幅広い年齢層が利用できる公共施設

青葉台コミュニティハウス 本の家 鈴木裕子さん


青葉台コミュニティハウス 本の家
館長 鈴木裕子さん
副館長 岡﨑紀子さん

地域に根差した新しいコミュニティの場
「青葉台コミュニティハウス『本の家』」

「青葉台コミュニティハウス『本の家』」は、小さなお子さんから学生、仕事帰りのサラリーマン、定年退職された方まで幅広い年代の方々が集う街のスポット。駅からも近く、市立図書館の本の受け取りや返却もできるので、ますます便利に進化しています。そんな「青葉台コミュニティハウス『本の家』」について、館長の鈴木裕子さんと副館長の岡﨑紀子さんにお話を伺いました。

まず始めに、「コミュニティハウス」について教えてください。

青葉台コミュニティハウス 本の家
青葉台コミュニティハウス 本の家

鈴木裕子館長:横浜市の地域住民の誰もが、図書の閲覧や貸し出し、地域のグループやサークル活動などで利用できるように設置されたものです。近隣の住民の皆さんのために、コミュニティハウスは存在しています。横浜市だと多くが学校型コミュニティハウスと言って、学校の一部分を借りて図書を置いたり、自由に使えるお部屋が何室かあります。それよりも規模の大きなものが地区センターで、そこには卓球やバトミントンができる体育室があったり、会議ができるお部屋も充実しています。「青葉台コミュニティハウス」はその中間みたいな規模ですね。

「青葉台コミュニティハウス『本の家』」の沿革、概要について教えてください。

青葉台コミュニティハウス 本の家
青葉台コミュニティハウス 本の家

鈴木裕子館長:以前ここは区にひとつずつあった青少年図書館でした。この地が青葉区ではなく、まだ緑区だった1972(昭和47)年に、「緑区青少年図書館」として開館しました。区制が変わって「青葉区青少年図書館」になり、1999(平成11)年5月に「青葉台コミュニティハウス『本の家』」となりました。増設して部屋を増やして、エレベーターをつけました。元々青少年図書館だったということもあり、絵本がたくさんありますね。地域のサークルや団体の活動拠点としての役割と、地域の図書館としての役割を併せ持った施設です。

青葉台コミュニティハウス 本の家 インタビュー
青葉台コミュニティハウス 本の家 インタビュー

鈴木裕子館長:コミュニティハウスは、全部で3階建ての建物となっており、3階には図書室が3部屋と学習室があります。図書室は大人向けの一般室、郷土に関する郷土室、子ども向けの絵本やお母さん向けの家庭の本が置いてある児童室がありますね。2階には入ってすぐに事務室と交流コーナーがあります。交流コーナーは自由におしゃべりができたり、館内では「交流コーナー」のみ飲食が可能です。1階には、多目的室という大きなお部屋と小会議室の2部屋あります。2階の中会議室と1階の多目的室と小会議室がサークルや団体にお貸しする部屋です。また、青葉区では市立図書館の本をホームページで予約して、各地区センターなどで受け取りや返却ができるサービスがあり、青葉台コミュニティハウスでもそのサービスを行っていて、大勢の方が利用されています。

「本の家」では、どのような種類の書籍が充実しているのでしょうか。

青葉台コミュニティハウス 本の家
青葉台コミュニティハウス 本の家

岡﨑紀子副館長:元々青少年図書館だったので、子どもの絵本や紙芝居は充実していて、ご家庭での読み聞かせにもピッタリです。「青葉台コミュニティハウス『本の家』」になってからは、一般のお客さま向けに小説などの読み物も充実させています。話題の本や人気作家の新刊本などを中心に、アンケートやカウンターでのお客さまの声から本を選んでいます。

