府川裕一町長インタビュー

人口増加を続ける“選ばれる”開成町の魅力/開成町(神奈川県)


開成町
府川裕一 町長

人口増加を続ける“選ばれる”開成町の魅力

1985(昭和60)年、小田急小田原線「開成」駅が開業したことを機に、発展を続けてきた開成町。多くの自治体が人口を減らしているなか、開成町では人口増加が続いている。どのような取り組みをし、どのように街が発展してきたか。そして、これからの開成町について開成町長にお話を伺った。

さっそくですが、開成町の特徴、概要について伺えますでしょうか。

開成町長
開成町長

開成町は県内で一番小さな面積の自治体ですが、一方で“一番元気な町”だと私は考えています。それは客観的な数字にも現れており、2005(平成17)年から2010(平成22)年にかけての人口増加率は県内第1位。2011(平成23)年における合計特殊出生率は1.62で、全国的に見てもかなり高い水準となっています。

また、地理的にも東名高速を利用すれば東京から1時間半程度の距離ですし、小田急線で「新宿」駅にもアクセスできます。観光面を見ても1時間圏内に箱根、伊豆がありますので、生活するには最高の町ではないかと思います。

開成町に住んでいる方の印象はいかがですか?

開成駅前第2公園
開成駅前第2公園
開成駅周辺地区事業地

町長になる前の、自治会長をしていたときから感じていたことですが、開成町の元気は人口増加だけに理由があるのではなく、住んでいる方そのものが元気だからではないか、と。地区の自治会加入率は8割を超え、子育て・防災・福祉・イベントなど、皆さん各地域内で積極的に取り組まれています。

開成町で開かれるイベントにふれれば納得していただけると思いますが、“もてなしの心”を持っている方が非常に多いですね。観光で訪れた方にもそれが伝わるようです。心と心の交流ができることが、開成町の魅力のひとつではないかと思います。

町長が生まれ育った開成町。当時と今とでは、いろいろと変化もあると思います。

当時は、田んぼの多い農業が盛んな町でしたが、1985(昭和60)年の小田急小田原線「開成」駅が開業したことを機に、町は大きく変わっていきました。駅の誘致をはじめ、開成町の将来を見据えた歴代町長の取り組みは大変立派なものです。

開成町
開成町
吉農北側方面

建設中の開成駅
建設中の開成駅
建設中の開成駅

開成町立開成南小学校
開成町立開成南小学校
開成町立開成南小学校

全国的に少子化が進み、統廃合が進んでいるなか開成町では、2010(平成22)年に「開成町立開成南小学校」が開校しました。じつは、その建設用地は数十年も前から確保されていました。将来的な人口増加を踏まえた上での政策には、心から敬意を表したいですね。

 

 

「足柄紫水大橋」が完成し、都市計画道路が開通するなど町がさらなる発展を遂げようとしているタイミングで町長を務めていますが、私も歴代町長と同じように数十年先を見据え、町、そして町民の皆さんのために尽力したいと思っています。

足柄紫水大橋
足柄紫水大橋
足柄紫水大橋

開成駅
開成駅
開成駅

このほど完了した「開成町南部地区土地区画整理事業」について伺えますか?

開成町南部地区土地区画整理事業地
開成町南部地区土地区画整理事業地
開成町南部地区土地区画整理事業

牛島・宮台・吉田島地区の約26.8ヘクタールがその該当区域で、県西地域の活性化に繋がる産業地と、優れた住宅地から成り立つ新市街地の形成が目的です。事業に先行して「開成南小学校」が開校し、「富士フイルム先進研究所」の誘致もさせていただきました。組合を組織するなど、地権者さんのこれまでの努力を決して無駄にしないように、開成町にとってより有意義なものにしていきたいですね。

開成町の人口増加率が高い理由について、町長はどのようにお考えですか?

