「本物とふれあう」ということを大切に、地域全体で育てる/ひまわりキッズガーデン有明 園長 長谷川淑江先生
園長 長谷川淑江先生
「本物とふれあう」ということを大切に、地域全体で育てる。
「ひまわりキッズガーデン有明」は今後の人口増加が見込まれる有明地区で初めての認可保育所として、地域の人々の期待を集めている。比較的安価な保育料で利用できるため、ワーキングマザーの心強い味方になっている。
保育方針としては「明るく個性豊かに」「遊びの文化を一緒に」「生活の文化が身につくように」という3点に力を入れており、伸び伸びと遊びながら子どもの個性を伸ばしながらも、ルールやマナーも自然と身につくよう心がけてくれる。
今回はこの保育園を訪ね、園長の長谷川淑江先生にお話をうかがった。
まず、園の教育方針について教えてください。
保育方針としましては、「保育園に集うたくさんの親や子どもが、小さな社会体験と、生活体験を重ねながら、地域の一員として、さまざまな人々とともに暮らす知恵と力を身につける」ということを掲げていまして、そのために、ひまわり福祉会の保育園では、「出会う」「見る」「聴く」「触る」「体験する」「語りあう」「認めあう」という場を作るように心がけ、この7つの言葉を、保育方針のキーワードにしています。
園の沿革、概要について教えてください。
こちらは2009(平成21)年の4月に、マンションの開業とほぼ同時期に開園しました。定員は6クラス120名でして、年齢ごとに1クラスになっています。0歳児が9名、1歳児が15名、2歳児以上がそれぞれ24名の定員です。また、「認可保育所」になりますので、申し込みは江東区を通して行っていただきます。入所されているお子さんは、やはりこのマンションにお住まいの方が多いのですが、ほかから来られている方もいます。
設備面の特徴について教えてください。
「キッズタウン」というコンセプトで造られた建物になっておりまして、保育室の中は全部オープンスペースになっていて、仕切りが一切ありません。保育園全体を大きな「街」と捉えていまして、仕切りが無い状態で、場面に応じてさまざまな環境に変化するという施設になっています。壁がまったく無い造りというのは、保育園では珍しいと思います。
また、「こどもみち」というものがありまして、雨の日でも、十分に室内で身体を動かせるようになっています。これはプレイルームの天井近くの高い場所に、ぐるっと回るように道が巡らせてあるものなんですが、子どもだけが、四つんばいで通れるようになっているんですよ。
カリキュラム面の特徴について教えてください。
「本物とふれあう」ということを大切にしている園なので、特に自然体験に積極的に取り組んでいます。まず、春には田植え遠足に行きますし、9月にはその田んぼで稲刈りをして、稲を刈ったものを、10月、芋ほりと一緒に脱穀をする体験もしています。芋ほりは3歳から、田植え・稲刈り・脱穀は4・5歳児が体験します。
あとは、日々の散歩先で虫を捕ってきたり、それを実際に飼ってみたりもしますし、園庭の隅に菜園がありますので、自分たちで野菜を育てたりもします。散歩先は、目の前に「有明テニスの森公園」がありますので、そこに行くことが多いんですが、時には東雲の方面の公園に行ったり、豊洲の公園に行くこともあります。
「本物とふれあう」という点について、ほかに事例はありますか?
普通の保育園ですと、たとえば先生が画用紙でかわいい「ピンクのうさぎ」を作ったりしますよね。でも実際にピンク色のうさぎって見ないですし、子どもたちが目にするうさぎって、白だったり、茶色やグレーだったり、黒だったりするんですね。ですから、架空のものとかキャラクターではなく、“本物”を意識して活動するよう、心がけています。
地域や他園との交流などはありますか?
「ひまわりキッズガーデン豊洲」
実は「ひまわりキッズガーデン有明の森」という姉妹園が隣の「ブリリア有明スカイタワー」の中にもありますし、湾岸地域の中に、このふたつの園を合わせて4園の系列園がありますので、交流も密に行なわれています。
たとえば幼児クラスに関しては、豊洲公園で待ち合わせて、一緒に小運動会をやってみたりしますし、先日も5歳児が集まって、マーチングを4園合同でやりました。前回の4園合同運動会は有明コロシアムで行ないまして、沢山の保護者の方にも応援に来ていただきました。
保育士の方々が、普段から心がけていることは何でしょうか?