青葉台コミュニティハウス 本の家
青葉台コミュニティハウス 本の家

鈴木裕子館長:図書館ではないので、すべての本を網羅しているわけではありません。限られた予算の中で、地域のニーズに合わせて本を選定しないといけないので、そこが一番悩ましいところですね。今話題になっている芥川賞を受賞したピース又吉さんの『火花』については、現在40人待ちです。市立図書館で借りることもできるのですが、そちらは何千人待ちという状態ですので、両方に予約をして早く順番が回ってきた方で借りるように、みなさん上手に利用されています。

通常の図書館と異なる点や、コミュニティハウスならではの魅力について教えてください。

青葉台コミュニティハウス 本の家
青葉台コミュニティハウス 本の家

鈴木裕子館長:すべての分野を網羅しているわけではないですが、利用者のニーズに合わせた本の選定や、お客様一人一人とのコミュニケーションを大切にした丁寧な対応を心掛けるようにしています。「こういう本を読みたいんだけど、どんな本がいいかしら」と聞かれて、スタッフが一緒に選んであげたりなど、細やかな対応ができることが魅力だと思います。

青葉台コミュニティハウス 本の家
青葉台コミュニティハウス 本の家

鈴木裕子館長:大きな図書館と違って、適度な広さなので選びやすく、またお母さんの本とお子さんが読む絵本を一緒の場所に配置することで、親子で揃って読書ができるなど、小さな配慮から、徐々にできることを増やしていきたいと思います。

イベントや、サークル活動等でも異なってくるかと思いますが、ご利用されている方々の年齢層などについて教えてください。

青葉台コミュニティハウス 本の家
青葉台コミュニティハウス 本の家

鈴木裕子館長:利用者の数は地区センター並みに多く、1日300人前後の利用があります。こちらでは、一般男性、一般女性、幼児、小学生、中学生、高校生で統計を取っているのですが、その中では一般女性が一番多いですね。夏休み期間に入ると図書の利用で、小中学生の利用が増えてきます。

イベント、サークルなども開催されていますが、これまでどのような講座が開かれたのでしょうか。人気の講座や、参加者の方々からいただいている参加した感想などについても教えてください。

青葉台コミュニティハウス 本の家 インタビュー
青葉台コミュニティハウス 本の家 インタビュー

鈴木裕子館長:「音楽の部屋」と言って、年に4回、週末に11時から12時まで多目的室でコンサートを行っていて、出演者の皆さんには、ボランティアで演奏していただいています。クラシックからジャズなどジャンルはさまざまです。こちらで活動しているマンドリンやギターアンサンブルのサークル、近所の学校のブラスバンドを呼んだり、またプロの方をお呼びすることもあります。これはとても好評で、みなさん喜んでくださいます。もう6年くらい続いているイベントです。

青葉台コミュニティハウス 本の家
青葉台コミュニティハウス 本の家

鈴木裕子館長:聞いているだけではなく、みんなも一緒に歌おうと、「歌声広場」を開催しています。ここで活動をしている「オヤジサウンズ」というギターアンサンブルのサークルや、「ティータイムハーモニー」というコーラスのサークルの方々が伴奏してくださり、みんなで歌います。「上を向いて歩こう」など昔懐かしい歌を何十曲も歌います。これは年2,3回の開催ですが、「毎月開催してほしい」と言われるほど人気です。

親子で参加できる「おはなしの部屋」や子どもたちが主体の「こども科学教室」なども開催されていますが、それぞれの活動内容について教えてください。また、春休みや夏休みなど、長期休暇で特別に開催されるイベント等もあるのでしょうか。

青葉台コミュニティハウス 本の家
青葉台コミュニティハウス 本の家

鈴木裕子館長:「おはなしの部屋」は年に19回、午前中は10時半から、午後は3時から30分間、お子さんが楽しむだけでなく、お母さんにリラックスしてもらったり、お母さん同士で情報共有をしてもらったり親子でほっこりできるような場です。コミュニティハウスが立ち上がった時から活動されている「おはなしひなたボッコ」というサークルの皆さんが、大型絵本や紙芝居、パネルシアターや手遊びなど30分間飽きさせないようにいろんなことをして楽しませて下さいます。午後からの開催は幼稚園の帰りでも寄れるので、好評ですね。

