人々に選ばれる都心の整備を進め、東神奈川の街がさらに住みやすくなるように/横浜市役所都市整備局都心再生課 吉田和重さん


横浜市役所都市整備局都心再生課
吉田 和重様

人々に選ばれる都心の整備を進め、
東神奈川の街がさらに住みやすくなるように。

2015(平成27)に策定された「横浜市都心臨海部再生マスタープラン」。横浜市都心臨海部を5つに分け各地域の特徴を活かしたまちづくりが進められている。この5つの地域のうちひとつで、東白楽エリアに隣接しているのが東神奈川エリアだ。今回は「横浜市都心臨海部再生マスタープラン」の概要と、「東神奈川」駅周辺の開発の展望について、担当の吉田和重様にお話を伺った。

「横浜市都心臨海部再生マスタープラン」の概要についてお教えください

横浜市都心臨海部再生マスタープラン
横浜市都心臨海部再生マスタープラン

このプランは2015(平成27)年の2月に策定されたもので、横浜の都心臨海部の再開発や基盤整備等について、2050年までの実現を目標として方策をまとめたものになります。過去の都市開発は成長・拡大路線を元にしたものが中心でしたが、これから人口減少・高齢化社会を迎えるにあたって、その舵を大きく切り直しています。国内外問わず「人々に選ばれる都心」となるべく、さまざまな世代の方に暮らしやすい都心作り、そして多様なビジネスに対応していける環境整備を目指しています。

横浜市都心臨海部再生マスタープラン
横浜市都心臨海部再生マスタープラン

具体的には、横浜市都心臨海部を5つに分け、「横浜駅周辺地区=商業や中枢業務」、「みなとみらい21地区=観光・エンターテイメント・文化」、「関内・関外地区=観光・文化・居住」、「山下ふ頭周辺地区=エンターテイメント・スポーツ」、「東神奈川臨海部周辺地区=居住・研究・教育および福祉・医療・健康」のように各地区で重点を置くべきポイントを分けています。加えて、水上交通も含めてこの5地区の交流の利便性を図り、横浜市都心臨海部の一体的なまちづくりを進めていきます。 元々、この都心臨海部は港町として発展し、魅力的な水辺空間を有しています。この港としての機能を高めるとともに、海港の景色自体も今後も観光地としてさらに発展させていくこともマスタープランの目標のひとつです。

その中の、「東神奈川臨海部周辺地区」の位置づけについてお教えください

「東神奈川臨海部周辺地区」としては、先ほども申しましたように「居住・研究・教育および福祉・医療・健康」としての機能強化を図り、生活区としての利便性向上をめざしています。この地区は元々JRや私鉄など交通インフラの利便性が高く、横浜駅方面はもちろん東京方面へも非常にアクセスしやすい地区です。交通利便性の高い街として有名な街はいくつかありますが、ここ「東神奈川臨海部周辺地区」においても、さらに生活環境を整えることで、さまざまな方が暮らしやすいまちづくりを目指しています。

東神奈川周辺で現在進行中・もしくは今後開始予定の事業についてお教えください

現在進行しているものとしては、「東神奈川」駅東口の再開発があります。すでに平成14年・16年および平成21年と段階的に東口周辺の再開発が進んでおり、エリア内のほとんどで商業施設・都市型住宅・公共公益施設等の建築が完了しており、残る地区についても住民の方々との調整が進んでいるところです。また、「東神奈川」駅の南東側、コットンハーバー地区に隣接する「東高島」駅北地区の再整備についても計画が進められています。この地区は地権者の方々がすでに再整備に向けた準備組合を作られていますので、

共に話し合いを進めながら、どのような施設を導入するかなど「きちんと地域のためになる」まちづくりを検討しています。

これらの開発により、東神奈川周辺は将来どのような街になっていくのでしょうか。 また、どのような街になっていくことに期待していますか

たとえば先ほどの「東高島」駅北地区の再整備に関しては、健康・医療・福祉総合ゾーンの設置が検討されています。これも組合側からのアイデアなのですが、住民ひとりひとりの健康管理に関して、街を挙げて取り組むことはできないかという話があがりました。最近は個人の健康データを管理するウェアラブル端末なども出ていますから、そういった技術を活用しながら、いわゆる「未病」の促進や高齢者の健康管理などを地域として行っていければと考えています。東神奈川にはすでに商業施設や住宅施設が充実しつつあり、その意味では十分に暮らしやすい街ですが、さらにそういった地域ぐるみでの健康促進活動が実現すれば地域としても特色が出ます。交通の便が良く働き盛りの方々が住みたくなる街、そして今後増えて行くであろう高齢者の方々にとっても、暮らしやすさのひとつのポイントになればと思います。

住民は、この計画に何かしらの方法で参加することは可能でしょうか

都市計画の手続き段階では素案の説明会を行ったり、意見書の受付を行ったりしています。また地域の方々への案内・広報はしっかり行うようにしています。やはり住民の方々の意見は重要ですから、横浜市としては素案の説明会にもなるべく多くの方が参加しやすいように、平日の夜や休日の午前中などに実施しています。

最後に、東神奈川エリアの魅力について教えて頂けますでしょうか

東神奈川エリアについては、交通利便性の高さが大きな魅力です。「横浜」駅からもほど近く、休日に三浦半島へ出かけるのにも便利で、横浜市都心臨海部エリアにおいて、職住近接が実現できる地区といえるでしょう。もちろん、東京方面へのアクセスも便利です。また、元々近隣には横浜市の中央卸売市場もありますので、今後は地域と連携してマルシェを開催するなど、安心・安全な食をもっと身近に手に入れられる環境にしていけたらと思っています。それでいて、とくに六角橋方面には昔からの商店街なども残っており、下町的な雰囲気も身近に味わうことができます。新しい街としての生活環境の充実と下町風情、そして海辺の開放感を贅沢に楽しめることが、東神奈川エリアの良さではないでしょうか。

今回、話を聞いた人

横浜市役所都市整備局都心再生課
吉田和重さん

「横浜市都心臨海部再生マスタープラン」URL:http://www.city.yokohama.lg.jp/toshi/kikaku/toshinmp/

※記事内容は2015(平成27)年7月時点の情報です。