富士見中学高等学校インタビュー

自主性と協調性を養い社会貢献のできる自立した女性を育む/富士見中学高等学校 校長 板倉 清先生


西武池袋線「中村橋」駅より徒歩3分。地域に根差した歴史ある学校として知られる「学校法人山崎学園 富士見中学高等学校」。2011(平成23)年より完全中高一貫教育を取り入れ、6年間を見据えた充実したカリキュラムを行っています。2020(平成32)年の創立80周年を記念した新校舎の建設も着々と行われ、次世代へと発展し続ける魅力ある学校です。今回は学校長の板倉清先生に「富士見中学高等学校」の特色についてお話を伺いました。

―まず、学校の歴史と特色について教えてください。

鮮やか赤が印象的な学校の看板
鮮やか赤が印象的な学校の看板

板倉校長: 「富士見中学高等学校」の歴史は、1940(昭和15)年の山崎学園の設立より今年で76年目を迎えます。前身となる「富士見高等女学校」も現在と同じく練馬にあり、1924(大正13)年の発足時から数えると90年以上ものあいだこの土地に根ざしている歴史ある学校と言えます。

芸術観賞会や文化祭の公演、合唱祭などで利用される山崎記念講堂
芸術観賞会や文化祭の公演、合唱祭などで利用される山崎記念講堂

学校の特色のひとつとして、校内の廊下や階段などパブリックスペースに60点もの日本画や彫刻などの芸術作品が飾られているほか、人間国宝の野村萬斎氏などを迎えて行われる芸術鑑賞会など、通常では考えられないような名画や作品に触れられる環境に囲まれています。

超一流の芸術作品が触れられる距離にある
超一流の芸術作品が触れられる距離にある

―現在の生徒数を教えてください。また、どの地域から通学してくる生徒が多いですか?

板倉校長: 生徒数は2015(平成27)年4月時点で、各学年「松」「竹」「梅」「菊」「桜」「桃」の6クラス編成で、中学部735名、高等部687名の計1,422名の生徒が一緒に学校生活を送っています。通学圏については、全体の25%が練馬区内からで、隣接する杉並区や板橋区など近隣から通う生徒も多くいます。

―教育ビジョンについてもお聞かせください。

板倉校長: 本校では、「社会貢献のできる自立した女性を育てること」を目標に、豊かな人間性の育成を目指した教育活動を行っています。

“将来どういう生き方をしていたいか?”をテーマに、2011(平成23)年度から高校の募集を停止し、“完全中高一貫校”として6年間を見据えたカリキュラムを実施しています。

説明をしてくださる板倉校長先生
説明をしてくださる板倉校長先生

おおまかな内容としては、①進路指導、②学習指導、③行事・クラブの3つの柱に分け、①進路指導では夢や希望を高く掲げ、“自己肯定感”を養うことで生き方を導きます。また、②学習指導では興味・関心を引き出す授業の工夫で“確かな学力”が身に付くように働きかけます。さらに、③行事・クラブでは、リーダーシップとフォロワーシップという2つの考えのもと、“自主性と協調性”の両方を養い、目指す人物像へと導いていきます。

新校舎での授業風景
新校舎での授業風景

また「共学・共育・共生」こそ次世代を見据えた重要な教育の考え方で、勉強はもちろん行事や委員会活動、クラブ活動なども含め、学校生活のすべてにおいて生徒たちが“自ら育つ”環境を整えることに専念しています。

―「共学・共育・共生」へと向けた取り組みの内容が分かる具体的なエピソードはありますか?

