多賀城を盛り上げる市民の家/多賀城市立図書館 司書 橋口聡子さん
CCC(カルチュア・コンビニエンス・クラブ株式会社)
司書 橋口聡子さん
多賀城を盛り上げる、市民の“家”
2016(平成28)年3月21日、東日本大震災の復興のシンボルとして位置づけて開発が進むJR仙石線「多賀城」駅前の再開発ビルに、「多賀城市立図書館」の本館がリニューアルオープンした。佐賀県武雄市、神奈川県海老名市に続いて全国で3館目となるCCC(カルチュア・コンビニエンス・クラブ株式会社。以下CCCと省略)が管理する同図書館。「家」をコンセプトにしたモダンなつくりの図書館となっており、自動貸出機、Wi-Fi、読書通帳機などを備え、従来の図書館利用カードだけでなく、Tカードでも貸し出しができる。また、同じ施設内には、書店、レンタル、カフェ、レストラン、コンビニなども併設している。駅前開発とともに、今注目の「多賀城市立図書館」を訪れCCCの橋口聡子さんにお話しを伺った。
新しい「多賀城市立図書館」のコンセプトを教えてください。
ひと言で表現すると「家」です。ここ多賀城市は2011(平成23)年3月に発生した東日本大震災で家を無くしたり家族がバラバラになってしまった人がたくさんいらっしゃいます。この大きな新しい家である図書館をきっかけに市民の皆さんに来ていただいて、ここから何かを始めて欲しいとの想いで企画しました。実際、大勢の市民のみなさんがオープンを楽しみにしてくださり、オープン初日の貸し出し冊数が7,000冊を超えて大盛況でした。
地域・市民との関わり方について、「多賀城市立図書館」の考え方をお聞かせください。
地方の場合、子どもはもちろん大人も自己成長できる場所が少なくなる傾向があると思います。人々が集まる駅前に図書館ができたので本の充実はもちろんですが、例えば語学イベントなどさまざまなイベントを企画して市民のみなさんが成長できる場・情報発信の拠点として図書館を活用して欲しいと考えています。また多賀城市は大変歴史の深い街でもありますので、もっと街の魅力をアピールする為に本だけでなく市内、県内のパンフレットを一緒に設置するなど、積極的に文化歴史の発信の拠点としての活動にも力を入れていきたいです。
全国で3館目となる「CCC運営の図書館」ですが、これまでの市立図書館と異なる点を教えていただけますか?
各フロアごとにテーマを設けているのが特徴ですね。図書館は3階建てで、1階のテーマは「リビング」です。全体的に明るい雰囲気でソファもありコーヒーを飲みながら本を読んだり、ゆったりと寛ぐことができます。
2階のテーマは「書斎」。アートや人文に関する資料があり、本を楽しみながら、自己成長できるフロアになっています。3階は「学習」です。このフロアでは学習室を設け、静かに集中して学習や調査・研究ができる場を提供しています。「リビング」「書斎」「学習室」と建物全体がまさに「家」そのもののつくりになっています。
実際のところ一般的な図書館と違って利用者の滞在時間が長いのも、「家」のような感覚でみなさんがくつろぎの時間を楽しんでいる表れではないかと思います。
武雄市と海老名市にある2館との違いや、多賀城の本館独自の取り組みはありますか?
武雄市や海老名市では、既存の建物を改修してリニューアルオープンさせていましたが、当館では、東日本大震災の復興のシンボルとして位置づける「多賀城」駅前の再開発事業として一から新設・設計されたのが違いです。この図書館を含めて駅前が一気に明るい雰囲気になって、市民のみなさんと街全体を盛り上げたいと考えています。今後は、スタッフやボランティアによる読み聞かせはもちろんですが、ヨガ教室や夏休みイベントを開催したりと、本を借りる返すだけの場所ではなく、図書館側から地域のみなさんに積極的に情報発信していく活動をしていきたいです。
オープン以来、盛況と伺っております。利用者の反響はいかがですか。また、今後の利用客数の見込み等も教えてください。
ありがとうございます。オープン以来約14万5,000人の方に来館いただいております(2016年4月14日現在)。年間120万人の来館者数を目指しています。利用者の反応も上々で、毎日来ていただく方も多くいらっしゃいます。子育て中のお母さんからも、子どもと安心して入れて楽しめる場所ができたと喜んでくださる方が多いですね。
「多賀城市立図書館」として目指す姿や、今後の展望を教えてください。
やはり市民のみなさんのための図書館ですので、まずは図書館に来てみたい、イベントに参加してみたいと思う方々をどんどん増やしていきたいです。そして図書館を活用して学び、楽しんでいるみなさんを見て新たに来館された方が図書館を利用するようになり、さらに来ていただく人が増えていく、そういう流れができればとても嬉しいですね。本の貸し借りだけの場所ではなく、市民のみなさんと成長していくのも図書館の役割ではないかと思います。スタッフ一丸となってここ多賀城を盛り上げていきます。今後の新しい企画・イベントもぜひご期待ください。
多賀城エリアの魅力や、期待感を教えてください。またこれから多賀城市に住む方へ一言お願いします。
ここ多賀城市は深い歴史があり、「多賀城」駅前の開発・整備も進み、より良く住みやすい魅力的な街になっていくと思います。新しい街をみんなでつくっていこうという活気に溢れています。地元愛のある方が多く優しい人たちが多いので、どんな人でも住みやすいと思います。子育て中のご家族にもおすすめです。子育て環境・学校の整備も充実していますので安心ですよ。そして「多賀城市立図書館」に来ていただければ多賀城市の魅力を本やイベントを通じてもっとお伝えできると思いますのでぜひお越しください。お待ちしております。
今回、話を聞いた人
CCC(カルチュア・コンビニエンス・クラブ株式会社)
司書 橋口聡子さん
【後記】より良い図書館を作る為に日々奮闘する、みんなが元気になるような明るい性格と笑顔が素敵なスタッフさんでした。
所在地:宮城県多賀城市中央2-4-3
電話番号:022-368-6226
URL:https://tagajo.city-library.jp/library/
※この情報は2016(平成28)年4月時点のものです。
多賀城を盛り上げる市民の家/多賀城市立図書館 司書 橋口聡子さん
所在地:宮城県多賀城市中央2-4-3
電話番号:022-386-6226
開館時間:9:00~21:30
休館日:年中無休
https://tagajo.city-library.jp/library/