緑豊かな多摩平に溶け込み、コミュニティの役割も担うショッピングセンター/イオンモール多摩平の森(東京都)
“緑あふれるコミュニティの庭”をコンセプトに、「豊田」駅前に2014(平成26)年に開業したショッピングセンター「イオンモール多摩平の森」。およそ7年が経ったいま、この場所は多摩平の土地にすっかり馴染み、施設内外のベンチやフードコートでくつろぐ人々を見ることができます。
木々に囲まれた建物は、内側にも多くの緑を配した造りになっており、吹き抜けの天井からは太陽の光が降り注ぐ。単なる商業施設というよりも、“街の広場”というような表現がふさわしいと思える印象です。また、公共性の高い駐輪場や駐車場を備えていることも特徴のひとつ。通勤通学や周辺の商店への買い回りのために、「イオンモール多摩平の森」の駐輪場や立体駐車場を利用するというのも、多摩平の周辺住民にとっては“あたりまえ”の光景です。
このように、街に景色や住む人の生活動線上に溶け込んむ「イオンモール多摩平の森」の開業からこれまでと、今後について、ゼネラルマネージャーを務める堀 秀彦さんにお話を伺いました。
多摩平再生の商業活性の核施設として2014年にグランドオープン
――「イオンモール多摩平の森」の開業経緯や、全体のコンセプトを教えてください。
もともとは、UR都市機構さんが多摩平団地の再開発をする時に、この街区を商業施設にしようという話になり、業者の選定に当たり、複数の応募の中から弊社が選ばれ出店することになったと聞いています。当時私はここに居なかったので、それ以上の詳しいことはお話できませんが、そうした経緯で2014(平成26)年の11月20日にオープンしました。
コンセプトはオープン時から変わらず、「緑あふれるコミュニティの庭」を掲げています。日野市及び地域住民によって策定された「多摩平の森地区 重点地区まちづくり計画」にて示されている“まちの魅力を次世代に引継ぐコンパクトなまちづくり”の実現に寄与するため、多摩平が持っている自然豊かな環境と共生し、近隣住民の皆さまはもちろん、「豊田」駅を通勤、通学で利用される方々に、新たな賑わい・活力の場を創出してまいります。
たっぷりと緑を配し、街や日常の景色と一体に
――確かに、緑を多く配しているのが印象的ですね。空間デザインや建物の構造など、ハード面の特徴を教えてください。
まずひとつ、建物の外周を見ていただくと、背が高い樹木が多いのがわかると思います。これらの木々は、実は「イオンモール多摩平の森」を建てる前からこの場所にあった木なんですよ。
建物を建てる場合、普通だったら木を伐採してしまうのですが、もともと生えていた既存植樹は可能な限り元の位置で保存し、移転したものも建物ができてから再び植え直したと聞いています。施設の周りを歩くと、その間ずっと緑があるので、散歩をしてみても気持ちがいいですよ。
――屋上の緑化部分も、子どもたちに人気のスポットだと聞きました。
はい、3・4階のコミュニティフロアに屋外の緑化部分があります。特に3階については「四季の森ガーデン」と名付け、滑り台などの遊具が設置された子どもが遊べる「KIDS PARK」になっていて、毎日たくさんの方にご利用をいただいています。4階部分にある「丘のはらっぱ」は、原っぱにビオトープもあり、自然を身近に感じていただけるような場所になっています。
「自宅のように過ごしてほしい。」暮らしや子育てに寄り添う特徴的なフロア構成
――フードコートにある吹き抜け空間も、緑が配されていて素敵ですね。
1階のフードコート「森のキッチンコート」と、3階をつなぐ吹き抜け部分「ぬく森ガーデン」もこの施設の特徴のひとつです。いろいろな植栽を配置して、お客様が館内に入ってからも緑を感じていただけるようにしています。
また、先述のコンセプトの通り、近隣にお住まいの方の”コミュニティの庭”として、家の延長のようなイメージでリラックスして過ごしてほしいと思っています。1階フロアの中心にこのフードコートを置いたのも、家の間取りの中央にリビングや食卓がある様子をイメージしています。
――各フロアのコンセプトや、テナントの特徴を教えてください。
現在の合計122店舗が入っています。1階フロアのコンセプトは「みんなのおいしいが見つかるグルメフロア」で、外周には飲食店を配置しながら、核テナントである総合スーパー「イオンスタイル」と、フードコート「森のキッチンコート」、食物販の「グランマルシェ」など、「食」に特化した構成になっています。通路も「豊田」駅方面、「多摩平図書館」などいろいろな方向に走っていて、交番側入口から駅側入口までの通路は、朝6時半から通り抜けできるようになっています。
また「イオンモール多摩平の森」は斜面上に建っていまして、「豊田」駅側に1階よりも1段低い「グランドフロア」という部分があります。そこには金融、郵便局といった公的なものや、サイクルショップ、フィットネス、美容室などの店舗が入っています。
2階は衣料を中心としたライフスタイルと雑貨のフロアで、「無印良品」、「GU」、「デコホーム」、「未来屋書店」など大型店舗で入っているほか、生活雑貨のお店や、衣料品店、ペットショップ、クリニックなどが入ります。
3階は小さなお子様連れの親子にターゲットを絞っていて、フロアコンセプトは「ママと子どもと地域がつながるコミュニティフロア」です。先ほどの屋上庭園「四季の森ガーデン」もこの階で、ほかに、子ども向けの学習教室や子ども専用美容室など特徴的な店舗が入っています。小さなお子さんを連れたお母さんが来て、公園で遊ばせるついでに子ども用の物を買ったり、勉強をさせたり、ということが合わせてできるようにイメージしています。
――定期的なテナントの入れ替えはあるのでしょうか?
