子ども家庭部子ども育成課 二見貴裕さん、生活環境部シティセールス推進課 工藤梨乃さんインタビュー

和と洋の文化、豊かな自然が共存するコンパクト・シティの強みを発揮した「福生市」のまちづくり/福生市役所(東京都)


多摩地域の西部に位置し、多摩川をはじめ奥多摩の自然を感じるコンパクト・シティ、福生市。市内には米軍横田基地があり、異国情緒漂う街並みが特徴のエリアです。また、早くから子育て支援政策にも力を入れており、「共働き子育てしやすい街ランキング2021」(日経新聞社と日経BP「日経xwoman(クロスウーマン)」の調査)では、7年連続全国トップ10入りを果たしました。今回は、福生市役所を訪れ、子育て支援の取り組みや目指すまちづくり、街の魅力などについてお話を伺い、子育てしやすい街として選ばれる理由を探りました。

(左から)福生市役所の子ども家庭部子ども育成課 二見さん、生活環境部シティセールス推進課 工藤さん
(左から)福生市役所の子ども家庭部子ども育成課 二見さん、生活環境部シティセールス推進課 工藤さん

コンパクト・シティの強みを生かした子育て支援政策で「共働き子育てしやすい街ランキング 」に7年連続トップ10入り!

――まずは、「共働き子育てしやすい街ランキング 2021」に7年連続でトップ10入り、おめでとうございます。選ばれた背景には、どんな要因があるとお考えですか。

福生市の子育て環境について熱心にお話しくださる二見さん
福生市の子育て環境について熱心にお話しくださる二見さん

二見さん:福生市は、2002(平成14)年に人口がピークを迎え、以降徐々に減少している状況でした。2013(平成25)年に人口シミュレーションを実施した所、子育て世帯の流出がわかりました。どうにかしなければと取り組み出したのが、「子育てするなら福生」というスローガンを掲げた子育て支援政策です。その政策に力を入れてきた結果が、今回のような7年連続トップ10入りという成果につながったのだと思います。ランク入りした当初はもちろん嬉しかったですが、今はこの状態をどれだけ維持できるのか、担当課としてはプレッシャーを感じています。

「福生市役所」 ※画像提供:福生市役所
「福生市役所」 ※画像提供:福生市役所

――福生市は行政面積の約3分の1を横田基地に提供しているということで、約6㎢に人口約56,000人が集まっているコンパクト・シティですが、このコンパクト・シティの強みを生かした子育て支援政策について具体的に教えてください。

二見さん:子育て支援政策の最大のポイントとしてまず取り組んだのは、待機児童対策です。福生市は、2021(令和3)年4月現在で、保育園の待機児童は6年連続0名を達成しています。この結果も自治体の中ではあまりみられないものだと思います。同じように、学童クラブについても待機児童ゼロを目指した取り組みを行ってきました。市内には保育園と幼稚園が合計20園ありますが、これは他の自治体さんと比べても少ない園数です。そのため、現場の声をダイレクトに聞き、各園の園長先生方とかなり密に連絡を取り合いながら問題解決を図ることができています。この細やかなコミュニケーションの実現こそ、コンパクト・シティであることの強みとして表れているのではないかと思っています。

福生市と保育施設はコミュニケーションを密に取り問題解決を図っている ※画像提供:福生市役所
福生市と保育施設はコミュニケーションを密に取り問題解決を図っている ※画像提供:福生市役所

また現在、市内には小中学校が10校ありますが、幼保小連携ということで幼稚園、保育園、小学校とで集まり、現場の質を高める会議を年に数回行っています。小学校については小学生で身につけるべき学習習慣を示した「ふっさっ子スタンダード」という取り組みを教育委員会主導で進めていますが、一貫性を持つためにも保育園や幼稚園でも一緒にやっていきましょう、となっています。小学校にスムーズに上がるためには保育園、幼稚園からどのようなことをやっておくべきか、子どもの特徴を共有しながら、話し合いを進めています。

福生市は総人口に占める外国人の割合が大きく、市内の学校では、外国にルーツをもつ子どもが多く在籍しています。そのため、福生市で育つ子ども達は、学校生活を過ごす中で、他国の文化について関心をもったり、相手を尊重する気持ちや態度が自然と身に付いたりしています。

豊かな自然と和と洋が混じり合う、独特の風景が魅力の街

――歩くだけでも楽しいアメリカンな街並みが魅力的ですが、福生市のおすすめスポットはどこですか。

工藤さん:まず観光スポットとしても有名な「ベースサイドストリート」があります。道には英字看板が並び、アメリカンテイストのお店が軒を連ね、歩いているだけで異国情緒を感じるお出かけスポットです。また、ストリート付近には建物内を内覧できるアメリカンハウスもあり、こちらも年間で1万人以上の方が訪れる観光スポットになっていておすすめですね。
また、そんなアメリカンテイストのスポットがある一方で、国の登録有形文化財に指定されている建物がある「石川酒造」と「田村酒造場」という日本酒で有名な2つの酒造もあり、日本の歴史風情を感じる場所も点在しています。このように、和と洋が共存している街もなかなかないのではないかと思います。

福生市の魅力について語る工藤さん
福生市の魅力について語る工藤さん

二見さん:外国人比率は6%程です。都心部と比較すると目立たない数値ですが、多摩26市の中ではとびぬけた数字です。市内には多くの外国人の方がお住まいで、街自体がいろいろな文化を持ち合わせている点は魅力の一つですね。

――自然を感じるスポットなどはいかがですか。

二見さん:やはり玉川上水ですね。特に四季折々の豊かな自然が残る新堀橋付近は「ふっさ十景」や「東京新百景」にも選ばれている程の風光明媚な場所です。散歩やサイクリングをするのにもいいですし、私もコロナ禍には木陰になって暑さをしのげる場所を子どもと一緒に歩くなどしてリフレッシュできました。市ではこういった自然にふれられるスポットを紹介した散策マップも用意しているので、ぜひ利用していただきたいですね。

