2016(平成28)年3月にいよいよ開業。「成増」駅直結のショッピング施設「エキア成増」の魅力に迫る!/東武鉄道株式会社 生活サービス創造本部 SC事業部 課長補佐 酒井亮さん
東武鉄道株式会社 生活サービス創造本部 SC事業部
課長補佐 酒井亮さん
2016(平成28)年3月にいよいよ開業。「成増」駅直結のショッピング施設「エキア成増」の魅力に迫る!
改修工事が進んでいる東武東上線「成増」駅の「駅ナカ」ショッピング施設として、2016(平成28)年3月に開業予定の「エキア成増」。ここには、全19の店舗が入り、東武線初出店や新業態のお店も多くある。「成増」駅のイメージを刷新することになるであろう、「エキア成増」の誕生。その背景にはどのような思いとストーリーがあったのだろうか。事業の中心人物の一人である、東武鉄道のSC事業部、酒井亮さんにお話を伺った。
「エキア」はこれまで川越、志木、朝霞、松原団地にオープンしており、23区内では初となりますが、今回成増を選んだ理由を教えてください。
「エキア成増」
「エキア」というブランドは、「駅」に「クイック&クオリティ」と「エリア」を加えた造語の複数店舗からなる「駅ナカ」のブランドになります。 「成増」駅を選んだ理由としては、2014(平成26)年の10月から「成増」駅では改修工事を実施しており、この地には「駅に付帯する商業施設」というポテンシャルだけではなく、「周辺生活者のための商業ポテンシャル」を十分に有することができる環境がある、と判断し、「エキア」ブランドを展開することが決まりました。
もともとは南口側には駅ビルがあり、「東武ストア」が入っていたのですが、1967(昭和42)年の建物ということで耐震化工事の必要があり、自由通路についても、どこか薄暗い印象があったので、時代のニーズにも合わなくなってきていた、という現状がありました。
そこで、南口ビルの建て替えと合わせて、橋上の店舗についても一新することで、時代にあったものにしようというのが、今回の事業の基になります。駅舎の基本的な造りは変わっていませんが、線路の上に新たな床を貼って増床をしていますので、従前の店舗面積よりも広くなっています。
「エキア成増」について、東武鉄道の方々はどういった思いを持って、取り組まれてきたのでしょうか。
設計図
私たちは鉄道会社なので、鉄道輸送の安全が最も重要な部分であるとともに、「沿線価値の向上」を図っていく必要もあります。「成増」駅については、東上線の前身である「東上鉄道」の時代にできた駅で、1914(大正3)年、東上鉄道が開業した当初からの駅の一つですし、池袋から急行もしくは準急で一つ目の駅となっており、まさに板橋区を代表する、街の玄関口が「成増」駅であると考えています。また、東京メトロ副都心線の開通によって、エリア競合、路線競合が起き、新宿三丁目や渋谷など、従来には無かった商業エリアが近づいたことで、成増の人々のライフスタイルも大きく変化してきました。 そんな状況の中で、東武鉄道としましては、周辺にお住まいの方にとっての「魅力づくり」に十分に貢献できていなかったというところが、率直な思いとしてありました。
そこで、MD(マーチャンダイジング)と商環境面の刷新、わかりやすいイメージ発信ということで、駅の改装に合わせて、成増エリアの生活をより魅力的にするような場所をつくる、ということを方針に掲げ、プロジェクトに取り組んできました。
「エキア成増」はどのような施設で、いつオープンするのでしょうか。
「エキア成増」通路入口
通勤通学、レジャーの際に、寄り道をしながらお買い物やお食事をして頂いたり、プラスαで、「ちょっと幸せな気持ちになれる」という施設を目指すため、「よりみちキッチン」をコンセプトにしています。カジュアルでありながらも上質な空間、今までよりもワンランク上のライフスタイルをイメージしています。 テナント構成は全19店舗で、内訳は飲食が5店舗、食物販が10店舗、雑貨や花、書店などの物販が3店舗で、マッサージ専門のサービス店が1店舗入る予定です。オープンは2016(平成28)年3月25日を予定しています。このうち、「成増 寿し常」につきましては、2015(平成27)年の10月10日に先行オープンしています。
どのような狙いや思いを持って、この19店舗の誘致を行われたのでしょうか。
東武鉄道株式会社 生活サービス創造本部 SC事業部
課長補佐 酒井さん
「よりみちキッチン」ということで、「幸せな気持ちになれるというシーンって何だろう?」と思い描いた時に、例えば、できたての美味しいおかずであったり、自分へのご褒美に購入するスイーツであったり、新鮮素材が沢山詰まった冷蔵庫であったり、そのようなシーンを思い浮べました。 例として挙げた「幸せ」なシーンに合致するようなお店を、私たちでピックアップをして、共感をして頂いた出店者様が今回ご出店いただいている店舗になります。
今回は東上線にゆかりのあるお店が幾つかあり、目玉になっているそうですね。
「とかち村」のどら焼き
