地域コミュニティ・教育施設との連携が生徒たちの故郷を創る。/港区立港南中学校 校長渡辺一信先生


港区立港南中学校
校長 渡辺一信 先生

地域コミュニティ・教育施設との連携が生徒たちの故郷を創る。

港区立港南中学校 校長 渡辺一信先生 インタビュー
港区立港南中学校 校長 渡辺一信先生 インタビュー

港区立港南中学校 校長 渡辺一信先生 インタビュー
港区立港南中学校 校長 渡辺一信先生 インタビュー

「港区立港南中学校」は運河を有する区内唯一の中学校だ。特徴的な環境を学習にも活かし、生徒たちは街に対する愛着を深めていく。周囲には保育園から大学まで、多くの教育施設が集まっており、子育て意識の高いエリアとなっている。今回は、そんな「港区立港南中学校」の校長、渡辺一信先生に学校の概要や、エリアの魅力についてお話を伺った。

まずは、「港区立港南中学校」の歴史・沿革から伺えますか?

港南中学校
港南中学校

1963(昭和38)年の開校当時、周辺は都営アパートが立ち並んでいました。学齢期を迎えた子どもが増え、「芝浜中学校(現・三田中学校)」に通っていた生徒も収容して、本校は3学年6学級、生徒数207名の学校として開校しました。街の変化とともに月日を重ね、2013(平成25)年には50周年を迎えました。

開校から50年という歴史のなかで受け継がれてきたことや、大切にされてきたことなどあれば聞かせてください。

港区立港南中学校 校長 渡辺一信先生 インタビュー
港区立港南中学校 校長 渡辺一信先生 インタビュー

学校生活における「きれいな校舎を大切にする」「行事には懸命に臨む」「挨拶をする」という3項目は、本校の歴史とともに培った伝統として大切にしています。

「港区立港南中学校」の教育目標について教えていただけますか。

港南中学校 校長 渡辺一信さん
港南中学校 校長 渡辺一信さん

「すすんで、豊かな心と健やかな身体を育む生徒」「すすんで、自他の敬愛と協力を重んずる生徒」「すすんで、学ぶ意欲と深く考える力を伸ばす生徒」の3つです。これらは体育・徳育・知育となるわけですが、一般的には知育・徳育・体育の順で掲げられることが多いです。「体育」を最初にしているのは、健全な体がなければ能力を発揮することはできないという考えに基づいています。

学習の特色について伺いたいのですが、近くの「東京海洋大学」と連携して取り組んでいることなどあれば聞かせてください。

東京海洋大学 品川キャンパス
東京海洋大学 品川キャンパス
「東京海洋大学 品川キャンパス」

港区内で学区域に運河があるのは「港区立港南中学校」だけ。「東京海洋大学」と連携し、地域に根ざした運河学習をしています。水質測定にはじまり、どのような生物が生息しているかを調べたり、様々な取り組みをしています。

ただ、大切なことは学問として運河を学ぶということではありません。身近な運河を通して、環境に対する関心を高め、運河だけでなく国内外の環境問題を考えるきっかけづくりにこそ、本当の意味があるのではないかと考えています。

近年、人工芝のグラウンドが完成したそうですが、生徒たちの反応はいかがですか?

港南中学校
港南中学校

工事期間中は、半分しかグラウンドが使えなかったこともあり、完成時は開放感もあって生徒たちは大喜びでしたね。ふかふかした絨毯のような弾力性のおかげで、捻挫や擦り傷はかなり減りました。

東京都からスポーツ教育推進校の指定を受けているそうですね。

港区立港南中学校 校長 渡辺一信先生 インタビュー
港区立港南中学校 校長 渡辺一信先生 インタビュー

東京都は、子どもたちの体力低下を危惧しており、その対応策として、よりスポーツが身近に感じられるようにオリンピック選手をはじめトップアスリートを派遣しています。スポーツ教育推進校の本校にも来ていただき、学生時代のことや日々の練習のこと、試合に臨む姿勢について話していただきました。

周囲には保育園から大学まで教育施設が充実していますね。

港南中学校
港南中学校

教育施設が多く、メリットとしては年齢や学校を超えた交流が身近にできるということがありますね。特別支援学校を訪ねてゲームをしたり、反対に、本校で一緒にマラソンをすることもあります。小学生のときから交流しているので、親しげに声を掛ける生徒もいます。

港区立芝浦小学校
港区立芝浦小学校

また幼稚園や小学校との交流に関しては、後輩と接することで年長者としての自覚が生まれるようで、いつもは無口な生徒が笑顔になったり、大人びた顔つきになるといった変化も見られます。

地域コミュニティとの交流についてはいかがですか?

港区立港南中学校 校長 渡辺一信先生 インタビュー
港区立港南中学校 校長 渡辺一信先生 インタビュー

以前、行政の方で地域の一体感を高めるためにも、花火大会を開催したいという相談を受けました。花火大会をする場所がなく、実現できないかということだったので、本校のグラウンドを開放したのです。

 

 

子育て支援施設の「港南こども中高生プラザ」が中心となり、子どもたちを実行委員として、高輪警察署をはじめ、消防署、消防団も協力してくれることになりました。打ち上げ花火のために、高速道路を通行止めにするという対応までしてくれたのです。

今ではグラウンドが人工芝になった関係で会場は「東京海洋大学」に移ることになりましたが、地域住民の協力でイベントが開催され、それによって人と人との交流が生まれた良い例だと思います。

芝浦港南エリアの変化について、どのような印象を持たれていますか?

竹芝ふ頭公園
竹芝ふ頭公園
「竹芝ふ頭公園」

以前は倉庫街が広がっていましたが、再開発によって街は美しくなりました。子どもたちの地域に対する思いは強くなったように思います。創立50週年の記念式典で、生徒が「私たちは地域の一員として」という言葉をスピーチで使っていました。

港南中学校
港南中学校

「私たちは地域の一員として」という自覚があるからこそ「住んで良かった」「この街が自分の故郷」という気持ちになります。学校が中心となって保護者、PTA、自治会、商店街、教育施設との連携を深めながらさらに魅力的な文教地区にしていければと思っています。

最後になりますが、芝浦港南エリアの魅力について聞かせてください。

「日の出桟橋」の水上バス
「日の出桟橋」の水上バス
「日の出桟橋」の水上バス

熱いハートを持った方が多いこと、そして運河があることですね。「東京海洋大学」の先生が、授業のなかで芝浦港南の写真と、オランダの運河が流れている写真を生徒に見せながら「写真を見るだけでは同じようにみえるけど、一方は世界遺産の街なんだよ」と言っていました。自分が住んでいる街のことを考え、より良くしたいという気持ちを持って巣立っていってくれたら、この街はより良くなると思います。

港南中学校 校長 渡辺一信さん
港南中学校 校長 渡辺一信さん

今回、話を聞いた人

港区立港南中学校
校長 渡辺一信先生

住所:東京都港区港南4-3-3
電話番号:03-3471-0238
URL:http://www1.r4.rosenet.jp/konan-j/

※記事内容は2014(平成26)年8月時点の情報です。

地域コミュニティ・教育施設との連携が生徒たちの故郷を創る。/港区立港南中学校 校長渡辺一信先生
所在地:東京都港区港南4-3-3 
電話番号:03-3471-0238
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