フランス人パティシエによる“常に進化しつづけるパティスリー”/エコール・クリオロ 本店 代表 サントス・アントワーヌさん、愛さん
フランス人パティシエのサントス・アントワーヌシェフと奥さまの愛さんの2人3脚で洋菓子の魅力を提案し続けている「エコール・クリオロ」。わずか7名でスタートした店舗も今は製造スタッフ40名を含む総勢80名もの従業員を抱える企業で、“常に進化しつづけるパティスリー”として全国から注目を集めている名店だ。今回は「エコール・クリオロ」代表のサントス・アントワーヌさんと奥さまの愛さんに、日本で開店するに至ったエピソードやお店の特色、また地域の魅力についてもお話をお伺いした。
フランス人パティシエによる“常に進化しつづけるパティスリー”
――お店の特色やおすすめの商品について教えてください
愛さん:「エコール・クリオロ」は「千川」駅近くに本店を構える洋菓子店です。夫であり代表のサントス・アントワーヌはフランスのプロヴァンス地方の出身で、母国フランスをはじめスイス、イギリスなどヨーロッパ各地で経験を積んだ後、日本に訪れました。
これまでの経歴やコンクールなどの受賞歴についてはHPでも紹介していますが、2009(平成21)年に東京で開催された「世界パティスリー2009」にフランス代表チームとして出場し、アントルメ部門、プチガトー部門で優勝し総合準優勝、また味覚部門では最優秀味覚賞を受賞したことでも知られています。
お店は現在、2003(平成15)年4月にオープンした要町の「本店」と、「中目黒」駅前にある「中目黒店」、エキナカ施設の「エキュート上野店」、関西初出店となる神戸の「クリオロカフェ」の4店舗があり、その他にもバレンタインやクリスマスなどイベントに合わせて百貨店の催事場などにも出店しています。
おすすめの商品は、サントスシェフが得意とするチョコレート菓子のなかでも、バレンタインに合わせて「サロン・デュ・ショコラ」にも出品したチョコレートケーキの「トレゾー」(新店舗オープンから発売予定)、2016(平成28)年度の限定商品となる「エヴォリュション」もぜひ食べていただきたいシェフの自信作です。
“時代に合ったおいしいもので幸せに”をモットーにしたシェフのお菓子づくりは、“常に進化しつづけるパティスリー”であることにも通じています。フランス人ならではの独特のセンスに、日本が大好きなシェフならではの繊細な感覚を融合させたオリジナルスイーツをぜひお楽しみください。
民家の一室ではじめたエコール(学校)で再出発
――そもそも日本でお店を開いた理由とは?
サントスさん:もともとは日本ではなくオーストラリアでお店を開く予定だったのですが、日本に滞在しているときに交通事故に遭ってしまい、同僚や仲間のすすめもあり、ひとまず日本に残ることにしました。
愛さん:「エコール・クリオロ」の「エコール」とはフランス語で「学校」という意味なのですが、身体に負担がかからないようにと2000(平成12)年4月に隣駅の「小竹向原」駅で菓子学校としてスタートしたのがはじまりで、洋菓子店としてお店を開いたのは2003(平成15)年になってからのことです。「小竹向原」駅を選んだのは、当時住んでいたアパートから近かったためで、神戸出身の私にとってまったく土地勘の無い場所でした。
サントスさん:普通の民家のような場所を借りてはじめたのですが、その後、要町の本店の2階へと場所を移しもっとも多いときで300名近い生徒数にまで増えました。その後店舗数が増え、店頭販売商品の需要が大きくなってきたため、2013(平成25)年5月に教室を閉校することにしました。
リニューアルオープンする新生「クリオロ」
――今年の5月にリニューアルオープンされるそうですね
サントスさん:菓子学校を閉校してしばらくしてから、要町にある工房も手狭になりチョコレート部門をもっと大きくしたいという思いから物件探しをしていました。
しかし本店のある要町や千川のあたりは住宅地で、40人近い製造スタッフが仕事に専念できる物件は無く諦めかけていたところに、「小竹向原」駅から徒歩3分ほどの場所に180坪もあるひろびろとした土地を見つけました。
それまではテナントとして場所を借りることだけしか頭に無かったのですが、「自分で好きなようにイチからお店を作ってみたい!」という思いに突き動かされ工房と店舗とが一体になった新店を建てることになりました。
工房併設の新店で味わえる「クリオロ」の作り立てスイーツ
――新店のオープンにより具体的にはどんな部分が変わりますか?
サントスさん:店舗のイメージはオレンジを基調としたこれまでのポップな雰囲気とは異なり、ナチュラルで高級感のある空間を目指しています。テラス席もあるカフェスペースにはアンティークや歴史を感じさせるような落ち着いた家具やインテリアを揃えて入りやすく居心地の良い空間にしようと思います。また、工房が併設することで、これまで提供できなかった焼き立てのパンや作り立てのスイーツも提供できるようになります。
それと製造に携わるスタッフにとっても、お客さまの顔や反応を間近に見られるようになることで仕事に対する張り合いにつながるのではないかと期待しています。
商品は「クリオロ」のアイデンティティーとも言うべきチョコレートを使った看板商品はそのままに、ミルフィーユやロールケーキ、タルトなど生地ものにも挑戦していきたいと考えています。
「帰って来たなぁ」とほっとできる都心にも近い生活環境
――最後にお店のあるこの地域の魅力についてお聞かせください。
愛さん:小竹向原で菓子学校をはじめてから16年になりますが、「池袋」からわずか数駅離れるだけで、「帰って来たなぁ」とほっとできる雰囲気がこの地域の魅力だと思います。
取材やお客さまも「なんでこの場所で?」とよく聞かれますが、私もプロヴァンス出身の夫も田舎の生まれで落ち着いて生活ができるちょうど良い環境でした。
銀座や青山といった場所と比べると、ご近所の方々に支えてもらって今があることも感じますし、小竹向原に移転した後も地域に根ざしたお店として運営していくつもりです。
地域のおすすめのスポットとしては、「小竹向原」駅の地上出口すぐにある遊歩道や新店へと向かう途中にも遊歩道が整備されていて、散歩しやすい環境だと思います。少し足を伸ばせば「城北中央公園」もあり、ひろびろとしていて散策にもおすすめです。
エコール・クリオロ株式会社
代表 サントス・アントワーヌさん、愛さん
所在地:東京都豊島区要町3-9-7
電話:03-3958-7058
URL:http://www.ecolecriollo.com
※この情報は2016(平成28)年2月時点のものです。
フランス人パティシエによる“常に進化しつづけるパティスリー”/エコール・クリオロ 本店 代表 サントス・アントワーヌさん、愛さん
所在地:東京都豊島区要町3-9-7
電話番号:03-3958-7058
営業時間:10:00~19:00
定休日:火曜
http://www.ecolecriollo.com/