そうですね。東上線ゆかりのお店としては2店舗に出店していただきます。一つは「頑者(がんじゃ)」です。このお店は川越市に本店があるつけ麺とラーメンのお店で、新横浜ラーメン博物館にも出店をされたことのある有名なお店なのです。今回は「頑者製麺所」という新業態でご出店いただきます。 もう一つは、「とかち村」という、「鶴瀬」駅近くにあるお菓子屋です。こちらは2015(平成27)年オープンした「ららぽーと富士見」にも出店をされている話題のお店で、その名の通り、北海道の十勝地方の小豆など、北海道の原材料にこだわったスイーツを展開されています。洋スイーツのほかにも、どら焼きなど和スイーツもありますので、幅広い場面でご利用いただけるかと思います。
そのほかのお店についても、ユニークなお店、話題性の高いお店があれば教えてください
食品売場完成予想図
ひとつ意識したのは、成増エリアは今まで「スイーツの空白地帯」と言われていたので、今回はぜひスイーツ、特に洋生菓子のお店に複数入って欲しいと思い、「とかち村」以外にも、レモンパイで有名な「吉祥寺 多奈加亭」や、与野に本店があるプリン専門店「ブーケ」にもご出店をしていただけることになりました。和菓子の専門店も欲しかったので、「深川 伊勢屋」という、門前仲町に本店を持つ和菓子店を誘致させていただきました。こちらは「作り置きをしない」という点がポリシーのお店で、添加物を一切使っていない、安全で身体に優しい和菓子を手にしていただけると思います。
「エキア成増」完成予想図
今回、ほかの「エキア」と比べて初出店のお店が比較的多くあることも特徴になっています。以上のお店はもちろん、花屋も雑貨屋も初めてのお店ですし、ほかとはかなり違う顔ぶれになっています。一番近い「エキア朝霞」と比べても、同じお店は一つもありません。 また、改札内には「文殊」というお蕎麦屋が入ります。こちらも人気が高いお店なので、乗り換えの時などに気軽に寄っていただければ嬉しいです。
グランドオープンに先行して「成増 寿し常」が2015(平成27)年10月にオープンしていますが、利用者の反応はいかがでしょうか?
「成増 寿し常」
「成増 寿し常」については開業以来、多くのお客様にご来店いただいています。「まぐろと魚貝とうまい酒」というサブタイトルがありますが、代名詞と言えばやはりマグロです!週末などはマグロの解体ショーなども開催していらっしゃいますし、メニューにも本マグロの白子の刺身や、「背肉揚げ」など、変わり種のものがあって面白いですよ。「旨い酒」ということにもこだわっていらっしゃって、信州や新潟の地酒をはじめ、「こぼれシャンパン」などユニークな演出をされているので、お酒を召し上がる方にも大変ご好評いただいています。
お客様については、日中は周辺にお住まいのシニア層の方々が比較的多くご利用されています。夕方以降はサラリーマンやOLさんが立ち寄って、夕食代わりに召し上がっていかれている様子が見られますね。23時まで営業していますし、お寿司以外にも天丼やうどんなどもありますので、気軽に寄っていただきやすいお店かと思います。
デザインもかなりこだわっていらっしゃるようですね。全体のイメージや、見どころがあれば教えてください。
「成増」駅通路
全体としては、「キッチン」ということで明るくて清潔感のある空間をイメージしてデザインしています。白を基調にしていますので、以前の駅舎を知っていらっしゃる方は、「だいぶ明るくなったな」という印象を抱かれるかと思います。南口の部分には吹き抜けの空間を作り、開放的な雰囲気になるように意識しました。 通路部分については、従前はすべてのお店が自由通路に面していましたが、お店の正面や看板のデザインが統一されていなかったため、雑多な印象になっていました。 そこで今回は、ファサードのデザインを統一して一体感を持たせており、さらに、商業ゾーンが自由通路側に“にじみ出す”ように、タイルのデザインを工夫するなどして、自由通路側から自然な流れで誘引できるようなつくりにしています。一言で言えば「入りやすいデザイン」になっていると思います。
統一されたデザイン(完成予想図)
また、「回遊性」も意識しており、例えば「成城石井」のお店が比較的大きなお店になっていますが、こちらには自由通路側以外にもう一つの出入り口を設けています。「スイーツゾーン」へ回遊できるように配慮して設計されました。 また、上の階については雰囲気を少し変えており、エスカレーターを上がったところに「スターバックス」があり、その向かい側に「東武ブックス」があるという配置なのですが、この2店舗と、その間にある共用部分については、床と天井が同じ素材なので、売り場として一体感があるデザインになっています。
また、ご覧頂いてわかる通り、南口の外観についても一新してシンボリックなデザインになりました。「街の玄関口」にふさわしいデザインになっていますので、こちらにも注目して頂ければと思います。
ほかの「エキア」には無い、「エキア成増」ならではの特徴はありますか?
