北鎌倉を代表する古刹/大本山円覚寺 宗務部員 竹林士哲さん

大本山円覚寺 宗務部員
竹林士哲さん

北鎌倉を代表する古刹
大本山円覚寺

北鎌倉駅のホームを出てすぐ目の前にある「大本山円覚寺」は、建長寺とともに北鎌倉を代表する寺院として知られている古刹。「大本山」の名が示すとおり、禅宗のひとつ、臨済宗に幾つかある宗派のうち「円覚寺派」の本山であり、全国から同派の修行僧が集う場であると同時に、一般観光客には「座禅のできるお寺」として親しまれている。

今回はこの寺で座禅指導などにあたっている宗務部員の竹林士哲さんに、円覚寺の見どころをご案内いただいた。

円覚寺の特徴について、簡単にお教えください。

円覚寺
円覚寺

円覚寺は1282年、北条氏の時代に創建されたお寺で、臨済宗のうちでも「大本山」にあたるお寺になります。実は臨済宗にも全部で14の宗派があり、そのうち2つが北鎌倉に、残り12が京都に本山を持っています。北鎌倉では建長寺さんと円覚寺が大本山にあたります。

円覚寺は敷地の中にいくつもの建物がありますが、奥のほうにある建物は円覚寺とは別の寺院になっています。僧の修業道場となっているのは「正続院」というお寺です。

見どころに関しては、まず国宝となっているのが、山の上の鐘楼にある「洪鐘」(おおがね)と正続院の舎利殿です。「洪鐘」は鎌倉時代に作られたもので、鎌倉最大の梵鐘として有名なものです。舎利殿は修行道場の奥にありますので、通常は正続院の入り口から屋根だけを見ていただくことになります。

洪鐘の音色はいつ聞けるのでしょうか?

円覚寺
円覚寺

大洪は除夜の鐘と10月の開山忌(開山国師毎歳忌)の日にのみ、僧の手によって衝かれます。

舎利殿を目の前で見ることができる日もあると聞きましたが。

円覚寺
円覚寺
舎利殿(通常非公開)

舎利殿を一般公開している機会は年に3回ありまして、ゴールデンウィークの特別拝観、11月3日前後の「宝物風入」、あとはお正月の三が日です。お正月は舎利殿の手前の門までとなります。

一般の方には座禅が人気ということですが、どのように参禅すれば良いでしょうか。

円覚寺
円覚寺
居士林

在家修行者(一般の方)向けの座禅には、毎朝本堂で行っている「暁天坐禅会」と、土曜日に居士林という建物で行っている「土曜坐禅会」があります。近くにお住まいの方には、日課のように座禅に通われる方もいらっしゃいますし、観光の方には時間的にも参加しやすい土曜日の座禅が人気です。より本格的な座禅修業を行う「土日坐禅会」や、学生の方向けに、合宿で座禅を体験する機会などもあります。

「暁天坐禅会」と「土曜坐禅会」に関しては、拝観料だけで参加いただけますので、予約などは無しに、気軽にお越しになってください。もちろん初心者でも大丈夫です。最近は若い方の参禅も多くなっておりまして、観光シーズンの土曜座禅などは100人以上の方が参加されることもあります。

それでは、境内を回るおすすめのコースをご案内いただいても良いでしょうか。

円覚寺
円覚寺
山門

まずは寺の入り口にあたる「総門」で拝観料を納めていただきまして、階段をのぼって山門に行きましょうか。実は円覚寺でも関東大震災で多くの建物が倒壊しましたが、山門は奇跡的に倒れなかったということでして、円覚寺の中でも昔の姿を残す、貴重な建物となっています。周りは広場になっていまして、夏には北鎌倉地域の盆踊り大会も行われています。

円覚寺
円覚寺
仏殿の梅

山門の奥にあるのはご本尊を収めた仏殿です。「宝冠釈迦如来」という冠をかぶった仏様がおられます。めずらしい仏様ですので、ぜひお参りしてみてください。建物は震災で倒壊したのち、昭和39年に再建されたものです。「暁天坐禅会」が行われているのもこちらです。

本堂から左に出ていただいた場所にあるのが「選仏場」(せんぶつじょう)でして、今は使われておりませんが、昔は座禅の場として使われていました。こちらも中の様子を見ていただけます。選仏場の隣にあるのが「居士林」といって、現在も使われている在家信者の座禅道場です。普段は中に入れませんが、土曜日の座禅はこちらで行われます。建物は昔、東京の牛込で柳生家の剣道場として使われていたものを、こちらに移築したものです。

円覚寺
円覚寺
舎利殿(通常非公開)

居士林から右手に回っていただくと「方丈」があります。こちらは手前の庭園のみの公開となりますが、裏手にも池のある美しい庭があります。門の彫り物や「百観音」などが見どころですね。方丈の建物は檀家さんのための客殿ですので、一般向けには公開はしていませんが、11月3日前後の「宝物風入」の時にはこちらで宝物の虫干しを行います。貴重な掛け軸などを見られる年に一度の機会ですので、是非いらっしゃってみてください。

方丈の庭を出たところにあるのが「妙高池」(みょうこうち)でして、「虎頭岩」という岩があります。こちらは昔の資料に基づいて平成になってから再現した岩ですが、虎のようにも見えると言われています。池の向こう側に見えているのが、修行道場の「正続院」ですね。舎利殿の屋根がご覧いただけると思います。舎利殿は鎌倉で唯一の国宝建造物でして、非常に希少な建築様式になっているということです。私も修業時代には、毎朝ここを掃除をしていたものです。

(今回の写真は元修行僧である竹林さんの特別な計らいで、舎利殿の中まで入れていただき、撮影させていただいたものです)

円覚寺で厳しい修業の日々を送った竹林さんに、円覚寺と北鎌倉の魅力について尋ねてみた。

円覚寺
円覚寺

円覚寺は敷地が広く、独特のおごそかで静かな雰囲気があります。四季の花もきれいですし、紅葉の時期の妙高池の周りなどは特に美しいですよ。 北鎌倉は有名な観光地ではありますが、鎌倉中心部と比べれば朝夕などはとても静かで、自然も豊かに残っています。

この静かな環境こそが、北鎌倉の一番の魅力なんでしょうね。

円覚寺
円覚寺

今回、話を聞いた人

大本山円覚寺 竹林士哲さん

円覚寺の宗務部員。座禅指導などにあたっている。

住所:神奈川県鎌倉市山ノ内409
電話番号:0467-22-0478
拝観時間:8:00~16:30(冬季16:00まで)
拝観料:大人300円、小人100円
URL:http://www.engakuji.or.jp/

※記事内容は2013(平成25)年3月時点の情報です。

北鎌倉を代表する古刹/大本山円覚寺 宗務部員 竹林士哲さん
所在地:神奈川県鎌倉市山ノ内409 
電話番号:0467-22-0478
拝観時間:3月~11月 8:00~16:30、12月~2月 8:00~16:00
拝観料:大人 300円、小人 100円
http://www.engakuji.or.jp/