開成町長
開成町長

土地の利用を、開成町が計画的に進めてきたことが挙げられると思います。土地の利用に制限を設け、自然環境を維持していく農業振興地域である北部地区。学校、役場などがある中部地区に、開発区域である南部地区。こうした各地区が、バランス良く調和していることが大きいのではないかと考えています。数年先、数十年先を考えた開成町の取り組みひとつひとつが、新たな住民を迎える準備になっているのだと思います。

子育て・教育環境に関して、開成町ではどのような施策を行なっていますか?

酒田みずのべ保育園
酒田みずのべ保育園
酒田みずのべ保育園

開成町では積極的に、子育て支援をしていきたいと考えています。子育て支援というのは、“お母さん支援”と言い換えられると思います。核家族化が進んでいますから、お母さんが孤立しないような取り組みが求められます。いつでも相談できる「子育て支援センター」や、子どもを預けられる「ファミリーサポートセンター」もつくっていきます。

行政の取り組みとは別の話になりますが、開成町には昔から、地域社会が子どもの成長を見守るといった地域性がありますから、その意味では子育て、子どもの成長には大きな力になってくれるのではないかと思います。

開成町には魅力的なイベントがありますね。

瀬戸屋敷ひなまつり
瀬戸屋敷ひなまつり
瀬戸屋敷ひなまつり

そうですね。開成町には3大イベントがあり、まずは「瀬戸屋敷ひなまつり」ですが、これは代々名主を務めてきた瀬戸家の「あしがり郷瀬戸屋敷」内で開かれるもので、期間中は手づくりの「つるし雛」がたくさん飾られます。近年、蔵から見つかった「享保雛」など、文化財としても貴重なものがありますから、ぜひ注目していただきたいですね。

あじさい祭り
あじさい祭り
あじさいまつり

次に、毎年6月に開かれる「あじさいまつり」ですが、これは9日間で20万人の観光客を集める大イベントです。あじさいを愛でる、というだけではなく、青々とした水田に澄み切った青い空と富士山――。こうした環境のなかで楽しむあじさいというのは、より美しく感じられることでしょう。

 

そして9月に開かれる「開成町阿波おどり」も、待ち遠しいイベントですね。すでに4半世紀を超える伝統があり、各連が競い合いながら披露してくれる阿波おどりは、開成町における秋の風物詩にもなっています。

魅力的なスポットが多い開成町ですが、町長の好きな場所はありますか?

あしがり郷瀬戸屋敷
あしがり郷瀬戸屋敷
あしがり郷瀬戸屋敷

たくさんありますが、まずは「あしがり郷瀬戸屋敷」ですね。古民家の佇まいが美しいだけでなくいろいろな展示会が開かれたり、土蔵ではコンサート、映画の上映会もあります。貴重な文化財でありながら、いつでも活用できる場所です。

酒匂川沿いの土手
酒匂川沿いの土手
酒匂川沿いの土手

それと酒匂川の松並木も好きですね。酒匂川の流れと遠くに見える山々の稜線。そこに松並木が加わる光景は、開成町の美しさを表しているようにも思います。

最後になりますが、開成町のこれからの課題、また展望について聞かせてください。

開成町役場
開成町役場
開成町役場

駅周辺の区画整理事業が2015(平成27)年に完了しましたので、新しい方をお迎えする準備に力を入れていきたいですね。2013(平成25)年には新たな総合計画がスタートしました。12年先の“人口19,300人”を目指し、全力で取り組んでいく次第です。

開成町は地盤も固く、自然災害も少ない町です。安心・安全に加えて優れたアクセス性がありますから、こうした町の魅力をより多くの方に知っていただきたいですね。今でも元気のある開成町ですが、これからもっともっと元気にしていくために、全力で取り組んでいきたいと思います。

開成町長
開成町長

開成町

府川裕一町長
所在地:神奈川県足柄上郡開成町延沢773
電話番号:0465-83-2331
http://www.town.kaisei.kanagawa.jp/forms/top/top.aspx
※この情報は2014(平成26)年3月時点のものです。

 

人口増加を続ける“選ばれる”開成町の魅力/開成町(神奈川県)
所在地:神奈川県足柄上郡開成町延沢773 
電話番号:0465-83-2331
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休庁日:土・日曜日、祝日
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