やはり入れ替えが無いとお客様に新鮮さを与えることが出来なくなってしまうので、テナントはある程度定期的に入れ替えています。最近も122店舗のうちの26店舗が新しく入れ替わりました。全てがチェーンストアというわけではなくて、たとえば、フードコートには八王子のラーメン店や洋菓子店などもありますし、地元のお店も出来るだけ入れられるような工夫をしています。
ショッピングモールのほかにも、地域施設としての様々な顔
――駐車場と駐輪場が、「買い物をしなくても3時間まで無料」というのも珍しいですね。「専用」ではなく「公共」と書かれているのも印象的です。
駐輪場に関しては、「豊田」駅前の放置自転車の問題などもありましたので、その対策という事もあって公共性を持たせています。駐車場についても、当初から公共性というのは大事にしている部分です。朝の6時半から駐車場が開いているのも珍しいと思いますね。こちらの駐輪場・駐車場に停めて、通勤通学に出掛けられたり、周辺のお店に出かけていくという方も多いです。
――防災に関して、地域との連携を行っていると聞きました。どのような内容なのでしょうか?
日野市とイオン株式会社との間で、まちづくりや市民の健康維持促進、環境保全、災害対策などに関する「相互協力・連携に関する協定」を結んでいます。防災対策については、万一、近くの「浅川」が氾濫しそうな時などには、車両一時避難場所として3階にあるこちらの駐車場で車での避難を受け入れ、近くの指定避難所「日野市立第二中学校」に避難していただくことになっています。ただ、幸いにもまだこちらが発動したことはありません。
――そのほか地域、行政、近隣企業などとの、連携・交流の取り組みはありますか?
やはり、この「豊田」駅周辺で、大規模なスペースがある場所があまり無いため、ここをイベントの会場にしたい、という依頼は多いですね。
3階にある「イオンホール」を会場として、コロナ禍以前には何百人と人を集めたイベントやコンサートなどを開催していました。2019(令和元)年ラグビーのワールドカップの時には、パブリックビューイングなども実施しました(日野市にはラグビーチーム「日野レッドドルフィンズ」があります)。また、このホールを日野市などの公的機関に貸し出しもしています。たとえば、選挙の期日前投票などにも使用していますし、ワクチン接種の会場としても貸し出していました。地元の方が開催するちょっとしたイベントに関しても、空きテナントがある時にはその場所をイベント会場として使っていただけるような取り組みも行っています。
地域の学校や教育施設とも連携も行っています。「SDGs(持続可能な開発目標)」の取り組みは、日野市も積極的に取り組んでいるものなのですが、「イオンモール多摩平の森」では、日野市とタイアップして、今年の9月末の「SDGsウイーク」の際にはスタンプラリーのイベントと展示会を開催しました。
「SDGs」については、先陣を切ってずっと取り組まれている「コニカミノルタ」さん、「富士電機」さんをはじめとした地元の企業や、マンションの開発業者さんなどとも上手く連携・協力し、みんなで一緒に何か取り組みをしていけたらと思っています。
小さな子どもも、歳をとっても、安心して利用できる場所として根付いていきたい
――最後に、これから多摩平に暮らしたいという方に向けて一言お願いします!
「イオンモール多摩平の森」は、”毎日遊びに来られるような、自宅のようにくつろげるような場所”を目指しています。たくさんの人に気軽に来ていただいて楽しんでいただけるよう、コロナ流行以前には、無料の音楽イベントなども開催していました。自分で食事が作るのが面倒だなというときも、「イオンモール多摩平の森」に来ていただければ、毎日違った、多彩な食事を楽しんでいただけますし、建物の周りぐるっと散歩するというだけでもおすすめです。ぜひ、毎日でも来ていただきたいですね。
言い方は難しいのですが、歳をとって、身体が言うことをきかなくなっても来ていただけるようなショッピングセンターになりたいと思っています。「安全で安心して過ごせる場所」として多摩平の街に根付いていければ理想ですね。そして同時に、小さい子どもたちが、気兼ねなく走り回れるような、そんなあたたかいショッピングセンターでありたいと思っています。
イオンモール多摩平の森
ゼネラルマネージャー 堀 秀彦さん
所在地:東京都日野市多摩平2-4-1
電話番号:042-589-1300(専門店街代表)
URL:https://tamadairanomori-aeonmall.com/
※この情報は2021(令和3)年9月時点のものです。
緑豊かな多摩平に溶け込み、コミュニティの役割も担うショッピングセンター/イオンモール多摩平の森(東京都)
所在地:東京都日野市多摩平2-4-1
電話番号:042-589-1300(専門店街代表)
営業時間:イオンモール専門店街10:00~21:00、レストラン街・フードコート11:00~22:00、イオンスタイル多摩平の森店9:00~22:00(食品売場は8:00~23:00)※一部異なる店舗あり
定休日:年中無休 ※天災、保守、メンテナンス等により臨時休業の場合あり
https://tamadairanomori-aeonmall.com