地域の優しさに触れ、互いを思いやり進んで活動ができる環境/横浜市立日限山小学校 椎名哲也校長先生


日限山地区は、緑豊かで閑静な住宅街が広がるエリア。「横浜市立日限山小学校」は日限山地区の住宅開発に伴い開校した小学校で、地域と歴史を共にし、連携した様々な取り組みがなされている。同校を訪れ、椎名哲也校長先生に学校の特色や日限山エリアの魅力について話を伺った。

「横浜市立日限山小学校」
「横浜市立日限山小学校」

豊かな教育の実現を目指す、地域に愛される学校

――学校の歴史や教育内容の特色を教えてください。

「横浜市立日限山小学校」は、1974(昭和49)年9月に「横浜市立東戸塚小学校」と「横浜市立永野小学校」、「横浜市立柏尾小学校」を親校として独立開校しました。全校生徒数は現在、1年生から6年生まで個別支援学級を含めて20クラス504名になります。
「日限山小学校」の校章は、“地域にある日限山小学校”をイメージしてデザインしたもので,山・緑が多いことをグラフィックして明るくてモダンなイメージで作成しているのが特徴です。互いを思いやり、認め合い、進んで活動ができるようにと、「力を合わせ 笑顔が光る 日限の子」を学校教育目標としています。
また本校はPTA活動が盛んな学校で、地域ボランティアや保護者のみなさんの協力のもと、子どもたちは最高の環境で思いきり学習に励むことができています。今後も子どもたちの学校生活の安全に配慮しながら、より良い教育環境整備に努めていきたいと思います。

地域が一体となってつくる子どもたちの学習環境

――「横浜市立日限山中学校」との小中一貫教育を行っているそうですね。

はい。小中学校間の連携を深めることにより、義務教育9年間の学習指導と生活指導の円滑な接続が図れるよう、日限山中学校ブロック(日限山中学校、日限山小学校、南舞岡小学校)を基本として小中一貫教育を推進しています。また、本校では9年間の学びの連続性を意識すると共に、小中の連携だけではなくお隣の「南舞岡小学校」との“小小連携”も強化しています。両校ともに「日限山中学校」に進学しますので、良いところは積極的に共有し地域全体で子どもたちを育てていこうと考えています。お互いの学校の授業を見学し合うといった業務連携以外にも、国土交通省が推進する「景観まちづくり学習」についても連携をしています。本校では「景観まちづくり学習」を行っていますが、この学習は街の魅力を再発見する素晴らしい機会ですので「南舞岡小学校」にもこの学習を推奨いたしました。現在では両小学校でこの学習に取り組み、地域の方々と共により良い街づくりのために活動しています。

「景観まちづくり学習」の様子
「景観まちづくり学習」の様子

また、本校では「舞岡公園」で田んぼ体験を毎年行っていますが、こちらは「南舞岡小学校」からのご紹介で始まった“小小連携”による活動になります。

“小中連携”につきましても、本校の6年生が中学校の授業や運動会に体験参加して交流を深めたり、授業理解の充実を図ったりと「たてわり活動」を積極的に行っていまして、中学校生活へのスムーズな移行、中1ギャップの解消等に繋がっています。その他にも、近くにある「舞岡高校」の卓球部の生徒さんが本校の個別支援学級の生徒さんに夏休みに卓球を教えに来てくれたり、「明治学院大学」の生徒さんが「舞岡公園」の田んぼ体験に参加・協力してくれるなど、小中一貫という枠を超えて地域全体が一貫となって子どもたちを育ててくれている教育環境になっています。子どもたちは地域のお兄さんお姉さん達と一緒に活動することができて、とても嬉しそうで生き生きとしています。

