朝霞市立朝霞第八小学校 校長 鈴木先生 インタビュー

「八枚の羽根」のように、地域の人々が手を取り合い支える「朝霞市立朝霞第八小学校」


朝霞市の運動公園の東側にある「朝霞市立朝霞第八小学校」。児童数1,000名を超えるという、市内一のマンモス校であり、今も毎年児童数が増え続けているというこの小学校は、進学先となる朝霞市立第四中学校が隣接した、朝霞市随一の文教エリアの真ん中にある。
閑静な環境に囲まれて、日々のびのびと、元気に学ぶ朝霞八小の子どもたち。その笑顔を支えているのは、保護者はもちろん、地域の人々も含む大人たちのコミュニティによる、学校に対する多大なる支援体制にある。今回は学校の特徴から、地域や保護者との連携、地域の魅力などについて、校長の鈴木 聰(さとし)先生にお話をうかがった。

成長を続ける、市内一の大規模校

朝霞市立朝霞第八小学校
朝霞市立朝霞第八小学校

――まず、学校の沿革と概要について教えてください。

鈴木先生:本校は開校が1976(昭和51)年4月で、本年で42年目を迎える小学校です。児童数は2017(平成29)年9月1日現在で1,060名。市内ではいちばん児童数の多い小学校となっていますし、県内で見ても、かなり大きな小学校かと思います。

朝霞市立朝霞第八小学校 鈴木校長先生
朝霞市立朝霞第八小学校 鈴木校長先生

近年の児童数の推移については、毎年平均して60人ずつくらい増えていまして、今後も同じように増加していき、将来的には1,300人くらいまで増加することを見込まれています。これからまだまだ、大きくなる学校です。

特徴の一つとしては、「しいの木」が本校のシンボルツリーとして校内に何本か植えられているので、いろいろなものに「しいのき」という言葉がついています。また、校章は「八枚の羽根」をかたどり、「地域や保護者の方々とも支え合いながら、教育活動を行っていきたい」という願いが込められています。

朝霞市立朝霞第八小学校 校庭
朝霞市立朝霞第八小学校 校庭

――教育目標について教えてください。

鈴木先生:教育目標には、「かしこく、やさしく、たくましく」というキャッチフレーズを掲げております。子どもたちが、知・徳・体のバランスのとれた教育を受けられ、それに見合った力を付けられるように、ということで、日々教育にあたっているところです。

最近の実践としては、本年度は国語科を中心に研究を進めていますし、「レガシー創出事業」ということで、オリンピック・パラリンピック教育に関しても取り組みを始めたところです。

朝霞市立朝霞第八小学校 教育目標
朝霞市立朝霞第八小学校 教育目標

――学校施設の特徴を教えてください。

鈴木先生:二つありまして、まず一つは、「しいの木ルーム」という大きめの教室がある点です。そこはイベントに使ったり、集会に使ったりと、教室だけでは難しい、いろいろな活動をするような場面で活用しております。

もう一つは、地域との連携に関係する部屋として「八枚の羽根ルーム」がありまして、こちらは主に、学校応援団さんに使っていただいています。この二つが、設備の面では特徴的な点かと思います。

また、本年度からは給食の自校化に向けて動き始めておりまして、3年後を目処に、センター給食から自校給食に切り替える見込みです。自校給食室を新たに作るにあたって、合わせて教室を増設する計画ですので、今後、児童数が増えても十分に対応できるかと思います。

「しいのみまつり」や「八枚のはね」で地域と繋がり広がる輪

朝霞市立朝霞第八小学校 しいの木ルーム
朝霞市立朝霞第八小学校 しいの木ルーム

――学校行事や地域との交流行事について、特徴的なものを教えてください。

鈴木先生:まず、「しいのみまつり」というものを児童会が主催で毎年10月に実施しています。この時には2年生から6年生が各学級単位で、創意工夫を凝らしたいろいろなお店を出し、子どもたち同士が学年を超えて交流します。保護者の方も参加してくださるので、一緒に楽しんでもらっています。

これとは別に「ふれあいまつり」というものも10月の土曜日に行っています。こちらは朝霞市が行っている地域連携の一環で、「朝霞市立朝霞第四中学校」と本校、さらに地域の自治会の方にも協力していただいて開催しているイベントです。昨年度は3,000名を超える来校者があり、地域からも期待されている大きなイベントになります。

朝霞市立朝霞第八小学校 廊下
朝霞市立朝霞第八小学校 廊下

――地域の方や保護者の方が、「学校応援団」としてさまざまなサポートをしてくださっているそうですね。地域や保護者との連携、協力体制について、詳しく教えてください。

鈴木先生:学校応援団については、本校では「八枚のはね」という名称で、地域の方、保護者の方を含めた団体を作り、いろいろな面でご協力していただいています。主に生活科や総合的な学習の時間などの学習支援、読み聞かせといった形で関わっていただいています。

校内には先ほどご紹介した「八枚のはねルーム」があるので、そこで昔あそびを一緒に楽しんだり、いろいろな交流をしたりしています。参加しているのは低学年の子が主ですが、地域の保育園の子どもたちも、その時間になると遊びに来て、一緒に交流する、といったこともしています。そのほか、地域の方で作る「グランパ」というボランティア組織の方にもご協力をいただいて、読み聞かせをしていただいたりしています。

