住宅街で出会う格調高き味/「鮨 あらい」 店主 新井豊さん
2009(平成21)年4月に暖簾をかかげた「鮨 あらい」は、地域に根ざした店を志向し、味だけでなく居心地のよい雰囲気づくりを何よりも心がけている。お酒に合うおつまみ、握り、お椀、デザートまでのコースが基本となるが、握りだけでも対応してもらえる良心的なお店だ。今回はそんな「鮨 あらい」の店主、新井 豊さんに、どのようにして寿司職人を志し、独立にいたるのか。店主の歩んできた道程を振り返るとともに、料理に対するこだわりを伺った。
スタイルを構築する下積み時代
「鮨 あらい」の店主、新井さんは子どものときから料理が好きで、小さい頃から料理人を目指していた。学業を終えてから、蕎麦屋で働きはじめ、仕入先の魚河岸で見かけた寿司職人に憧れを抱くようになり、20歳のときに寿司職人へと転向した。
職人の世界は先輩が丁寧に教えてくれるというものではないので、必要なことは見て覚え、技術・考えを取捨選択しながら自分のスタイルを築いてきた。純然たる江戸前鮨を提供する店で働き、その後はニューヨークスタイルの新しい鮨を学ぶため「NOBU TOKYO」に移ることに。ただ、そんな中でも、独立するのであれば、伝統的な江戸前鮨で勝負しようという考えは持ち続けていたと言う。
地域に根差した店づくり
数店舗で修業を積んだ後、「住宅街で地域に根ざした店を出したい」と義父に相談したのがきっかけで、粕谷に「鮨 あらい」を開くことになる。駅から距離を置き、落ち着いた雰囲気に包まれた店は地元の方を中心に人気を集めている。
店の周辺には自然や農地が残されている。地元で採れた鮮度の良い有機農法や無農薬栽培といったこだわりの野菜を料理に使っているのも「鮨 あらい」のおいしさの秘訣だそうだ。
おもてなしの心
新井さんは仕事の上で、お客さんにゆっくりと落ち着いて楽しんでもらいたいと「おもてなしの心」を大切にしていると言う。おもてなしに加え、もちろん味にも定評があり、“銀座に行かなくても、それ以下の値段で同じものが食べられる”と言うお客さんも多いようだ。その噂を聞いて、時には遠方からもお客さんが訪れる。
「仕入れによって状況は日々変わり、その瞬間に最高の仕事ができるように努めたい」と、語る新井さんの誠実な人柄も「鮨 あらい」の魅力のひとつだろう。美味しい鮨を食べたくなった時は是非、気軽に足を運んで頂きたい名店だ。
鮨 あらい
店主 新井 豊さん
世田谷区粕谷4-19-8 ハスミビル1F
TEL : 03-5313-7423
営業時間:17:00~23:00(L.O.22:30)
定休日:水曜日
※この情報は2015(平成27)年8月時点のものです。
住宅街で出会う格調高き味/「鮨 あらい」 店主 新井豊さん
所在地:東京都世田谷区粕谷4-19-8 ハスミビル1F
電話番号:03-5313-7423
営業時間:17:00~23:00
定休日:水曜日