各学年の行事の様子
各学年の行事の様子

驚きや発見の連続の田んぼ体験。収穫の後は試食も

――「舞岡公園」での田んぼ体験について教えて下さい。

「舞岡公園」の田んぼ体験では、田んぼに入る経験のない子どもたちに農業への関心を高めてもらう為に、「田起こし、くだき」「代かき」「苗取り、田植え」など、お米作りの工程全12回を5年生が中心に完全無農薬・手作業でお米作りを体験しています。地域の農家の方や保護者の協力のもと毎年実施していまして、参加した子どもたちは、「足元がドロドロしていて動くのが大変だったけど、苗が育つのが楽しみ」、「農家の人たちの大変さがわかった。これからは食べ物を残さず食べるようにしたい」など普段することができない体験から多くの事を学びます。子どもたちが秋に収穫したお米は、みんなで餅つきをしていただきますので、とても良い思い出にもなり、驚きや感動でいっぱいの様子です。今後は苗を頂くだけではなく発芽させるところから体験する、5年生だけではなく他の学年でも田んぼ体験をするなど、さらに子どもたちにとって良い学習・体験になるよう検討していきたいと思います。

「舞岡公園」での田んぼ体験の様子
「舞岡公園」での田んぼ体験の様子

学校と地域がつくる安心・安全で温かみのある学習環境

――「学援隊」や「教育ボランティア」の活動はどのようなものでしょうか。保護者や地域との交流についても教えてください。

「学援隊」は保護者や地域住民のみなさんによるボランティア団体で、校門や校舎の施錠管理、来校者の受付対応、校内パトロールなど学校の安全管理をサポートする活動や、登下校時に通学路での児童生徒安全見守り活動などを行ってくださっています。本校は通学区域が南北に広く、遠くから通学する生徒も多いため、スクールゾーンや交差点などの各ポイントに「学援隊」のみなさんが立ってくださっているのは本当に心強いことです。そのほか、夜8時頃になると校内の警備や街中で遊んでいる子がいないかなど、防犯パトロールをしていただいたり、先ほどお話いたしました「景観まちづくり学習」では、「学援隊」のみなさんに子どもたちと一緒になって街を歩っていただくなど、学習協力もいただいています。
さらに今年度から街に花を植えて日限山地区をもっと魅力あふれる街にしよう、という取り組みを「学援隊」のみなさん、地域の方々と行っていまして、この活動を通して日限山地区をより素敵な街にできたら良いと思います。

「教育ボランティア」は、より豊かな教育活動を目指す為に保護者や地域の方にお願いしているボランティア活動でして、図書室整理や読み聞かせ、クラブ活動、生け花、教科の中での体験的活動などで皆様にご支援をいただいています。本校の玄関口にはいつも生け花が飾られているのですが、このお花も「教育ボランティア」の方が子どもたちの為に…、と季節ごとに欠かさずお花を生けてくださっているものです。本校は「学援隊」や「教育ボランティア」のみなさん、地域の方々のご協力があって子どもたちは安心して学習することができています。大変感謝いたしております。

教育ボランティアの方が活けた花
教育ボランティアの方が活けた花

みんなで街づくりに参加できる温かい街

――最後に、日限山地域の魅力をお聞かせください。

日限山地域は、緑が多く、自然豊かな閑静な住宅街です。アクセス面は、横浜市営地下鉄「上永谷」駅も近くにありますし、買い物環境が充実している「戸塚」駅行きのバスが多く出ていますので、通勤・通学やショッピングにもとても便利です。このエリアは「日限山公園」や「丸山公園」など港南区の中でも比較的大きな公園があり、子どもたちの遊び場もしっかりと確保されているのも特徴です。街の雰囲気は、小学校と中学校、地域との連携が取れていて、「みんなで街づくりをしていこう!」という意識が高く一体感があり、住みやすい環境だと思います。街全体が子どもを育てよう、安全を確保して守ろうという温かい雰囲気がありますので、子どもたちは安心して学習に励むことができると思います。

日限山公園
日限山公園

横浜市立日限山小学校
横浜市立日限山小学校

横浜市立日限山小学校

校長 椎名 哲也先生
所在地:横浜市港南区日限山2-16-1
URL:http://www.edu.city.yokohama.lg.jp/school/es/higiriyama/
※この情報は2017(平成29)年10月時点のものです。

地域の優しさに触れ、互いを思いやり進んで活動ができる環境/横浜市立日限山小学校 椎名哲也校長先生
所在地:神奈川県横浜市港南区日限山2-16-1 
電話番号:045-841-6561
http://www.edu.city.yokohama.lg.jp/schoo..