工藤さん:個人的には、多摩川緑地福生柳山公園が好きです。ロケット型の遊具があり、多摩川も望めて景色がよく、子どもの遊び場としてもおすすめです。

「ふっさ桜まつり」の時期にお花見スポットになる多摩川沿い  ※画像提供:福生市役所
「ふっさ桜まつり」の時期にお花見スポットになる多摩川沿い  ※画像提供:福生市役所

高い利便性と地元資源を活用した取り組みが支える福生市のまちづくり

――「住む街」としての福生の魅力(グルメ、ショッピング、住環境など)はどんな所でしょうか。

工藤さん:市内には5つの駅があり、ほとんどの地域が各駅から半径1キロ圏内なので非常に利便性が高いです。それから、高齢者や障がい者の方が街に出やすいようにと市内には福祉バスも循環していて、住みやすい街だと思います。

「シュトゥーベン・オータマ」販売の「福生ドッグ」 ※画像提供:福生市役所
「シュトゥーベン・オータマ」販売の「福生ドッグ」 ※画像提供:福生市役所

あとご当地グルメでぜひご紹介したいのが、2011(平成23)年に誕生した「福生ドッグ」です。「福生ドッグ」とは、9店舗の飲食店のオリジナルバンズとソースに、福生にあるハム工場で作ったソーセージをサンドした新グルメです。ソーセージには規定があり、長さは国道16号にちなんで16センチ、太さは福生の語呂合わせで23ミリなんです!! 各店味わいも異なり、テイクアウトできるお店もあるので福生にいらしたらぜひ食べていただきたいですね。

福生市公式キャラクター「たっけー☆☆」は、さまざまなシーンで活躍中! ※画像提供:福生市役所
福生市公式キャラクター「たっけー☆☆」は、さまざまなシーンで活躍中! ※画像提供:福生市役所

また、福生市には「たっけー☆☆」という公式キャラクターがいまして、福生市の魅力を発信する広告塔として活躍しています。福生のお土産物として独自性に富んだ魅力的な商品には、福生ブランド「たっけー☆☆印」が認定されています。福生に縁のあるミュージシャンと地域住民の総勢60人でレコーディングしたミュージックCDなど福生の新たな魅力を発見できる商品や、「たっけー☆☆」イラスト入りの手ぬぐいやビーフジャーキーなど福生ならではのお土産もあります。2021年12月28日現在までに認定された商品は19個あり、市HPにて認定商品を紹介していますので、ぜひご覧ください。

福生ブランド「たっけー☆☆印」認定商品:https://www.city.fussa.tokyo.jp/sightseeing/osusumeevent/wadai/1004195.html

――「福生七夕まつり」など、地域のイベントやコミュニティについて教えてください。

約40万人が訪れる「福生七夕まつり」 ※画像提供:福生市役所
約40万人が訪れる「福生七夕まつり」 ※画像提供:福生市役所

工藤さん:「福生七夕まつり」は、福生市最大のイベントで開催時には約40万人の方が訪れます。「福生」駅前を中心に地元商店街や市内の子どもたちなどが作ったきれいな飾りで街が彩られ、感動する風景が見られます。それから、3月下旬から4月上旬に行われる「ふっさ桜まつり」も有名です。イベント期間中は多摩川沿いに提灯が掲出され、メイン会場では模擬店が出て各種イベントを行うなど、街が大変盛り上がります。

「福生七夕まつり」で約2,000人が参加する「民踊パレード」 ※画像提供:福生市役所
「福生七夕まつり」で約2,000人が参加する「民踊パレード」 ※画像提供:福生市役所

――異国情緒感じる風景に自然など魅力が満載の福生市ですが、これから福生に住むことを検討されている方に向けてメッセージをお願いします。

二見さん:2021(令和3)年10月に、子育て情報を提供する「こふくナビ」というWEBページを立ち上げました。福生市がどんな街なのか、どんな子育て支援施策に取り組んでいるかがわかる内容になっているので、ぜひ検討をされている方に見ていただき、福生という街の良さを知っていただければと思います。
「こふくナビ」: https://www.city.fussa.tokyo.jp/kofukunavi/index.html

「こふくナビ」紹介チラシ ※画像提供:福生市役所
「こふくナビ」紹介チラシ ※画像提供:福生市役所

工藤さん:福生市は和と洋が共存し、豊かな自然に恵まれた街です。コンパクト・シティの中に、魅力的なイベントやスポットがいろいろつまっていて楽しめる要素がたくさんあるので、ぜひ遊びに来ていただきたいですね。

(左から)福生市役所の子ども家庭部子ども育成課 二見さん、生活環境部シティセールス推進課 工藤さん
(左から)福生市役所の子ども家庭部子ども育成課 二見さん、生活環境部シティセールス推進課 工藤さん

福生市役所

子ども家庭部子ども育成課 二見貴裕さん
生活環境部シティセールス推進課 工藤梨乃さん
所在地:東京都福生市本町5
電話番号:042-551-1511(代表)
URL:https://www.city.fussa.tokyo.jp/
※この情報は2021(令和3)年12月時点のものです。

和と洋の文化、豊かな自然が共存するコンパクト・シティの強みを発揮した「福生市」のまちづくり/福生市役所(東京都)
所在地:東京都福生市本町5
電話番号:042-551-1511
開庁時間:8:30~17:15(水曜日8:30~20:00、土曜日8:30~12:00・13:00~17:15)
閉庁日:日曜日、祝日、年末年始
http://www.city.fussa.tokyo.jp/