青葉台コミュニティハウス 本の家
青葉台コミュニティハウス 本の家

鈴木裕子館長:小学生向けの講座は夏休みや冬休みに行います。「こども科学教室」は夏休みの小学生向けで、「自由工作など一石二鳥になったらいいよね」ということで開催しています。定年退職された方々がボランティアで行っている地域団体の「ひととゆめのネットワーク」の皆さんが来てくださいます。ソーラーカーや天体望遠鏡を作ったり、毎回違ったテーマで行っています。このイベントは、よくお父さんが参加されていますね。お父さんとお子さんで仲良く作っています。

青葉台コミュニティハウス 本の家
青葉台コミュニティハウス 本の家

鈴木裕子館長:小学校の長期休暇中にはそのほかにも夏の思い出をスクラップブックにするイベントや、毎年開催している勾玉作りなどがあります。勾玉作りは、「埋蔵文化財センター」の方が四角い削れる石を持って講師で来てくださり、棒やすりで勾玉の形に削って、リリアンの紐をつけてくれます。そのほかにも、こどもの手芸教室を開催して、モール人形を作ったり、カルトナージュをやってみたりと、いろいろおもしろいイベントを開催しています。

街の方々も巻き込んでのイベント企画もあるのでしょうか。

青葉台コミュニティハウス 本の家 インタビュー
青葉台コミュニティハウス 本の家 インタビュー

鈴木裕子館長:毎年秋にサークル発表会と展示会を、交互に開催しています。2014(平成26)年は、ちょうど区政が20周年だったので、展示会で昔の青葉台の写真を展示したり、即売会を行ったりしました。その時も地域の方がたくさん来てくださいました。2015(平成27)年は発表会なので演奏やダンスの発表の場となります。今から楽しみにしています。

※2015(平成27)年の発表会は終了しております

コミュニティハウス内にある学習室の利用について教えてください。

青葉台コミュニティハウス 本の家
青葉台コミュニティハウス 本の家

鈴木裕子館長:学習室は34席あって、皆さん真剣に学習に取り組んでいます。ここで勉強すると試験に受かるというジンクスがあるくらいです。中学生は夕方6時まで、高校生以上は閉館の夜9時まで。中学生は部活がありますから、夏休みに利用が増えていますね。大学生や受験生、一般の方で資格を取るための勉強や、シニアの方で朝から勉強されている方などさまざまです。朝9時から開館なのですが、夏休みには朝の学習室目当てで長蛇の列ができます。満席になった時は、中会議室を開放して対応しています。

周辺の街の魅力や、子育てエリアとしての魅力についても教えてください。

桜台公園
桜台公園

鈴木裕子館長: 子育てや教育に熱心な方が多いと思います。コミュニティハウスでは「おはなしの部屋」を開催したり、月曜日に福祉保健センターの子育てセンターに会場を提供して、小さいお子さんをお持ちのお母さんの「子育て相談」を開催しています。近くの「青葉台地域ケアプラザ」でも子どものお部屋があったり、「青葉区地域子育て支援拠点 ラフール」があったりと、子どもを連れていけるところはたくさんありますね。公園もあるので、子育てエリアとしてはとても良い街ではないかなと思います。

青葉台コミュニティハウス 本の家
青葉台コミュニティハウス 本の家

岡﨑紀子副館長:こういう施設を利用される方は多いので、文化的な関心は高いと思いますね。住んでいる方がこういう施設を利用しようと思われているということは、意欲を持って生活されていることの現れだと思います。

青葉台コミュニティハウス 本の家
青葉台コミュニティハウス 本の家

※記事内容は2015(平成27)年7月時点の情報です。

青葉台コミュニティハウス 本の家 鈴木裕子さん
所在地:神奈川県横浜市青葉区青葉台2-25-4 
電話番号:045-981-1400
開館時間:9:00~21:00(日曜日、祝日は~17:00)
休館日:月末、年末年始(12/28~1/3)、図書整理期間
https://yokohama-shisetsu.com/aoba/