大正期から続く小・中・高一貫女子校

子どもたちが一歩でも夢に近づけるように
伝統と共に歩み続ける「国府台女子学院」/学校法人平田学園 国府台女子学院 平田史郎先生

学校法人平田学園 国府台女子学院
学院長 平田史郎先生

子どもたちが一歩でも夢に近づけるように
伝統と共に歩み続ける「国府台女子学院」

約90年前の創立以来、仏教の精神をもとにした小・中・高一貫の女子教育を行い、多くの卒業生を輩出してきた「国府台女子学院」。「智慧」と「慈悲」を教育理念に掲げ、礼儀正しい謙虚な姿勢と、時代に見合った高い教養、深い情操をともに身に付けることを重視しており、エリア屈指の進学校としても知られている。

校舎は2011(平成23)年から全面的に建て替えが行われ、近代的で広々とした、美しい校舎に生まれ変わった。女子校の数が減りつつある昨今、なぜ「国府台女子学院」は高い支持を得つづけているのか。その秘密を、学院長の平田史郎先生にお話を伺った。

2015(平成27)年で創立90周年ということですが、学院の沿革についてお聞かせください。

国府台女子学院(小・中・高)
国府台女子学院(小・中・高)

本学院は1926(大正15)年の大正最後の年に創立されました。仏教系の学院なっているのは、私の祖父が山口県の寺の出身であったことに遡ります。祖父は長男ではなかったので、寺は継がずに、当時の文部省に勤めていました。そこでたまたま、千葉県の「女子師範学校(千葉大学教育学部の前身)」の校長に補されて、千葉県のこの地との縁ができたということです。

「女子師範学校」は女性教員の養成機関になるわけですが、祖父が実際に女子教育の立場に立って気がついたのは、やはり、女子教育の立ち遅れという部分だったようです。当時はまだ、男は仕事をして、女は家で家事をするという風潮が強かった時代でした。

国府台女子学院(小・中・高) 平田史郎先生 インタビュー
国府台女子学院(小・中・高) 平田史郎先生 インタビュー

祖父は、「何とか新しい女子教育をしていかないと、今後の日本に発展は無い」と考えました。しかし、文部省の仕事の範疇では理想とする女子教育ができなかったので、一念発起をして、新しい学校を建てることにした、それが1926(大正15)年のことです。

昭和に入りますと暗い時代が続き、祖父もいろいろと苦労したようですが、戦中でも英語教育を最後まで行っており、外国語教育には特に熱心な学校だったようです。戦後になりますと、学制改革と私立学校法の制定などに伴って、「学校法人平田学園」が経営する「国府台女子学院中等部・高等部」となりました。小学部が開設されたのは、1960(昭和35)年からのことです。

貴校では小中高一貫教育とし、12年間通してご指導されていますが、貴校ならではの指導方法について教えてください。

国府台女子学院 平田史郎先生 インタビュー
国府台女子学院 平田史郎先生 インタビュー

本学院は小・中・高の一貫校ですから、お預かりする生徒の学力の幅もとても広いのです。偏差値で例えるなら50未満の子どもから、70以上の子どもまでが在籍するので、現役で国公立や難関大合格に難無く合格する生徒も多い反面、入学できる志望校選択に苦労する生徒も存在するというのが現実です。

国府台女子学院(小・中・高)
国府台女子学院(小・中・高)

指導方法に関しましては、カリキュラム表を細かくし、多種多様な子どもたちの志望に対応できるようにしています。

現代は、女の子も進路が多様化しています。本校はほとんどが4年制大学進学志望ですが、その中にも国公立や難関私大、あるいは文系・理系、また医学・歯学・薬学などに照準を絞った生徒など受験パターンは多岐にわたります。そのため、すべてを網羅するカリキュラムが必要になってくるのですね。

中学では全員がひとつのカリキュラムに沿っていますが、高校では細かく分かれていくのですね。

国府台女子学院(小・中・高)
国府台女子学院(小・中・高)