ゆったりとした空間(完成予想図)
先ほど、「エキア」は「駅ナカ」のブランドと申し上げましたが、本来「駅ナカ」と言えばクイックさ、つまり素早さが重要で、ほかの「エキア」はそれが全体のコンセプトになっているのですが、「エキア成増」については、「スターバックス」と「東武ブックス」のゾーンについて、比較的長く滞在していただけるような空間づくりにしています。素早さを求めつつも、ゆったりとくつろげるような空間も新しく作ったということは、「エキア」でも初めての試みかと思います。 また、この2店舗のコラボも予定しておりまして、一部の本については、購入前でも持ち込みして試し読みしていただけるような、新たなサービスも予定しています。実現できれば、もちろんこれも「エキア」では初めての試みとなります。
成増にお住まいの方々には、「エキア成増」をどのように利用してほしいとお考えですか?
駅通路部分
本当に「よりみち」をして頂きたい、というコンセプトの場所で、日常の色々なシーンに対応できるようなお店をラインアップしておりますので、飲食であったり、ちょっとしたお買い物であったり、ご褒美のスイーツであったり、という具合に、ご自分のライフスタイルに合わせて気軽にお使いいただければ、それが一番だと思っています。
「成増」駅 北口
「エキア成増」は、特にターゲットにしている年代を設けていません。老若男女、どなたでも使っていただけるお店が多いと思います。ただ、昨今は南口側を中心に新しいマンションもできており、いわゆる「ニューファミリー層」の方も多くなってきています。ベビーカーを押しながら、ご家族一緒に来られたり、という光景が見られれば、非常に嬉しいですね。
最後に、これから成増に住みたいという方に向けて、メッセージをお願いします。
成増は「光が丘公園」という大きな公園が近くにあったり、駅の北口は都内でも珍しい、第一種の低住専(第一種低層住居専用地域)という、良好な住宅地が広がっています。住環境については申し分ない地域ですし、商業エリアについても、駅周辺にダイエーさんや西友さんなど大型店があったり、にぎやかな商店街があったりと、素晴らしいものがあります。また、ターミナル駅の「池袋」駅まで急行・準急で10分という距離で、始発電車も発着しますので、交通の便もたいへん良好です。こういう利便性の高い成増ですので、ぜひお住まいいただいて「エキア成増」にも「よりみち」をして頂ければ、大変嬉しいです。
今回、話を聞いた人
東武鉄道株式会社 生活サービス創造本部 SC事業部
課長補佐 酒井亮さん
エキア成増
所在地:東京都板橋区成増2-13-1(東武東上線 成増駅直結)
開業予定:2016年3月25日
※2016(平成28)年2月実施の取材にもとづいた内容です。 記載している情報については、今後変わる場合がございます。
2016(平成28)年3月にいよいよ開業。「成増」駅直結のショッピング施設「エキア成増」の魅力に迫る!/東武鉄道株式会社 生活サービス創造本部 SC事業部 課長補佐 酒井亮さん
所在地:東京都板橋区成増2-13-1
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