板倉校長:10年前に特進コースという制度を無くしたことがあげられます。進学率を重視する私立においては異例のことでしたが、潜在的に生徒にあった格差意識が無くなり、“みんなでがんばって、みんなで勉強しよう”というモチベーションの向上へとつながりました。

枠を取り払ったことで、生徒全体に結束力も芽生えました。行事への取り組みにおいても積極的になったばかりではなく、生徒と教師の距離感も縮まりました。生徒から積極的に声をかけてもらうようになり、今では校長も教頭も教師も全員参加で行事にのぞんでいます。

生徒だけでなく教職員も同じように練習して本番を迎える。真ん中が板倉校長先生
生徒だけでなく教職員も同じように練習して本番を迎える。真ん中が板倉校長先生

こうしたことで生徒と教師の間に信頼感が生まれ、進路指導などでも安心して相談ができる環境が築かれています。行事にも全力で取り組み、満足のいく学校生活は、勉強の土台作りにつながっています。

体育祭の終わりに全員で方を組んで合唱をするのが伝統になった。結束力を象徴するひとコマだ
体育祭の終わりに全員で方を組んで合唱をするのが伝統になった。結束力を象徴するひとコマだ

それとつい先日あった成人式ですが、特進コースを無くしてからは成人式が終わった後に卒業生たちが自然と学校に集まるようになり、今では9割以上もの新成人が報告に訪れています。

卒業した多くの生徒が訪れる。それだけ満足のいく学生生活だったという現れだろう
卒業した多くの生徒が訪れる。それだけ満足のいく学生生活だったという現れだろう

―国際交流も盛んなようですが、カリキュラムや留学制度などについても教えてください。

板倉校長: 国際交流の取り組みとしてはホームステイか留学かの2つに分かれ、具体的には①アメリカかオーストラリアへの3週間のホームステイ、高1の7~9月に実施する②ニュージーランドへの短期留学、③個人が希望する場所への1年間の留学の3つに分かれますが、③については2016(平成28)年度からはニュージーランドの提携校に1名、1年間の留学生を送ることが決まっています。

またその他にも、オーストラリアとフランスから訪れた高校生、中国からの中学生との交流会があったり、昨年の夏休みには台湾の女子高生16名が本校生のお宅にホームステイしました。今年の春休みを利用し、今度は富士見の中高生25名が台湾の高校生宅にホームステイをする教育旅行を実施します。

グローバル教育・オーストラリアの高校生が来校した際の様子
グローバル教育・オーストラリアの高校生が来校した際の様子

しかしながら国際交流を通じたいわゆるグローバル化の真の目的としてはホームステイや留学で海外に行くことではなく、異なるものを理解して受け入れるチカラであったり、コミュニケーションによって人を動かすチカラを養うことこそ大切なため、まずは見知らぬ者同士が集まるこの学校生活を存分に活用することこそ重要かと思います。

―80周年記念事業として新校舎の建設も進行中のようですね。改築に際してのポイントや新校舎の魅力についてお聞かせください。

板倉校長:校舎の大規模な改築に至った経緯としては、災害を見据えた“安心・安全”への対策といったハード面の強化と、教室以外でも“安心”できる居場所を設けるといった生徒目線のソフト面の充実も大きなポイントのひとつです。

第1期工事として2015(平成27)年4月に完成した「本館」には、ダイナミックな大階段や広々としたテラス、ラウンジをそれぞれ設け、生徒たちの作品展示のスペースとして活用したり、授業の前のほっとひと息つける場所として活用されています。

大階段と光庭
大階段と光庭

また学年ごとに一ヵ所“ワークスペース”と名付けられた自由に使える空間を設け、生徒たちの自主性や協調性を養う空間として役立つことを期待しています。

今後は西館、人工芝のグラウンド、そして2018(平成30)年7月には図書館もリニューアルする予定で、ますます充実する環境に注目が集まっています。

グラウンドのパース画像
グラウンドのパース画像

文化祭など“招待状”を準備して地域の方にもご参加いただけるような行事も行っておりますので、近隣にお住まいの方は地域にある学校にぜひ足をお運びいただければと思います。

富士見中学高等学校校長 板倉 清先生
富士見中学高等学校校長 板倉 清先生

今回、お話を聞いた人

富士見中学高等学校
校長 板倉 清先生
所在地:東京都練馬区中村北4-8-26
URL:http://www.fujimi.ac.jp
※この情報は2016(平成28)年1月時点のものです。

自主性と協調性を養い社会貢献のできる自立した女性を育む/富士見中学高等学校 校長 板倉 清先生
所在地:東京都練馬区中村北4-8-26 
電話番号:03-3999-2136
http://www.fujimi.ac.jp/