2回日本子育て支援大賞」、「2020年度千葉県ベスト育児制度賞」など、様々な視点から高い評価をいただけたと考えています。今後も、子どもたちが「松戸で育ってよかった」と思えるよう、そして、みんなが「松戸にずっと住み続けたい」と思えるよう、子ども・子育て支援を進めていきたいと思います。

「ひがまつテラス」内の「青少年プラザ」は中高生が安心して過ごせる ※画像提供:松戸市
「ひがまつテラス」内の「青少年プラザ」は中高生が安心して過ごせる ※画像提供:松戸市

都心近接と豊かな自然、充実の子育て環境の松戸市

――松戸市で子育てすることの魅力と今後このエリアに住む方に向けてメッセージをお願いします。

伊原さん: 市内には鉄道の駅が23駅あり、「東京」駅までは乗り換えなしで24分とアクセス良好。「東京外環自動車道」の松戸ICが開通し、様々な場所へのアクセスが向上している反面、自然にも恵まれ、子育て世帯から「都会と田舎のいいとこどり!“ちょうどいい”が暮らしやすい」と評価されています。

特に「21世紀の森と広場」には2021年7月、大型遊具「あそびのすみか」がオープンし、このコロナ禍でも密にならずに遊ぶことができるので親子連れで賑わっています。こちらには今後も第二弾の遊具も設置予定です。また、東松戸には複合施設「ひがまつテラス」が2021年12月に完成し、中には中高生の居場所として青少年プラザや図書館がオープンするなど、街として年々完熟度が増しています。

一方で、戸定邸や矢切の渡し、様々なお祭り行事など古き良き文化も感じられる街です。松戸市は「子育てにやさしいまち」として常に進化を続けています。ぜひ、松戸市で子育てを楽しんでいただけたらと思います!

巨大遊具施設「あそびのすみか」の「ジオマウンテン」 ※画像提供:松戸市
巨大遊具施設「あそびのすみか」の「ジオマウンテン」 ※画像提供:松戸市

松戸市役所 子ども部  部長 伊原浩樹さん
松戸市役所 子ども部 部長 伊原浩樹さん

松戸市役所 子ども部

部長 伊原浩樹さん
所在地:千葉県松戸市根本387-5 新館9F
電話番号:047-704-4007
松戸市子育て情報サイト「まつどDE子育て」
https://www.city.matsudo.chiba.jp/kosodate/matsudodekosodate/index.html
※この情報は2022(令和4)年1月時点のものです。

待機児童6年連続0(国基準)を達成!子育て世代に優しいまち、松戸市の魅力とは。/松戸市役所 子ども部(千葉県)
所在地:千葉県松戸市根本387-5
電話番号:047-366-1111
窓口受付時間:8:30~17:00
閉庁日:土・日曜日、祝日、年末年始(12/29~1/3)
https://www.city.matsudo.chiba.jp/