そうですね、中学では基本的に全員が同じ内容を学びますが、高校への進学時には、普通科と英語科の大きく2つに分かれ、さらに、普通科の中で普通クラス、選抜クラス、美術・デザインコースの3つに分かれます。1年次ですでに、4つのコースに分かれるわけですね。

さらに2年次になりますと、普通科が進学理系、進学文系、選抜理系、選抜文系国公立、選抜文系私立コースの5つのコースに分かれて、自分の受験教科に合わせた、選択教科を主体とした勉強を進めていきます。それに加えて美術・デザインコース、英語科もありますから、合計7つの集団でカリキュラムを組んでいきます。

国府台女子学院(小・中・高) 平田史郎先生 インタビュー
国府台女子学院(小・中・高) 平田史郎先生 インタビュー

これは経営的な立場からすると効率的なことではないのですが、本学院のように幅広い生徒を預かっていて、すべての生徒に最適な力を付けてあげようと思うと、このぐらいの複雑さが必要になってきます。そうでないと、本当の「子どもたちの夢」が叶えられませんので、力を入れて取り組んでいます。

学業以外のさまざまな部活動、特別活動についても教えてください。

国府台女子学院(小・中・高) 平田史郎先生 インタビュー
国府台女子学院(小・中・高) 平田史郎先生 インタビュー

本校はクラブ活動を前面に出すという方針ではないので、特別に強い部活動等は無いのですが、個人的には、国民体育大会まで行った生徒もいますし、それぞれが頑張って取り組んでくれています。勉強と両立をさせたうえで、それぞれが好きな方面に伸びていってもらえれば良いですね。クラブ活動については、中等部と高等部が一緒に活動していまして、そこは一貫校ならではかと思います。

国府台女子学院 平田史郎先生 インタビュー
国府台女子学院 平田史郎先生 インタビュー

また、本学院独自の伝統として「専門部」というものがあります。これは、普通のクラブ活動とは別に、希望者が選択をして受ける講座となっています。1931(昭和6)年から続いているもので、茶道(高等部のみ)、華道、箏曲(琴)の3つに関しては、ずっと続いている伝統講座です。

「国府台女子学院」の強みについて教えてください。

国府台女子学院(小・中・高)
国府台女子学院(小・中・高)

本学院は小学校から入学すると、12年間ずっと女子だけという環境になるわけですが、これは今の時代非常に珍しいものになっているようです。小学校から女子校というのは、全国にも二十数校しか無いと言われており、千葉県については本学院だけです。

小学校から高校卒業までの12年間というのは、子どもが一番成長していく時期ですし、変わっていく時期かと思います。そこをひとつのポリシーで統一して育てていけるということは、やはり、一貫教育の一番の意味だと思います。

また、本学院が選ばれる理由としましては、「子どもの学力を伸ばしてくれる進学校」という点が評価されているかと思います。本学院は「面倒見の良い学校」という定評を頂いておりますが、中学受験の難易度ランキングでは、まだ中堅クラスの学校です。しかし、今春の卒業生の現役進学実績を見ていただけば分かるように、入学時の中学受験難易度ランキングで比較すればワンランク上だった中高一貫校と同等以上の成果をあげています。

国府台女子学院 平田史郎先生 インタビュー
国府台女子学院 平田史郎先生 インタビュー

女子校ならでは、という面では、「尊敬できるお姉さんが身近にいる」という点は大きな魅力かと思います。たとえば「美術デザインコース」の生徒の作品は、高2、高3ぐらいになると、プロも顔負けのレベルになるんです。実際に美術系の有名大学にも沢山の生徒が進学しています。そういった先輩の作品を、入学してすぐの生徒が見ると、とても驚いています。

国府台女子学院(小・中・高) 平田史郎先生 インタビュー
国府台女子学院(小・中・高) 平田史郎先生 インタビュー

でも、それはわずか5年、6年の年齢差なんですね。入学した子どもたちはきっと、「同じ女性で、5、6年頑張ればこうなれるんだ」ということを感じていると思います。「女性のお手本」となる人が身近にいるということは、とても励みになり、また良い環境にも繋がっていくのだと思います。

小学部と、中・高等部との交流活動も多いのでしょうか?