もうひとつ、保護者の協力という点では、保護者会のサークル的な組織として「103(とうさん)の会」というものがありまして、これは他校で言う「オヤジの会」ですが、こちらでもいろいろなイベントを開いてくださっていまして、地域との交流のひとつの核になっています。「103の会」については、イベント以外にも学校の施設修繕であったり、学校行事のお手伝いをしていただいたりと、いろいろな場面で学校運営にご協力をいただいています。

その他、登下校時の子どもの見守りに関しましても、保護者会を中心にして、地域の見守りの方々に応援をいただいていまして、非常にありがたく思っています。

朝霞市立朝霞第八小学校 八枚の羽根
朝霞市立朝霞第八小学校 八枚の羽根

――「八枚の羽根」のモチーフは、校章にも使われるなど、学校のシンボルになっているようですね。これはなぜでしょうか?

鈴木先生:開校した時に、まず、風車をイメージして校章を考えたそうなんですね。それが、第八小学校ということですから、8枚を組み合わせた、ということです。そこには、子どもたち同士の協力であるとか、地域の協力であるとか、そういった願いも込められている、と聞いています。

「子どものやる気を引き出す」ための様々な連携

――小中連携について、現在取り組みをされている事例を教えてください。

鈴木先生:本校はお隣の「朝霞市立第四中学校」と連携をしていますが、卒業した子どもの多くがこちらに進学しますので、そういった意味でも「兄弟校」のようなものです。

具体的な連携事業としては、職員の研修等も相互に行き来をしながら行っていますし、出前授業ということで、中学校の先生に来ていただいたりもしています。先ほどご紹介した「ふれあい祭り」では一緒に開催もしておりますし、朝のあいさつ運動などの児童会・生徒会活動についても、連携しながら取り組みを行っているところです。

今後についても、やはり、小中一貫はというのは今後の大きな課題になってくると思っていますので、より連携を深めていければと考えています。

朝霞市立朝霞第八小学校 折り紙作品
朝霞市立朝霞第八小学校 折り紙作品

――ふだんの学校生活の中で、先生方が心がけていることは何でしょうか?

鈴木先生:「子どものやる気を引き出す」ということでしょうか。やはり、そこは私もつねに意識をして、職員にもよく話をしているところですし、集会などの時に、直接子どもたちにも呼びかけています。今年度は「Having a go」という言葉を掲げています。「とにかく、やってみよう」という意味がありまして、とにかく、子どもたちのやる気を引き出すように、そこを一番心がけて、日々の教育にあたっています。

――「やる気を引き出す」ための実践例をご紹介ください。

鈴木先生:たとえば今年度は、小さな看板を出したり、朝礼の時に私からいろいろな呼びかけをしたり、子どもたりに「こんなことをやったよ」といったことを、校長室の前に置いてあるポストに投函してもらって、それに対して私から返事を出して、さらにやる気を出してもらえるように応援したり、といったことをしています。

朝霞市立朝霞第八小学校 ポスト
朝霞市立朝霞第八小学校 ポスト

充実した環境を活かし、街全体が教育の場に

――最後に、学校の周辺エリアの魅力についてお聞かせください。

鈴木先生:この周辺については、若い世代の方々と、以前からいらっしゃる地域の方が両方混在していて、かつ、非常によく融和されている地域だと感じています。そういった地域を母体にして、学校への支援もいろいろとしていただいている、という地域でもあります。

生活するうえでのメリットは、やはり、利便性の良さでしょうか。「朝霞」駅に近く、いろいろな交通手段も、お店なども、利用しやすい場所だと思います。ほかの多くの自治体では子どもたちの数が減ってきていると聞きますが、本校の学区ではまだまだ増える傾向が続いておりまして、その背景には、「生活のしやすさ」もあるかと思います。

教育環境としても、図書館、中央公民館、陸上競技場などの社会教育施設に近接している点は魅力だと思います。近ければ気軽に利用できますし、授業の中でも、図書館さんと連携させていただいたり、中央公民館にプラネタリムを観に行ったり、社会科の勉強の中で、施設の見学に行かせていただいたりと、いろいろな場面で活用をしています。陸上競技場については、持久走大会の会場としても使っています。

朝霞市立朝霞第八小学校 校庭
朝霞市立朝霞第八小学校 校庭

――最後に、これから朝霞に暮らしたいという方に向けて、メッセージをお願いします!

鈴木先生:本校は保護者、地域の方々がつながる、そのひとつの核になるような学校を目指しています。三位一体となって、一緒に子どもたちの教育に取り組んでいく、そんな環境を作っていきましょう。

朝霞市立朝霞第八小学校 鈴木校長先生
朝霞市立朝霞第八小学校 鈴木校長先生

朝霞市立朝霞第八小学校

校長 鈴木 聰(さとし) 先生
所在地:埼玉県朝霞市栄町5-1-41
電話番号: 048-465-8381
URL:http://www.asakadai8shou.city-asaka.ed.jp/
※この情報は2017(平成29)年9月時点のものです。

「八枚の羽根」のように、地域の人々が手を取り合い支える「朝霞市立朝霞第八小学校」
所在地:埼玉県朝霞市栄町5-1-41 
電話番号:048-465-8381
http://www.asakadai8shou.city-asaka.ed.j..