政策経営部 シティプロモーション推進担当課インタビュー

「本当に住みたい街」に選ばれた北区赤羽を「住めば都」に。北区が行う攻めと守りのプロモーション戦略/北区役所(東京都)


2019(平成31)年に「本当に住みやすい街」大賞で1位を獲得した赤羽。JR「赤羽」駅には6路線が通っており、都心へのアクセスは抜群。駅近くにある「一番街商店街」は、魅力的なお店が軒を連ねており、いつも活気で満ちています。駅前の利便性に優れた赤羽エリアが「本当に住みやすい街」に選ばれた理由を探るべく、今回は、北区役所シティプロモーション推進担当課にお話を伺いました。

赤羽駅周辺の賑わい
赤羽駅周辺の賑わい

「北区のファン」を増やすシティプロモーション

――北区では『北区イメージ戦略ビジョンKISS』を策定し、『北区シティプロモーション』について取り組んでいますが、両者の関係性と取り組みについて教えてください。

『北区イメージ戦略ビジョンKISS』は、北区の知名度とイメージを高めるため、北区の持つ魅力を分かりやすく演出し、そのイメージを発信する計画として、1996(平成8年)に策定されました。その中で北区では、2016(平成28)年に「北区シティプロモーション方針」を設定し、「住めば、北区」をブランドメッセージとして発信を続けてきました。

『北区イメージ戦略ビジョンKISS』も『北区シティプロモーション』も、北区の個性と魅力を発信し北区の知名度とイメージを高めるという目的で共通しています。各々を連動して推進していくとともに、北区シティプロモーションではよりターゲットを明確化し、直接的な行動まで結びつけることを意識した取組みを進めています。
子育てファミリー層や若年層が北区への定住という行動に結びつくこと、区民が地域への愛着や誇りを感じるとともに、北区の良さを人から人へ伝える行動(口コミ等)へつなげていく、行動を伴うような情報発信を目指しています。

「住めば、北区東京。」PRポスター
「住めば、北区東京。」PRポスター

――『KISS』の「第2次行動計画」では2021(令和2)年を見据えて取り組まれているかと思いますが、現状(これまでの成果)や今後の展望について教えてください。

これまでの主な取り組みとして、「北区アンバサダー」「北区内田康夫ミステリー文学賞」「東京家政大学生と区若手職員による協働事業」「ロケーション支援」があります。
「北区アンバサダー」では北区にゆかりのある著名人・文化人に委嘱し、様々なメディアを通じて北区の魅力をPRしていただいたり、講演会やコンサートなど北区のイベントに参加していただいたりしています。現在は3名(倍賞千恵子氏、弦哲也氏、水森かおり氏)の方々に委嘱しています。

「北区内田康夫ミステリー文学賞」は北区の知名度を高め文化的イメージを強めるため、平成8年より北区アンバサダー(大使)として活動された作家の故内田康夫氏に協力いただき、平成14年4月に創設しました。例年、幅広い地域からたくさんの応募があり、多くのプロ作家を輩出しています。大賞受賞作品は、授賞式で行われる記念イベントにて舞台化して上演されます。

「東京家政大学生と区若手職員による協働事業」では、大学生協力員(U-KISS)と北区若手職員で構成するO-KISSが協働して、PR動画の制作やWEB写真集の企画・検討、北区ニュースに掲載するコラムの企画・検討等、若い世代の目線や感性で演出した北区の魅力発信を行っています。

また、「ロケーション支援」では、北区公式ホームページにてロケーションの舞台となった公園や建物、その他魅力的な公園等を紹介し、映画やドラマ、テレビ番組などのロケーションに利用してもいただくことで北区の魅力発信につなげます。

赤羽一番商店街
赤羽一番商店街

今後の展望としては、定住人口でも交流人口(通学通勤・観光によって訪れる人口)でもない、関係人口を獲得していくことを重視しています。人口減少社会が進む中で、「定住人口の増加」だけを目標に掲げて、施策を展開していくことは困難が予想されます。それでも北区が活気ある街・注目される街としてあり続けるには、関係人口、ありていに言えば「北区のファン」を増やしていくことが重要であると考えています。

「北区のファン」を増やすには、SNSやメディア露出を増やして絶えず話題を提供する仕掛け、いわゆる「バズらせる」ことも重要ですが、北区に住んでいる人も、何らかの理由があって北区を離れた人も「北区っていいよね!」「北区に住んでよかったな~」と思えることを積み重ねていくことが大切であると考えています。行政としては、そういった声をたくさん拾って北区のイメージとして定着できるように取り組んでいきたいですね。

行政の本質的なサービス(都市インフラ、福祉、教育、防犯防災など)を充実させることはもちろんですが、イメージや印象を能動的に創り、都市をブランディングしていくことが、今後のイメージ戦略とシティプロモーションの要となっていくと考えています。

――シティプロモーションに関して、ファミリー層、若年層への情報発信について、区全体の具体的な取り組みについて教えてください。

婚姻の届出などで来庁された方を祝福し、北区への愛着を深め、「住み続けたい」と思っていただく機会となるよう、「メモリアルフォトスポット」を設置しています。婚姻届と一緒に撮影ができるオリジナルボードや、漫画家の清野とおる氏の描き下ろしイラストメッセージパネルを作成しました。

