さいたま市立日進小学校インタビュー

明治6年開校、歴史と伝統が息づく小学校/さいたま市立日進小学校 蓮見哲校長先生 


さいたま市立日進小学校 蓮見哲校長先生

明治6年開校、歴史と伝統が息づく小学校

1873(明治6)年の開校より142年を迎え、地域とともに歴史と伝統を育む「さいたま市立日進小学校」。地域・学校・家庭が一丸となって子どもたちの成長を見守る“良い流れ”にある学校で、現場の先生方もなみなみならぬ“意欲”をもって日々の教育活動に取り組んでいるようです。今回は、2014(平成26)に第20代校長に就任した蓮見哲先生に「さいたま市立日進小学校」の特色と地域の魅力についてお話を伺いました。

地域・学校・家庭が一丸となって醸し出す“良い流れ”

まず、学校の歴史と特色についてご紹介をお願いします。

校舎外観
校舎外観

「さいたま市立日進小学校」は、正門の向かいにある「満福寺」の境内に設置された「上加学校」を前身とする1873(明治6)年開校の歴史ある学校です。今年度で142周年を迎え、地域とともに歩んできた歴史と伝統のある学校として親しまれています。児童数は2015(平成27)年5月の段階で、32学級1,016人となっています。

“自然の小道”
“自然の小道”

学校の特色としては、PTAの各部・委員会やおやじの会をはじめ、地域の方々の多方面に渡るサポートにより教育活動を支えていただいていることと、本校の先生方も“意欲”に満ちあふれている方が多く、校長に就任して2年目を迎えますが、学校全体が“良い流れ”に乗る、まるで流れるプールのなかに漂うような心地良い雰囲気に包まれているのを感じます。

また、校舎の北側にある“自然の小道”を抜ければ、この地域の生態系が維持されたビオトープもあり、子どもたちに安らぎと学びの場を提供してくれています。数ヶ月前にもえさ台を設置した“野鳥の森”にミミズクが飛んできました。

校長先生の感じる“良い流れ”とは具体的に?

算数の挑戦問題の掲示
算数の挑戦問題の掲示

昨年度、算数の研究発表を行い、次年度の校内の研究課題についてあらためて検討していたのですが、現場の先生方から「もう一年、算数の研究を続けたいです!」と熱意をもって提案を受けたことがあり、その“意欲”に感動したのを今でもよく覚えています。

また毎年11月にある、駅伝大会に向けた練習では、運動の得意な児童だけでなく、興味はあるが運動の苦手な子どもに「一緒にやってみませんか?」と声をかけて、先生も一緒になって走っている姿を見て感心したこともあります。

校庭の遊具
校庭の遊具

その他にも、安心して遊具が使えるようにと毎朝教員が遊具のチェックをして回ったり、毎年複数回、AEDの講習会を実施して緊急時に備えたりと、先輩方から受け継いできたものが自然と行動になってあらわれる、それが“良い流れ”だと思います。

また、地域とのつながりという点で見ても、8月6・7日の2日間にわたって開催された「大宮日進七夕まつり」も地域と学校との結びつきがよく分かるイベントで、七夕どおりに飾られる行灯は当校の子どもたちが毎年ひとつひとつ丁寧に描いた作品です。

また、七夕ボランティアのメンバーを中心に、PTAや教職員、子どもたちも一緒になって制作する花飾りは子どもたちのアイデアをかたちにする一大プロジェクトで、毎年見事な作品に仕上がっています。

より良い学校運営を支える多彩なボランティア活動

七夕まつりのボランティアのほかには、どのようなボランティアの取り組みがありますか?

図書室の様子
図書室の様子

「日進小学校」には現在、『防犯、環境、図書、音楽、七夕、カブトムシ』の大きく6つに分かれたボランティアグループが組織されていて、多方面からさまざまなサポートをいただいています。

具体的には、当校では登校班というシステムがないため、登下校時の見守りをしてくださる「防犯ボランティア」の皆さんには、非常に重要な役割を担っていただいています。

また、環境ボランティアは、「全国学校ビオトープコンクール」において優秀賞を受賞したこともあるビオトープの手入れをはじめ、花壇の水やりや、落ち葉の掃き掃除など環境整備に尽力してくださっています。

ビオトープ
ビオトープ

さいたま市では、“SSN(スクールサポートネットワーク)”と称して、「学校・家庭・地域・行政の連携・協力」による教育を推進していますが、図書ボランティアやチャレンジスクールなど、地域ぐるみで、子ども達の健全育成をはかる活動をしていただいています。

また、さいたま市の教育施策の一つである小・中一貫教育の推進では、私自身、「日進中学校」での勤務経験もあり、より円滑に進めていければと思います。

次世代を見据えた“美しい学校”へと向かう伝統校の取り組み

小・中一貫教育へ向けた具体的な取り組みとは?

教室
教室

つい先日、「日進中学校」と学区域の宮前小学校、つばさ小学校、日進小学校の教職員が集まり“合同研修会”を開催いたしました。当校の卒業生の約9割が「日進中学校」へ進学するため、中学校卒業までの9年間を見通した一貫した指導の大切さを感じています。

さいたま市では、小・中一貫教育の取り組みのひとつとして2014(平成26)年度から“つぼみの日”を全校で実施しています。6年生になると進学予定の中学校を訪れ、授業や部活動を見学し、より良い中学校生活のスタートにつなげていこうとするものです。

「日進中学校」は部活動も盛んです。特に、毎年3月に開催される合同演奏会では「日進中学校」の吹奏楽部による演奏を間近に見ることが出来、当校の子どもたちにとって貴重な交流の場になっています。

最後に地域の方へメッセージをお願いいたします。

「日進小学校」はいま、開校より142年目を迎える歴史と伝統とともに“美しい学校”へと向けた取り組みを進めています。学校全体が“良い流れ”にあることは先ほども触れましたが、“より良くしたい”という思いが“美しい学校”づくりには欠かせないものだと思います。

「ここをもっとこうしたほうがいいんじゃないか?」とか「ここをこうしてみたらどうだろう?」とか、地域・保護者の方々からも、もっともっとご意見やご提案をいただければと感じています。

ありがたいことに地域のみなさまは“ボールを投げたらかならず投げ返してくれる”ような“人”の良さが伝わってくる方々ばかりですから、地域のみなさまと連携をとりながらより良い“美しい学校”づくりを進めていきたいと思います。

明治6年開校、歴史と伝統が息づく小学校
明治6年開校、歴史と伝統が息づく小学校

今回、お話を聞いた人

さいたま市立日進小学校

校長 蓮見 哲先生

住所:さいたま市北区日進町2-911
TEL : 048-663-6942
URL:http://nisshin-e.saitama-city.ed.jp

※この情報は2015(平成27)年9月時点のものです。

明治6年開校、歴史と伝統が息づく小学校/さいたま市立日進小学校 蓮見哲校長先生 
所在地:埼玉県さいたま市北区日進町2-911 
電話番号:048-663-6942
http://nisshin-e.saitama-city.ed.jp/