やっぱり保育方針につながるんですけれども、保育士はみんな、「出会う」「見る」「聴く」「触る」「体験する」「語りあう」「認めあう」の7つのキーワードを軸に、保育にあたっています。
たとえば、「聴く」というキーワードには、敢えて「聞く」の字は当てていないんですが、これは「心を傾けて聴く」ということに重きを置いているからなんですね。音楽を聴くときも、言葉を聴くときも、心を傾けて聴けるようにと、日々心がけて保育にあたっています。
「語りあう」、「認めあう」、という言葉に関しても、3歳ぐらいからは、友達の存在を認めたうえで、お互いによく話し合いをして、何か物事を決めたり、遊びを展開するようにしています。遊びのルールを自分たちで決める、ということもありまして、敢えて職員が入らず、「子どもたちだけで進める」ということを大事にしています。
保育園の一日の流れについて教えてください。
保育園ですので登園時間はそれぞれですが、9時ぐらいを目安に登園してもらいまして、乳児も幼児も、0歳児もみんな「ミニ朝の会」というものをやっています。そこで気持ちをちょっと切り替えて、今日の活動の発表をして、1日がスタートします。
9時45分を目安に主活動が一斉に始まりまして、それぞれその日の活動をしまして、乳児は11時半を目安に、幼児は12時を目安に食事になります。その後、3歳児まではお昼寝をしていますが、4歳児、5歳児は夜の睡眠時間を十分に確保してほしいという願いがありまして、お昼寝の時間の間も、一時保育の部屋を使って、静かに遊んで過ごしています。
14時半ぐらいになると起床して、15時におやつを食べて、そこから帰りの支度をそれぞれしまして、16時ごろに「帰りの会」を行なって、それぞれ降園します。その後、18時15分からは延長保育に入るので、補食や夕食を食べる子どもたちはそこからまた食事をとって、それぞれ降園していきます。お迎えのピークは、17時から18時ごろになります。
一時保育にも対応しているそうですが、利用方法、条件について教えてください。
条件としましては、江東区内に在住していて、認可・認証保育園に入所していない乳幼児が対象になっています。0歳児の一時保育は行っていないので、1歳児クラスに該当するお子さんからになります。
利用にあたっては、まず一度来園いただいて、登録をしてからのご利用となります。定員は1日10名となっていまして、1・2歳児を中心に利用が多いのですが、予約もなかなか取りにくいというのが現状です。予約は1週間前から電話で受け付けています。
保護者の様子、お子さんの様子について教えてください。
やはりテニスの森が目の前にありますから、テニスを習っているお子さんが多いですし、その他の習い事をしている子が多い印象です。バレエ、ピアノ、スイミングなど、いろいろですね。保護者の方については、文字を教えてほしいなど、教育に対する細かい要望は少なめですね。「のびのびと自由に育ててほしい」というご意見が多いです。
最後に、有明地域の魅力について教えてください。
いま取り組んでいるところですが、江東区では幼稚園、保育園、小学校、中学校が連携しながら、子どもの育ちをみんなで応援していこうという取り組みをしていまして、この辺りですと東雲・有明地域が連携しているんですが、そういった、教育施設同士の関わりが密にある地域なんですね。もちろん子ども同士の相互交流も行なっていますし、園児の様子は小学校にも伝えていきますので、スムーズに上の学校に進んでいけるかと思います。
お住まいの方も、落ち着いた雰囲気の方が多いですね。お迎えに来る保護者の方も穏やかで、身だしなみのきれいな方が多いんですよ。環境としても、広い公園が沢山ありますから、子どもたちものびのびと遊べるかと思います。
今回、話を聞いた人ひまわりキッズガーデン有明
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「本物とふれあう」ということを大切に、地域全体で育てる/ひまわりキッズガーデン有明 園長 長谷川淑江先生
所在地:東京都江東区有明1-4-11
電話番号:03-3527-6217
開園時間:7:15~20:15
延長保育:あり(18:16~20:15)
休園日:日曜日、祝日、年末年始(12/29~1/3)
https://himawari-fukushikai.org/childcar..