国府台女子学院(小・中・高)
国府台女子学院(小・中・高)

中・高は建物が同じで、クラブも一緒ですので、非常に交流があります。小学部と中・高ではあまり直接の交流はありませんが、文化祭など、いろいろな活動などを通じて、高校生がお姉さんぶりを発揮するという機会を持っています。

国府台女子学院 平田史郎先生 インタビュー
国府台女子学院 平田史郎先生 インタビュー

本校の場合は、中学1年の段階で定員の3分の2ほどの新入生を迎えるわけですが、残り3分の1を占める小学部の出身者については、中・高に上がっても小学校で習った先生方とお付き合いもあったりするので、中高生が小学校の先生に頼まれて小学部の児童にお話に行ったりすることがあるようです。

創立以来英語教育にも力を入れてきたということで、国際交流についても、いろいろな取り組みをされているそうですね。

学校法人平田学園 国府台女子学院 平田史郎先生 インタビュー
学校法人平田学園 国府台女子学院 平田史郎先生 インタビュー

語学教育に関しては、昔から強い志向をもった学校になっているかと思います。1984(昭和59)年、首都圏で最初に独立したキャンパスの英語科高等学校(現在は本部校舎に集約)を開設したのも本校でした。もう30年以上も前のことですが、当時から2クラス全員が、必修で2週間の海外語学研修に出かけるという先駆的な試みをしていて、その伝統は今もなお続いています。

学校法人平田学園 国府台女子学院 平田史郎先生 インタビュー
学校法人平田学園 国府台女子学院 平田史郎先生 インタビュー

今は中学2・3年生が主体になり、希望者は夏休みのアメリカ語学研修に参加できますし、高等部についても同様に英国での海外語学研修プログラムがあります。もちろん高等部の英語科については、従前同様全員が必修の海外研修に参加します。また、中学部では冬休みにタイやカンボジアを訪問し、孤児院やハンディキャップセンターに学用品や義捐金を届ける東南アジア異文化研修旅行と言うプログラムも実施されています。

新校舎となり、設備もとても充実していますね。学習環境として貴校ならではの設備について教えてください。

国府台女子学院(小・中・高)
国府台女子学院(小・中・高)

以前の校舎は耐震基準の理由で建て替えとなりましたが、この機会を「100年に一度のチャンスが、たまたま私の時に回ってきた」と捉えまして、何とか子どもたちが暮らしやすい、伸びやすい環境を作ろうということで、いろいろ工夫をしながら作っていきました。

国府台女子学院 平田史郎先生 インタビュー
国府台女子学院 平田史郎先生 インタビュー

まず、躯体の頑丈さが大きなポイントとなっていると思います。最新の耐震基準を25%も上回る設計で、万が一の時に備えています。また、校門から昇降口の間も広く取っていて、生徒たちが毎朝、楽しい気持ちで来られるような環境にしています。校舎内についても、2階以上は廊下に木をふんだんに使っていますし、温かみのある造りになっています。

また、私が個人的に最も留意したのは「ガラス張りの図書館」です。「図書館が学校の中心にある学校」にしたかったんですね。

国府台女子学院(小・中・高) 平田史郎先生 インタビュー
国府台女子学院(小・中・高) 平田史郎先生 インタビュー

と言いますのも、先進国の中で、日常的に読書をしない子どもの割合は日本が一番高いそうで、私はこれを由々しき事態だと思っています。そこで、生徒たちが登下校のたびに、必ず本を目にするような環境を作ろうと思い、玄関の正面にガラス越しに本が見える図書館を配置しました。実はこの図書館、中庭側にちょっと張り出しているので、上の階のどこから見ても、図書室が見える造りにもなっています。