また、東京北区観光協会とともに、区で子育てすることの魅力を発信する子育てプロモーション冊子を制作しました。冊子では、家族で楽しめる飲食店や、親子の休日を彩る公園・図書館、地域とのつながりを感じられるマルシェなど、北区での日々の暮らしに焦点を当てて北区の魅力を紹介しています。

「東京北区渋沢栄一プロジェクト」は、区内関係団体との公民連携により始まったものです。渋沢翁は、2024(令和6)年に一万円札の顔となることが決まり、来年の大河ドラマの主人公に決定したことでも注目されています。渋沢翁は晩年を北区飛鳥山の一角で過ごしたとのことで、北区を「渋沢翁の街」としても盛り上げていきます。

「本当に住みやすい街NO.1」利便性や子育て環境に優れた赤羽の魅力

――赤羽エリアの魅力やアピールポイントについてどう考えていらっしゃいますか?

住環境としては、大型スーパーや2つの商店街が駅の近くにあり、買い物に便利なまちです。多くの店でにぎわいを見せる反面、「赤羽自然観察公園」や荒川河川敷など豊かな自然環境も特徴で、子どもの遊び場となるのはもちろんですが、住む人に安らぎを与えてくれます。

荒川河川敷
荒川河川敷

交通の利便性もよく、湘南新宿ライン・京浜東北線・埼京線など6路線が利用でき、池袋や新宿など都心へのアクセスも良好です。なお、北区全体としても、JRの駅が都内最多で、地下鉄や都電も含めると区内のほぼ全域が駅まで徒歩圏内になります。

また、赤羽西エリアには、ナショナルトレーニングセンター、東京都障害者総合スポーツセンター、味の素フィールド西が丘など一流のスポーツ選手が集う施設があり、「トップアスリートのまち」としてこれらと連携したスポーツ教室等も多数開かれています。
他にも、防災や健康に関する事業にも力を入れています。区民一人ひとりがゆとりと豊かさ、地域への愛着を持つことができる魅力あふれるまちづくりを目指しています。

――赤羽エリアでの情報・魅力発信の取り組みについて、特に若者(大学生〜20代)に向けた取り組みなどについて教えてください

「住めば、北区東京。」というブランドメッセージとともに、北区を多くの方に知っていただくことを目指して、PRポスターを制作しました。このブランドメッセージは、北区シティプロモーション方針の中で、特に伝えたい、訴えかけたいメッセージ性のある言葉として設定されました。イラストには、人気コミックス「東京都北区赤羽」などで若者から大きな支持を得ている清野とおる氏を採用しました。

また、北区とゆかりのあるロックバンドである「エレファントカシマシ」を通じた事業を展開し、北区の個性や魅力を区内外に広く発信しました。具体的には、「赤羽」駅発車メロディへのエレファントカシマシの楽曲の起用や、オリジナルポスター・ステッカーの掲示、横断幕・懸垂幕の掲出等を実施しました。

「東京都北区赤羽×エレファントカシマシ」ポスター
「東京都北区赤羽×エレファントカシマシ」ポスター

他にも、東京都が実施する「デザインマンホール蓋を観光資源として活用したPR事業」により、清野とおる氏をモチーフにしたデザインマンホール蓋を赤羽に設置しました。作者が以前田端に住んでいたということで、田端には漫画『のらくろ』シリーズの主人公のらくろをモチーフにしたマンホール蓋も設置しています。

清野とおる氏をモチーフにしたデザインマンホール
清野とおる氏をモチーフにしたデザインマンホール

――「本当に住みやすい街大賞2019第1位」に選出後、認知度向上の実感や具体的な効果・成果などあれば教えてください。

はい、人口が増加しました。2018(平成30)年5月1日に35万人を突破し、令和2年4月1日現在、総人口354,222人となっています。また、ありがたいことに近年お問い合わせや取材も多くいただいておりますメディアで取り上げられる機会が増えました。

――赤羽エリアに住みたいと考えている若者世代に向けて一言メッセージをお願いします。

赤羽エリアは、にぎわいのある商店街や大型商業施設が立ち並び、毎年4月に行われる「赤羽馬鹿祭り」や9月に開催される「北区花火会」などまちぐるみのイベントも盛んな、活気あふれるまちです。都心へのアクセスも良好で、通勤通学にも便利です。住めばファンになるような魅力が詰まっています。

赤羽馬鹿祭り
赤羽馬鹿祭り

北区役所

政策経営部 シティプロモーション推進担当課
所在地 :東京都北区王子本町1-15-22
電話番号:03-3908-1364
URL:http://www.city.kita.tokyo.jp/ ※この情報は2020(令和2)年5月時点のものです。

「本当に住みたい街」に選ばれた北区赤羽を「住めば都」に。北区が行う攻めと守りのプロモーション戦略/北区役所(東京都)
所在地:東京都北区王子本町1-15-22 
電話番号:03-3908-1111
開庁時間:8:30~17:00
閉庁日:土・日曜日、祝日、年末年始
https://www.city.kita.tokyo.jp/