学校法人平田学園 国府台女子学院 平田史郎先生 インタビュー
学校法人平田学園 国府台女子学院 平田史郎先生 インタビュー

図書の配置についても、図書館学の専門の方に監修をお願いし、従来の威圧的な、高い書架が並んでいる図書館ではなく、「書店のような図書館」を目指しました。手前側に易しい本があり、奥に行くほどに難しくなっていく配置になっています。書架も手前側を低く、奥側を高くして、入りやすい雰囲気にしています。本の並べ方についても、敢えて頭の高さをバラバラにするような配置にして、多様性を感じてもらえるようにしています。

国府台女子学院(小・中・高) 平田史郎先生 インタビュー
国府台女子学院(小・中・高) 平田史郎先生 インタビュー

ほかには、「大講堂」も自慢の施設のひとつですね。これは本来、礼拝施設となっている施設なのですが、裏のご本尊をカーテンで覆うと、立派な舞台ができますので、 色々な集会で活用しています。座席も設置されており、各種式典やイベントのほか、演劇、吹奏楽、管弦楽、ダンス部などの公演も「大講堂」で行ってい ます。

通学地域については、どのような内訳でしょうか。

国府台女子学院(小・中・高) 平田史郎先生 インタビュー
国府台女子学院(小・中・高) 平田史郎先生 インタビュー

現在、小中高と合わせて2千数十名の規模の学校となっておりますが、本校は駅から徒歩圏内にある学校ということもあって、通学圏はかなり広くなっております。中学部の例で見てみますと、市川市内の生徒が全体の4分の1、東京都内の生徒が4分の1、市内以外の千葉県内の生徒が約半分、埼玉や茨城の生徒が数名、という具合になっています。ほとんどの生徒が東京と千葉県内から通っていて、総武線と京成線の沿線が中心となっています。

最後に、市川真間エリアの子育て環境と、地域の魅力について教えてください。

市川は文教都市と言われている通り、昔から学校が多くある地域です。本校をはじめ、「和洋国府台女子中等校・高等学校」「昭和学院中学校・高等学校」「不二女子高等学校」「市川中学校・高等学校」「千葉商科大学付属高等学校」といった私立の学校が幾つもありまして、昔から落ち着いた雰囲気がある地域かと思います。

真間川沿いの桜並木をレポートします!
真間川沿いの桜並木をレポートします!

東京から電車に乗って来ると、江戸川を渡って市川に入った途端に、急に緑が多くなるのが分かるかと思います。江戸川の近くには、市川市の木にもなっているクロマツの木が沢山自生しておりますが、この風景は昔から変わらないもので、私の祖父も、こうした緑あふれる景色を見て、「この場所しか無い」と思ったそうです。

国府台女子学院(小・中・高) 平田史郎先生 インタビュー
国府台女子学院(小・中・高) 平田史郎先生 インタビュー

本学院の制服のグリーンもこの松の木をイメージしたものです。緑は一番心が落ち着く色ということもあり、緑が多いこの環境は、教育環境としては素晴らしい場所かと思います。

もちろん都内への交通の便、羽田や成田への便なども良いですから、住みやすく、子育てもしやすく、バランスの良い街ですね。そうでなければ、戦後にこんなに学校ができるはずもありません。やはりこれは、地域に子育て環境、教育環境としての適性があったということなのでしょう。

国府台女子学院(小・中・高)
国府台女子学院(小・中・高)

今回、話を聞いた人

学校法人平田学園 国府台女子学院

学院長 平田史郎先生

国府台女子学院
所在地:千葉県市川市菅野3-24-1
電話番号:047-322-7777
URL:http://www.konodai-gs.ac.jp/

※この情報は2015(平成27)年3月時点のものです。

子どもたちが一歩でも夢に近づけるように
伝統と共に歩み続ける「国府台女子学院」/学校法人平田学園 国府台女子学院 平田史郎先生

所在地:千葉県市川市菅野3-24-1 
電話番号:047-322-5644(小学部)、047-322-7770(中学部)、047-326-8100(高等部)
http://www.konodai-gs.ac.jp/